7.2.1 インストール方法

製品のインストールには,日立総合インストーラを使用します。

インストールを実行する前に,構成ソフトウェアのすべてのプロセスが実行中でないことを確認してください。実行中の場合は,構成ソフトウェアのすべてのプロセスを停止してから,インストールを実行してください。

インストール作業には,Windowsの場合はAdministrator権限が,UNIXの場合はroot権限が必要です。なお,製品のインストールについては,各製品のリリースノートを参照してください。

ここでは,製品の構成ソフトウェアのインストールについて説明します。

なお,製品と構成ソフトウェアの対応については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。

<この項の構成>
(1) Cosminexus Component Containerのインストール
(2) ほかの構成ソフトウェアのインストール

(1) Cosminexus Component Containerのインストール

Cosminexus Component Containerは,Application Serverの構成ソフトウェアです。

新規インストール,上書きインストール,アップグレードインストールの場合のインストール方法についてそれぞれ説明します。上書きインストールおよびアップグレードインストールの場合,インストール時に注意が必要です。インストール時の注意事項については,「(d) インストール時の注意事項」を参照してください。

なお,インストールに失敗した場合は,次の点を確認してください。

また,J2EEサーバまたはバッチサーバでの,インストール方法ごとのユーザ環境の扱いを次の表に示します。

表7-1 インストール方法ごとのユーザ環境の扱い

インストール方法サーバのユーザ定義サーバ管理コマンドのユーザ定義サーバの作業ディレクトリ
新規インストールインストーラが,デフォルトのサーバをセットアップし,ユーザ定義を作成します。インストーラが,デフォルトのユーザ定義を作成します。サーバが,初回起動時に作成します。
上書きインストール引き継ぎます。引き継ぎます。引き継ぎます。
アップグレードインストール引き継ぎます。引き継ぎます。インストール後,cjenvupdateコマンドを実行して移行してください。
移行情報は,既存のディレクトリに格納され,そのまま利用されます。

注※ サーバの作業ディレクトリは,J2EEサーバとバッチサーバの場合で異なります。J2EEサーバの作業ディレクトリについては,「7.10 J2EEサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。バッチサーバの作業ディレクトリについては,「7.11 バッチサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。


(a) 新規インストールの場合

新規インストールとは,インストール先のマシンにCosminexus Component Containerがインストールされていない場合のインストールです。新規インストールの場合の手順について,OSごとに説明します。

●Windowsの場合
  1. インストールディレクトリにファイルがないことを確認します。
    インストールディレクトリが作成されていない場合は問題ありません。
    インストールディレクトリが作成されている場合は,インストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。
    デフォルトでは,次のディレクトリ群にインストールされます。
    • <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥CC
    • <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥manager
    • <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥c4web
    • <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥CWC
    • <OSインストールドライブ>:¥Program Files¥Hitachi¥Cosminexus¥plugins
    インストール先に同名のファイルがあり,保護されていない場合は,上書きするおそれがあります。ファイルを別の場所に移動するか,またはインストール先を変更してください。
  2. Cosminexus Component Containerをインストールします。
●UNIXの場合

新規インストールの場合の手順を次の図に示します。なお,Component Container管理者を設定する場合と,Component Container管理者を設定しない場合では,手順が異なります。

図7-2 Cosminexus Component Containerの新規インストールの手順

[図データ]

図中の1.~6.について説明します。なお,グループと管理者の登録,ディレクトリの所有者とグループの変更については,ご使用のOS付属のマニュアルなどを参照してください。

