Cosminexus アプリケーションサーバ V8 Webサービス開発の手引
aptコマンドは,アノテーションを解釈して,追加のJavaコードを生成し,基のJavaコードを含めてコンパイルするJDKのコマンドです。Webサービスの開発では,SEIを起点とした開発をする場合に使用します。Webサービス実装クラスに記述されたアノテーション(JAX-WS 2.1仕様に従って記述)を解釈し,必要なJavaBeanクラスを追加して生成します。
aptコマンドの形式,引数,およびオプションについては,JDKのドキュメントを参照してください。ここでは,JDKのドキュメントで規定されていない内容や,コマンド実行時の注意事項について説明します。
aptコマンドの引数には,Webサービス実装クラスおよびSEI(SEIを参照している場合)をそれぞれ1個指定します。Webサービス実装クラスを2個以上指定した場合は,ログにエラーメッセージが出力され,エラーメッセージがaptコマンドに返されます(KDJW61002-E)。ただし,SEIだけ指定した場合などWebサービス実装クラスがない場合は,標準エラー出力とログに警告メッセージが出力され,処理が続行されます(KDJW61001-W)。この場合,JavaBeanクラスは生成されません。
上記以外のSEIおよびWebサービス実装クラスに関する注意事項は,「13.1 JavaからWSDLへのデフォルトマッピング」および「13.2 JavaからWSDLへのマッピングのカスタマイズ」を参照してください。
aptコマンドでは,javax.ejb.Statelessアノテーションの付いたEJBのWebサービス実装クラスを引数に指定した場合,次の警告が出力されます。
| 警告: プロセッサなしの注釈タイプです: [javax.ejb.Stateless] |
aptコマンドを実行するときは,-classpathオプションおよび-J-Dcosminexus.homeオプションの指定が必須です。それぞれの指定値を次に示します。
> "%COSMINEXUS_HOME%\common\bin\gethntr2conf.exe" HNTR2INSTDIR |
> "%COSMINEXUS_HOME%\common\bin\gethntr2conf64.exe" HNTR2INSTDIR |
aptコマンドの実行時に生成されるファイルを次の表に示します。
| 項番 | Javaコード | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | リクエストbeanクラス | 要求メッセージのJavaBeanクラスです。wrapperスタイルの場合に出力されます。 |
| 2 | レスポンスbeanクラス | 応答メッセージのJavaBeanクラスです。wrapperスタイルの場合に出力されます。 |
| 3 | フォルトbeanクラス | フォルトに対応するJavaBeanクラスです。指定したJavaコードでラッパ例外クラスが定義されている場合で,かつフォルトbeanがない場合に出力されます。 |
処理の途中で続行できる軽微なエラーが検出された場合は,警告メッセージが出力され,処理が続行されます。
なお,設定したログ出力レベル(重要度)によって,ログが出力されない場合があります。ログ出力レベルの設定については,「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。
aptコマンドの実行時にエラーが発生した場合,エラーメッセージが出力され,処理が終了されます。
エラーメッセージが出力された場合,出力されたエラーの要因を取り除き,aptコマンドを再実行してください。表示されたエラーの要因を一つずつ取り除き,正常終了するまで,aptコマンドを繰り返し実行してください。すでにファイルが生成されている場合は,aptコマンドを実行する前に生成されたファイルを削除してください。
なお,設定したログ出力レベル(重要度)によって,ログが出力されない場合があります。ログ出力レベルの設定については,「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。
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