7.10.1 J2EEサーバの作業ディレクトリの構成

J2EEサーバの作業ディレクトリは,J2EEサーバが動作する上で必要な作業領域です。この領域には,ユーザのパスワード情報,インポートされたリソースアダプタ,EARファイル,EJB-JARファイル,WARファイル,作成されたJ2EEアプリケーションなどの情報が格納されます。

J2EEサーバには,次の作業ディレクトリがあります。

上記の作業ディレクトリの構成についてそれぞれ説明します。また,移行コマンド実行後のディレクトリ構成についても説明します。

ディレクトリ構成を図で示したあと,各ディレクトリを説明します。なお,図中の番号と説明の番号は対応しています。また,図中では,同一ディレクトリに複数の種類のファイルが入る場合は,いちばん長いファイル名だけを記載しています。

<この項の構成>
(1) J2EEアプリケーション(コンフィグレーション関連)
(2) J2EEアプリケーション(デプロイ関連)
(3) J2EEリソース
(4) J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)
(5) J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)
(6) Webアプリケーション(JSP関連)
(7) Webアプリケーション(その他)
(8) J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成
(9) リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

(1) J2EEアプリケーション(コンフィグレーション関連)

J2EEアプリケーション(コンフィグレーション関連)のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-5 J2EEアプリケーション(コンフィグレーション関連)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. J2EEアプリケーションごとに作られるディレクトリです。
  2. EARファイルをインポートした場合に作られるディレクトリです。ディレクトリ名はEARファイル名を基に付けられます。
  3. EARファイルは,17けたの数字.earの名前でここに格納されます。
  4. EJB-JARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はEJB-JARファイル名を基に付けられます。
  5. EJB-JARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。
  6. ライブラリJARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はライブラリJARファイル名を基に付けられます。
  7. ライブラリJARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。
  8. RARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はRARファイル名を基に付けられます。
  9. RARファイルは,17けたの数字.rarの名前でここに格納されます。
  10. WARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はWARファイル名を基に付けられます。
  11. WARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。

(2) J2EEアプリケーション(デプロイ関連)

J2EEアプリケーション(デプロイ関連)のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-6 J2EEアプリケーション(デプロイ関連)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. J2EEアプリケーションごとに作られるディレクトリです。
  2. J2EEアプリケーションの開始時に作られるファイルです。J2EEアプリケーション中にホーム,リモートインタフェース,java.rmi.Remoteを実装したインタフェースがあると,それらのパッケージ名やクラス名を基にファイルが作られます。
  3. J2EEアプリケーションの開始時に作られるファイルです。J2EEアプリケーション中にホーム,リモート,ローカル,ローカルホームインタフェースがあると,それらのパッケージ名やクラス名を基にファイルが作られます。

(3) J2EEリソース

J2EEリソースのディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-7 J2EEリソースのディレクトリ構成

[図データ]

  1. EJB-JARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はEJB-JARファイル名を基に付けられます。
  2. EJB-JARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。
  3. データソースごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はJDBCドライバのファイル名を基に付けられます。
  4. JDBCドライバのファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。
  5. JavaMailの設定ごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はejbmailを基に付けられます。
  6. JavaMailの設定を保存したファイルがここに保存されます。
  7. RARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はRARファイル名を基に付けられます。
  8. RARファイルは,17けたの数字.rarの名前でここに格納されます。
  9. WARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はWARファイル名を基に付けられます。
  10. WARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。

(4) J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)

J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-8 J2EEリソースアダプタ(コンフィグレーション関連)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. RARファイルごとに作られるディレクトリです。ディレクトリ名はRARファイル名を基に付けられます。
  2. RARファイルは,17けたの数字.rarの名前でここに格納されます。

(5) J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)

J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)のディレクトリ構成を次の図に示します。なお,図中では,同一ディレクトリに複数の種類のファイルが入る場合は,いちばん長いファイル名だけを記載しています。

図7-9 J2EEリソースアダプタ(デプロイ関連)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. RARファイル内のJARファイルは,17けたの数字.jarの名前でここに格納されます。
  2. RARファイル内のネイティブライブラリファイルは,ここに格納されます。

(6) Webアプリケーション(JSP関連)

Webアプリケーション(JSP関連)のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-10 Webアプリケーション(JSP関連)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. コンテキストルートに指定した名前でディレクトリが作られます。/が含まれている場合は3文字の文字列に置き換えられます。
  2. JSPをコンパイルしてできたクラスファイルが格納されます。JSPのファイル名に英数字以外の文字が含まれている場合は,それぞれ6文字の文字列に置き換えられます。また,ファイル名が数字で始まる場合は1文字付加されます。

(7) Webアプリケーション(その他)

Webアプリケーション(その他)のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-11 Webアプリケーション(その他)のディレクトリ構成

[図データ]

  1. コンテキストルートに指定した名前でディレクトリが作られます。/が含まれている場合は3文字の文字列に置き換えられます。
  2. WARファイルに含まれているファイルがここに解凍されます。

(8) J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバの移行コマンド実行時,作業ディレクトリの下に作業ディレクトリ_oldの名前でディレクトリを作成し,そこに旧バージョンの作業ディレクトリ下のファイルを退避します。将来,アップグレードインストールをするためには,パス長に作業ディレクトリ_old分の余裕が必要です。J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-12 J2EEサーバ,またはWebコンテナサーバの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

[図データ]

(9) リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

リソースアダプタの移行コマンド実行時,rarupdate_bkの名前でディレクトリを作成し,各J2EEサーバのリソースアダプタのファイルを退避します。作業ディレクトリが「・・・¥<ディレクトリ名>,または・・・/<ディレクトリ名>」の場合,バックアップRARディレクトリは,「・・・¥<ディレクトリ名>¥rarupdate_bk,または・・・/<ディレクトリ名>/rarupdate_bk」になります。リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-13 リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成

[図データ]

作業ディレクトリの下にrarupdate_bkのパス長を追加する余裕がない場合は,移行コマンド実行時に-backuptoオプションでバックアップ先ディレクトリを指定し,パス長に余裕がある領域にファイルを退避できます。-backuptoオプションを使用する場合のリソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成を次の図に示します。

図7-14 リソースアダプタの移行コマンド実行後のディレクトリ構成(-backuptoオプションでバックアップ先ディレクトリを指定する場合)

[図データ]