アプリケーションサーバで使用する用語について説明します。
(数字)- 08-50モードの仮想サーバマネージャ
- 仮想化システムを構築し,仮想サーバを運用管理するためのプロセスです。mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で次のキーを設定した場合に,08-50モードで動作します。
- com.cosminexus.mngsvr.vmi.enabled=false
- com.cosminexus.mngsvr.vmx.enabled=true
- 1.4モード
- サーバの動作モードです。J2EE 1.4以降の機能を使用できます。データベースを含む複数のリソースのトランザクション管理ができます。
(英字)- Application Server
- アプリケーションサーバの実行環境を構築する基盤製品です。Application Server Standardと,Application Server Enterpriseの総称です。
- Component Container管理者
- スーパーユーザ以外の,J2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,J2EEサーバやバッチサーバの起動・停止などを実施できるユーザを指します。Component Container管理者はUNIXの場合に設定できます。
- CORBAネーミングサービス
- CORBAの仕様に準拠した,リモートオブジェクトの格納場所を管理するためのネーミングサービスです。アプリケーションサーバの構成ソフトウェアであるCosminexus TPBrokerによって提供される機能です。
- cosminexus.xml
- Cosminexus アプリケーションサーバ独自の情報を定義するための属性ファイルです。
- Cosminexus Component Container
- サーバ・サイドの業務処理プログラム(ビジネスロジック)をコンポーネントとして実行するための構成ソフトウェアです。また,アプリケーションサーバの運用管理をするためのManagement Server,統合ユーザ管理,snapshotログ収集などの機能も提供しています。
- Cosminexus Component Transaction Monitor
- クライアントからのリクエストのスケジューリングを実現するための構成ソフトウェアです。
- Cosminexus Performance Tracer
- リクエストが処理されるときに,決められたポイントごとに各機能が出力する性能解析情報をファイルに出力するための構成ソフトウェアです。
- Cosminexus アプリケーションサーバ
- アプリケーションサーバを中核とした,性能および信頼性の高いアプリケーションを実行および開発するためのシステム構築基盤製品です。
- DB Connector
- データベースに接続するためのリソースアダプタです。
- DD
- アプリケーションを運用環境に配置するときの定義情報を記述したものです。
- EARファイル
- J2EEアプリケーションを構成する複数のEJB-JARファイル,WARファイル,およびDDをEARファイル形式でパッケージ化したものです。
- EJBコンテナ
- Enterprise Beanを制御する実行環境です。また,通信,トランザクション管理などのシステムレベルのサービスも提供します。Enterprise Beanの実体は,EJBコンテナの中で実行されます。
- Hyper-V
- ハイパーバイザの種類の一つです。Microsoftが提供している,サーバ仮想化を実現するための機能の名称です。64ビット仮想化技術による高いパフォーマンスと可用性,信頼性を実現します。
- J2EEアプリケーション
- JSP,サーブレット,EnterpriseBeanなどで構成されるアプリケーションです。アプリケーションサーバで扱うJ2EEアプリケーションの形式には,EARファイル形式でパッケージ化されたアーカイブ形式のアプリケーションと,アーカイブ化しない展開ディレクトリ形式のアプリケーションがあります。EARファイル形式でパッケージ化されたアプリケーションの場合,複数のEJB-JARファイル,複数のWARファイル,および一つのDDから構成されます。
- J2EEコンテナ
- J2EEアプリケーションを実行するためのサーバ基盤です。
- J2EEコンポーネントへ各種APIを提供する,Webコンテナ,EJBコンテナから構成されます。
- J2EEサーバ
- J2EEコンテナを生成,実行する環境です。
- JP1
- 日立の統合システム運用管理ソフトウェアです。