  1. Component Container管理者を登録するグループを登録します。
    ここで登録するグループをComponent Container管理者グループと呼びます。
  2. 手順1.で登録したグループに,Component Container管理者を登録します。
    このときComponent Container管理者グループをComponent Container管理者のプライマリグループにしてください。
  3. Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリ下に,ファイルまたはディレクトリがないことを確認します。
    インストールディレクトリが作成されていない場合は問題ありません。
    インストールディレクトリがある場合,インストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。製品がインストールするファイルまたはディレクトリと同名のファイルまたはディレクトリがある場合は,ファイルまたはディレクトリが上書きされます。必要に応じて,ディレクトリやファイルの移動,またはバックアップの作成をしてください。
  4. Cosminexus Component Containerをインストールします。
    サーバが自動的にセットアップされます。デフォルトのサーバ名称はホスト名称です。
  5. Cosminexus Component Containerのインストールディレクトリの所有者とグループを,手順1.および手順2.で登録したComponent Container管理者とComponent Container管理者グループに変更します。
  6. cjenvsetupコマンドを実行して,Component Container管理者をセットアップします。
    cjenvsetupコマンドでのComponent Container管理者の設定後,Component Container管理者が実施できる操作は,一部の操作を除き,スーパーユーザでは操作できなくなります。詳細については,「7.2.3 Component Container管理者の設定(UNIXの場合)」を参照してください。
(b) 上書きインストールの場合

Cosminexus Component Containerの上書きインストールとは,Cosminexus Component Container 08-50がインストールされたマシンにCosminexus Component Containerをインストールすることです。上書きインストールの場合の手順を次に示します。

  1. Cosminexus Component Containerをインストールします。
    上書きインストールすると,前の設定が自動的に引き継がれます。
    なお,デフォルトのサーバの定義ディレクトリがない場合には,次に示すように自動的にセットアップされます。
    • デフォルトのサーバ(ホスト名称のサーバ)の定義ディレクトリ(<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥usrconf¥ejb¥<ホスト名称>,または/opt/Cosminexus/CC/server/usrconf/ejb/<ホスト名称>)がない場合には,定義ファイルが自動的にセットアップされます。

なお,UNIXの場合,上書きインストールの操作はComponent Container管理者の設定の有無によって異なります。

(c) アップグレードインストールの場合

Cosminexus Component Containerのアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。

インストーラによるユーザデータの移行作業
以前のバージョンのCosminexus Component Containerがインストールされている場合,インストール時に,インストーラによるユーザデータの移行作業が行われます。インストーラでは完全に移行できないユーザデータについては,インストール後に移行作業用のコマンドを実行して,作業ディレクトリの移行やリソースアダプタのバージョンアップなどの移行作業をしてください。
アップグレードインストール時に削除されるディレクトリ
アップグレードインストール時には次のディレクトリが削除されます。必要なファイルがある場合は,アップグレードインストール前に退避してください。
Windowsの場合
  • <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥help
  • <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥examples
  • <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥gui
UNIXの場合
  • /opt/Cosminexus/CC/admin/help
  • /opt/Cosminexus/CC/examples
  • /opt/Cosminexus/CC/gui
Cosminexus Web Services - Baseをインストールしている場合のアップグレードインストール
Cosminexus Web Services - Baseはアプリケーションサーバ Version 6までで提供されている構成ソフトウェアです。UNIXの場合で,アプリケーションサーバ Version 8にアップグレードインストールするときは,動作モードの移行が実施されます。このため,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「付録A SOAPアプリケーションの移行」を参照して,移行してください。

移行作業およびバージョン間の機能の差異については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」の「12. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行」を参照してください。

なお,UNIXの場合,アップグレードインストールの操作はComponent Container管理者の設定の有無によって異なります。

(d) インストール時の注意事項
●Cosminexus Component Containerの新規インストール,上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項

新規インストール,上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。

●Cosminexus Component Containerの上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項

Cosminexus Component Containerの上書きインストールおよびアップグレードインストール時の注意事項を次に示します。

(2) ほかの構成ソフトウェアのインストール

構成ソフトウェアのインストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。インストール先に同名のファイルがあり,保護されていない場合は,上書きされて,元のファイルが失われるおそれがあります。ファイルを別の場所に移動するか,またはインストール先を変更してください。