製品のインストールには,日立総合インストーラを使用します。
インストールを実行する前に,構成ソフトウェアのすべてのプロセスが実行中でないことを確認してください。実行中の場合は,構成ソフトウェアのすべてのプロセスを停止してから,インストールを実行してください。
インストール作業には,Windowsの場合はAdministrator権限が,UNIXの場合はroot権限が必要です。なお,製品のインストールについては,各製品のリリースノートを参照してください。
ここでは,製品の構成ソフトウェアのインストールについて説明します。
- Cosminexus Component Containerのインストール
- ほかの構成ソフトウェアのインストール
なお,製品と構成ソフトウェアの対応については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) Cosminexus Component Containerのインストール
- (2) ほかの構成ソフトウェアのインストール
Cosminexus Component Containerは,Application Serverの構成ソフトウェアです。
新規インストール,上書きインストール,アップグレードインストールの場合のインストール方法についてそれぞれ説明します。上書きインストールおよびアップグレードインストールの場合,インストール時に注意が必要です。インストール時の注意事項については,「(d) インストール時の注意事項」を参照してください。
なお,インストールに失敗した場合は,次の点を確認してください。
- 起動しているサービスやアクセス中のファイル,ディレクトリがないか
- ファイル,ディレクトリのアクセス権が拒否されていないか
また,J2EEサーバまたはバッチサーバでの,インストール方法ごとのユーザ環境の扱いを次の表に示します。
表7-1 インストール方法ごとのユーザ環境の扱い
インストール方法 | サーバのユーザ定義 | サーバ管理コマンドのユーザ定義 | サーバの作業ディレクトリ※ |
---|
新規インストール | インストーラが,デフォルトのサーバをセットアップし,ユーザ定義を作成します。 | インストーラが,デフォルトのユーザ定義を作成します。 | サーバが,初回起動時に作成します。 |
上書きインストール | 引き継ぎます。 | 引き継ぎます。 | 引き継ぎます。 |
アップグレードインストール | 引き継ぎます。 | 引き継ぎます。 | インストール後,cjenvupdateコマンドを実行して移行してください。 移行情報は,既存のディレクトリに格納され,そのまま利用されます。 |
注※ サーバの作業ディレクトリは,J2EEサーバとバッチサーバの場合で異なります。J2EEサーバの作業ディレクトリについては,「7.10 J2EEサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。バッチサーバの作業ディレクトリについては,「7.11 バッチサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。
(a) 新規インストールの場合
新規インストールとは,インストール先のマシンにCosminexus Component Containerがインストールされていない場合のインストールです。新規インストールの場合の手順について,OSごとに説明します。
●Windowsの場合
- インストールディレクトリにファイルがないことを確認します。
インストールディレクトリが作成されていない場合は問題ありません。
インストールディレクトリが作成されている場合は,インストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。
デフォルトでは,次のディレクトリ群にインストールされます。
- <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥CC
- <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥manager
- <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥c4web
- <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥CWC
- <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥plugins
インストール先に同名のファイルがあり,保護されていない場合は,上書きするおそれがあります。ファイルを別の場所に移動するか,またはインストール先を変更してください。
- Cosminexus Component Containerをインストールします。
●UNIXの場合
新規インストールの場合の手順を次の図に示します。なお,Component Container管理者を設定する場合と,Component Container管理者を設定しない場合では,手順が異なります。
図7-2 Cosminexus Component Containerの新規インストールの手順
![[図データ]](figure/zu070200.gif)
図中の1.~6.について説明します。なお,グループと管理者の登録,ディレクトリの所有者とグループの変更については,ご使用のOS付属のマニュアルなどを参照してください。
- Component Container管理者を登録するグループを登録します。
ここで登録するグループをComponent Container管理者グループと呼びます。
- 手順1.で登録したグループに,Component Container管理者を登録します。
このときComponent Container管理者グループをComponent Container管理者のプライマリグループにしてください。
- Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ下に,ファイルまたはディレクトリがないことを確認します。
インストールディレクトリが作成されていない場合は問題ありません。
インストールディレクトリがある場合,インストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。製品がインストールするファイルまたはディレクトリと同名のファイルまたはディレクトリがある場合は,ファイルまたはディレクトリが上書きされます。必要に応じて,ディレクトリやファイルの移動,またはバックアップの作成をしてください。
- Cosminexus Component Containerをインストールします。
サーバが自動的にセットアップされます。デフォルトのサーバ名称はホスト名称です。
- Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリの所有者とグループを,手順1.および手順2.で登録したComponent Container管理者とComponent Container管理者グループに変更します。
- cjenvsetupコマンドを実行して,Component Container管理者をセットアップします。
cjenvsetupコマンドでのComponent Container管理者の設定後,Component Container管理者が実施できる操作は,一部の操作を除き,スーパーユーザでは操作できなくなります。詳細については,「7.2.3 Component Container管理者の設定(UNIXの場合)」を参照してください。