- JP1/AJS3
- 日々の業務の中から,定型的・定期的なものを自動化して,システム運用に掛かるコストを削減し,少ない人員で確実な運用を実現するためのプログラム群です。仮想化システムでは,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,およびJP1/AJS3 - Viewを使用して連携します。
- JP1/Base
- JP1/IM,JP1/AJSなどのJP1製品の基盤機能を提供するプログラムです。JP1製品を利用したシステム内のイベントやJP1ユーザーを管理したり,サービスの起動を制御したりできます。
- JP1/IM
- 企業情報システム全体を統合管理する基盤になるプログラム群です。仮想化システムでは,JP1/IM - ManagerおよびJP1/IM - Viewを使用して連携します。
- JP1/ITRM
- さまざまなシステム環境にあるITリソースの現状把握から割り当て,使用量の確認や最適化まで,ITリソースの運用サイクルを一元管理するためのプログラムです。
- JP1/PFM
- 企業システムを構成するデータベースやアプリケーションなどの稼働状況を監視するプログラム群です。仮想化システムでは,JP1/PFM - Manager,JP1/PFM - Web Console,およびJP1/PFM - Agent for Cosminexusを使用して連携します。
- JP1アカウント管理者
- 認証サーバであるJP1/Baseを操作し,アカウントを管理するユーザです。仮想化システムでは,仮想サーバマネージャ管理者アカウントおよびシステム構築者アカウントを管理します。
- JP1イベント
- システム内で何らかの事象が発生した際に,その事象に関してJP1/Baseに通知される情報です。
- JP1権限レベル
- 管理対象(資源)に対してJP1ユーザーがどのような操作ができる(権限がある)かを表した名称で,JP1/Baseで定義します。仮想化システムでは,仮想サーバマネージャ管理者アカウントおよびシステム構築者アカウントに対する名称を設定します。
- JP1資源グループ
- 管理対象(資源)を分けたグループのことで,JP1/Baseで定義します。仮想化システムでは,管理ユニットに対するJP1ユーザーのアクセスを制御するために,管理ユニット名を設定します。
- JP1ユーザー
- JP1/Baseで管理されるアカウントのユーザ名です。JP1ユーザーとして認証サーバに登録すると,管理対象(資源)へのアクセスが制御されます。
- Management Server
- 運用管理ドメインを構成するサーバプログラムです。運用管理ドメイン単位に一つ配置します。
- Management Serverは運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行します。
- PRFデーモン
- バッファに出力されたPRFトレースをPRFトレースファイルに出力するIOプロセスです。
- Management Serverでは,論理サーバとして扱えます。Management Serverで扱う場合は,パフォーマンストレーサといいます。
- RealServer(負荷分散機の実サーバ)
- 負荷分散機上で,VirtualServerが受け付けたリクエストの振り分け先となる実際のサーバを表すオブジェクトのことです。仮想化システムの仮想サーバごとに一つ作成されます。
- Smart Composer機能
- 一般的な3階層モデルのアプリケーションサーバのシステムを,簡単に構築および運用できるよう支援する機能です。システム全体に対して,システムの設定,およびJ2EEアプリケーションやリソースアダプタのデプロイを一括で実行できるので,簡単,迅速にシステム構築ができます。
- 構築したシステムを一括で起動したり,一括でシステムの設定を変更したりするなど,運用機能についてもサポートしています。
- snapshotログ
- ある時点でのJ2EEサーバやバッチサーバの状態が出力されたログファイルです。
- トラブルシューティングに必要な情報が自動的に出力されます。
- Management Serverを利用している場合は,次のタイミングで出力されます。
- 論理サーバに異常が発生した時
- 運用管理ポータルまたは運用管理コマンドによってsnapshotログの収集を要求した時
- Management Serverを利用していない場合は,コマンド(snapshotlog)を実行した時に出力されます。このコマンドで出力できるのは,そのコマンドを実行したホストの情報だけです。
- Virtage
