6.6 アクティビティの定義

アクティビティは,キャンバス上に配置・連結するとともに,詳細内容の定義をする必要があります。

定義できるアクティビティと定義内容の概要を次の表に示します。

表6-13 定義できるアクティビティ

アクティビティ定義内容
開始ビジネスプロセスの開始を表します。
受付サービスリクエスタからの要求電文を受け付けるためのインターフェースを定義します。
応答サービスリクエスタから同期受信した要求電文に対する応答またはフォルトを返すためのインターフェースを定義します。
サービス呼出定義済みのHCSCコンポーネントへの要求電文の送信を定義します。
Java呼出専用インターフェースを実装したJavaクラスの呼び出しを定義します。
データ変換データ変換処理を定義します。
代入次の処理を実行するための定義をします。
  • ある変数(基本型,メッセージ型)をほかの変数に代入する
  • ある変数の一部をほかの変数に代入する
  • 値(数値,文字列,真偽値)を作成し,変数に代入する
無操作実行しても何の動作も行わないことを定義します。
フォルト送出上位のスコープアクティビティへのフォルトの通知を定義します。
待機処理フローを一定の間隔または期限まで待機させる処理を定義します。
検証ビジネスプロセス内で送受信される電文の妥当性を検証します。
スコープ一つまたは複数のアクティビティから構成される処理フローを,ひとつの単位(スコープ)として定義します。
繰り返し一つまたは複数のアクティビティを,条件が満たされるまで繰り返し処理するための定義をします。
分岐(開始)条件式の結果によってビジネスプロセスの処理の分岐を定義します。分岐の開始個所と終了個所で定義が必要です。
分岐(終了)
並列処理(開始)処理フローを複数のシーケンスに分けて同時に実行する(処理フローの並列化)処理を定義します。
並列処理の開始個所と終了個所で定義が必要です。
並列処理(終了)
終了ビジネスプロセスの終了を表します。
注※ 
ビジネスプロセスにステータスの永続化が設定されている場合,受付,応答,サービス呼出,待機アクティビティの処理が,アクティビティの状態を確定するタイミング(トランザクションの開始とコミットのタイミング)になります。
トランザクションの開始とコミットのタイミングを次に示します。

表6-14 トランザクションの開始とコミットのタイミング

処理タイミング
トランザクションの開始受付アクティビティでメッセージを受信したとき。
通信モデルが同期の場合のサービス呼出アクティビティで,メッセージを送信する前のトランザクションをコミットした直後。
また,ビジネスプロセスの状態の互換性(HCSCサーバセットアップ定義のbp-status-compatible)にOFFを指定した場合は,通信モデルの同期,非同期に関係なく,サービス呼出アクティビティでメッセージを送信する前のトランザクションをコミットした直後。
ビジネスプロセスの状態の互換性(HCSCサーバセットアップ定義のbp-status-compatible)にOFFを指定した場合,サービス呼出アクティビティの処理が完了したときにトランザクションをコミットした直後。
応答アクティビティの処理のあとに存在するアクティビティを実行する直前。
プロセス再実行ユーティリティによって,プロセスを再実行するとき。
待機アクティビティに指定された間隔または期限でタイマが解除された直後。
待機アクティビティの処理が完了したときのトランザクションをコミットした直後。
トランザクションのコミット応答アクティビティでメッセージを応答する直前。
通信モデルが同期の場合のサービス呼出アクティビティでメッセージを送信する直前。
また,ビジネスプロセスの状態の互換性(HCSCサーバセットアップ定義のbp-status-compatible)にOFFを指定した場合は,通信モデルの同期,非同期に関係なく,サービス呼出アクティビティでメッセージを送信する直前。
ビジネスプロセスの状態の互換性(HCSCサーバセットアップ定義のbp-status-compatible)にOFFを指定した場合,サービス呼出アクティビティの処理が完了したとき。
すべてのアクティビティを実行し,ビジネスプロセスの処理を終了するとき。
待機アクティビティに指定された間隔または期限のJ2EEサーバのTimerServiceにタイマを登録する直前。
待機アクティビティの処理が完了したとき。

 

各アクティビティの定義の詳細について,以降の項で説明します。

<この節の構成>
6.6.1 開始アクティビティ
6.6.2 受付アクティビティ
6.6.3 応答アクティビティ
6.6.4 サービス呼出アクティビティ
6.6.5 Java呼出アクティビティ
6.6.6 データ変換アクティビティ
6.6.7 代入アクティビティ
6.6.8 無操作アクティビティ
6.6.9 フォルト送出アクティビティ
6.6.10 待機アクティビティ
6.6.11 検証アクティビティ
6.6.12 スコープアクティビティ
6.6.13 繰り返しアクティビティ
6.6.14 分岐アクティビティ
6.6.15 並列処理アクティビティ
6.6.16 終了アクティビティ
6.6.17 順次処理アクティビティ
6.6.18 XPathを指定する