2.3.11 データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合の実行環境に関する設定

データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合,実行環境に関する設定内容が,データベースとCosminexus RMの両方を使用する場合と異なります。

ここでは,データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合に設定する次の内容について,データベースとCosminexus RMの両方を使用する場合との違いを説明します。

<この項の構成>
(1) HCSCサーバ構成定義ファイルの設定
(2) HCSCサーバセットアップ定義ファイルの設定
(3) HCSCサーバランタイム定義ファイルの設定
(4) ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルの設定
(5) データベースのテーブル容量の見積もり
(6) データベースの領域への配置
(7) 変換テーブルの登録

(1) HCSCサーバ構成定義ファイルの設定

HCSCサーバ構成定義ファイルに設定できる要素を次の表に示します。

なお,HCSCサーバ構成定義ファイルの作成方法については,「2.3.1(1) HCSCサーバ構成定義ファイルの作成」を参照してください。

表2-20 HCSCサーバ構成定義ファイルに設定できる要素(データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合)

項番分類使用するタグ名要素指定可否
1clusterの定義※1nameクラスタ名
2type※1クラスタ種別(LBまたはHA)
3cosminexus-managerの定義nameCosminexus Manager名
4ip-address※2Cosminexus ManagerのIPアドレス
5port※2Cosminexus Managerのリモート管理機能への外部接続ポート番号
6idManagement Serverの管理ユーザID
7password※1Management Serverの管理ユーザパスワード
8csc-serverの定義nameHCSCサーバ名
9idHCSCサーバが使用するデータベースのユーザID
10passwordHCSCサーバが使用するデータベースのパスワード
11j2ee-server-nameHCSCサーバが使用するJ2EEサーバ名
12setup-propertiesHCSCサーバセットアップ定義ファイル名
13soap-receptionの定義※1ip-address※1※2WebサーバのIPアドレス
14port※2Webサーバのポート番号
15protocol※2プロトコル種別(httpまたはhttps)
16jms-receptionの定義※1※3ip-address※1※2WebサーバのIPアドレス×
17port※2Webサーバのポート番号×
18protocol※2プロトコル種別(httpまたはhttps)×
19rm-service-context-root※2RMのサービスコンテキストルート×
20rm-service-name※1※2RMのサービス名×
21jms-physical-receptionの定義※1※4ip-address※1※2WebサーバのIPアドレス×
22port※2Webサーバのポート番号×
23protocol※2プロトコル種別(httpまたはhttps)×
24rm-service-context-root※2RMのサービスコンテキストルート×
25rm-service-name※1※2RMのサービス名×
26ejb-receptionの定義※1ip-address※1※2NameServerのIPアドレス
27port※2NameServerのポート番号
(凡例)
○:指定できます。
×:指定できません。
注※1 省略できます。
注※2 2回目以降設定を変えて再セットアップすると,値が上書きされます。
注※3 クラスタ種別が「HA」の場合に設定します。クラスタ種別が「LB」の場合は,設定しても無視されます。
注※4 クラスタ種別が「LB」の場合に設定します。クラスタ種別が「HA」の場合は,設定しても無視されます。

HCSCサーバ構成定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「HCSCサーバ構成定義ファイル」を参照してください。

(2) HCSCサーバセットアップ定義ファイルの設定

HCSCサーバセットアップ定義ファイルに定義するプロパティを次に示します。

なお,HCSCサーバセットアップ定義ファイルの作成方法については,「2.3.2(1) HCSCサーバセットアップ定義ファイルの作成」を参照してください。

表2-21 HCSCサーバセットアップ定義ファイルに定義するプロパティ(データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合)

