Cosminexus ビジネスプロセス管理/エンタープライズサービスバス V8 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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7.4.4 ユーザ電文トレース

HCSCサーバのメッセージング基盤では,次の内容をユーザ電文トレースとして取得できます。

ユーザ電文トレースに出力される内容は,次の三つの部分で構成されます。

それぞれの内容を次に示します。

<この項の構成>
(1) ユーザ電文トレース開始の出力形式と出力される内容
(2) ユーザ電文トレースデータの出力形式と出力される内容
(3) ユーザ電文トレース終了の出力形式と出力される内容
(4) ユーザ電文トレースの取得ポイント
(5) ユーザ電文トレースの取得方法
(6) ユーザ電文トレースの出力先

(1) ユーザ電文トレース開始の出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

ユーザ電文トレース開始の出力形式を次の図に示します。

図7-18 ユーザ電文トレース開始の出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

ユーザ電文トレース開始に出力される内容を次の表に示します。

表7-35 ユーザ電文トレース開始に出力される内容

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が表示されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。
製品ID 製品を特定するための識別子が出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
  • CSCBP:ビジネスプロセス
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID 表示されません。
電文トレース開始取得ポイント識別情報 電文トレース開始 ユーザ電文トレース開始を示す文字列「telegramtrace started」が出力されます。
取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • RCP:標準受付
  • URCP:ユーザ定義受付
  • BPRCP:ビジネスプロセスリクエスト受付
  • BPREQ:ビジネスプロセス呼び出し
  • SVC:サービス部品呼び出し(アダプタ内)
  • CNVST:サービスアダプタのデータ変換
  • BPCNV:ビジネスプロセスのデータ変換アクティビティ
  • BPASG:ビジネスプロセスの代入アクティビティ
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。
  • SOAP:Webサービス
  • EJB:SessionBean
  • WSR:MDB(WS-R)
  • DBQ:MDB(DBキュー)
  • CUSTM:カスタムアダプタ
  • 空白:取得位置が次の場合
    ・BPRCPまたはBPREQ
    ・BPCNVまたはBPASG
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • CAL:呼び出し(ビジネスプロセスやサービス呼び出し)
  • RET:応答受信(ビジネスプロセスやサービス呼び出しの応答)
  • RQB:サービスアダプタにおける要求時のデータ変換前
  • RSA:サービスアダプタにおける応答時のデータ変換後
  • CVB:ビジネスプロセスにおけるデータ変換アクティビティ前
  • CVA:ビジネスプロセスにおけるデータ変換アクティビティ後
  • ASB:ビジネスプロセスにおける代入アクティビティ前
  • ASA:ビジネスプロセスにおける代入アクティビティ後
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
付加情報 次の付加情報が出力されます。

(a) リクエスト受付およびサービスアダプタの場合
  • サービスリクエストID
  • サービス名(Service Name)
  • クライアント相関ID(Client ID)

(b) ビジネスプロセスの場合
  • プロセスインスタンスID
  • ビジネスプロセス名(Process Definition Name)
  • アクティビティ名(Activity Definition Name)
  • 変数定義名(Variable Name)
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(2) ユーザ電文トレースデータの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

ユーザ電文トレースデータの出力形式を次の図に示します。

図7-19 ユーザ電文トレースデータの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

ユーザ電文トレースデータに出力される内容を次の表に示します。

表7-36 ユーザ電文トレースデータに出力される内容

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が表示されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。
製品ID 製品を特定するための識別子が出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
  • CSCBP:ビジネスプロセス
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID 表示されません。
電文トレースデータ情報 出力位置(16進数形式) ユーザ電文の先頭からのオフセット値(16進数形式)が出力されます。
データ(16進数形式) ユーザ電文の内容(16進数形式)が出力されます。
データ(ASCII形式) ユーザ電文の内容(ASCII形式)が出力されます。
0x20〜0x7Eの範囲の場合にASCII文字が出力されます。
範囲外の場合は,ピリオド(.)が出力されます。
CRLF レコード終端符号が出力されます。

SOAPメッセージの場合,ユーザ電文トレースデータにはユーザ電文に含まれる次の情報が出力されます。
  • soap:Header要素を含む複数の子要素
  • soap:Body要素の一つの子要素
なお,soap:Header要素が存在しない場合は,soap:Body要素の子要素だけが情報として出力されます。

(3) ユーザ電文トレース終了の出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

ユーザ電文トレース終了の出力形式を次の図に示します。

図7-20 ユーザ電文トレース終了の出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

ユーザ電文トレース終了に出力される内容を次の表に示します。

表7-37 ユーザ電文トレース終了に出力される内容

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が表示されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.sss形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。
製品ID 製品を特定するための識別子が出力されます。
  • CSCMSG:メッセージング基盤
  • CSCBP:ビジネスプロセス
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID 表示されません。
電文トレース終了取得ポイント識別情報 電文トレース終了 ユーザ電文トレース終了を示す文字列「telegramtrace ended」が出力されます。
取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • RCP:標準受付
  • URCP:ユーザ定義受付
  • BPRCP:ビジネスプロセスリクエスト受付
  • BPREQ:ビジネスプロセス呼び出し
  • SVC:サービス部品呼び出し(アダプタ内)
  • CNVST:サービスアダプタのデータ変換
  • BPCNV:ビジネスプロセスのデータ変換アクティビティ
  • BPASG:ビジネスプロセスの代入アクティビティ
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。
  • SOAP:Webサービス
  • EJB:SessionBean
  • WSR:MDB(WS-R)
  • DBQ:MDB(DBキュー)
  • CUSTM:カスタムアダプタ
  • 空白:取得位置が次の場合
    ・BPRCPまたはBPREQ
    ・BPCNVまたはBPASG
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • CAL:呼び出し(ビジネスプロセスやサービス呼び出し)
  • RET:応答受信(ビジネスプロセスやサービス呼び出しの応答)
  • RQB:サービスアダプタにおける要求時のデータ変換前
  • RSA:サービスアダプタにおける応答時のデータ変換後
  • CVB:ビジネスプロセスにおけるデータ変換アクティビティ前
  • CVA:ビジネスプロセスにおけるデータ変換アクティビティ後
  • ASB:ビジネスプロセスにおける代入アクティビティ前
  • ASA:ビジネスプロセスにおける代入アクティビティ後
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
付加情報 付加情報として,ユーザ電文の長さ(10進数形式)が出力されます。なお,ユーザ電文がない場合は「0」または「null」が出力されます。
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(4) ユーザ電文トレースの取得ポイント

