9.1.2 アプリケーションサーバで実行できる運用作業

J2EEアプリケーションを実行するシステムでは次に示す運用作業を実施できます。

これらの作業を実行するには,主に次の手段を使用します。

ここでは,運用作業ごとに,アプリケーションサーバで推奨する手段について説明しています。ここで説明している手段以外で運用したい場合は,「付録E 代替手段で実行できる運用作業」を参照してください。

<この項の構成>
(1) システムの起動と停止で実行できる作業
(2) システムの運用監視で実行できる作業
(3) システムの処理性能解析で実行できる作業
(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業
(5) システムの監査で実行できる運用作業
(6) システムの変更で実行できる運用作業
(7) システム環境の移行で実行できる運用作業
(8) トラブルシューティングで実行できる作業

(1) システムの起動と停止で実行できる作業

システムの起動と停止で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-1 システムの起動と停止で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先マニュアル参照個所手段
サービスユニットを一括起動します。不要コマンド編cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始)Smart Composer機能のコマンド(cmx_start_target)
サービスユニットを一括停止します。不要コマンド編cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)Smart Composer機能のコマンド(cmx_stop_target)
クラスタソフトウェアを使用したシステムを起動・停止します。必要運用/監視/連携編運用/監視/連携編18章アプリケーションサーバのコマンド,クラスタソフトウェアの機能
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。

(2) システムの運用監視で実行できる作業

システムの運用監視で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-2 システムの運用監視で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先マニュアル参照個所手段
サービスユニットのステータス,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバを確認します。不要コマンド編cmx_list_status(サービスユニット状況の表示)Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_status)
論理サーバのステータスを確認します。不要運用/監視/連携編2.5.2運用管理コマンド(mngsvrutil)
Webシステム内のサービスユニットの構成,およびWebシステムに関連づいていない論理サーバの一覧を確認します。不要コマンド編cmx_list_model(Webシステムの情報モデルの取得)Smart Composer機能のコマンド(cmx_list_model)
稼働情報ファイルを参照して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。省略可運用/監視/連携編運用/監視/連携編3章
運用管理コマンドを使用して,J2EEサーバおよびSFOサーバの稼働情報を監視します。不要運用/監視/連携編8章運用管理コマンド(mngsvrutil)
リソースの使用率や使用数を監視して,しきい値を超えた場合に原因を調査します。省略可運用/監視/連携編運用/監視/連携編4章
稼働情報ファイルに出力される稼働情報,またはリソースの枯渇状況に応じてメッセージが出力された場合の処理を自動化します(Managementアクション)。必要6.1.2(3)8.13.2,運用/監視/連携編運用/監視/連携編9章
CTMの稼働統計情報を出力します。不要運用/監視/連携編10章運用管理コマンド(mngsvrutil)
トランザクションの状態を確認します。不要基本・開発編(コンテナ共通機能)3.15.9サーバ管理コマンド(cjlisttrn)
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。
基本・開発編(コンテナ共通機能):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」を示します。

注※ CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3 構成ソフトウェア」を参照してください。


(3) システムの処理性能解析で実行できる作業

システムの処理性能解析で実行できる作業について,次の表に示します。

表9-3 システムの処理性能解析で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先マニュアル参照個所手段
性能解析トレースファイルを収集します。不要保守/移行/互換編6.3運用管理コマンド(mngsvrutil)
収集した性能解析トレースファイルを利用してシステムの処理性能を解析します。不要保守/移行/互換編6.6
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
保守/移行/互換編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」を示します。

