8.8.1 リソースとJ2EEアプリケーションの設定の前に
(1) リソースとJ2EEアプリケーションの設定の注意事項
リソースとJ2EEアプリケーションの設定をする場合に知っておく必要がある,Server Plug-inを使用する前に必要な設定,サーバ管理コマンド実行時の動作方法,リソースとJ2EEアプリケーションの設定の制約事項などを次に示します。
- サーバ管理コマンドとServer Plug-inでは,使用できる機能に差異があります。例えば,セキュリティアイデンティティの設定はサーバ管理コマンドでしか使用できません。サーバ管理コマンドで使用できる機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「2.2 サーバ管理コマンドの機能」を参照してください。Server Plug-inで使用できる機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「2.3 Server Plug-inの機能」を参照してください。
- Server Plug-inを使用する場合には,Eclipseへの組み込みや環境設定などが必要です。Server Plug-inを使用するための設定については,「7.8 Server Plug-inの設定」を参照してください。
- Server Plug-inを起動する前に,運用管理エージェントとManagement Serverを起動しておく必要があります。運用管理エージェントの起動,Management Serverの起動については,「7.7 システムの起動と停止の設定」を参照してください。
- サーバ管理コマンドは,J2EEサーバが起動している状態で実行できるコマンドです。J2EEサーバおよびその前提プロセスを起動してからサーバ管理コマンドを実行してください。
- サーバ管理コマンドでは,J2EEアプリケーションやリソースのプロパティを設定するときに,属性情報が出力されたファイル(属性ファイル)を取得して,テキストエディタなどで編集します。このとき,Connector属性ファイルなど固有の属性ファイルを取得するほかに,すべての属性情報を含んだアプリケーション統合属性ファイルを取得して,属性情報を一括して編集できます。
- サーバ管理コマンドには,参照系コマンド,更新系コマンドおよび特権系コマンドがあります。これらは,組み合わせによって,同時に実行できるものと,排他処理されるものがあります。実行時には注意してください。参照系コマンドと更新系コマンドの分類については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の次の個所を参照してください。
- 2.3 J2EEアプリケーションで使用するコマンド
- 2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド
- アクセス権やネットワークの設定をしておくことで,サーバ管理コマンド,J2EEサーバおよびCORBAネーミングサービスは,それぞれ別のホストで実行できます。別のホストで実行する場合には,次のことに注意してください。
- J2EEサーバ間でCORBAネーミングサービスを共有している場合に,ほかのホスト上で実行されているJ2EEサーバの状態が表示されることがあります。誤操作に注意してください。
- 各ホストにインストールされているアプリケーションサーバのバージョンが異なると正常に実行できないことがあるので,同じバージョンの環境で使用してください。
(2) サーバ管理コマンドの動作設定のカスタマイズ
ユーザ定義ファイルを編集すると,サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズできます。必要に応じて,サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズしてください。なお,UNIXの場合,カスタマイズにはroot権限,またはComponent Container管理者の権限が必要です。
次のディレクトリにあるコマンドがサーバ管理コマンドのコマンドになります。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/admin/bin
コマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
(a) カスタマイズ対象のユーザ定義ファイル
サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズするには,次のユーザ定義ファイルをテキストエディタなどで編集します。
- usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)
サーバ管理コマンドのプロパティを指定するファイルです。
ファイルの格納場所を次に示します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥usrconf¥usrconf.properties
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/admin/usrconf/usrconf.properties
詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「5.4 usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)」を参照してください。
- usrconf.bat(サーバ管理コマンド用オプション定義ファイル)
Windowsの場合にサーバ管理コマンドのJavaVMの起動オプションを指定するファイルです。
ファイルの格納場所を次に示します。
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥usrconf¥usrconf.bat
詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「5.3 usrconf.bat(サーバ管理コマンド用オプション定義ファイル)」を参照してください。
- usrconf(サーバ管理コマンド用オプション定義ファイル)
UNIXの場合にサーバ管理コマンドのJavaVMの起動オプションを指定するファイルです。
ファイルの格納場所を次に示します。
/opt/Cosminexus/CC/admin/usrconf/usrconf
詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「5.2 usrconf(サーバ管理コマンド用オプション定義ファイル)」を参照してください。
(b) サーバ管理コマンドのカスタマイズで設定できる主な項目
サーバ管理コマンドのカスタマイズでユーザ定義ファイルを編集して設定できる項目のうち,主な項目とその項目を設定するユーザ定義ファイルおよびキーを次の表に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「5. サーバ管理コマンドで使用するファイル」を参照してください。
表8-3 サーバ管理コマンドのカスタマイズで設定できる主な項目
分類 | 項目 | 設定ファイル | 設定方法 |
---|
JavaVM | JavaVMのヒープサイズ | usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合) | add.jvm.argキーに,JavaVMのヒープサイズを指定します。 |
