Cosminexus アプリケーションサーバ V8 機能解説 保守/移行/互換編

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12.1.1 アプリケーションサーバの移行の概要

アプリケーションサーバの移行の概要について説明します。

<この項の構成>
(1) 移行のためのアップグレードインストール
(2) 移行時のJ2EEサーバの動作モード
(3) 移行時に引き継がれる情報
(4) 移行時のJ2EEアプリケーションの動作

(1) 移行のためのアップグレードインストール

旧バージョンからアプリケーションサーバ 08-70へ移行するためには,アップグレードインストールを行います。アップグレードインストールとは,インストール先のマシンに旧バージョンのアプリケーションサーバがインストール済みの場合のインストールです。

なお,アップグレードインストールの場合は,アプリケーションサーバのインストールディレクトリを旧バージョンのインストールディレクトリから変更できません。旧バージョンがインストールされているディレクトリに上書きインストールされます。

(2) 移行時のJ2EEサーバの動作モード

旧バージョンからアプリケーションサーバ 08-70へ移行する場合の,J2EEサーバの動作モードの対応を次の表に示します。

表12-1 移行時のJ2EEサーバの動作モードの対応

移行前の旧バージョンでのJ2EEサーバの動作モード 移行後のJ2EEサーバの動作モード
アドバンスドモード
スタンダードモード
1.4モード
ベーシックモード ベーシックモード

なお,ベーシックモードは,互換用のサーバの動作モードであり,1.4モードに比べて,使用できる機能に制限があります。J2EEサーバの動作モードとしては,1.4モードを使用することをお勧めします。

(3) 移行時に引き継がれる情報

アプリケーションサーバを旧バージョンから08-70に移行する場合,旧バージョンで使用されていた,<Cosminexusのインストールディレクトリ>以下に配置される定義情報,DD情報,構成情報などのユーザ資産は,移行コマンドなどで必要に応じて自動変換され,08-70で引き続き使用されます(一部,手動での定義修正が必要な場合もあります)。また,移行コマンドを実行すると,移行元バージョンから移行先バージョン間のすべてのバージョンごとに移行処理が実施されます。例えば,08-00から08-70へ移行する場合,08-00から08-50への移行,08-50から08-53への移行,08-53から08-70への移行というように処理が実施されます。

Cosminexus Component Containerで引き継がれる定義情報,DD情報,構成情報などを次の表に示します。他構成ソフトウェアについては,それぞれのドキュメントを参照してください。

表12-2 Cosminexus Component Containerで移行時に引き継がれる情報

機能 引き継がれる情報 ファイル名称,または格納場所
J2EEサーバ オプション定義ファイル usrconf.cfg
ユーザプロパティファイル usrconf.properties
セキュリティポリシーファイル server.policy
Webアプリケーションプロパティファイル hitachi_web.properties
作業ディレクトリ
  • 定義情報
  • アプリケーション
  • DD情報
  • ユーザ・パスワード情報
オプション定義ファイルで指定されているejb.public.directoryの値。デフォルトは,次のとおり。
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\public以下
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/server/public以下
バッチサーバ オプション定義ファイル usrconf.cfg
ユーザプロパティファイル usrconf.properties
セキュリティポリシーファイル server.policy
作業ディレクトリ
  • 定義情報
  • DD情報
  • ユーザ・パスワード情報
オプション定義ファイルで指定されているejb.public.directoryの値。デフォルトは,次のとおり。
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\public以下
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/server/public以下
サーバ管理コマンド オプション定義ファイル
  • Windowsの場合
    usrconf.bat
  • UNIXの場合
    usrconf
ユーザプロパティファイル usrconf.properties
Webサーバ連携 Hitachi Webサーバ用リダイレクタ動作定義ファイル mod_jk.conf
Microsoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル(Windowsだけのファイル) isapi_redirect.conf
Microsoft IIS用マッピング定義ファイル(Windowsだけのファイル) uriworkermap.properties
ワーカ定義ファイル workers.properties
Management Server 運用管理エージェントプロパティファイル adminagent.properties
運用管理エージェント設定ファイル adminagent.xml
別のファイル名称でバックアップされたあと,新規のファイルで上書きされます。
Management Serverの「論理サーバの起動/停止」で使用する環境変数を指定する機能を利用している場合,手動による定義修正が必要となります。
運用監視エージェント設定ファイル mngagent.<実サーバ名>.properties
Management Server環境設定ファイル mserver.properties
mngsvrutilコマンドのサーバ側定義ファイル mngsvrutil.properties
構成情報定義
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\config以下
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/config以下
Managementアクション実行用プロパティファイル maction.properties
Management Server用メッセージマッピングファイル mserver.jp1event.system.mapping.properties
J2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイル manager.jp1event.system.mapping.properties
J2EEサーバ個別用メッセージマッピングファイル manager.<論理サーバ名>.jp1event.system.mapping.properties
J2EEアプリケーションの登録ディレクトリのデフォルトパス
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\apps以下
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/apps以下
統合ユーザ管理 JAASのコンフィグレーションファイル jaas.conf
統合ユーザ管理のコンフィグレーションファイル ua.conf
カスタムログインモジュール格納用ディレクトリ
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\modules
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/modules
Smart Composer機能 サーバ設定プロパティファイル cmxserver.properties
負荷分散機定義プロパティファイル lb.properties

注※ Windows Server 2003の場合で,06-02以前のバージョンからアップグレードインストールしたときは,既存のMicrosoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイルはisapi_redirect.conf.backという名称でバックアップされます。


(4) 移行時のJ2EEアプリケーションの動作

アプリケーションサーバをアップグレードインストールする場合,または旧バージョンのJ2EEアプリケーションをインポートする場合には,次に示す処理で,自動的にJ2EEアプリケーションに含まれるEJBの再デプロイが実行されます。

J2EEアプリケーションにEJBが含まれている場合は,旧バージョンのアプリケーションサーバで同一の処理を実行したときと比べて性能が悪くなります。