Cosminexus アプリケーションサーバ V8 システム構築・運用ガイド
J2EEアプリケーションを実行するシステムでは次に示す運用作業を実施できます。
これらの作業を実行するには,主に次の手段を使用します。
ここでは,運用作業ごとに,アプリケーションサーバで推奨する手段について説明しています。ここで説明している手段以外で運用したい場合は,「付録E 代替手段で実行できる運用作業」を参照してください。
システムの起動と停止で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-1 システムの起動と停止で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照先マニュアル | 参照個所 | 手段 | |||
| サービスユニットを一括起動します。 | 不要 | − | コマンド編 | cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始) | Smart Composer機能のコマンド(cmx_start_target) |
| サービスユニットを一括停止します。 | 不要 | − | コマンド編 | cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止) | Smart Composer機能のコマンド(cmx_stop_target) |
| クラスタソフトウェアを使用したシステムを起動・停止します。 | 必要 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 18章 | アプリケーションサーバのコマンド,クラスタソフトウェアの機能 |
システムの運用監視で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-2 システムの運用監視で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照先マニュアル | 参照個所 | 手段 | |||
| サービスユニットのステータス,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバを確認します。 | 不要 | − | コマンド編 | cmx_list_status(サービスユニット状況の表示) | Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_status) |
| 論理サーバのステータスを確認します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 2.5.2 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) |
| Webシステム内のサービスユニットの構成,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバの一覧を確認します。 | 不要 | − | コマンド編 | cmx_list_model(Webシステムの情報モデルの取得) | Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_model) |
| 稼働情報ファイルを参照して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。 | 省略可 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 3章 | − |
| 運用管理コマンドを使用して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 8章 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) |
| リソースの使用率や使用数を監視して,しきい値を超えた場合に原因を調査します。 | 省略可 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 4章 | − |
| 稼働情報ファイルに出力される稼働情報,またはリソースの枯渇状況に応じてメッセージが出力された場合の処理を自動化します(Managementアクション)。 | 必要 | 6.1.2(3),8.13.2,運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 9章 | − |
| CTMの稼働統計情報を出力します。※ | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 10章 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) |
| トランザクションの状態を確認します。 | 不要 | − | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.15.9 | サーバ管理コマンド(cjlisttrn) |
注※ CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3 構成ソフトウェア」を参照してください。
システムの処理性能解析で実行できる作業について,次の表に示します。
表9-3 システムの処理性能解析で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照先マニュアル | 参照個所 | 手段 | |||
| 性能解析トレースファイルを収集します。 | 不要 | − | 保守/移行/互換編 | 6.3 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) |
| 収集した性能解析トレースファイルを利用してシステムの処理性能を解析します。 | 不要 | − | 保守/移行/互換編 | 6.6 | − |
J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-4 J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 参照先マニュアル | 参照個所 | 手段 | ||||
| Webアプリケーションの稼働状況を確認します。 | 不要 | − | 基本・開発編(Webコンテナ) | 2.19.2 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) | |
| アクセス状況に応じて,Webアプリケーションの同時実行スレッド数を動的に変更します。 | 不要 | − | 基本・開発編(Webコンテナ) | 2.19.2 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) | |
| CTMのスケジュールキューの稼働状況を確認して,同時実行数を動的に変更します。※1 | 不要 | − | 拡張編 | 3.6.3 | 確認:運用管理コマンド(mngsvrutil) | |
| 3.6.4 | 確認と変更:CTMのコマンド(ctmlsque,ctmchpara) | |||||
| J2EEアプリケーションの実行状態を確認して,J2EEアプリケーションでタイムアウトが発生したリクエストをキャンセルします(J2EEアプリケーションの実行時間監視機能)。 | 必要 | 6.1.2(3),8.13.2,運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 5.3.11 | 確認:サーバ管理コマンド(cjlistthread) | |
| 5.3.12 | キャンセル:サーバ管理コマンド(cjstopthread) | |||||
| J2EEアプリケーションを通常開始します。 | 不要 | − | コマンド編 | cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始) | サーバ管理コマンド(cjstartapp) | |