スマートエージェント | - | usrconf.properties | vbroker.agent.portキーに,サーバ管理コマンドが使用するスマートエージェントのポート番号を指定します。 |
ログ | Cosminexus TPBrokerのトレースファイル | usrconf.properties | vbroker.orb.htc.tracePathキーに,Cosminexus TPBrokerのトレースファイル出力先のパスを指定します。 |
サーバ管理コマンドのログ | - usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)
- usrconf.properties
| サーバ管理コマンドのログは,ログの出力先,ログレベルを変更できます。 詳細は,「(3) サーバ管理コマンドのログ取得の設定」を参照してください。 |
(凡例)-:該当しません。
注 ネーミング管理の機能を使用する場合にもサーバ管理コマンドのカスタマイズが必要です。詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2.3.6 実行環境での設定」を参照してください。
(3) サーバ管理コマンドのログ取得の設定
サーバ管理コマンドのログは,ログの出力先,ログレベルを変更できます。変更できる項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次に示します。
項目 | 対応するユーザ定義ファイルとキー |
---|
ログの出力先 | usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)のUSRCONF_JVM_ARGSキーの-Dejbserver.log.directoryオプション |
ログレベル | usrconf.propertiesのejbserver.logger.enabled.*キー |
ファイルおよびキーの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「5. サーバ管理コマンドで使用するファイル」を参照してください。
(a) ログの出力先の変更
サーバ管理コマンドのログの出力先を変更する場合は,サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)でログの出力先ディレクトリを指定します。
- ログの出力先の変更
- デフォルトのログ出力先を次に示します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥logs
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/admin/logs/
- サーバ管理コマンドのログの出力先は,usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)のUSRCONF_JVM_ARGSキーの-Dejbserver.log.directoryオプションで変更できます。
- 設定例
- Windowsの場合
set USRCONF_JVM_ARGS="-Dejbserver.log.directory=C:¥CClogs¥admin"
- UNIXの場合
set USRCONF_JVM_ARGS="-Dejbserver.log.directory=/CClogs/admin"
- カレントディレクトリ
- ログ出力先を相対パスで指定する場合のカレントディレクトリは,サーバ管理コマンドを実行したときのカレントディレクトリです。
- 例えば,ユーザIDが「user1」でユーザのホームディレクトリが「C:¥Documents and Settings¥user1」の場合に,このユーザIDでログインすると,ログイン直後のカレントディレクトリは「C:¥Documents and Settings¥user1」になります。ここで,サーバ管理コマンドを実行すると,カレントディレクトリは「C:¥Documents and Settings¥user1」になります。
- 注意
- ログの出力先を変更した場合は,J2EEサーバを起動する前に,変更後のログの出力先ディレクトリを作成しておいてください。
変更後のログの出力先ディレクトリがない場合は,サーバ管理コマンドの実行時にKDJE37209-E,KDJE37210-E,KDJE37211-Eのメッセージが出力されて異常終了します。
- 同一ホスト内で複数のJ2EEサーバを起動させている場合は,ログ出力先が同じディレクトリにならないように,ディレクトリにサーバ名称を含めるなど,サーバごとにユニークなディレクトリ名になるようにしてください。なお,キーの値に同じディレクトリを指定した場合は,動作の保証はしません。
- ログの出力先を変更して作業ディレクトリ以外にログを出力する場合,ログファイルはサーバのアンセットアップ時に削除されません。ログファイルを削除したい場合には,手動で削除してください。
- JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログの出力先は,ユーザ定義ファイルで設定しても,usrconf.cfgのadd.jvm.arg=-XX:HitachiJavaLog:<ログ出力先>に設定されている値が優先されます。JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログの出力先を設定する場合は,注意してください。
- Management Serverリモート管理機能から操作した場合,サーバ管理コマンドのログ出力先は変更できません。
(b) ログレベルの変更
サーバ管理コマンドのログレベルは,ログの重要度を表します。ログレベルには,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の四つがあります。ログレベルを設定すると,設定したレベルのログが出力されます。デフォルトでは,Errorレベルのログだけが取得されます。通常はデフォルトのまま利用してください。
ログレベルは,サーバ管理コマンド用のusrconf.propertiesの次のキーで設定します。
ejbserver.logger.enabled.*=<レベル名>
レベル名には,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の文字列を一つ,または複数設定します。複数設定する場合には,レベル名の文字列の間をコンマ(,)で区切ります。
- 記述例
- ejbserver.logger.enabled.*=Error
- ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning
- ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning,Information
- ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning,Information,Debug
- 注意
- 記述例の1.,2.,3.,4.の順に,取得できるログの件数が増加していきます。複数のログレベルを設定してログを取得すると,性能が劣化し,ログファイルの面の切り替えが頻繁に起こるようになります。
- レベル名に「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」以外の文字列,または空の値を設定した場合は,KDJE90009-Wのメッセージが出力されます。Errorレベルのログは取得されます。