Cosminexus アプリケーションサーバ V8 システム構築・運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

9.1.2 アプリケーションサーバで実行できる運用作業

J2EEアプリケーションを実行するシステムでは次に示す運用作業を実施できます。

これらの作業を実行するには,主に次の手段を使用します。

ここでは,運用作業ごとに,アプリケーションサーバで推奨する手段について説明しています。ここで説明している手段以外で運用したい場合は,「付録E 代替手段で実行できる運用作業」を参照してください。

<この項の構成>
(1) システムの起動と停止で実行できる作業
(2) システムの運用監視で実行できる作業
(3) システムの処理性能解析で実行できる作業
(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業
(5) システムの監査で実行できる運用作業
(6) システムの変更で実行できる運用作業
(7) システム環境の移行で実行できる運用作業
(8) トラブルシューティングで実行できる作業

(1) システムの起動と停止で実行できる作業

システムの起動と停止で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-1 システムの起動と停止で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先マニュアル 参照個所 手段
サービスユニットを一括起動します。 不要 コマンド編 cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始) Smart Composer機能のコマンド(cmx_start_target)
サービスユニットを一括停止します。 不要 コマンド編 cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止) Smart Composer機能のコマンド(cmx_stop_target)
クラスタソフトウェアを使用したシステムを起動・停止します。 必要 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 18章 アプリケーションサーバのコマンド,クラスタソフトウェアの機能

(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。

(2) システムの運用監視で実行できる作業

システムの運用監視で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-2 システムの運用監視で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先マニュアル 参照個所 手段
サービスユニットのステータス,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバを確認します。 不要 コマンド編 cmx_list_status(サービスユニット状況の表示) Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_status)
論理サーバのステータスを確認します。 不要 運用/監視/連携編 2.5.2 運用管理コマンド(mngsvrutil)
Webシステム内のサービスユニットの構成,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバの一覧を確認します。 不要 コマンド編 cmx_list_model(Webシステムの情報モデルの取得) Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_model)
稼働情報ファイルを参照して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。 省略可 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 3章
運用管理コマンドを使用して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。 不要 運用/監視/連携編 8章 運用管理コマンド(mngsvrutil)
リソースの使用率や使用数を監視して,しきい値を超えた場合に原因を調査します。 省略可 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 4章
稼働情報ファイルに出力される稼働情報,またはリソースの枯渇状況に応じてメッセージが出力された場合の処理を自動化します(Managementアクション)。 必要 6.1.2(3)8.13.2運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 9章
CTMの稼働統計情報を出力します。 不要 運用/監視/連携編 10章 運用管理コマンド(mngsvrutil)
トランザクションの状態を確認します。 不要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.15.9 サーバ管理コマンド(cjlisttrn)

(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。
基本・開発編(コンテナ共通機能):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」を示します。

注※ CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3 構成ソフトウェア」を参照してください。


(3) システムの処理性能解析で実行できる作業

システムの処理性能解析で実行できる作業について,次の表に示します。

表9-3 システムの処理性能解析で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先マニュアル 参照個所 手段
性能解析トレースファイルを収集します。 不要 保守/移行/互換編 6.3 運用管理コマンド(mngsvrutil)
収集した性能解析トレースファイルを利用してシステムの処理性能を解析します。 不要 保守/移行/互換編 6.6

(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
保守/移行/互換編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」を示します。