- ハイパーバイザの種類の一つです。日立サーバ仮想化機構のことです。単純なサーバ統合にも,基幹系システムにも適した高性能・高信頼なサーバ仮想化技術を提供します。
- VirtualServer(負荷分散機の仮想サーバ)
- 負荷分散機上で,リクエストの受け口となる仮想的なサーバを表すオブジェクトのことです。仮想化システムの管理ユニットごとに一つ作成されます。
- VMware ESX
- ハイパーバイザの種類の一つです。
- VMware社によって開発されている,物理マシン上に仮想的なハードウェア(仮想サーバ)を生成するソフトウェアです。
- Webアプリケーション
- Webブラウザを備えたクライアントを対象に作成されたアプリケーションです。具体的には,サーブレットプログラム,JSPファイル,HTML/XMLドキュメントなどの集合体です。
- Webコンテナ
- Webアプリケーションを制御する実行環境です。また,セキュリティ,トランザクションなどの各種サービスも提供します。Webアプリケーションは,Webコンテナ上で動作します。
- Java Servlet2.5仕様,およびJavaServer Pages Specification v2.1仕様に準拠したWebアプリケーションを実行できます。
- Webサーバ
- Webブラウザからのリクエスト受信およびWebブラウザへのデータ送信に関連する処理を実行するプログラムです。アプリケーションサーバでは,Hitachi Web Server,Microsoft IIS,またはインプロセスHTTPサーバを使用できます。インプロセスHTTPサーバは,J2EEサーバプロセス内で動作するWebサーバです。
- なお,Management Serverを利用する場合,Hitachi Web Serverは論理サーバとして扱えます。
- Webサーバ連携
- アプリケーションサーバで使用するWebサーバとして,Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISを使用する方法です。
- Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISにCosminexus Component Containerが提供するリダイレクタモジュールを組み込んで使用します。
- Webシステム
- 1台の負荷分散機(ロードバランサ)と複数のWebサーバおよびアプリケーションサーバで構築されるWebクラスタシステムで,単一の業務サービスを提供します。
(ア行)- アプリケーションサーバ
- 情報システムの中間に位置し,ユーザの要求(プレゼンテーション層)とデータベースなどの業務システム(データ層)の処理を橋渡しするためのアプリケーション層を構築するためのミドルウェアです。
- 運用管理エージェント
- 運用管理者の代わりに,それぞれのホスト上の論理サーバを起動したり,設定ファイルを更新したりするエージェントプログラムです。
(カ行)- 仮想化環境
- 仮想化ソフトウェアによって実現される仮想サーバを使用した環境のことです。
- 仮想化ソフトウェア
- ソフトウェアで仮想サーバを実現する製品の総称です。
- 仮想サーバ
- 仮想化ソフトウェアによって実現される論理的なマシンに,OSや製品がインストールされ,仮想サーバマネージャによってアプリケーション実行環境(アプリケーションサーバ)が構築されたものです。
- 仮想サーバ識別子
- 仮想サーバマネージャが,仮想サーバを識別するために使用する識別子です。管理LAN(管理用のサーバを配置したLAN)に接続されているNIC(ネットワークアダプタ)のIPアドレスを設定します。
- 仮想サーバマネージャ
- 仮想化システムの運用環境で動作するプロセスです。仮想化システムの運用環境を構築し,仮想サーバへのアプリケーション実行環境(アプリケーションサーバ)の構築,業務の開始,停止など,仮想サーバを運用管理するための機能を提供します。
- 仮想サーバマネージャ管理者アカウント
- 仮想サーバマネージャのすべての機能を操作できる権限を持つアカウントです。仮想化システムの運用環境を操作する,仮想サーバマネージャ管理者に対して与えます。
- 管理LAN
- 管理用のサーバを配置したLANのことです。
- 管理ユニット
- 同一のデプロイメント(プロセスの配置,J2EEアプリケーションやリソースアダプタのデプロイ,定義)を適用する仮想サーバの集合です。
- 業務LAN
- 業務用のサーバを配置したLANのことです。
- 業務用IPアドレス
- 負荷分散機が仮想サーバにリクエストを送信するために使用するIPアドレスです。業務LAN(業務用のサーバを配置したLAN)に接続されているNIC(ネットワークアダプタ)のIPアドレスを設定します。