(b) 上書きインストールの場合
Cosminexus Component Containerの上書きインストールとは,Cosminexus Component Container 08-50がインストールされたマシンにCosminexus Component Containerをインストールすることです。上書きインストールの場合の手順を次に示します。
- Cosminexus Component Containerをインストールします。
上書きインストールすると,前の設定が自動的に引き継がれます。
なお,デフォルトのサーバの定義ディレクトリがない場合には,次に示すように自動的にセットアップされます。
- デフォルトのサーバ(ホスト名称のサーバ)の定義ディレクトリ(<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥usrconf¥ejb¥<ホスト名称>,または/opt/Cosminexus/CC/server/usrconf/ejb/<ホスト名称>)がない場合には,定義ファイルが自動的にセットアップされます。
なお,UNIXの場合,上書きインストールの操作はComponent Container管理者の設定の有無によって異なります。
- Component Container管理者を設定していた場合
上書きインストール後も同じユーザがComponent Container管理者となります。上書きインストール後のサーバのセットアップ,起動と停止などの操作はComponent Container管理者が実施してください。
Component Container管理者を変更したい場合には,Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ(/opt/Cosminexus/CC)の所有者およびグループを変更して,cjenvsetupコマンドでComponent Container管理者をセットアップしてください。
- Component Container管理者を設定する場合
上書きインストール前にComponent Container管理者を設定していない状態で,上書きインストール後,新規にComponent Container管理者を設定する場合は,スーパーユーザで次の操作を実施してください。
- Component Container管理者グループの登録
- Component Container管理者の登録
- 上書きインストール
- Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ(/opt/Cosminexus/CC)の所有者およびグループの変更
- cjenvsetupコマンドでComponent Container管理者のセットアップ
Component Container管理者の設定方法については,「(a) 新規インストールの場合」を参照してください。
Component Container管理者の設定後,J2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,起動と停止などの操作はComponent Container管理者が実施してください。
- Component Container管理者を設定しない場合
上書きインストール前にComponent Container管理者を設定していない状態で,上書きインストール後もそのままComponent Container管理者を設定しない場合は,J2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,起動と停止などの操作はスーパーユーザで実施できます。
(c) アップグレードインストールの場合
Cosminexus Component Containerのアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。
- インストーラによるユーザデータの移行作業
- 以前のバージョンのCosminexus Component Containerがインストールされている場合,インストール時に,インストーラによるユーザデータの移行作業が行われます。インストーラでは完全に移行できないユーザデータについては,インストール後に移行作業用のコマンドを実行して,作業ディレクトリの移行やリソースアダプタのバージョンアップなどの移行作業をしてください。
- アップグレードインストール時に削除されるディレクトリ
- アップグレードインストール時には次のディレクトリが削除されます。必要なファイルがある場合は,アップグレードインストール前に退避してください。
- Windowsの場合
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥help
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥examples
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥gui
- UNIXの場合
- /opt/Cosminexus/CC/admin/help
- /opt/Cosminexus/CC/examples
- /opt/Cosminexus/CC/gui
- Cosminexus Web Services - Baseをインストールしている場合のアップグレードインストール
- Cosminexus Web Services - Baseはアプリケーションサーバ Version 6までで提供されている構成ソフトウェアです。UNIXの場合で,アプリケーションサーバ Version 8にアップグレードインストールするときは,動作モードの移行が実施されます。このため,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「付録A SOAPアプリケーションの移行」を参照して,移行してください。
移行作業およびバージョン間の機能の差異については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「12. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行」を参照してください。
なお,UNIXの場合,アップグレードインストールの操作はComponent Container管理者の設定の有無によって異なります。
- Component Container管理者を設定していた場合
アップグレードインストール後も同じユーザがComponent Container管理者となります。
移行作業はComponent Container管理者が実施してください。また,その後のJ2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,起動と停止などの操作もComponent Container管理者が実施してください。
Component Container管理者を変更したい場合には,Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ(/opt/Cosminexus/CC)の所有者およびグループを変更して,cjenvsetupコマンドでComponent Container管理者をセットアップしてください。
- Component Container管理者を設定する場合
