付録C.2 SQL Serverの設定
(1) データベース側での設定
DB Connectorを使用してSQL Serverに接続する場合は,データベースのマシン上にSQL Serverをインストールして初期設定を済ませておいてください。また,SQL Serverに接続するためには,認証モードの設定が必要です。認証モードはインストール時に指定しますが,インストール後の変更もできます。
アプリケーションサーバで設定できるSQL Serverの認証モードは,設定できる認証方法によって,混合モードとWindows認証モードの2種類に分かれています。認証モード,および認証方法についてそれぞれ説明します。
- 認証モード
- 混合モード
Windows認証とSQL Server認証の両方の認証方法を使用できる認証モードです。
- Windows認証モード
Windows認証を使用できる認証モードです。
- 認証方法
- Windows 認証
SQL Serverのインスタンスへの接続の試行を検証するメカニズムの一つです。ユーザが,接続時にWindowsのユーザまたはグループによって識別されます。
- SQL Server認証
SQL Serverのインスタンスへの接続の試行を検証するメカニズムの一つです。接続するには,SQL Server ログインIDおよびパスワードを指定する必要があります。SQL Serverインスタンスでは,ログインIDとパスワードの組み合わせが有効であることを確認してから接続します。
設定できる認証モード,および認証方法は,SQL ServerのJDBCドライバごとに異なります。設定できる認証モード,および認証方法について,使用するSQL ServerのJDBCドライバごとに次の表に示します。
表C-2 設定できる認証モード,および認証方法
使用するSQL ServerのJDBCドライバ | 設定できる認証モード | 設定できる認証方法 |
---|
SQL Server認証 | Windows認証 |
---|
SQL Server 2000 Driver for JDBC | 混合モード | ○ | ×※ |
SQL Server 2005 JDBC Driver(バージョン1.0) | 混合モード | ○ | ×※ |
SQL Server 2005 JDBC Driver(バージョン1.1) | 混合モード | ○ | ○ |
Windows認証モード | × | ○ |
SQL Server JDBC Driver | 混合モード | ○ | ○ |
Windows認証モード | × | ○ |
(凡例)○:設定できる ×:設定できない
- 注※
- SQL Server 2000 Driver for JDBC,およびSQL Server 2005 JDBC Driverのバージョン1.0を使用する場合には,混合モードを使用しますが,Windows認証は使用できません。
SQL Serverの認証モード,および認証方法の詳細については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。
(2) J2EEサーバ側での設定(SQL Server 2000 Driver for JDBCの場合)
アプリケーションサーバがサポートするバージョンの,SQL Server 2000 Driver for JDBCのJARファイルを入手して,J2EEサーバのクラスパスに指定してください。JARファイルの入手方法とクラスパスの指定方法について説明します。
- Microsoft社のホームページからアプリケーションサーバがサポートするバージョン番号のSQL Server 2000 Driver for JDBCをダウンロードします。
- J2EEサーバを動作させるマシンに,ダウンロードしたSQL Server 2000 Driver for JDBCをインストールします。
- J2EEサーバのユーザクラスパスにJARファイルを指定します。
指定するJARファイルは,<SQL Server 2000 Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥libディレクトリ下にある次の三つのファイルです。
- mssqlserver.jar
- msbase.jar
- msutil.jar
簡易構築定義ファイルでは,物理ティアの定義(<tier>タグの定義)のJ2EEサーバの定義で,<configuration>タグにJARファイルの設定を追加します。なお,指定するパラメタについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6.7 物理ティアの定義」を参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<model-definition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/ModelDefinition-2.5">
<!-- Webシステムの属性定義 -->
<web-system>
<name>MyWebSystem</name>
:
<!-- 物理ティア(combined-tier)の定義 -->
<tier>
<tier-type>combined-tier</tier-type>
<!-- SQLサーバを使用するための設定 -->
<configuration>
<logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type>
<param>
<param-name>add.class.path</param-name>
<param-value><SQL Server Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥lib¥mssqlserver.jar</param-value>
<param-name>add.class.path</param-name>
<param-value><SQL Server Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥lib¥msbase.jar</param-value>
<param-name>add.class.path</param-name>
<param-value><SQL Server Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥lib¥msutil.jar</param-value>
