事前解析用XML文書のチューニング情報を参照すると,高速パース機能が効果的に動作しているかどうかを調査できます。調査結果を基に事前解析用XML文書を最適化することで,解析速度をさらに向上できます。
事前解析用XML文書のチューニング情報の種類,利用方法,および出力方法について説明します。
チューニング情報として出力できるファイルは,次の2種類です。
これらのファイルには,解析時のマッチング処理についての情報が出力されます。マッチング処理とは,解析時に解析結果オブジェクトの情報を利用できたかどうかを判定する処理のことです。解析結果オブジェクトの情報を利用できた場合を「マッチング処理に成功した」,解析結果オブジェクトの情報を利用できなかった場合を「マッチング処理に失敗した」といいます。
各ファイルについて説明します。
高速パース機能を使用したそれぞれの解析について,マッチング処理の成功率,解析結果オブジェクトの生成に使用した事前解析用XML文書のファイル名,解析対象のXML文書のシステム識別子,チューニング詳細ファイル名などが出力されます。高速パース機能を使用した解析処理で,どのくらい効果的に解析結果オブジェクトが利用されているかを調査できます。
チューニングサマリファイルの詳細については,「3.4.10 チューニングサマリファイルの詳細」を参照してください。
高速パース機能を使用した一つの解析について,チューニングサマリファイルの情報に加え,マッチング処理の履歴が出力されます。高速パース機能を使用した解析処理で,マッチングに失敗している個所の詳細を調査できます。
チューニング詳細ファイルの詳細については,「3.4.11 チューニング詳細ファイルの詳細」を参照してください。
チューニング情報の利用方法を次に示します。
チューニング情報を出力するには,Cosminexus XML Processorが規定するシステムプロパティを設定する必要があります。また,PreparsedObjectを使用した高速パースでチューニング情報を出力する場合は,システムプロパティの設定に加え,PreparsedObjectFactoryクラスのsetTuningInfoFlagメソッドでtrueを設定して,PreparsedObjectを生成する必要があります。PreparsedObjectFactoryクラスの詳細については,「3.4.7(1) PreparsedObjectFactoryクラス」を参照してください。
チューニング情報を出力するためのシステムプロパティ,チューニング情報の出力先,およびエラー発生時の動作について説明します。
チューニング情報は,高速パース機能を利用した解析の終了時に出力されます。チューニング情報の出力先は,次の順序で決定されます。
なお,同名のファイルは上書きされます。同名のファイルが存在する場合は,必要に応じて退避してください。ファイル名の規則については,「3.4.10(1) ファイル名(チューニングサマリファイル)」および「3.4.11(1) ファイル名(チューニング詳細ファイル)」を参照してください。
また,チューニングサマリファイルおよびチューニング詳細ファイルは自動的には削除されません。必要に応じて削除してください。チューニングサマリファイルのファイルサイズの上限値については,「3.4.10(3) ファイルサイズの上限値」を参照してください。チューニング詳細ファイルの合計ファイルサイズの上限値については,「3.4.11(3) 合計ファイルサイズの上限値」を参照してください。
エラーが発生してチューニング情報を出力できない場合の動作を次に示します。