| J2EEアプリケーションを通常停止します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 5.5.7 | サーバ管理コマンド(cjstopapp) | |
| J2EEアプリケーションを強制停止します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 5.5.7 | サーバ管理コマンド(cjstopapp) | |
| 負荷分散機を使用してサービスを閉塞します。※2 | − | − | 運用/監視/連携編 | 5.4.3 | 負荷分散機の機能 | |
| CTMを利用してサービスを閉塞します。※1 | 不要 | − | 拡張編 | 3.7.3 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) | |
| J2EEアプリケーションを入れ替えます。 | リデプロイによる入れ替え | 省略可 | 運用/監視/連携編 | このマニュアル | 9.4.2(1) | サーバ管理コマンド(cjreplaceapp) |
| 運用/監視/連携編 | 5.6.3 | |||||
| 通常の入れ替え | 不要 | − | このマニュアル | 9.4.2(2) | サーバ管理コマンド(cjstopapp,cjimportapp) | |
| 運用/監視/連携編 | 5.6.3 | |||||
| リロードによる入れ替え | 必要 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 5.6.3 | サーバ管理コマンド(cjreloadapp) | |
| JSPを事前にコンパイルしてから,J2EEアプリケーションを入れ替えます。 | 省略可/不要 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 5.6.3 | cjjspcコマンド | |
| J2EEアプリケーションの名称を変更します。 | 不要 | − | − | − | サーバ管理コマンド(cjrenameapp) | |
| CTMを利用して,オンライン状態でJ2EEアプリケーションを入れ替えます。※1 | 不要 | − | 拡張編 | 3.7.2 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) | |
| J2EEアプリケーションを本番環境でテストしてから本番運用を開始します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 5.7 | サーバ管理コマンド(cjimportapp,cjstartapp) | |
| コネクションプールの情報を表示します。 | 不要 | − | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.15.4 | サーバ管理コマンド(cjlistpool) | |
| コネクションプールをクリアします。 | 不要 | − | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.15.5 | サーバ管理コマンド(cjclearpool) | |
| JavaBeansリソースを入れ替えます。 | 不要 | − | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.12.5 | サーバ管理コマンド(cjdeletejb,cjimportjb) | |
| クラスタ構成のデータベースをメンテナンスします。 | 不要 | − | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.17.4 | サーバ管理コマンド(cjlistrar,cjsuspendpool,cjresumepool) | |
| リソースの接続テストをします。 | 必要 | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 基本・開発編(コンテナ共通機能) | 3.18 | サーバ管理コマンド(cjtestres) | |
注※1 CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。
注※2 負荷分散機をSmart Composer機能で管理していない場合に実行します。負荷分散機をSmart Composer機能で管理している場合は,cmx_stop_targetコマンドを使用してサービスを閉塞してください。cmx_stop_targetコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)」を参照してください。
監査ログを使用したシステムの監査,およびデータベース監査証跡と連携した運用で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-5 システムの監査で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照先マニュアル | 参照個所 | 手段 | |||
| 監査ログを出力して,管理します。 | 必要 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 6章 | − |
| 監査ログを収集して調査します。 | 必要 | 運用/監視/連携編 | 運用/監視/連携編 | 17章 | − |
| データベース監査証跡に出力された情報を基に,データベースにアクセスしたリクエストの情報を特定します。 | 不要 | − | 運用/監視/連携編 | 7章 | − |
システムの変更で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-6 システムの変更で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照先 | 手段 | ||||
| 設定変更 | システム全体の設定を一括で変更します。 | 不要 | − | 9.5 | − |
| 構成変更 | システムをスケールアウトします。 | 不要 | − | 9.6,9.8 | − |
| システムをスケールインします。 | 不要 | − | 9.7,9.8 | − | |
| 削除 | システムを削除します。 | 不要 | − | 9.11 | − |
システム環境の移行で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-7 システム環境の移行で実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | |
|---|---|---|---|---|
| 参照先 | 手段 | |||
| 構築済みのシステムの環境を移行します。 | 不要 | − | 9.9 | Smart Composer機能のコマンド(cmx_export_model) |
トラブルシューティングで実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。
表9-8 トラブルシューティングで実行できる作業
| 運用作業 | 運用前の設定の要否 | 運用前の設定方法の参照先 | 運用方法 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 参照マニュアル | 参照個所 | 手段 | |||
| トラブルシューティングに必要な資料を収集します。 | 必要/省略可 | 6.1.2(1),保守/移行/互換編 | 保守/移行/互換編 | 2.3 | 運用管理コマンド(mngsvrutil) |
| 論理サーバ(構成ソフトウェアのサーバプロセス)に異常が発生した場合の処理を自動化します。 | 省略可 | 保守/移行/互換編 | 保守/移行/互換編 | 2.2.2 | − |
| トラブルシューティングに必要な資料を調査します。 | 不要 | − | 保守/移行/互換編 | 5章 | − |
| 負荷分散機を閉塞して,Webシステムの部分メンテナンスをします。 | 不要 | − | このマニュアル | 9.4.1 | − |
All Rights Reserved. Copyright (C) 2008, 2011, Hitachi, Ltd.