付録G.3 上書きインストールする場合の移行手順

上書きインストールで移行できるのは,バージョンが07-50以降のときだけです。07-50より前のバージョンを移行する場合は,08-70を新規にインストールして移行してください。

次の図に示す(1)~(6)の手順に従って,Cosminexus サービスプラットフォームを07-50以降のバージョンから08-70へ移行してください。

図G-2 上書きインストールする場合の移行手順

[図データ]

図G-2の(1)~(6)の手順の詳細を次に示します。

なお,手順内で使用するコマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム リファレンス」の「4. コマンド(運用環境・実行環境)」を参照してください。また,開発環境で実施する作業の詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 開発ガイド」を参照してください。

注意
  • バージョン07-60以降では,開発環境と運用環境で同じリポジトリを共有できません。旧バージョンでリポジトリを共有していた場合,開発環境と運用環境で別々のリポジトリを用意して,移行してください。移行手順については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 開発ガイド」の「付録A.3 旧バージョンで開発環境と運用環境のリポジトリを共有していた場合の移行手順」を参照してください。
  • HCSCコンポーネントが開始状態でHCSCサーバを停止して,実行環境のバージョンアップを実施した場合,次回のHCSCサーバの起動時には,HCSCコンポーネントが停止した状態となります。そのため,実行環境のバージョンアップ後のHCSCサーバ起動後は,HCSCコンポーネントを開始する必要があります。
<この項の構成>
(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)
(2) 各環境の上書きインストール
(3) リポジトリのインポート(開発環境)
(4) リポジトリのエクスポート(開発環境)
(5) リポジトリのインポート(運用環境)
(6) 実行環境のバージョンアップ(運用環境)

(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)

バージョンアップ前の運用環境のリポジトリをエクスポートして,いったん退避します。複数のリポジトリを使用している場合,必要なリポジトリをすべてエクスポートして,退避します。

cscrepctlコマンド(-exportオプション)を運用環境で実行して,バージョンアップ前のリポジトリをエクスポートしてください。

リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「4.2 リポジトリのエクスポート」を参照してください。

(2) 各環境の上書きインストール

開発環境,運用環境,実行環境で08-70のCosminexus サービスプラットフォームを上書きインストールしてバージョンアップします。

各環境を上書きインストールするときの前提条件を次に示します。

前提条件
  • HCSCサーバがセットアップ済みであること
  • Cosminexus アプリケーションサーバおよびCosminexus RMが停止していること
  • 組み込みデータベースを使用している場合,組み込みデータベースを停止していること
  • HCSCサーバ,J2EEサーバ,およびHCSCコンポーネントが停止していること
注意
アンインストールする場合の注意
  • J2EEサーバ,Management Server,PRFなど実行環境の構成要素を停止してから上書きインストールしてください。
  • 組み込みデータベースを使用している場合,組み込みデータベースを停止してから上書きインストールしてください。
開発環境をバージョンアップする場合の注意
開発環境では,バージョンアップ前にHCSCTEプロジェクトをいったん削除し,バージョンアップ後に新しく作成し直してください。

なお,上書きインストールでは次のファイルを除いて上書きされます。

(3) リポジトリのインポート(開発環境)

(1)でエクスポートしたリポジトリ情報を開発環境にインポートします。旧バージョンのリポジトリをインポートすると,パッケージングおよび配備定義が自動で実施され,リポジトリ情報が今バージョンに引き継がれます。なお,パッケージングおよび配備定義が自動で実施されるのは,旧バージョンでパッケージングおよび配備定義したサービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付だけです。

注意
07-60以降のバージョンから移行する場合の注意
07-60以降のバージョンから移行する場合,実行環境に配備するサービスアダプタおよびユーザ定義受付は,開発環境にインポートして再度パッケージングしてください。サービスアダプタを再度パッケージングしないと,メッセージKDEC03007-Eが出力されないことがあります。また,ユーザ定義受付を再度パッケージングしないと,メッセージKDEC00001-Eで不正な埋字が出力されることがあります。パッケージングの方法については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 開発ガイド」の「9.2 パッケージング」を参照してください。
08-10より前のバージョンから移行する場合の注意
データ変換定義で,sequence要素またはchoice要素下に,出現回数が1回に固定されている次の要素(コンポジタ)を定義している場合,ノードの表示が変更されるため,マッピング定義ファイルで使用しているXML Schemaが変更されている旨のエラーメッセージが表示されます。
  • sequence
  • choice
エラーメッセージが表示された場合は,再度マッピング定義を起動し,変更を反映させてください。
メモリについての注意
旧バージョンのリポジトリをインポートするときは,メモリを多く必要とします。そのため,次の手順でメモリサイズが十分かどうかを確認し,メモリが不足している場合は,メモリサイズを増やしてからリポジトリをインポートしてください。
  1. Eclipseのメニューから,[MyEclipse]-[ユーティリティー]-[ガーベッジ・コレクションの実行]を選択します。
  2. [メモリー使用量(MB)]ダイアログの[ガーベッジ・コレクション後]に表示されている,「最大許容メモリー・サイズ」および「メモリー使用量」を確認します。
  3. 次の条件に当てはまる場合,eclipse.iniを編集し,推奨値に従ってメモリサイズ(-Xmxの値)を大きくします。条件に当てはまらない場合,対処は不要です。eclipse.iniの編集については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「11.2 前提環境の準備」を参照してください。
    条件:「メモリー使用量」+定義済みサービス数×3 > 「最大許容メモリー・サイズ」
    推奨値:変更後の「-Xmx」の値 = 定義済みサービス数×3+変更前の「-Xmx」の値

(4) リポジトリのエクスポート(開発環境)

(3)でインポートしたリポジトリをエクスポートします。

(5) リポジトリのインポート(運用環境)

(4)でエクスポートしたリポジトリをインポートします。なお,旧バージョンのリポジトリはインポートできません。

cscrepctlコマンド(-importオプション)を運用環境で実行してください。

リポジトリのインポート方法の詳細については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。

(6) 実行環境のバージョンアップ(運用環境)

運用環境から実行環境のバージョンアップを実施します。

(a) 前提条件

実行環境をバージョンアップするには,次の条件を満たしている必要があります。

前提条件を満たしていない場合,上記の順番で起動,停止,およびバージョンアップを実施してください。

(b) バージョンアップ方法

cscenvupdateコマンドを運用環境で実行します。次に示す手順で実行してください。

  1. 次に示すアダプタがリポジトリに定義されている場合は,各アダプタに対応するプロトコルコンバータのJARファイルを格納します。
    • FTPアダプタ
    • Message Queueアダプタ
    • Object Accessアダプタ
    • ファイルアダプタ
    • TP1アダプタ
    JARファイルの格納先フォルダは次のとおりです。
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CSC¥custom-adapter
  2. cscenvupdateコマンドを実行して,リポジトリとHCSCサーバをバージョンアップします。

    cscenvupdate -csc <バージョンアップするHCSCサーバ名>

 

なお,旧バージョンで使用していたリポジトリ情報を開発環境でバージョンアップ前後に変更し,そのリポジトリ情報を使用して運用する場合のバージョンアップ方法については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 開発ガイド」の「付録A 旧バージョンからの移行」を参照してください。