1.6.2 運用管理ポータルの利点

運用管理ポータルを使用すると,次のような利点があります。

<この項の構成>
(1) Webブラウザを使用したシステム構築
(2) Webブラウザを使用した運用操作
(3) ほかのプログラムと連携したシステム構築・運用

(1) Webブラウザを使用したシステム構築

Webブラウザ上に表示される[運用管理ポータル]画面を使用して,リモート操作でシステムを構築できます。Management Serverでは,運用管理ドメインという概念で,複数のマシン上のサーバプロセスを管理します。Management Serverで管理する対象となるWebサーバやJ2EEサーバなどのサーバプロセスを,論理サーバといいます。[運用管理ポータル]画面では,論理サーバの構成や設定を定義し,設定した情報を各サーバに配布してシステムを構築します。サーバの設定情報を読み込んで,ほかのサーバに設定することもできます。

運用管理ポータルによるシステム構築の例を次の図に示します。

図1-8 運用管理ポータルによるシステム構築の例

[図データ]

Webブラウザ([運用管理ポータル]画面)から,それぞれのホストで動作させる論理サーバの構成を定義し,各論理サーバの設定情報を一括配布します。この図の場合,アプリケーションサーバマシンAではWebサーバおよびJ2EEサーバを定義し,アプリケーションサーバBではJ2EEサーバを定義して,それぞれの論理サーバに設定情報を配布しています。

運用管理ポータルを使用したシステムの構築については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の次の個所を参照してください。

(2) Webブラウザを使用した運用操作

運用管理ポータルでシステムを構築すると,Webブラウザからリモート操作で次の運用が実施できます。

また,マシンやサーバの追加,削除などによるシステム構成の変更もWebブラウザから実施できます。構築済みのサーバと情報が同じであれば,追加するサーバに読み込ませることで,設定手順を簡略化できます。ただし,個別に定義が必要なため,Smart Composer機能を使用する場合に比べると作業が煩雑になります。

なお,運用管理ポータルでもアプリケーションサーバの機能を使用したさまざまな運用が実施できます。運用管理ポータルを使用したシステムの運用については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の次の個所を参照してください。

(3) ほかのプログラムと連携したシステム構築・運用

運用管理ポータルを使用してシステムを構築・運用する際に,JP1やクラスタソフトウェアと連携することもできます。JP1と連携すると,アプリケーションサーバで構築したシステム以外のさまざまなハードウェア,ソフトウェア,ネットワークなどを含む業務システム全体をまとめて統合管理できます。クラスタソフトウェアと連携することで,障害発生時にシステムの切り替えができるので,システムの信頼性および稼働率を向上できます。運用管理ポータル使用時に連携できるプログラムについては,「1.7 ほかのプログラムとの連携」を参照してください。