項番分類プロパティ名内容指定可否
1セットアップ構成関連db-use※1データベースの使用有無
2rm-use※2Cosminexus RMの使用有無
3hcscserver-data-filepathHCSCサーバのシステム管理情報の出力先
4標準受付関連request-ejb標準の同期受付(SessionBean)の使用有無
5request-soap標準の同期受付(Webサービス)の使用有無
6request-jms※2標準の非同期受付(MDB(WS-R))の使用有無
7request-jms.maxmessage標準の非同期受付(MDB(WS-R))のキューの最大メッセージ数×
8request-dbq※2標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の使用有無
9request-dbq.maxmessage標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のキューの最大メッセージ数×
10request-jms-rdarea標準の非同期受付(MDB(WS-R))のRDエリア名×
11request-dbq-rdarea標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のRDエリア名×
12request-dbq-maxlen標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の最大メッセージ長×
13ユーザ定義受付関連request-userdef-soapユーザ定義受付の使用有無
14J2EE関連naming-service-hostnameネーミングサービスのホスト名
15naming-service-portネーミングサービスのポート番号
16Cosminexus RM関連rm-systemnameCosminexus RMのシステム名×
17rm-displaynameCosminexus RMの表示名×
18DBコネクタ関連dbcon-xadisplaynameXATransaction用またはLocalTransaction用のDB Connectorの表示名
19dbcon-nodisplaynameNoTransaction用DB Connectorの表示名
20データベース関連dbtype使用するデータベース種別
21jdbc-typeJDBCドライバ種別
22jdbc-urlJDBC用データベースURL
23jdbc-dbhostnameデータベースのホスト名
24jdbc-dbconnectinfoデータベースの接続情報
25db-character-setsデータベース文字コード種別
26ビジネスプロセスの状態の互換性bp-status-compatibleビジネスプロセスの状態の互換性の使用有無
27データベースのRDエリア(表領域)情報cscserverinfo-tbl-areaHCSC基本情報用テーブル領域
28location-tbl-areaロケーション用テーブル領域
29routing-tbl-areaルーティング用テーブル領域
30cv-tbl-areaデータ変換用テーブル領域
31exehistory-tbl-area実行履歴情報テーブル領域
32exehistory-idx-area実行履歴情報テーブルのインデクスを格納する領域
33process-tbl-areaビジネスプロセス基盤用PROCESSテーブルを格納する領域
34process-idx-areaビジネスプロセス基盤用PROCESSテーブルのインデクスを格納する領域
35activity-tbl-areaビジネスプロセス基盤用ACTIVITYテーブルを格納する領域
36activity-idx-areaビジネスプロセス基盤用ACTIVITYテーブルのインデクスを格納する領域
37link-tbl-areaビジネスプロセス基盤用LINKテーブルを格納する領域
38link-idx-areaビジネスプロセス基盤用LINKテーブルのインデクスを格納する領域
39correlationset-tbl-areaビジネスプロセス基盤用CORRELATIONSETテーブルを格納する領域
40correlationset-idx-areaビジネスプロセス基盤用CORRELATIONSETテーブルのインデクスを格納する領域
41string-variable-tbl-areaビジネスプロセス基盤用STRING-VARIABLEテーブルを格納する領域
42string-variable-idx-areaビジネスプロセス基盤用STRING-VARIABLEテーブルのインデクスを格納する領域
43numeric-variable-tbl-areaビジネスプロセス基盤用NUMERIC-VARIABLEテーブルを格納する領域
44numeric-variable-idx-areaビジネスプロセス基盤用NUMERIC-VARIABLEテーブルのインデクスを格納する領域
45boolean-variable-tbl-areaビジネスプロセス基盤用BOOLEAN-VARIABLEテーブルを格納する領域
46boolean-variable-idx-areaビジネスプロセス基盤用BOOLEAN-VARIABLEテーブルのインデクスを格納する領域
47message-variable-tbl-areaビジネスプロセス基盤用MESSAGE-VARIABLEテーブルを格納する領域
48message-variable-idx-areaビジネスプロセス基盤用MESSAGE-VARIABLEテーブルのインデクスを格納する領域
49message-variable-val-areaビジネスプロセス基盤用MESSAGE-VARIABLEテーブルのVariableValue列を格納する領域
50message-relation-tbl-areaビジネスプロセス基盤用MESSAGE-RELATIONテーブルを格納する領域
51message-relation-idx-areaビジネスプロセス基盤用MESSAGE-RELATIONテーブルのインデクスを格納する領域
52clusterinfo-tbl-areaクラスタ情報を格納する領域
53haasyncadp-tbl-areaクラスタ内で配備された非同期アダプタサービスIDを格納する領域
54sql-scriptfilenameSQLスクリプトファイルパス
55アクティビティインスタンスの最大数の互換性activitynumber-maximum-compatible一つのプロセスインスタンスで生成できるアクティビティインスタンスの最大数の互換性の使用有無
(凡例)
○:指定できます。
×:指定できません。
注※1 「ON」を設定する,またはプロパティを省略します。
注※2 「OFF」を設定します。

HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。

(3) HCSCサーバランタイム定義ファイルの設定

HCSCサーバランタイム定義ファイルに定義するプロパティを次に示します。

なお,HCSCサーバランタイム定義ファイルの作成方法については,「2.3.3(1) HCSCサーバランタイム定義ファイルの作成」を参照してください。

表2-22 HCSCサーバランタイム定義ファイルに定義するプロパティ(データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合)

項番分類プロパティ名内容指定可否
1実行履歴管理historyrecord実行履歴採取の有無
2historyrecord-data実行履歴電文データ(ユーザ電文)採取の有無
3historyrecord-binarylength実行履歴採取電文データ(ユーザ電文)の長さ
4ログトレースmethodtrace-filepathメソッドトレース出力先パス
5requesttrace-filepathリクエストトレース出力先パス
6telegramtrace-filepathユーザ電文トレース出力先パス
7methodtrace-filenumメソッドトレースの最大面数
8requesttrace-filenumリクエストトレースの最大面数
9telegramtrace-filenumユーザ電文トレースの最大面数
10methodtrace-filesizeメソッドトレースファイル1面当たりの最大サイズ
11requesttrace-filesizeリクエストトレースファイル1面当たりの最大サイズ
12telegramtrace-filesizeユーザ電文トレースファイル1面当たりの最大サイズ
13methodtrace-levelメソッドトレースの出力レベル
14requesttraceリクエストトレースの採取の有無
15telegramtraceユーザ電文トレースの採取の有無
16bptrace-levelビジネスプロセス基盤のメソッドトレースの出力レベル
17bptrace-filenumビジネスプロセス基盤のメソッドトレースの面数
18bptrace-filesizeビジネスプロセス基盤のメソッドトレースのサイズ
19データベース情報dab-bufsizeDABrokerからの受信データのバッファ長
20jdbc-bufsizeJDBCで取り扱うバッファ長
21jdbc-longvarbinaryデータベースのアクセス方法
22jdbc-longvarbinary-access-sizeHiRDBに一度に要求するデータの長さ
23jdbc-maxbinarysize取得するデータの最大長
24jdbc-longvarbinary-truncerrorエラーの指定
25標準受付関連request-ejb.instance.minimum標準の同期受付(SessionBean)のインスタンス最小数
26request-ejb.instance.maximum標準の同期受付(SessionBean)のインスタンス最大数
27request-ejb.ctmCTM連携の使用有無
28request-ejb.parallel.countCTMがアプリケーションを呼び出すために用意するスレッド数
29request-ejb.optional.name標準の同期受付(SessionBean)の別名
30request-soap.instance.minimum標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.1)の最小同時実行数
31request-soap.instance.maximum標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.1)の最大同時実行数
32request-soap.exclusive.threads標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.1)の占有スレッド数
33request-soap.queue-size標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.1)の実行待ちキューのサイズ
34request-soap1_2.instance.minimum標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.2)の最小同時実行数
35request-soap1_2.instance.maximum標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.2)の最大同時実行数
36request-soap1_2.exclusive.threads標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.2)の占有スレッド数
37request-soap1_2.queue-size標準の同期受付(Webサービス・SOAP1.2)の実行待ちキューのサイズ
38request-jms.instance.maximum標準の非同期受付(MDB(WS-R))のインスタンス最大数×
39receptionstop-monitor-timer標準受付,HCSCサーバ転送用受付けサービス停止処理のタイムアウト時間×
40サービスアダプタ関連soapfault-targetnamespace-filepathSOAP Faultをユーザ定義例外として扱うかどうか
41データ変換関連formatdef-maxcache-numフォーマット定義をキャッシュできる数
42transformdef-maxcache-numデータ変換定義をキャッシュできる数
43xmltelegram-maxcache-numXML電文をキャッシュできる数
44telegram-validation電文フォーマットに対して,送受信する電文が適切かを検証するかどうか
45xmltelegram-namespace-complementXML電文内の属性値に指定された名前空間接頭辞に対応した名前空間宣言を補完するかどうか
46telegram-undefined-character-codeバイナリデータの文字コード変換処理で,未定義の文字コードが検出された場合に処理を継続するかどうか
47telegram-notfound-soapheader受付定義ファイル,サービスアダプタ定義ファイル,またはビジネスプロセス定義ファイルに対して,送受信する電文に指定されたSOAPヘッダが存在しない場合に処理を継続するかどうか
48validation-activity検証アクティビティで,メッセージ型変数(XML)を検証するかどうか
49J2EE関連j2ee-stopapp-timeoutJ2EEアプリケーション停止時のタイムアウト
50startcsc-timeoutJ2EEサーバ起動タイムアウト
51stopcsc-timeoutJ2EEサーバ停止タイムアウト
52コマンドの通信のタイムアウト時間の監視csc-command-timeoutコマンドタイムアウト
53Cookie情報の引き継ぎcookie-parsingCookie情報を引き継ぐかどうか
54フォルダ関連work-folder作業フォルダルートの絶対パス
55common-folder-<共通フォルダ定義名>共通フォルダの絶対パス
56DBアダプタ関連dba-separate-transactionビジネスプロセスとは別にDBアダプタのトランザクションを開始するかどうか
(凡例)
○:指定できます。
×:指定できません。
注※
07-50以前の場合,または07-60以降でtelegram-validationプロパティに「OFF」を設定した場合,電文フォーマットに対して,送受信する電文が適切かどうかを検証しません。そのため,telegram-validationプロパティに「ON」を設定して,送受信する電文が適切かどうかを検証すると,今までサービス呼び出しに成功していた電文が,サービスアダプタでエラーになることがあります。

