4.5.1 変換できるCOBOL登録集原文ファイルの記述形式

COBOL登録集原文ファイルからのバイナリフォーマット定義ファイルの生成機能で使用できるCOBOL登録集原文ファイルの記述形式について説明します。

この機能では,日立COBOL85言語の利用を前提としています。しかし,この節で説明する規則および形式に従って記述されたCOBOL登録集原文ファイルであれば使用できます。日立COBOL85言語の機能および文法については,マニュアル「COBOL85 言語」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 指定できるファイル形式
(2) COBOL登録集原文ファイルの記述規則
(3) データ項目の記述形式

(1) 指定できるファイル形式

この機能で使用できるCOBOL登録集原文ファイルは,固定形式(拡張子:.cbf以外)だけです。フリー形式(拡張子:.cbf)のファイルはサポートしていません。

(2) COBOL登録集原文ファイルの記述規則

この機能で使用できるCOBOL登録集原文ファイルは,次の記述規則に従います。

(3) データ項目の記述形式

英字項目や数字項目などのデータ項目の記述は,この項で説明する規則に従っている必要があります。規則に従っていない場合は,構文エラーとなります。

(a) データ項目の書き方

COBOLのデータ項目の書き方を次に示します。

レベル番号 {データ名|FILLER}
[{PICTURE|PIC}[IS] 文字列]
[[USAGE [IS]]{COMPUTATIONAL-3|COMP-3|COMPUTATIONAL|COMP|DISPLAY|NATIONAL}]
[OCCURS 整数 [TIMES]].
(b) 構文規則
  1. レベル番号は,1~2桁の符号なし整数で1~49でなければなりません。
  2. データ名の文字数は1~30でなければなりません。
  3. データ項目およびFILLER項目の数は32,760個を超えてはなりません。
  4. OCCURS句に指定する整数の値は1~2,147,483,647でなければなりません。
  5. PICTURE句に指定できる文字は表4-10の内容だけです。
  6. レベル番号,データ名,PICTURE句,USAGE句,およびOCCURS句の構文規則で,1.~5.の構文規則で規定されている規則以外は,日立COBOL85言語の構文規則に従います。
  7. USAGE句の構文規則を次に示します。
    • 集団項目ではUSAGEは指定できません。
    • 数値項目でDISPLAY,NATIONALを指定した場合は無視されます。
    • 数値項目以外でUSAGEを指定した場合は無視されます。
  8. データ項目は,一つのレコード(レベル番号01の集団項目),およびその従属データ項目だけでなければなりません。
  9. COPY文は指定できません。

    表4-10 PICTURE句に指定できる文字

    項番データ型PICTURE句に指定できる文字小数部使用できる桁数の範囲(小数部含む)
    文字桁数
    1英字項目「A」11~2,147,483,647
    2英数字項目「A」,「X」,「9」1
    3数字項目外部10進形式「9」1「V」以降の文字1~18
    「S」,「V」0
    4内部10進形式外部10進形式と同様
    52進形式「9」1×
    「S」0
    6英数字編集項目「A」,「X」,「9」,「B」,「0」,「/」11~2,147,483,647
    7数字編集項目「B」,「/」,「Z」,「0」,「9」,「,」,「.」,「*」,「+」,「-」,通貨編集文字1×1~249
    「CR」,「DB」2
    「V」0
    8日本語項目「N」22~32,766
    9日本語編集項目「N」,「B」2
(凡例)
-:該当する項目はありません。
×:この機能ではサポートしていません。
注意
通常のCOBOLと同様に,各文字の直後に「(nn)」(nnは1~2,147,483,647の数値)が指定された場合は,文字の反復回数となります。
(c) 注意事項

PICTURE句で指定する通貨編集文字や「Z」,「0」などの編集文字は桁数を算出する目的でだけ使用されます。データ項目に通貨編集文字などを埋め込む編集機能はサポートしていません。