FTPプロトコルトレースでは,FTPクライアントと送受信を行ったFTPプロトコルメッセージのトレースが出力されます。ここでは,FTPインバウンドアダプタでのFTPプロトコルトレースについて説明します。
FTPプロトコルトレースの出力形式を次に示します。
<日付> <時刻> <pid> <tid> <転送ID> <送受信方向> <プロトコルメッセージ> |
FTPプロトコルトレースに出力される内容を次の表に示します。
表22-6 FTPプロトコルトレースに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)
項目 | 内容 |
---|---|
日付 | プロトコルメッセージの送受信日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
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時刻 | プロトコルメッセージの送受信時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
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pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
転送ID※ | 転送IDが出力されます。ただし,最初のコネクション接続時のトレースには出力されません。 |
送受信方向 | プロトコルメッセージの送受信方向が出力されます。 --->:FTPクライアントから受信した場合 <---:FTPクライアントへ送信した場合 |
プロトコルメッセージ | プロトコルメッセージの内容が出力されます。 PASSコマンドの引数であるパスワードの文字列がFTPプロトコルトレースに出力される場合,パスワードの文字列の代わりに「*****」が表示されます。 |
FTPプロトコルトレースの出力先およびトレースファイル名を次の表に示します。
表22-7 FTPプロトコルトレースの出力先およびファイル名(FTPインバウンドアダプタ)
トレースファイルの出力先パス | トレースファイル名 |
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<J2EEサーバの作業ディレクトリ>¥ejb¥<J2EEサーバ名>¥logs¥csc¥inbound-adapter¥ftp¥FTP_Inbound_Resource_Adapter |
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<J2EEサーバの作業ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.public.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥publicです。FTPプロトコルトレースの出力先はejb.server.log.directoryキーでは変更できないため注意してください。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。
なお,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルの次のプロパティで,FTPプロトコルトレースの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数を変更できます。
RARファイルの属性を取得してConnector属性ファイルを生成するには,cjgetrarpropコマンドを実行します。cjgetrarpropコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。また,Connector属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
RETRコマンドを実行して,サーバからファイルを取得する場合のFTPプロトコルトレースの出力例を次に示します。
2010/10/29 21:50:15.346 <pid> <tid> ---> connection from 10.209.12.244 |