HCSCサーバランタイム定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

(4) ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルの設定

ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルに定義するプロパティを次に示します。

なお,ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルの作成方法については,「2.3.4(1) ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルの作成」を参照してください。

表2-23 ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルに定義するプロパティ(データベースを使用してCosminexus RMを使用しない場合)

項番分類プロパティ名内容指定可否
1ユーザ定義受付user-defined-reception-soap.threads.maximumユーザ定義受付の最大同時実行数
2user-defined-reception-soap.exclusive.threadsユーザ定義受付の占有スレッド数
3user-defined-reception-soap.queue-sizeユーザ定義受付の実行待ちキューのサイズ
(凡例)
○:指定できます。

ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「ユーザ定義受付ランタイム定義ファイル」を参照してください。

(5) データベースのテーブル容量の見積もり

実行履歴の管理や実行環境の設定をする場合,あらかじめデータベースのテーブル容量を見積もる必要があります。詳細については「2.3.5 データベースのテーブル容量を見積もる」を参照してください。

(6) データベースの領域への配置

データベースのテーブル容量の見積もり後,各テーブルおよびインデクスをデータベースの領域(HiRDBの場合はRDエリア,Oracleの場合は表領域(テーブルスペース))にどう配置するかを設計する必要があります。詳細については「2.3.7 データベースの領域への配置」を参照してください。

(7) 変換テーブルの登録

開発環境で作成したデータ変換定義に値置換えファンクションが含まれる場合,値置換えファンクションで利用する変換テーブルを,システムプロパティファイル(usrconf.properties)に登録します。詳細については「2.3.8 変換テーブルを登録する」を参照してください。