</param>
</configuration>
</tier>
:
</web-system>
<host>
:
</model-definition> |
注 太字の部分が編集部分です。
- J2EEサーバに,SQL Server用のDB Connector(DBConnector_SQLServer_CP.rar)をインポートします。
DB Connectorの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.6 データベースへの接続」を参照してください。
cjimportresコマンドを使用して,DBConnector_SQLServer_CP.rarをインポートしてください。
(3) J2EEサーバ側での設定(SQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC Driverの場合)
アプリケーションサーバがサポートするバージョンの,SQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC DriverのJARファイルを入手して,J2EEサーバのクラスパスに指定してください。JARファイルの入手方法とクラスパスの指定方法について説明します。
- Microsoft社のホームページからアプリケーションサーバがサポートするバージョン番号のSQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC Driverをダウンロードします。
- J2EEサーバを動作させるマシンに,ダウンロードしたSQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC Driverをインストールします。
- J2EEサーバのユーザクラスパスにJARファイルを指定します。
指定するJARファイルは,<SQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC Driverのインストールディレクトリ>¥sqljdbc_<バージョン>¥<language>ディレクトリ下にあるsqljdbc.jarです。
簡易構築定義ファイルでは,物理ティアの定義(<tier>タグの定義)のJ2EEサーバの定義で,<configuration>タグにJARファイルの設定を追加します。なお,指定内容については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<model-definition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/ModelDefinition-2.5">
<!-- Webシステムの属性定義 -->
<web-system>
<name>MyWebSystem</name>
:
<!-- 物理ティア(combined-tier)の定義 -->
<tier>
<tier-type>combined-tier</tier-type>
<!-- SQLサーバを使用するための設定 -->
<configuration>
<logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type>
<param>
<param-name>add.class.path</param-name>
<param-value><SQL Server Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥sqljdbc_<バージョン>¥<language>sqljdbc.jar</param-value>
<!-- Windows認証を使用するための設定 -->
<param-name>add.library.path</param-name>
<param-value><SQL Server Driver for JDBCのインストールディレクトリ>¥sqljdbc_<バージョン>¥<language>¥auth¥<x86/x64/IA64></param-value>
</param>
</configuration>
</tier>
:
</web-system>
<host>
:
</model-definition> |
注 太字の部分が編集部分です。
Windows認証を使用する場合は,JARファイルの設定に加えて,次の設定も必要となります。なお,SQL Server 2005 JDBC Driverのバージョンが1.0の場合,Windows認証は使用できません。Windows認証を使用する場合に必要となる設定について説明します。
- J2EEサーバのコンテナ拡張ライブラリのJNI用ライブラリの検索パスにdllファイルが格納されているディレクトリを指定します。
指定するディレクトリは,<SQL Server 2005 JDBC DriverまたはSQL Server JDBC Driverのインストールディレクトリ>¥sqljdbc_<バージョン>¥<language>¥auth¥<x86/x64/IA64>ディレクトリです。
- J2EEサーバに,SQL Server用のDB Connector(DBConnector_SQLServer2005_CP.rar)をインポートします。
DB Connectorの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.6 データベースへの接続」を参照してください。
cjimportresコマンドを使用して,DBConnector_SQLServer2005_CP.rarをインポートしてください。
(4) タイムアウトの設定
必要に応じて,SQL Serverのタイムアウトを設定してください。タイムアウトの設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6.5 データベースでのタイムアウトを設定する」,およびSQL Serverのマニュアルを参照してください。
(5) コネクション障害検知を行うための設定
コネクションの障害検知やリソースアダプタの接続テストのために,SQL Serverの接続ユーザには,sysobjectsオブジェクトのSELECT権限が必要です。sysobjectsオブジェクトのSELECT権限は,デフォルトで付いているので外さないでください。