7.3.1 環境変数の設定の要否

ここでは,Application Serverの環境変数について,設定の要否を次のシステムごとに説明します。

<この項の構成>
(1) J2EEアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数
(2) バッチアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数

(1) J2EEアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数

J2EEアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数について,OSごとに説明します。設定する環境変数は,構築するシステムでCTMを使用するかどうかによって異なります。環境変数の設定方法については,OSのドキュメントを参照してください。

(a) Windowsの場合

Windowsの場合に設定する環境変数と設定値を次の表に示します。環境変数の詳細については,「7.3.2 環境変数の詳細」を参照してください。

表7-3 設定する環境変数と設定値(Windowsの場合)

環境変数名設定値環境変数の設定要否
CTMを使用しない場合CTMを使用する場合
PATH<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥jdk¥bin※1
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB¥bin
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥PRF¥bin
<ProgramFiles>¥Common Files¥Hitachi※2
<sshコマンドを格納したパス>※3
TPDIR<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB
VBROKER_ADM<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB¥adm※4
PRFSPOOL<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥PRF¥spool
OSAGENT_PORT14000※4
CTMDIR<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CTM
CTMSPOOL%CTMDIR%¥spool
TZJST-9※4
(凡例)
○:設定が必要です。
▲:インストーラによって設定されるため,設定は不要です。
△:システム環境に応じて設定が必要です。
-:設定は不要です。

注※1 CORBAネーミングサービスを手動起動する場合は,環境変数「PATH」の先頭に指定してください。

注※2 <ProgramFiles>¥Common Files¥Hitachiは,デフォルトではインストーラによってシステム環境変数に設定されます。なお,<ProgramFiles>は,通常,システム環境変数%ProgramFiles%に設定されているディレクトリのことです。

注※3 負荷分散機を使用する場合に,Management Serverが稼働するサーバマシンで設定します。

注※4 通常は,この値を設定してください。ほかの値も設定できます。


注意
CLASSPATHは無効です。CLASSPATHは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に設定します。簡易構築定義ファイルの指定内容を次に示します。
<param-name>タグ
add.class.path
<param-value>タグ
設定値
(b) UNIXの場合

UNIXの場合に設定する環境変数と設定値を次の表に示します。環境変数の詳細については,「7.3.2 環境変数の詳細」を参照してください。なお,AIXの場合は,ここで説明する環境変数のほかに,AIX固有の環境変数を設定する必要があります。AIX固有の環境変数については,「(1)(c) AIXの場合」を参照してください。

表7-4 設定する環境変数と設定値(UNIXの場合)

環境変数名設定値環境変数の設定要否
CTMを使用しない場合CTMを使用する場合
LIBPATH,LD_LIBRARY_PATH※1/opt/Cosminexus/TPB/lib
/opt/Cosminexus/PRF/lib
/opt/Cosminexus/CTM/lib
/opt/hitachi/common/lib
CSCCFJ_SERVER_HOME/opt/Cosminexus/CC
PATH/opt/Cosminexus/jdk/bin※2
/opt/Cosminexus/TPB/bin
/opt/Cosminexus/PRF/bin
/bin
/usr/bin
<sshコマンドを格納したパス>※3
TPDIR/opt/Cosminexus/TPB
VBROKER_ADM/opt/Cosminexus/TPB/adm※4
PRFSPOOL/opt/Cosminexus/PRF/spool
OSAGENT_PORT14000※4
CTMDIR/opt/Cosminexus/CTM
CTMSPOOL/opt/Cosminexus/CTM/spool
TZJST-9※4
(凡例)
○:設定が必要です。
△:システム環境に応じて設定が必要です。
-:設定は不要です。

注※1 OSによって,使用する環境変数名が異なります。

注※2 CORBAネーミングサービスを手動起動する場合は,環境変数「PATH」の先頭に指定してください。

注※3 負荷分散機を使用する場合に,Management Serverが稼働するサーバマシンで設定します。

注※4 通常は,この値を設定してください。ほかの値も設定できます。


注意
CLASSPATHは無効です。CLASSPATHは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に設定します。簡易構築定義ファイルの指定内容を次に示します。
<param-name>タグ
add.class.path
<param-value>タグ
設定値
(c) AIXの場合