(4) J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-4 J2EEアプリケーションとリソースの管理で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先マニュアル参照個所手段
Webアプリケーションの稼働状況を確認します。不要基本・開発編(Webコンテナ)2.19.2運用管理コマンド(mngsvrutil)
アクセス状況に応じて,Webアプリケーションの同時実行スレッド数を動的に変更します。不要基本・開発編(Webコンテナ)2.19.2運用管理コマンド(mngsvrutil)
CTMのスケジュールキューの稼働状況を確認して,同時実行数を動的に変更します。※1不要拡張編3.6.3確認:運用管理コマンド(mngsvrutil)
3.6.4確認と変更:CTMのコマンド(ctmlsque,ctmchpara)
J2EEアプリケーションの実行状態を確認して,J2EEアプリケーションでタイムアウトが発生したリクエストをキャンセルします(J2EEアプリケーションの実行時間監視機能)。必要6.1.2(3)8.13.2,運用/監視/連携編運用/監視/連携編5.3.11確認:サーバ管理コマンド(cjlistthread)
5.3.12キャンセル:サーバ管理コマンド(cjstopthread)
J2EEアプリケーションを通常開始します。不要コマンド編cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始)サーバ管理コマンド(cjstartapp)
J2EEアプリケーションを通常停止します。不要運用/監視/連携編5.5.7サーバ管理コマンド(cjstopapp)
J2EEアプリケーションを強制停止します。不要運用/監視/連携編5.5.7サーバ管理コマンド(cjstopapp)
負荷分散機を使用してサービスを閉塞します。※2運用/監視/連携編5.4.3負荷分散機の機能
CTMを利用してサービスを閉塞します。※1不要拡張編3.7.3運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを入れ替えます。リデプロイによる入れ替え省略可運用/監視/連携編このマニュアル9.4.2(1)サーバ管理コマンド(cjreplaceapp)
運用/監視/連携編5.6.3
通常の入れ替え不要このマニュアル9.4.2(2)サーバ管理コマンド(cjstopapp,cjimportapp)
運用/監視/連携編5.6.3
リロードによる入れ替え必要運用/監視/連携編運用/監視/連携編5.6.3サーバ管理コマンド(cjreloadapp)
JSPを事前にコンパイルしてから,J2EEアプリケーションを入れ替えます。省略可/不要運用/監視/連携編運用/監視/連携編5.6.3cjjspcコマンド
J2EEアプリケーションの名称を変更します。不要サーバ管理コマンド(cjrenameapp)
CTMを利用して,オンライン状態でJ2EEアプリケーションを入れ替えます。※1不要拡張編3.7.2運用管理コマンド(mngsvrutil)
J2EEアプリケーションを本番環境でテストしてから本番運用を開始します。不要運用/監視/連携編5.7サーバ管理コマンド(cjimportapp,cjstartapp)
コネクションプールの情報を表示します。不要基本・開発編(コンテナ共通機能)3.15.4サーバ管理コマンド(cjlistpool)
コネクションプールをクリアします。不要基本・開発編(コンテナ共通機能)3.15.5サーバ管理コマンド(cjclearpool)
JavaBeansリソースを入れ替えます。不要基本・開発編(コンテナ共通機能)3.12.5サーバ管理コマンド(cjdeletejb,cjimportjb)
クラスタ構成のデータベースをメンテナンスします。不要基本・開発編(コンテナ共通機能)3.17.4サーバ管理コマンド(cjlistrar,cjsuspendpool,cjresumepool)
リソースの接続テストをします。必要基本・開発編(コンテナ共通機能)基本・開発編(コンテナ共通機能)3.18サーバ管理コマンド(cjtestres)
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
基本・開発編(Webコンテナ):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」を示します。
拡張編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」を示します。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。
コマンド編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を示します。
基本・開発編(コンテナ共通機能):マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」を示します。

注※1 CTMは,構成ソフトウェアにCosminexus Component Transaction Monitorを含む製品だけで利用できます。利用できる製品については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 概説」の「2.3.1 製品と構成ソフトウェアの対応」を参照してください。

注※2 負荷分散機をSmart Composer機能で管理していない場合に実行します。負荷分散機をSmart Composer機能で管理している場合は,cmx_stop_targetコマンドを使用してサービスを閉塞してください。cmx_stop_targetコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)」を参照してください。


(5) システムの監査で実行できる運用作業

監査ログを使用したシステムの監査,およびデータベース監査証跡と連携した運用で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-5 システムの監査で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先マニュアル参照個所手段
監査ログを出力して,管理します。必要運用/監視/連携編運用/監視/連携編6章
監査ログを収集して調査します。必要運用/監視/連携編運用/監視/連携編17章
データベース監査証跡に出力された情報を基に,データベースにアクセスしたリクエストの情報を特定します。不要運用/監視/連携編7章
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
運用/監視/連携編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を示します。

(6) システムの変更で実行できる運用作業

システムの変更で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-6 システムの変更で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
設定変更システム全体の設定を一括で変更します。不要9.5
構成変更システムをスケールアウトします。不要9.69.8
システムをスケールインします。不要9.79.8
削除システムを削除します。不要9.11
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。

(7) システム環境の移行で実行できる運用作業

システム環境の移行で実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-7 システム環境の移行で実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照先手段
構築済みのシステムの環境を移行します。不要9.9Smart Composer機能のコマンド(cmx_export_model)
(凡例)
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。

(8) トラブルシューティングで実行できる作業

トラブルシューティングで実行できる作業について,次の表に示します。なお,システムで実行できる運用作業には,運用前に設定が必要なものもあります。

表9-8 トラブルシューティングで実行できる作業

運用作業運用前の設定の要否運用前の設定方法の参照先運用方法
参照マニュアル参照個所手段
トラブルシューティングに必要な資料を収集します。必要/省略可6.1.2(1),保守/移行/互換編保守/移行/互換編2.3運用管理コマンド(mngsvrutil)
論理サーバ(構成ソフトウェアのサーバプロセス)に異常が発生した場合の処理を自動化します。省略可保守/移行/互換編保守/移行/互換編2.2.2
トラブルシューティングに必要な資料を調査します。不要保守/移行/互換編5章
負荷分散機を閉塞して,Webシステムの部分メンテナンスをします。不要このマニュアル9.4.1
(凡例)
必要:運用前の設定が必要です。
省略可:デフォルトの設定で使用できるため,運用前の設定は省略できます。この動作をデフォルトから変更する場合は設定が必要です。
不要:運用前の設定は不要です。
-:該当しません。
保守/移行/互換編:マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」を示します。