付録D.1 ビジネスプロセスの概要を設計する

業務の基本フローをハイレベル・ビジネスプロセスとして作成し,作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化します。

<この項の構成>
(1) ハイレベル・ビジネスプロセスを作成する
(2) ミドルレベル・ビジネスプロセスを作成する

(1) ハイレベル・ビジネスプロセスを作成する

上流設計ツールでハイレベル・ビジネスプロセスを作成します。商品手配サンプルプログラムのビジネスプロセスの場合,システム化する業務は在庫引当と配送手配の二つのタスクなので,これを基本フローとして記述します。

商品手配サンプルプログラムのハイレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D-1 ハイレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

(2) ミドルレベル・ビジネスプロセスを作成する

作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化し,業務全体の流れが把握できるミドルレベル・ビジネスプロセスを作成します。ここでは,在庫引当タスクのあとに排他ゲートウェイを追加し,手配を受けた商品の在庫がない場合の業務エラーフローを追加します。作成したビジネスプロセスに対して顧客と検討を繰り返し,検討不足の業務フローや改善点があればブラッシュアップします。

商品手配サンプルプログラムのミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D-2 ミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

商品手配サンプルプログラムでは,次の表に示す要素でビジネスプロセスを実現することにします。

表D-1 商品手配ビジネスプロセスを構成する要素

項番名前要素の種類備考
1受付開始ノード 
2在庫引当タスク 
3排他ゲートウェイ在庫引当の結果を判定
4配送手配タスク 
5応答_手配成功終了ノード配送手配が成功したときの終了ノード
6応答_在庫なしエラー終了ノード在庫がなかったときの終了ノード
(凡例)
-:名前はありません。
空欄:備考として説明する内容はありません。

また,この段階でサービスの粒度も検討します。ここでは,次の表に示すように在庫引当タスクと配送手配タスクをそれぞれ一つのサービスで実現することにします。

表D-2 サービスの粒度の検討

項番タスクサービス(実装時のサービス名)
1在庫引当在庫引当サービス(InventoryManager)
2配送手配配送手配サービス(Delivery)