ユーザ電文トレースの取得ポイントには,次に示す場合があり,それぞれで取得ポイントが異なります。

(a) 単体サービス実行時(データ変換がない場合)

単体サービス実行時(データ変換がない場合)のユーザ電文トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-21 ユーザ電文トレースの取得ポイント(単体サービス実行時(データ変換がない場合))

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-21中の番号と対応しています。

表7-38 ユーザ電文トレース取得ポイント(単体サービス実行時(データ変換がない場合))

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
3 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品呼び出し口
4 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品応答受信口
3 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品呼び出し口
4 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品応答受信口
3 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品呼び出し口
4 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品応答受信口
3 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品呼び出し口
4 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品応答受信口
3 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
4 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
(b) 単体サービス実行時(データ変換がある場合)

単体サービス実行時(データ変換がある場合)のユーザ電文トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-22 ユーザ電文トレースの取得ポイント(単体サービス実行時(データ変換がある場合))

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-22中の番号と対応しています。

表7-39 ユーザ電文トレース取得ポイント(単体サービス実行時(データ変換がある場合))

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
3 サービスアダプタ(Webサービス)の標準電文定義時のデータ変換前
4 サービスアダプタ(Webサービス)の標準電文定義時のデータ変換後
3 サービスアダプタ(SessionBean)の標準電文定義時のデータ変換前
4 サービスアダプタ(SessionBean)の標準電文定義時のデータ変換後
3 サービスアダプタ(MDB(WS-R))の標準電文定義時のデータ変換前
4 サービスアダプタ(MDB(WS-R))の標準電文定義時のデータ変換後
3 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))の標準電文定義時のデータ変換前
4 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))の標準電文定義時のデータ変換後
3 サービスアダプタ(CUSTOM)の標準電文定義時のデータ変換前
4 サービスアダプタ(CUSTOM)の標準電文定義時のデータ変換後
5 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品呼び出し口
6 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品応答受信口
5 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品呼び出し口
6 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品応答受信口
5 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品呼び出し口
6 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品応答受信口
5 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品呼び出し口
6 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品応答受信口
5 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
6 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
(c) ビジネスプロセス呼び出し実行時

ビジネスプロセス呼び出し実行時のユーザ電文トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-23 ユーザ電文トレースの取得ポイント(ビジネスプロセス呼び出し実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-23中の番号と対応しています。

表7-40 ユーザ電文トレース取得ポイント(ビジネスプロセス呼び出し実行時)

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
3 ビジネスプロセスサービスの呼び出し口
4 ビジネスプロセスサービスの応答受信口
(d) ビジネスプロセスサービス実行時

ビジネスプロセスサービス実行時のユーザ電文トレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-24 ユーザ電文トレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,図7-24中の番号と対応しています。

表7-41 ユーザ電文トレース取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
7 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品呼び出し口
8 サービスアダプタ(Webサービス)のサービス部品応答受信口
7 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品呼び出し口
8 サービスアダプタ(SessionBean)のサービス部品応答受信口
7 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品呼び出し口
8 サービスアダプタ(MDB(WS-R))のサービス部品応答受信口
7 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品呼び出し口
8 サービスアダプタ(MDB(DBキュー))のサービス部品応答受信口
7 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
8 サービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
3 ビジネスプロセスサービスの呼び出し口
4 ビジネスプロセスサービスの応答受信口
5 ビジネスプロセス受付の入口
6 ビジネスプロセス受付の出口
9 データ変換アクティビティの変換元※1
10 データ変換アクティビティの変換先
11 代入アクティビティのコピー元※2,※3
12 代入アクティビティのコピー先

注※1
変換元変数が複数定義されている場合は,定義された個数分ユーザ電文トレースが出力されます。

注※2
電文でない場合(文字列,数値,真偽値)は,変数の文字列表現をUTF-8でエンコードしたバイナリデータがユーザ電文として出力されます。

注※3
コピー元に式(XPath)を指定した場合,またはコピー元に定数を指定した場合は,ユーザ電文トレースが出力されません。

(5) ユーザ電文トレースの取得方法

ユーザ電文トレースを取得するには設定が必要です。詳細については「7.3.1 Cosminexus サービスプラットフォームが出力するログやトレースの取得方法」を参照してください。

(6) ユーザ電文トレースの出力先

ユーザ電文トレースの出力先およびトレースファイル名を次の表に示します。

表7-42 ユーザ電文トレースの出力先およびファイル名

トレースファイルの出力先パス トレースファイル名
HCSCサーバランタイム定義ファイルのtelegramtrace-filepathプロパティで指定したパス csctelegram_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

なお,指定したパスが存在しない場合,またはパスが誤っていた場合は,省略値の出力先にトレースが出力されます。