1.4.2 セットアップウィザードの利点

セットアップウィザードを使用すると,次のような利点があります。

<この項の構成>
(1) 対話形式のプログラムによる構築手順の簡略化
(2) デフォルト設定によるシステム構築作業時間の短縮化

(1) 対話形式のプログラムによる構築手順の簡略化

セットアップウィザードを使用すると,対話形式でシステムを構築できます。事前に詳細なパラメタ設計や定義ファイルの作成をしたり,構築中に幾つものコマンドを実行したりする必要がありません。セットアップウィザードでは,画面に表示される内容を確認しながら,必要な項目を入力することで作業を進められます。このため,迷うことなく,システムの構築を進められます。セットアップウィザードによるシステム構築の例を次の図に示します。

図1-6 セットアップウィザードによるシステム構築の例

[図データ]

セットアップウィザードでは,システムに必要なサーバプロセスの構築と,リソースアダプタの設定までを一括で実行できます。J2EEアプリケーションのインポート,設定,開始については,セットアップウィザード実行後にサーバ管理コマンドを使用して実行します。

また,セットアップウィザードでは,構築済みシステムを複製元としたファイルを準備してコマンドを入力するだけで,ほかのマシンに複製できます。システム構築後にチューニングして変更したパラメタの情報も複製できるため,複製先のシステムのセットアップに掛かる時間を短縮できます。

(2) デフォルト設定によるシステム構築作業時間の短縮化

セットアップウィザードには,標準セットアップとカスタムセットアップという2種類のセットアップ方法があります。

標準セットアップを選択した場合,WebサーバとJ2EEサーバで構成されるシステムをすべてデフォルト値で構築できます。データベースに接続するシステムの場合は,データベース接続環境についてだけ設定すれば,それ以外の項目はすべてデフォルト値を使用して構築できます。設定項目について細かく検討したり,設定したりする必要がありません。このため,システム構築作業時間を短縮できます。なお,一度設定した内容は,システム構築完了後に必要に応じてチューニングすることもできます。

システム構成,ユーザ名,使用するポート番号などを変更したい場合は,カスタムセットアップを選択できます。カスタムセットアップでは,それぞれの設定項目に任意の値を設定できます。なお,カスタムセットアップを選択した場合も,必要な項目だけをカスタマイズできます。それ以外の項目は,デフォルト値を使用してシステムを構築できます。この場合,デフォルト値は,「セットアップウィザードのデフォルト値」となります。このデフォルト値は,「簡易構築定義ファイルに指定できるパラメタの省略値」と異なることがあります。パラメタの省略値と異なるデフォルト値については,「付録D セットアップウィザードで設定されるパラメタ」を参照してください。