ここでは,定義ディレクトリに格納する定義ファイルの作成方法について説明します。
仮想サーバ上のWebシステムの定義は,簡易構築定義ファイル(WebFront.xml)で設定します。
次の制限事項および注意事項に従った簡易構築定義ファイルを作成します。なお,定義ディレクトリの取り込み,または登録済み定義ディレクトリとの比較を実行すると,制限事項に従っていない簡易構築定義ファイルの場合はエラーとなりますが,注意事項に従っていない場合はエラーになりません。
<logical-server-type>タグの指定 | <logical-server-name>タグの指定 |
---|---|
web-server | WebServer |
j2ee-server | J2EEServer |
performance-tracer | PRF |
VirtualServerの名称やポート,接続情報の設定個所など負荷分散機と接続するために必要な管理ユニットごとの設定を次に示します。
負荷分散機を使用する場合,システム構築者は,これらの情報をunit.properties(管理ユニットプロパティファイル)で設定します。
負荷分散機の接続情報は,負荷分散機接続設定プロパティファイル(<LB接続情報の識別名>.propertiesまたはunitlb.properties)で設定します。どちらの接続情報を使用するかは,unit.propertiesのlb.useキーで指定します。lb.useキーの指定値と負荷分散機接続設定プロパティファイルの設定有無による動作を次の表に示します。
表5-2 lb.useキーの指定値と負荷分散機接続設定プロパティファイルの要否
lb.useキーの指定値 | 負荷分散機接続設定プロパティファイルの設定有無 | 動作 | |
---|---|---|---|
<LB接続情報の識別名>.properties | unitlb.properties | ||
空文字 | - | - | 負荷分散機を使用しません。 |
<LB接続情報の識別名> | なし | - | ファイルがないため,次のタイミングでエラーになります。
|
あり | - | <LB接続情報の識別名>.propertiesの接続情報で負荷分散機を使用します。 | |
:unit: | - | なし | ファイルがないため,管理ユニットに属する仮想サーバへの定義ディレクトリを反映するタイミングでエラーになります。 |
- | あり | unitlb.propertiesの接続情報で負荷分散機を使用します。 |
(凡例)-:ファイルの設定があってもなくてもよいことを示します。
管理ユニットの操作時に負荷分散機を利用する場合,使用する負荷分散機の種類,接続方式など,負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を仮想サーバマネージャまたは管理ユニットで定義できます。管理ユニット操作時に負荷分散機へ依頼する処理(リクエスト振り分けや閉塞など)については,「7.6 仮想サーバマネージャから負荷分散機を制御するための機能(負荷分散機連携機能)」を参照してください。
管理ユニットで負荷分散機の接続情報を定義する場合,システム構築者は,unitlb.properties(負荷分散機接続設定プロパティファイル)で接続情報を設定します。
ここでは,BIG-IP v9を設定する場合の設定例を示します。
lb.type=BIG-IPv9 |
ここで設定した負荷分散機の接続情報を使用する場合は,unit.properties(管理ユニットプロパティファイル)のlb.useキーに「:unit:」を指定します。
仮想化システムで使用できるデータベースは,HiRDB,OracleまたはSQL Server(Windowsの場合)です。
データベースと接続するためには,リソースアダプタとしてDB Connectorを使用します。DB Connectorを使用する場合,データベース製品のインストールおよび初期設定が終了したあとにConnector属性ファイルのテンプレートを取得して,編集します。Connector属性ファイルのテンプレートファイルを,次の表に示す名称に変更して,データベースへの接続の設定など必要な項目を編集してください。
表5-3 Connector属性ファイルのテンプレートファイルの名称と変更後のファイル名称
使用するデータベース | テンプレートファイルの名称 | 変更後のファイル名称 |
---|---|---|
HiRDB | DBConnector_HiRDB_Type4_CP_cfg.xml | DB_Connector_for_HiRDB_Type4.xml |
Oracle | DBConnector_Oracle_CP_cfg.xml | DB_Connector_for_Oracle.xml |
SQL Server | DBConnector_SQLServer_CP_cfg.xml | DB_Connector_for_SQLServer2005.xml |
DB Connectorでのデータベース接続については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.6.1 DB Connectorによる接続の概要」を参照してください。
「5.2.1(7) 定義ファイルの取得」で任意のディレクトリにコピーしたファイルのうち,次のファイルを編集します。
cmx.connect.userid=admin |
mngsvrutil.connect.userid=admin |
version.properties(インタフェースバージョン定義ファイル)で,定義ディレクトリに登録するファイル群のフォーマットのバージョンを管理するための設定をします。意図しないバージョンのアプリケーションサーバが,仮想サーバ上に構築されることを防ぎます。
version.propertiesは,テンプレートファイルをコピーして,そのまま使用してください。テンプレートファイルの格納場所については,「8.1 仮想化システムの構築・運用時に使用するファイル」を参照してください。
version.propertiesのプロパティを次に示します。
必要に応じて,rasetup.propertiesで,Component Container管理者のユーザとグループ,およびManagement Server管理グループを設定します。ゲストOSがLinuxの場合だけ有効になります。
rasetup.propertiesを作成する場合,テンプレートファイルを使用できます。テンプレートファイルの格納場所については,「8.1 仮想化システムの構築・運用時に使用するファイル」を参照してください。
rasetup.propertiesの設定例を次に示します。ここでは,Component Container管理者を「usera」,Component Container管理グループとManagement Server管理グループを「groupA」とします。
setup.CC.user=usera |
rasetup.propertiesで設定できるプロパティを次に示します。
各プロパティを設定する場合の注意事項を次に示します。
JP1連携を自動設定する場合,JP1製品(JP1/IM,JP1/PFM)の環境設定を自動化する処理を,フックスクリプトのテンプレートファイルを使用して作成します。また,必要に応じて,仮想サーバマネージャが定義ディレクトリを反映する際に初期構築の仮想サーバ上で実行する処理を,ユーザが作成したスクリプト(フックスクリプト)で設定します。
フックスクリプトのファイル名は固定で,作成できるファイルは一つです。複数の処理を設定する場合も一つのファイルで作成してください。フックスクリプトのファイル名,ファイルの記述形式および格納場所を次の表に示します。
表5-4 フックスクリプトのファイル名,ファイルの記述形式および格納場所
ゲストOSの種類 | ファイル名 | 記述形式 | 格納場所 |
---|---|---|---|
Windows | pre-setup.bat | バッチ形式 | <定義ディレクトリ>¥hook¥ |
Linux | pre-setup | シェル形式 | <定義ディレクトリ>/hook/ |
フックスクリプトを作成する場合の注意事項を次に示します。
詳細は,「7.7 仮想サーバの初期構築時に実行する処理を設定するための機能(フックスクリプト機能)」を参照してください。なお,JP1連携を自動設定する場合のフックスクリプトの作成方法については,「7.7.2 フックスクリプトを利用したJP1連携の自動設定」を参照してください。