OSがAIXの場合は,「(1)(b) UNIXの場合」で説明している環境変数のほかに,AIX固有の環境変数も設定する必要があります。AIX固有の環境変数を次の表に示します。UNIXの場合に設定する環境変数については,「(1)(b) UNIXの場合」を参照してください。

表7-5 AIX固有の環境変数

環境変数名設定値説明
PSALLOC※1 ※2earlyメモリ確保時に必要なページングスペースをすぐに確保する設定にします。
NODISCLAIM※1 ※2truefree()に対するコールの処理方法として,nodisclaim()の発行抑止をする設定にします。
AIXTHREAD_SCOPE※2Sコンテンションの有効範囲として,システム・ベースのコンテンションの有効範囲(1:1)を設定します。
AIXTHREAD_MUTEX_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
AIXTHREAD_RWLOCK_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
AIXTHREAD_COND_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
EXTSHMONプロセス空間の共有メモリ領域数の制限をなくす設定にします。
LDR_CNTRL(任意)MAXDATA=0x40000000カーネルの従来の区分化より大きいデータエリアを扱えるようにするための設定です。必要に応じて設定してください。
「0x40000000」は,未設定時のJ2EEサーバのmalloc領域サイズ(単位:バイト)です。mmap領域のJavaHeapや共用メモリなどを確保するためには,指定サイズを小さくするなど調整してください。

注※1 システム構築の初期段階でメモリの見積もりができていない場合は,Hitachi Web Serverに対してPSALLOCにearly,およびNODISCLAIMにtrueを設定しないでください。設定した場合,ページングスペースが十分に確保できなくなり,プロセスの起動に失敗することがあります。

注※2 Management Server利用時,これらの環境変数に対してユーザ側で値を設定していない場合には,運用管理エージェントに「設定値」に示した値が自動的に設定されます。なお,ユーザが値を設定している場合は,ユーザが設定した値が有効になります。


(2) バッチアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数

バッチアプリケーションを実行するシステムで設定する環境変数について,OSごとに説明します。設定する環境変数は,構築するシステムでCTMを使用するかどうかによって異なります。環境変数の設定方法については,OSのドキュメントを参照してください。

(a) Windowsの場合

Windowsの場合に設定する環境変数と設定値を次の表に示します。環境変数の詳細については,「7.3.2 環境変数の詳細」を参照してください。

表7-6 設定する環境変数と設定値(Windowsの場合)

環境変数名設定値環境変数の設定要否
CTMを使用しない場合CTMを使用する場合
PATH<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥jdk¥bin※1
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB¥bin
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥PRF¥bin
<ProgramFiles>¥Common Files¥Hitachi※2
TPDIR<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB
VBROKER_ADM<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥TPB¥adm※3
PRFSPOOL<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥PRF¥spool
OSAGENT_PORT14000※3
CTMDIR<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CTM
CTMSPOOL%CTMDIR%¥spool
TZJST-9※3
(凡例)
○:設定が必要です。
▲:インストーラによって設定されるため,設定は不要です。
△:システム環境に応じて設定が必要です。
-:設定は不要です。

注※1 CORBAネーミングサービスを手動起動する場合は,環境変数「PATH」の先頭に指定してください。

注※2 <ProgramFiles>¥Common Files¥Hitachiは,デフォルトではインストーラによってシステム環境変数に設定されます。なお,<ProgramFiles>は,通常,システム環境変数%ProgramFiles%に設定されているディレクトリのことです。

注※3 通常は,この値を設定してください。ほかの値も設定できます。


注意
CLASSPATHは無効です。CLASSPATHは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に設定します。簡易構築定義ファイルの指定内容を次に示します。
<param-name>タグ
add.class.path
<param-value>タグ
設定値
(b) UNIXの場合

