Cosminexus サービスプラットフォームは,次に示す三つの環境から構成されています。
開発環境,実行環境,運用環境をそれぞれ異なるマシンに構築します。
開発環境にはuCosminexus Service ArchitectとEclipseを,実行環境にはuCosminexus Service Platformを,運用環境にはuCosminexus OperatorをインストールしたあとにuCosminexus Operator for Service PlatformとEclipseをインストールします。
運用環境は,システム内に一つだけ構築します。また,運用の変更に対応するためにも運用環境と実行環境は,異なるマシンに構築しておくことを推奨します。
なお,運用環境から実行環境を操作する場合,Management Serverを経由します。Management Serverは,運用管理の対象となるサーバを一括管理するものです。HCSCサーバ(実行環境)を構築したマシンには,必ずManagement Serverを配置します。Management Serverの機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「1.1 Management Serverでできること」を参照してください。
また,運用環境から実行環境を操作するには,リポジトリというデータモデルが必要です。
Cosminexus サービスプラットフォームを構成する環境を次の図に示します。
図5-5 Cosminexus サービスプラットフォームを構成する環境
これらの環境は,相互に連携してサービスの統合環境を実現しています。各環境は,環境構築後,次に示す流れを経て実際に運用できるようになります。
環境間の情報の受け渡しには,環境間で共有する情報を格納したリポジトリを使用します。リポジトリは媒体を経由して,ZIPファイル形式で保存したり,読み込んだりします。
開発環境では,複数台のマシンで作成したHCSCコンポーネントの情報を,リポジトリを通じて一つにまとめることができます。そして,開発環境と同じマシンに,作成したHCSCコンポーネントのテスト・デバッグを実施するためのテスト環境を構築できます。テスト環境は,テストに必要な簡易的な環境で,一括構築できます。開発環境とテスト環境との関係を次の図に示します。
図5-6 開発環境とテスト環境との関係
開発環境とテスト環境を利用する場合,次に示す流れを経て運用します。
この場合のような環境間の情報の受け渡しにも,リポジトリを使用します。開発環境とテスト環境は同じマシンに構築されるため,媒体を使用しないで情報を受け渡します。
Cosminexus サービスプラットフォームでは,まず,テスト環境を構築してテストやデバッグを実施します。テスト環境の構築には,HCSC簡易セットアップ機能を使用できます。
実際のシステム開発では,テスト環境のほかに本番で使用する環境を構築する必要があります。そのため,テスト環境で使用したリポジトリを,本番環境に移行する必要があります。
次のようにテスト環境と本番環境で,データベースとCosminexus RMの使用有無を同じ設定で構築した場合,テスト環境で使用したリポジトリをそのまま本番環境へ移行できます。
なお,テスト環境と本番環境で,データベースとCosminexus RMの使用有無の設定が同じでない場合でも,リポジトリは移行できます。詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「1.3 テスト環境と本番環境との関係」を参照してください。
テスト環境と本番環境で,データベースとCosminexus RMの使用有無を同じ設定で構築した場合の移行の流れを次の図に示します。
図5-7 データベースとCosminexus RMの使用有無を同じ設定で構築した場合の移行の流れ