(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-4 J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先マニュアル 参照個所 手段
Webアプリケーションの稼働状況を確認します。 不要 基本・開発編(Webコンテナ) 2.19.2 運用管理コマンド(mngsvrutil)
アクセス状況に応じて,Webアプリケーションの同時実行スレッド数を動的に変更します。 不要 基本・開発編(Webコンテナ) 2.19.2 運用管理コマンド(mngsvrutil)
CTMのスケジュールキューの稼働状況を確認して,同時実行数を動的に変更します。※1 不要 拡張編 3.6.3 確認:運用管理コマンド(mngsvrutil)
3.6.4 確認と変更:CTMのコマンド(ctmlsque,ctmchpara)
J2EEアプリケーションの実行状態を確認して,J2EEアプリケーションでタイムアウトが発生したリクエストをキャンセルします(J2EEアプリケーションの実行時間監視機能)。 必要 6.1.2(3)8.13.2運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 5.3.11 確認:サーバ管理コマンド(cjlistthread)
5.3.12 キャンセル:サーバ管理コマンド(cjstopthread)
J2EEアプリケーションを通常開始します。 不要 コマンド編 cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始) サーバ管理コマンド(cjstartapp)
J2EEアプリケーションを通常停止します。 不要 運用/監視/連携編 5.5.7 サーバ管理コマンド(cjstopapp)
J2EEアプリケーションを強制停止します。 不要 運用/監視/連携編 5.5.7 サーバ管理コマンド(cjstopapp)
負荷分散機を使用してサービスを閉塞します。※2 運用/監視/連携編 5.4.3 負荷分散機の機能
CTMを利用してサービスを閉塞します。※1 不要 拡張編 3.7.3 運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを入れ替えます。 リデプロイによる入れ替え 省略可 運用/監視/連携編 このマニュアル 9.4.2(1) サーバ管理コマンド(cjreplaceapp)
運用/監視/連携編 5.6.3
通常の入れ替え 不要 このマニュアル 9.4.2(2) サーバ管理コマンド(cjstopapp,cjimportapp)
運用/監視/連携編 5.6.3
リロードによる入れ替え 必要 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 5.6.3 サーバ管理コマンド(cjreloadapp)
JSPを事前にコンパイルしてから,J2EEアプリケーションを入れ替えます。 省略可/不要 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 5.6.3 cjjspcコマンド
J2EEアプリケーションの名称を変更します。 不要 サーバ管理コマンド(cjrenameapp)
CTMを利用して,オンライン状態でJ2EEアプリケーションを入れ替えます。※1 不要 拡張編 3.7.2 運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを本番環境でテストしてから本番運用を開始します。 不要 運用/監視/連携編 5.7 サーバ管理コマンド(cjimportapp,cjstartapp)
コネクションプールの情報を表示します。 不要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.15.4 サーバ管理コマンド(cjlistpool)
コネクションプールをクリアします。 不要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.15.5 サーバ管理コマンド(cjclearpool)
JavaBeansリソースを入れ替えます。 不要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.12.5 サーバ管理コマンド(cjdeletejb,cjimportjb)
クラスタ構成のデータベースをメンテナンスします。 不要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.17.4 サーバ管理コマンド(cjlistrar,cjsuspendpool,cjresumepool)
リソースの接続テストをします。 必要 基本・開発編(コンテナ共通機能) 基本・開発編(コンテナ共通機能) 3.18 サーバ管理コマンド(cjtestres)

(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
基本・開発編(Webコンテナ):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」を示します。
拡張編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
基本・開発編(コンテナ共通機能):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」を示します。

注※1 CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。

注※2 負荷分散機をSmart Composer機能で管理していない場合に実行します。負荷分散機をSmart Composer機能で管理している場合は,cmx_stop_targetコマンドを使用してサービスを閉塞してください。cmx_stop_targetコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)」を参照してください。


(5) システムの監査で実行できる運用作業

監査ログを使用したシステムの監査,およびデータベース監査証跡と連携した運用で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-5 システムの監査で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先マニュアル 参照個所 手段
監査ログを出力して,管理します。 必要 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 6章
監査ログを収集して調査します。 必要 運用/監視/連携編 運用/監視/連携編 17章
データベース監査証跡に出力された情報を基に,データベースにアクセスしたリクエストの情報を特定します。 不要 運用/監視/連携編 7章

(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。

(6) システムの変更で実行できる運用作業

システムの変更で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-6 システムの変更で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先 手段
設定変更 システム全体の設定を一括で変更します。 不要 9.5
構成変更 システムをスケールアウトします。 不要 9.69.8
システムをスケールインします。 不要 9.79.8
削除 システムを削除します。 不要 9.11

(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。

(7) システム環境の移行で実行できる運用作業

システム環境の移行で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-7 システム環境の移行で実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照先 手段
構築済みのシステムの環境を移行します。 不要 9.9 Smart Composer機能のコマンド(cmx_export_model)

(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。

(8) トラブルシューティングで実行できる作業

トラブルシューティングで実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-8 トラブルシューティングで実行できる作業

運用作業 運用前の設定の要否 運用前の設定方法の参照先 運用方法
参照マニュアル 参照個所 手段
トラブルシューティングに必要な資料を収集します。 必要/省略可 6.1.2(1)保守/移行/互換編 保守/移行/互換編 2.3 運用管理コマンド(mngsvrutil)
論理サーバ(構成ソフトウェアのサーバプロセス)に異常が発生した場合の処理を自動化します。 省略可 保守/移行/互換編 保守/移行/互換編 2.2.2
トラブルシューティングに必要な資料を調査します。 不要 保守/移行/互換編 5章
負荷分散機を閉塞して,Webシステムの部分メンテナンスをします。 不要 このマニュアル 9.4.1

(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
−:該当しません。
保守/移行/互換編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」を示します。