8.1.3 システム構築の流れ

ここでは,J2EEアプリケーションを実行するシステムでの,Smart Composer機能を使用したシステム構築の流れについて説明します。なお,システム構築を開始する前に,各サーバのインストールと初期設定が完了している必要があります。

システム構築の流れを次の図に示します。

図8-4 システム構築の流れ(J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合)

[図データ]

図中の1.~7.について説明します。

  1. インストールと初期設定
    システム構成に合わせて,アプリケーションサーバ,運用管理サーバ,データベースサーバなどにそれぞれ必要な製品をインストールします。必要に応じて,OSやデータベースなどのホスティング環境を設定します。
    また,各サーバでの環境変数の設定,Management Serverのセットアップと設定などを実施します。初期設定で実施する作業については,「7.1 インストールと初期設定の概要」を参照してください。
  2. 負荷分散機の設定
    • 負荷分散機の設定
      負荷分散機を使用するために,sshコマンドの実行環境を設定します。負荷分散機を使用する構成定義パターンの場合にだけ必要な作業です。詳細については,「8.2 負荷分散機の設定」を参照してください。
    • アプリケーションサーバから負荷分散機を制御するための設定
      lb.propertiesで,負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を設定します。負荷分散機を使用する構成定義パターンの場合にだけ必要な作業です。詳細については,「8.3 アプリケーションサーバから負荷分散機を制御するための設定」を参照してください。
  3. システムの構成定義
    簡易構築定義ファイルで,システムの構成を定義します。簡易構築定義ファイルはエディタを使用して作成しますが,テンプレートファイルが用意されているので,構成の基本情報を設定するだけで運用できます。詳細については,「8.4 システムの構成定義」を参照してください。
  4. DB ConnectorのConnector属性ファイルの編集
    DB Connectorを使用する場合,Connector属性ファイルのテンプレートを取得して,編集します。リソースを利用する場合に,DB Connectorを使用して接続するときに必要な作業です。詳細については,「8.5 DB ConnectorのConnector属性ファイルの編集」を参照してください。
  5. システムの構築
    • システムの一括構築
      システムの一括構築では,次の二つの内容を実施します。
      ・構成定義で作成した簡易構築定義ファイルの情報を基に,Management Server上にシステムの情報モデルを生成する
      ・システムの情報モデルからシステムを構築する
      システムの構築では,システムの情報モデルの生成から,システムの構築まで,一つのコマンドを使用して一括で実行できます。システムの構成として定義されている,すべてのアプリケーションサーバ上にWebサーバ,J2EEサーバなどのサーバをセットアップし,各論理サーバの環境を設定します。
      詳細については,「8.6 システムの一括構築」を参照してください。
    • システムの一括起動(READY)
      リソースアダプタとJ2EEアプリケーションをインポートしたり,開始したりする場合,システムが起動している必要があります。Smart Composer機能のコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを準備状態で開始します。詳細については,「8.7 システムの一括起動(READY)」を参照してください。
    • リソースアダプタのインポートと開始
      リソースを利用する場合に,リソースアダプタのプロパティの設定,インポートおよび開始を実施します。なお,プロパティの設定は,DB Connectorを使用して接続する場合に,Connector属性ファイルを編集済み(4.で実施済み)のときは,作業を省略できます。詳細については,「8.8.3 リソースアダプタのインポートと開始」を参照してください。
    • J2EEアプリケーションのインポートと開始
      J2EEアプリケーションのインポートと開始を実施します。なお,J2EEアプリケーションは,開発環境で作成済みであることが前提になります。詳細については,「8.8.4 J2EEアプリケーションのインポートと開始」を参照してください。
  6. システムの開始
    システム内のすべてのサービスユニットを稼働状態にします。詳細については,「8.9 システムの一括起動(サービスユニットの開始)」を参照してください。
  7. チューニング
    構築したシステムについて,スループット,レスポンス時間,CPU時間などの性能メトリックの相関が適切かどうか多角的に検証し,必要に応じてシステムの構成を変更します。詳細については,「8.10 チューニング」を参照してください。

また,「6.1.2 障害設計」で説明した運用をするためには,システムを構築したあとで設定が必要です。設定方法については,それぞれ次の個所を参照してください。