12.1 SOAP 1.1との対応

SOAP 1.1の仕様と,SOAPアプリケーション開発支援機能およびSOAP通信基盤で利用できる機能の関係について次の表に示します。大分類に示した章番号は,W3CのSOAP 1.1の仕様に記載されている章番号を表します。

表12-1 SOAP 1.1仕様のサポート範囲の一覧

分類サポート備考
大分類小分類
SOAPメッセージ交換モデル
(2章)
ワンウェイ×メッセージの一方送信について規定しています。
リクエスト・レスポンス要求メッセージの送信,および応答メッセージの受信について規定しています。
マルチキャスト×特定多数のメッセージ送信について規定しています。
XMLとの関係
(3章)
SOAPエンベロープ名前空間SOAPエンベロープで使用する名前空間について規定しています。SOAPエンベロープは,http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/で識別します。
SOAP直列化名前空間SOAP直列化の名前空間について規定しています。SOAPの直列化規則は,http://schemas.xmlsoap.org/soap/encoding/で識別します。
uri-reference型の参照XML1.0,XML Schema1.0,およびXML Linking Language1.0に従った仕様です。
一般の属性,値のSOAPエンベロープへの出現SOAPエンベロープでの,一般の属性と値の出現について規定しています。
SOAPエンベロープ
(4章)
構文SOAPエンベロープの構文について規定しています。
SOAP encodingStyle属性エンコーディングスタイルについて規定しています。エンコーディングスタイルで,任意の要素に対して直列化規則を指定できます。
SOAPヘッダ
(4章)
構文SOAPヘッダの構文について規定しています。
要素の無視SOAP Header要素の子要素以外のSOAPヘッダ属性を無視します。
actor指定したSOAPヘッダ項目の受信者について規定しています。
mustUnderstand指定したSOAPヘッダ項目が必須の処理であることを示します。
SOAPボディ
(4章)
構文SOAPボディの構文について規定しています。
名前空間修飾SOAP Body要素の子要素は,名前空間で修飾されていてもかまいません。
SOAP Fault
(4章)
コードSOAP Faultのコードを規定します。
SOAP符号化
(5章)
単一参照一つのアクセサだけが参照している値の直列化について規定しています。
多重参照二つ以上のアクセサによって参照される可能性がある値の直列化について規定しています。
単純データ型WSDLでsimpleTypeで表されるデータ型の直列化について規定しています。
バイト配列・文字列バイト配列および文字列の直列化について規定しています。
列挙列挙型の直列化について規定しています。
構造体(連結)構造体(連結構造体を含む)の直列化について規定しています。
複合データ型WSDLでcomplexTypeで表されるデータ型の直列化について規定しています。
配列(疎,部分,Jagged,多次元)疎である配列,部分配列,Jagged配列,および多次元配列の直列化について規定しています。Jagged配列とは,要素そのものが配列となっているものをいいます。RPC形態のアプリケーションでは,疎である配列,部分配列を生成できません。
デフォルト値アクセサ要素の省略について規定しています。
RPC形態のアプリケーションで扱えるNULL値は,xsi:nil="true"の形式だけです。
多態的アクセサ×多態的アクセサとは,共用体など実行時にデータ型が決まるものを示します。
HTTP
(6章)
SOAPActionSOAPのリクエストメッセージの意図を示すURIを示します。
SOAPHTTPレスポンスHTTP1.0のStatusコードに従います。
HTTP拡張フレームワーク×SOAPのHTTP拡張フレームワークでの使用について規定しています。
(凡例)
○:サポートされます。
△:制限付きでサポートされます。
×:サポートされません。