UNIXの場合に設定する環境変数と設定値を次の表に示します。環境変数の詳細については,「7.3.2 環境変数の詳細」を参照してください。なお,AIXの場合は,ここで説明する環境変数のほかに,AIX固有の環境変数を設定する必要があります。AIX固有の環境変数については,「(2)(c) AIXの場合」を参照してください。

表7-7 設定する環境変数と設定値(UNIXの場合)

環境変数名設定値環境変数の設定要否
CTMを使用しない場合CTMを使用する場合
LIBPATH,LD_LIBRARY_PATH※1/opt/Cosminexus/TPB/lib
/opt/Cosminexus/PRF/lib
/opt/Cosminexus/CTM/lib
/opt/hitachi/common/lib
CSCCFJ_SERVER_HOME/opt/Cosminexus/CC
PATH/opt/Cosminexus/jdk/bin※2
/opt/Cosminexus/TPB/bin
/opt/Cosminexus/PRF/bin
/bin
TPDIR/opt/Cosminexus/TPB
VBROKER_ADM/opt/Cosminexus/TPB/adm※3
PRFSPOOL/opt/Cosminexus/PRF/spool
OSAGENT_PORT14000※3
CTMDIR/opt/Cosminexus/CTM
CTMSPOOL/opt/Cosminexus/CTM/spool
TZJST-9※3
(凡例)
○:設定が必要です。
△:システム環境に応じて設定が必要です。
-:設定は不要です。

注※1 OSによって,使用する環境変数名が異なります。

注※2 CORBAネーミングサービスを手動起動する場合は,環境変数「PATH」の先頭に指定してください。

注※3 通常は,この値を設定してください。ほかの値も設定できます。


注意
CLASSPATHは無効です。CLASSPATHは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に設定します。簡易構築定義ファイルの指定内容を次に示します。
<param-name>タグ
add.class.path
<param-value>タグ
設定値
(c) AIXの場合

OSがAIXの場合は,「(2)(b) UNIXの場合」で説明している環境変数のほかに,AIX固有の環境変数も設定する必要があります。AIX固有の環境変数を次の表に示します。UNIXの場合に設定する環境変数については,「(2)(b) UNIXの場合」を参照してください。

表7-8 AIX固有の環境変数

環境変数名設定値説明
PSALLOC※1 ※2earlyメモリ確保時に必要なページングスペースをすぐに確保する設定にします。
NODISCLAIM※1 ※2truefree()に対するコールの処理方法として,nodisclaim()の発行抑止をする設定にします。
AIXTHREAD_SCOPE※2Sコンテンションの有効範囲として,システム・ベースのコンテンションの有効範囲(1:1)を設定します。
AIXTHREAD_MUTEX_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
AIXTHREAD_RWLOCK_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
AIXTHREAD_COND_DEBUG※2OFFデバッグリストを使用しない設定にします。
EXTSHMONプロセス空間の共有メモリ領域数の制限をなくす設定にします。
LDR_CNTRL(任意)MAXDATA=0x40000000カーネルの従来の区分化より大きいデータエリアを扱えるようにするための設定です。必要に応じて設定してください。
「0x40000000」は,未設定時のJ2EEサーバのmalloc領域サイズ(単位:バイト)です。mmap領域のJavaHeapや共用メモリなどを確保するためには,指定サイズを小さくするなど調整してください。

注※1 システム構築の初期段階でメモリの見積もりができていない場合は,Hitachi Web Serverに対してPSALLOCにearly,およびNODISCLAIMにtrueを設定しないでください。設定した場合,ページングスペースが十分に確保できなくなり,プロセスの起動に失敗することがあります。

注※2 Management Server利用時,これらの環境変数に対してユーザ側で値を設定していない場合には,運用管理エージェントに「設定値」に示した値が自動的に設定されます。なお,ユーザが値を設定している場合は,ユーザが設定した値が有効になります。