アプリケーションサーバから負荷分散機を制御する場合は,負荷分散機への接続の設定をする必要があります。ここでは,負荷分散機への接続設定について説明します。Smart Composer機能では,負荷分散機としてBIG-IPまたはACOSが使用できます。
負荷分散機への接続の設定は,lb.properties(負荷分散機定義プロパティファイル)で実施します。lb.propertiesには,負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を設定します。
●lb.propertiesの格納場所
lb.propertiesは,次の場所に格納されています。
- Windowsの場合
- <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥config¥
- UNIXの場合
- /opt/Cosminexus/manager/config/
●lb.propertiesで設定するキー
設定するキーを次に示します。なお,キーには負荷分散機独自のものと,共通のものがあります。
- BIG-IPおよびACOS共通で使用するキー
- lb.list
負荷分散機の管理IPアドレスを設定します。負荷分散機が複数ある場合はコンマで区切って指定します。
- lb.connect_type.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機への接続方式を設定します。BIG-IPの場合は「ssh」,ACOS(AX2000またはBS320)の場合は「telnet」,ACOS(AX2500)の場合は「API」を設定してください。
- BIG-IPで使用するキー
- lb.ssh.port.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機のsshサーバのポート番号を設定します。
- lb.ssh.user.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にsshで接続するときのユーザ名を設定します。
- lb.ssh.passwd.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にsshで接続するときのパスワードを設定します。
- lb.ssh.timeout.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機へのsshコマンド実行(接続処理)時のタイムアウト時間(秒)を設定します。
- ACOS(AX2000またはBS320)で使用するキー
- lb.telnet.port.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機のtelnetサーバのポート番号を設定します。
- lb.telnet.user.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にtelnetで接続するときのユーザ名を設定します。
- lb.telnet.passwd.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にtelnetで接続するときのパスワードを設定します。
- lb.telnet.login_timeout.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機へのtelnetコマンド実行(接続処理)時のタイムアウト時間(秒)を設定します。
- lb.telnet.command_timeout.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機へのコマンド送信時のタイムアウト時間(秒)を設定します。
- lb.telnet.user_prompt.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機への接続時の,ユーザ名入力プロンプトに表示される文字列を設定します。
- lb.telnet.passwd_prompt.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機への接続時の,パスワード入力プロンプトに表示される文字列を設定します。
- lb.telnet.login_prompt.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機への接続時の,ログイン完了後のプロンプトに表示される文字列を設定します。
- ACOS(AX2500)で使用するキー
- lb.API.user.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にAPIで接続するときのユーザ名を設定します。
- lb.API.passwd.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機にAPIで接続するときのユーザのパスワードを設定します。
- lb.API.port.<負荷分散機の管理IPアドレス>
負荷分散機のポート番号を設定します。
- lb.API.cookie_persistence_template.<Webシステム名>.<負荷分散機のIPアドレス>
負荷分散機で作成したcookieパーシステンステンプレート名を設定します。
- lb.API.timeout.<負荷分散機のIPアドレス>
負荷分散機へのAPIメソッド実行(接続処理)時のタイムアウト時間(秒数)を設定します。
- javax.net.ssl.trustStore
トラストストアを設定します。
- javax.net.ssl.trustStorePassword
トラストストアのパスワードを設定します。
なお,設定するキーについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.5 lb.properties(負荷分散機定義プロパティファイル)」を参照してください。
●lb.propertiesの設定例
lb.propertiesの設定例を負荷分散機の種類ごとに示します。
- BIG-IP v9,BIG-IP v10.1,BIG-IP v10.2の場合
lb.list=192.168.100.10
lb.connect_type.192.168.100.10=ssh
#lb.ssh.port.192.168.100.10=22
lb.ssh.user.192.168.100.10=user01
lb.ssh.passwd.192.168.100.10=user01pw
#lb.ssh.timeout.192.168.100.10=10 |
- AX2000,BS320の場合
lb.list=192.168.1.100
lb.enable_passwd.192.168.1.100=adminpw
lb.connect_type.192.168.1.100=telnet