アップグレードインストール前にComponent Container管理者を設定していない状態で,アップグレードインストール後,新規にComponent Container管理者を設定する場合は,次の手順でアップグレードインストールしてください。なお,これらの操作は,すべてスーパーユーザで実施してください。
- Component Container管理者グループの登録
- Component Container管理者の登録
- Cosminexus Component Containerのインストール
- 移行作業
- Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ(/opt/Cosminexus/CC)の所有者およびグループの変更
- cjenvsetupコマンドでComponent Container管理者のセットアップ
Component Container管理者の設定方法については,「(a) 新規インストールの場合」を参照してください。
Component Container管理者の設定後,J2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,起動と停止などの操作はComponent Container管理者が実施してください。
- Component Container管理者を設定しない場合
アップグレードインストール前にComponent Container管理者を設定していない状態で,アップグレードインストール後もそのままComponent Container管理者を設定しない場合は,移行作業はスーパーユーザが実施してください。
また,その後のJ2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,起動と停止などの操作もスーパーユーザが実施してください。
(d) インストール時の注意事項
●Cosminexus Component Containerの新規インストール,上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項
新規インストール,上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。
- Windowsの場合,Management Serverおよび運用管理エージェントのサービスのログオンアカウントには,デフォルトであるローカルシステムアカウント以外は指定しないでください。ただし,J2EEアプリケーションからネットワークリソースへアクセスする場合には,運用管理エージェントのサービスのログオンアカウントをローカルホストのAdministratorsグループに所属するように設定してください。
●Cosminexus Component Containerの上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項
Cosminexus Component Containerの上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。
- 旧バージョンからアップグレードインストールする場合,作業ディレクトリのディスク使用量の2倍以上の空き容量を確保してください。
- UNIXの場合,旧バージョンのインストールディレクトリが変更されていたときは,新規インストールになります。
- UNIXの場合,アプリケーションサーバ Version 6までで提供している構成ソフトウェアのうち,Cosminexus Component Library,Cosminexus Manager,およびCosminexus Web Services - Baseがインストールされている環境には,Cosminexus Component Containerをインストールできません。インストールされている場合は必ずアンインストールしてください。
- 旧バージョンからアップグレードインストールして環境を移行した場合,作業ディレクトリは旧バージョンで使用していたディレクトリを引き続き使用します。旧バージョンの作業ディレクトリを誤って削除しないようにしてください。
- 旧バージョンからアップグレードインストールした場合,運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」は,V7互換モードで動作します。V8モードで動作したい場合は,mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.compat.operation_appキーに「false」を設定してください。
- このバージョンの製品または試用版をインストールしてアンインストールしたあとに古いバージョンの製品をインストールする場合は,インストール先にこのバージョンで作成された環境(<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC,または/opt/Cosminexus/CC)が残っていないことを確認してください。このバージョンで作成された環境が残っていると,古いバージョンへ移行されないため,製品の動作やそのあとのアップグレードインストールなどが保証されません。このバージョンで作成された環境が残っている場合は,インストール先を変更するか,このバージョンで作成された環境を削除または移動してからインストールしてください。
- 運用管理エージェントの設定ファイルであるadminagent.xmlは,インストール時に上書きされ,既存のファイルはadminagent.xml.bakとして退避されます。adminagent.xmlを編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。
- バージョン間の機能の差異については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「12. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行」を参照してください。
- snapshotログ収集先対象リストファイルであるsnapshotlog.conf,およびsnapshotlog.2.confは,インストール時に上書きされ,既存のファイルはsnapshotlog.conf.bak,およびsnapshotlog.2.conf.bakとして退避されます。snapshotログの収集対象を編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。
- Management Server上で論理Webサーバを削除しないで,Hitachi Web Serverをアンインストールして再インストールした場合,Management Serverで管理されている論理Webサーバは削除されませんが,実サーバ(Webサーバ(Hitachi Web Server))は削除されます。このため,再インストール後,Management Serverで該当する論理Webサーバを再セットアップする必要があります。この場合は,運用管理ポータルで再度論理Webサーバのセットアップと配布を実行してください。
また,httpsd.confファイルは,運用管理ポータルで論理Webサーバの設定情報を配布した時に新規作成または上書きされます。このため,手動でhttpsd.confファイルを修正していた場合は,運用管理ポータルで論理Webサーバの設定情報を配布したあとに,必要に応じて,再度httpsd.confファイルを修正してください。なお,運用管理ポータルの[Webサーバの設定]画面で,httpsd.confファイルの内容を編集して配布している場合は,修正不要です。