1.5.2 Smart Composer機能の利点

Smart Composer機能を使用すると,次のような利点があります。

<この項の構成>
(1) システム構成のパターン化による一括構築
(2) システムの構成変更や障害に対応した高度な運用
(3) ほかのプログラムと連携したシステム構築・運用

(1) システム構成のパターン化による一括構築

Smart Composer機能は,同じ機能やプロセスでパターン化された構成でシステムを構築する場合に向いています。Smart Composer機能では,業務サービスを提供する同じ構成のサーバの集合をサービスユニットといいます。このサービスユニットを複数のホストに対して配置して一括構築します。

サービスユニットの定義は,あらかじめファイルに必要最小限の設定内容を記述します。このファイルを使用して,複数のホストに対して一括構築したり,各サーバの環境を一括設定したりできます。

Smart Composer機能による一括構築の例を次の図に示します。

図1-7 Smart Composer機能による一括構築の例

[図データ]

Smart Composer機能では,サービスユニットの設定情報をまとめた定義ファイルを基に,Management Server上にWebシステムの情報モデルを生成します。生成した情報モデルを基にして,各サービスユニットに対して一括して情報を設定します。この図の場合,アプリケーションサーバマシンAとBのサービスユニット内にある,Webサーバ,PRFデーモン,およびJ2EEサーバの設定が一括でできます。

(2) システムの構成変更や障害に対応した高度な運用

Smart Composer機能では,次の操作ができます。

これらによって,業務を停止しないで日常の運用メンテナンスができます。

また,サービスユニット単位でスケールアウトやスケールインが実施でき,容易にシステムを拡張したり縮小したりできます。

さらに,障害検知時コマンドを利用したり,リソース枯渇監視機能やJ2EEアプリケーションの実行時間監視機能と組み合わせたりして,問題発生時にサービスユニットを自動部分閉塞したり,自動部分再起動したりするような高度な運用ができます。

(3) ほかのプログラムと連携したシステム構築・運用

Smart Composer機能を使用してシステムを構築・運用する際に,JP1やクラスタソフトウェアと連携することもできます。JP1と連携すると,アプリケーションサーバで構築したシステム以外のさまざまなハードウェア,ソフトウェア,ネットワークなどを含む業務システム全体をまとめて統合管理できます。クラスタソフトウェアと連携することで,障害発生時にシステムの切り替えができるので,システムの信頼性および稼働率を向上できます。Smart Composer機能使用時に連携できるプログラムについては,「1.7 ほかのプログラムとの連携」を参照してください。