#lb.telnet.port.192.168.1.100=23
lb.telnet.user.192.168.1.100=user01
lb.telnet.passwd.192.168.1.100=user01pw
lb.telnet.user_prompt.192.168.1.100="AX login: "
lb.telnet.passwd_prompt.192.168.1.100="Password: "
lb.telnet.login_prompt.192.168.1.100=>
#lb.telnet.login_timeout.192.168.1.100=10
#lb.telnet.command_timeout.192.168.1.100=10 |
- AX2500の場合
lb.list=192.168.10.100
lb.enable_passwd.192.168.10.100=adminpw
lb.connect_type.192.168.10.100=API
lb.API.user.192.168.10.100=user01
lb.API.passwd.192.168.10.100=user01pw
#lb.API.port.192.168.10.100=443
#lb.API.cookie_persistence_template.MyWebSystem.192.168.10.100=SC_COOKIE_TEMPNAME
#lb.API.API.timeout.192.168.10.100=10
javax.net.ssl.trustStore=C:¥¥work¥¥ACOS.keystore
javax.net.ssl.trustStorePassword=keystore_pass |
- 注意
- lb.propertiesには,負荷分散機の接続ユーザ名,および接続ユーザのパスワードを記述するため,これらの情報が漏洩しないように適切にファイルのアクセス権を設定してください。
●負荷分散機を冗長化する場合の注意事項
負荷分散機を冗長化する場合は,それぞれの負荷分散機への接続の設定をする必要があります。lb.propertiesには,2台分の負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を設定します。この場合,それぞれの負荷分散機の接続方式(lb.connect_type)には,同じ値を設定してください。
冗長化する場合のlb.propertiesの設定例を負荷分散機の種類ごとに示します。
- BIG-IP v9,BIG-IP v10.1,BIG-IP v10.2の場合
- ここでは,負荷分散機LB1とLB2を配置した場合で,LB1の管理IPアドレスを「192.168.100.10」,LB2の管理IPアドレスを「192.168.100.20」として説明します。
lb.list=192.168.100.10,192.168.100.20
#冗長化構成の負荷分散機LB1の設定
lb.connect_type.192.168.100.10=ssh
#lb.ssh.port.192.168.100.10=22
lb.ssh.user.192.168.100.10=user01
lb.ssh.passwd.192.168.100.10=user01pw
#lb.ssh.timeout.192.168.100.10=10
#冗長化構成の負荷分散機LB2の設定
lb.connect_type.192.168.100.20=ssh
#lb.ssh.port.192.168.100.20=22
lb.ssh.user.192.168.100.20=user01
lb.ssh.passwd.192.168.100.20=user01pw
#lb.ssh.timeout.192.168.100.20=10 |
注 太字の部分は同じ値を設定してください。
- AX2000,BS320の場合
- ここでは,負荷分散機LB1とLB2を配置した場合で,LB1の管理IPアドレスを「192.168.1.100」,LB2の管理IPアドレスを「192.168.1.101」として説明します。
lb.list=192.168.1.100,192.168.1.101
#冗長構成の負荷分散機LB1の設定
lb.enable_passwd.192.168.1.100=adminpw
lb.connect_type.192.168.1.100=telnet
lb.telnet.user.192.168.1.100=user01
lb.telnet.passwd.192.168.1.100=user01pw
lb.telnet.user_prompt.192.168.1.100="AX login: "
lb.telnet.passwd_prompt.192.168.1.100="Password: "
lb.telnet.login_prompt.192.168.1.100=>
#冗長構成の負荷分散機LB2の設定
lb.enable_passwd.192.168.1.101=adminpw
lb.connect_type.192.168.1.101=telnet
lb.telnet.user.192.168.1.101=user01
lb.telnet.passwd.192.168.1.101=user01pw
lb.telnet.user_prompt.192.168.1.101="AX login: "
lb.telnet.passwd_prompt.192.168.1.101="Password: "
lb.telnet.login_prompt.192.168.1.101=> |
注 太字の部分は同じ値を設定してください。
- AX2500の場合
- ここでは,負荷分散機LB1とLB2を配置した場合で,LB1の管理IPアドレスを「192.168.10.100」,LB2の管理IPアドレスを「192.168.10.101」として説明します。
lb.list=192.168.10.100,192.168.10.101
#冗長構成の負荷分散機LB1の設定
lb.enable_passwd.192.168.10.100=adminpw
lb.connect_type.192.168.10.100=API
lb.API.user.192.168.10.100=user01
lb.API.passwd.192.168.10.100=user01pw
#冗長構成の負荷分散機LB2の設定
lb.enable_passwd.192.168.10.101=adminpw
lb.connect_type.192.168.10.101=API
lb.API.user.192.168.10.101=user01
lb.API.passwd.192.168.10.101=user01pw |
注 太字の部分は同じ値を設定してください。
なお,設定するキーについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.5 lb.properties(負荷分散機定義プロパティファイル)」を参照してください。