4.2.2 サービスユニットとは

業務サービスを提供する,閉じた部分系などのサーバの集合をサービスユニットといいます。サービスユニットは,サーバの起動・停止,J2EEアプリケーションの入れ替え時の閉塞処理,スケールアウトなどの単位となります。

参考
サービスユニットを配置するサーバマシンには,構築済みのWebシステムなどで使用しているマシンを指定することもできます。
<この項の構成>
(1) サービスユニットの種類と配置できるプロセス
(2) サービスユニットの複数配置

(1) サービスユニットの種類と配置できるプロセス

サービスユニットの種類には,サービスユニットを配置するサーバマシンが属する物理ティアによって,業務サービスを提供するものや,セッション情報を管理するものなどがあります。また,サービスユニットに配置するプロセスも,物理ティアによって異なります。サービスユニットの種類とサービスユニットに配置するプロセスを次の表に示します。

表4-2 サービスユニットの種類とサービスユニットに配置するプロセス

物理ティアの種類サービスユニットの種類サービスユニットに配置するプロセス1サービスユニットに配置できる数
combined-tier業務サービス用のサービスユニットJ2EEサーバ1
Webサーバ1
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n
http-tier※1業務サービス用のサービスユニットWebサーバ1
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n
j2ee-tier業務サービス用のサービスユニットJ2EEサーバ1
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n
sfo-tierメモリセッションフェイルオーバ用のサービスユニットSFOサーバ1
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n
ctm-tierCTM用のサービスユニットCTMドメインマネジャ1
CTM※21
スマートエージェント1
J2EEサーバ1~32
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n
統合ネーミングスケジューラサーバ用のサービスユニットCTMドメインマネジャ1
CTM※21
スマートエージェント1
PRFデーモン1
ユーザサーバ0~n

(凡例)n:n個配置できます。配置できる個数に制限はありません。

注※1 http-tierはj2ee-tierと組み合わせて使用します。サービスユニットは,http-tierとj2ee-tierに属するサーバマシンに配置するサーバの組み合わせで構成されます。

注※2 CTMは,CTMデーモン,CTMレギュレータおよびグローバルCORBAネーミングサービスから構成されるプロセス群です。


なお,システム構成ごとに配置するプロセスについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「3. システム構成の検討(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。

(2) サービスユニットの複数配置

サービスユニットは,1台のサーバマシンに複数配置できます。サーバマシン内のサーバは,サービスユニット単位で増やすことができます。また,異なるWebシステムのサービスユニットを,1台のサーバマシンに配置して,複数の業務を1台のマシンで運用することもできます。

1台のサーバマシンには,同じWebシステムのサービスユニットも,異なるWebシステムのサービスユニットも配置できます。なお,1台のサーバマシン内の異なるWebシステムで,1台の負荷分散機を共有する場合は,それぞれのWebシステムで使用する負荷分散機の仮想サーバを分ける必要があります。サーバマシン内に複数のサービスユニットを配置する場合の設定については,「8.11.6(2) サーバマシン内に複数のサービスユニットを配置する場合の簡易構築定義ファイルの作成」を参照してください。

注意
CTMを使用するパターンでは,同じCTMドメインのサービスユニットは,サーバマシン内に複数配置できません。