6.3.2 仮想サーバの障害からの復旧

ここでは,仮想サーバの復旧方法について説明します。

6.3.1 仮想サーバの障害要因の調査」で障害要因を調査した結果,既存の仮想サーバが使用できるかどうかによって,回復方法を決定します。それぞれの復旧手順を次に示します。

ここでは,管理ユニット「gyoumu_a」で,仮想サーバ識別子が「192.168.1.101」で業務用IPアドレスが「192.168.2.101」の仮想サーバを障害から復旧する例を示します。

<この項の構成>
(1) 障害が発生した仮想サーバが使用できる場合
(2) 障害が発生した仮想サーバが使用できない場合

(1) 障害が発生した仮想サーバが使用できる場合

既存の仮想サーバをそのまま使用して,障害から復旧します。

ポイント
作業を実施するユーザ:システム構築者
  1. 管理用端末マシンからハイパーバイザ管理用サーバマシンにリモート接続します。
  2. 障害が発生した仮想サーバに回復処理を実施します。
  3. 管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  4. 仮想サーバに障害マークが設定されている場合は,設定を解除します。
    コマンドの実行例を次に示します。

    vmiunit unmark -unit gyoumu_a -vs 192.168.1.101

  5. 仮想サーバを起動します。
    仮想サーバの起動手順については,「6.1.2 仮想サーバの起動と停止」を参照してください。

(2) 障害が発生した仮想サーバが使用できない場合

ほかの仮想サーバを用意して,障害から復旧します。

ポイント
作業を実施するユーザ:システム構築者,リソース管理者

ここでは,新たに用意する仮想サーバは仮想サーバ識別子が「192.168.1.110」で業務用IPアドレスが「192.168.2.110」とします。

  1. リソース管理者は,障害が発生した仮想サーバから回復できるデータを収集します。
  2. システム構築者は,管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  3. システム構築者は,仮想サーバを停止します。
    仮想サーバの停止手順については,「6.1.2 仮想サーバの起動と停止」を参照してください。
  4. システム構築者は,vmiunitコマンドのサブコマンド「detach」を使用して,障害が発生した仮想サーバを管理ユニットから登録解除します。
    コマンドの実行例を次に示します。

    vmiunit detach -unit gyoumu_a -vs 192.168.1.101

  5. システム構築者は,メールなどを利用して,既存の仮想サーバを返却して,新たな仮想サーバの手配を,リソース管理者に依頼します。
    5.2.1 仮想サーバのテンプレートの作成と初期設定」で作成した仮想サーバのテンプレートなどの情報をリソース管理者に連絡します。
  6. リソース管理者は,仮想サーバのテンプレートから仮想サーバの複製を作成します。複製した仮想サーバの情報をシステム構築者に報告します。
  7. システム構築者は,管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  8. システム構築者は,vmiunitコマンドのサブコマンド「attach」を使用して,リソース管理者から提供された新たな仮想サーバを管理ユニットへ登録します。
    コマンドの実行例を次に示します。

    vmiunit attach -unit gyoumu_a -vs 192.168.1.110 -serviceip 192.168.2.110

  9. 仮想サーバの電源がOFFの場合,システム構築者は,管理用端末マシンから仮想サーバにリモート接続して,仮想サーバの電源をONにします。
    仮想サーバとともにリソース管理者から提供された利用に関するドキュメントなどを参考にして,電源をONにします。
  10. システム構築者は,管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  11. システム構築者は,vmiunitコマンドのサブコマンド「update」を使用して,新たな仮想サーバに定義ディレクトリを反映します。
    コマンドの実行例を次に示します。

    vmiunit update -unit gyoumu_a

  12. システム構築者は,新たな仮想サーバを起動します。
    仮想サーバの起動手順については,「6.1.2 仮想サーバの起動と停止」を参照してください。
  13. 必要に応じて,リソース管理者は,手順1.で収集したデータをシステム構築者に転送します。