(サ行)- サーバ仮想化技術
- 一つのサーバを,あたかも複数のサーバであるかのように見せる技術です。この技術によって,1台の物理サーバのリソースを分割または統合して,何台もの仮想化したサーバが動作しているように見せたり,複数の物理サーバを1台のサーバのように見せたりできます。また,この仮想化されたサーバごとに,OS,アプリケーションなどを割り当てられます。
- サーバ管理コマンド
- サーバで管理しているアプリケーションおよびリソースの設定をするためのコマンド群です。
- サーバ通信エージェント
- 仮想サーバマネージャから,仮想サーバ上のアプリケーションサーバをセットアップおよび操作するために,仮想サーバ上で起動するエージェントプログラムです。
- サイジング
- 業務のシステム要件(性能要件と信頼性要件)を満たすマシンスペックとマシン数を決定するプロセスです。サイジングによって,業務システムで使用するマシン構成が決定できます。
- システム構築者アカウント
- 管理ユニットに対する操作を実行できる権限を持つアカウントです。管理ユニットを操作するシステム構築者に対して,仮想サーバマネージャ管理者が与えます。
- ジョブ
- JP1/AJSで扱うシステム運用の各作業のことです。
- ジョブネット
- JP1/AJSで扱うジョブの実行順序を関連づけたものです。
- スケールアウト
- システム全体の処理性能を向上させることを目的として,サーバの台数を増やすことをいいます。
- スケールアップ
- システム内のマシンのメモリやCPUなどを増強して,パフォーマンスを向上することをいいます。
- スケールイン
- システムの規模を縮小する場合などに,サーバの台数を減らすことをいいます。
- セントラルコンソール
- JP1/IMと連携している場合に,システムで発生した事象をJP1イベントによって集中管理することで,システムを統合管理するための仕組みです。
- セントラルスコープ
- JP1/IMと連携している場合に,システムの監視画面として管理者の目的に合わせた画面を提供することで,目的指向型のシステムを監視するための仕組みです。
(ハ行)- ハイパーバイザ
- 仮想化ソフトウェアが仮想サーバを実現するための制御プログラムで,ゲストOSのリソース管理や,エミュレーション処理を実施します。ハードウェア上で直接動作し,仮想化環境で複数OSを稼働・制御します。
- ハイパーバイザ管理ソフトウェア
- ハイパーバイザを一括管理するツールです。ハイパーバイザの種類ごとに用意します。
- パフォーマンストレーサ
- PRFデーモンのことです。
- Management Serverでは,パフォーマンストレーサを論理サーバとして扱えます。
- 負荷分散機
- Webブラウザなどからのリクエストを一元的に受け付けて,同等の機能を持つ複数のサーバに転送して各サーバの負荷を分散させるための装置です。
- 物理マシン
- 物理的なコンピュータのことです。
(ヤ行)- 要求リソース
- 性能要件を満たすために必要なマシンリソース(CPU,メモリ,ディスク容量など)のことです。
(ラ行)- ライブマイグレーション
- 仮想サーバで動作するゲストOSやソフトウェアを停止することなく,ほかの物理マシンへ物理マシンごと移動させる技術・サービスのことです。
- リソースアダプタ
- J2EE Connector Architectureによって,J2EEサーバまたはバッチサーバと,EISを接続するための接続機能です。
- アプリケーションサーバで構築したシステムでは,データベースに接続するためのリソースアダプタであるDB ConnectorおよびDB Connector for Cosminexus RMを提供しています。また,OpenTP1のSPPと接続するためのリソースアダプタであるuCosminexus TP1 Connector,TP1/Message Queueと接続するためのリソースアダプタであるTP1/Message Queue - Access,データベース上に実現したキューに接続するためのリソースアダプタであるCosminexus RMも使用できます。
- ロードバランサ
- リダイレクタを使用してリクエストを振り分ける場合に使用するワーカ定義のうち,クラスタ構成の場合に使用する特殊なワーカ定義です。振り分け先のWebコンテナのリストが定義されています。リダイレクタでは,この定義を基に,ラウンドロビン方式でリクエストの振り分け処理をします。
- 論理サーバ
- Management Serverの運用管理の対象になる,サーバまたはクラスタです。サーバには,Webサーバ,J2EEサーバなどがあります。クラスタとは,ある共通の機能を提供するサーバの集合です。