HCSCサーバをHAクラスタ構成にする場合,実行環境(実行系・待機系),運用環境,DBサーバがそれぞれ別のマシン上にある構成となります。
HCSCサーバをHAクラスタ構成にした場合のシステムの構成を次の図に示します。
図2-7 HCSCサーバをHAクラスタ構成にした場合のシステムの構成
バージョン08-70以降で新規にセットアップした場合は,HCSC-Managerの環境をそれぞれの実行環境に格納できます。これによって,運用環境のサーバ台数を省略できます。
実行環境(実行系・待機系),運用環境,DBサーバの構築方法を次に示します。
実行環境を構築するには,実行系および待機系で次の作業を実施します。
uCosminexus Service Platformのインストール方法については,「2.1.2 uCosminexus Service Platformのインストール」を参照してください。
運用環境でHCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定を,HCSC-Managerの接続先となる実行環境で実施します。
Management Serverの設定については,「2.1.6 HCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定」を参照してください。
HCSCサーバをHAクラスタ構成にする場合,構成する実行環境および運用環境で利用するSOAPモードを合わせる必要があります。異なるSOAPモードの環境は共存できません。
SOAPモードを設定するには,J2EEサーバのコンテナ拡張ライブラリの設定が必要になります。J2EEサーバのコンテナ拡張ライブラリの設定については,「3.1.2(4)(e) コンテナ拡張ライブラリの設定」を参照してください。
HCSCサーバの構成などの実行環境に関する設定を行います。設定する内容と設定方法については,「2.3 実行環境に関する設定」を参照してください。
なお,実行環境に関する設定でHCSCサーバ構成定義ファイル,HCSCサーバセットアップ定義ファイル,およびHCSCサーバランタイム定義ファイルを設定する場合には,次に示す内容に留意してください。
表2-27 実行系と待機系で同じ値を設定するプロパティ
同じ値を指定するプロパティ | プロパティに設定する値 |
---|---|
db-use | データベースの使用有無 |
rm-use | Cosminexus RMの使用有無 |
request-ejb | 標準の同期受付(SessionBean)の使用有無 |
request-soap | 標準の同期受付(Webサービス)の使用有無 |
request-jms | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))の使用有無 |
request-jms.maxmessage | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))のキューの最大メッセージ数 |
request-dbq | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の使用有無 |
request-dbq.maxmessage | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のキューの最大メッセージ数 |
request-jms-rdarea | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))のRDエリア名 |
request-dbq-rdarea | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のRDエリア名 |
request-dbq-maxlen | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の最大メッセージ長 |
rm-systemname※1 | Cosminexus RMのシステム名 |
rm-displayname | Cosminexus RMの表示名 |
dbcon-xadisplayname※2 | XATransactionまたはLocalTransaction用DB Connectorの表示名 |
dbcon-nodisplayname※2 | NoTransaction用DB Connectorの表示名 |
dbtype | 使用するデータベース種別 |
jdbc-type | JDBCドライバ種別 |
jdbc-url※3 | JDBC用データベースURL |
jdbc-dbhostname | データベースのホスト名 |
jdbc-dbconnectinfo | データベースの接続情報 |
db-character-sets | データベース文字コード種別 |
request-userdef-soap | ユーザ定義受付の使用有無 |
注※1 実行系と待機系で同じCosminexus RMシステム名を指定します。
注※2 DBコネクタの設定も実行系と待機系で同じにします。
注※3 指定するホスト名には,データベースを格納しているマシンを指定します。
クラスタソフトウェアをインストールします。インストール方法は,利用するクラスタソフトウェアのドキュメントを参照してください。
運用環境は,クラスタを構成するHCSCサーバから独立して構築します。そのため,運用環境として利用するマシンには,uCosminexus OperatorおよびuCosminexus Operator for Service Platformをインストールして環境を構築します。
なお,バージョン08-70以降で新規にセットアップすれば,一つのマシンに運用環境と実行環境を配置できます。その結果,運用環境用のマシンが不要になります。
運用環境を構築するには,次の作業を実施します。
DBサーバは,HAクラスタを構成するHCSCサーバから独立して構築し,実行系および待機系のHCSCサーバで共有します。
DBサーバとして利用するマシンに利用するデータベースをインストールしてください。インストール方法は,利用するデータベースのドキュメントを参照してください。