8.10.2 リソースアダプタまたはJ2EEアプリケーションの設定変更を伴う場合のチューニング
リソースアダプタまたはJ2EEアプリケーションの設定変更を伴う場合のチューニングの手順について説明します。なお,説明では「8.6 システムの一括構築」で構築したシステムを使用します。リソースアダプタまたはJ2EEアプリケーションの設定変更を伴う場合のチューニングの流れを次の図に示します。
図8-9 リソースアダプタまたはJ2EEアプリケーションの設定変更を伴う場合のチューニングの流れ
![[図データ]](figure/zu080900.gif)
- 参考
- サーバ管理コマンドの指定値について
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名は実サーバ名です。簡易構築定義ファイル作成時に実サーバ名を設定していない場合,実サーバ名は論理サーバ名と同じです。なお,論理サーバ名の設定を省略している場合,論理サーバ名は「cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>」の形式で定義されます。論理サーバの種類と<種別>との対応を次の表に示します。
表8-9 論理サーバの種類と<種別>との対応
論理サーバの種類 | <種別> |
---|
論理Webサーバ | HTTP |
論理J2EEサーバ | J2EE |
論理パフォーマンストレーサ | PRF |
論理SFOサーバ | SFO |
論理CTMドメインマネジャ | CTMDM |
論理CTM | CTM |
論理スマートエージェント | SA |
論理ユーザサーバ | USER |
- なお,<通番>は,基本的に「01」が設定されます。ただし,CTMを使用するシステムのように論理サーバを複数配置する場合は,重複しない番号が割り振られます。
- サーバ管理コマンドを使用する操作
- ここで説明する操作のうち,サーバ管理コマンドを使用する操作は,サービスユニットごとに実行します。
- なお,ここで示すサーバ管理コマンドの実行例は,すべてサービスユニット1を対象としています。サービスユニット2に対しても,コマンド実行例中の値を次のように読み替えて同じ操作をしてください。
- J2EEサーバ名:cmx_MyWebSystem_unit2_J2EE_01
- -nameserver指定値:corbaname::192.168.1.12:900
- <この項の構成>
- (1) パラメタの編集
- (2) システム,リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションの設定変更
(1) パラメタの編集
簡易構築定義ファイル(MyWebSystemDef.xml)のパラメタの値を編集して,チューニングを実施します。チューニングできる項目,およびパフォーマンスチューニングの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の次の個所を参照してください。
- 8.1.3 アプリケーションの種類ごとにチューニングできる項目
- 8.2 チューニングの方法
(2) システム,リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションの設定変更
cmx_build_systemコマンドを使用して,Management Server上のシステムの情報モデル,リソースアダプタの設定およびJ2EEアプリケーションの設定を変更します。変更した情報モデルを実システムに適用します。
- システムが稼働している場合は,システム内のサービスユニットを閉塞します。
cmx_stop_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを閉塞状態にして,サービスユニットを負荷分散機から切り離します。閉塞状態にするには,-modeオプションに「HOLD」を指定します。
なお,システムが停止している場合は手順1.から手順3.までの操作は不要です。システムが停止している場合は手順4.から実施してください。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode HOLD |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode HOLD |
- J2EEアプリケーションおよびリソースアダプタを停止します。
- サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションを停止します。
- サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタを停止します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstopapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstoprar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstopapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstoprar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- 手順2.をサービスユニット1およびサービスユニット2で実施したあとで,システムを停止します。
cmx_stop_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを停止状態にします。停止状態にするには,-modeオプションに「ALL」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode ALL |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode ALL |
- システムの情報モデルを変更して実システムに展開します。
cmx_build_systemコマンドを使用して,Management Server上のシステムの情報モデルを変更し,変更した情報モデルからシステムを構築します。-fオプションには,パフォーマンスチューニングを実施した簡易構築定義ファイルを指定します。-fオプションで指定したファイルの内容をシステムに反映するには,-changeオプションを指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_build_system -f MyWebSystemDef.xml -change -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -f MyWebSystemDef.xml -change -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem |
- 構成を変更したシステムを負荷分散機からのリクエストの振り分けを抑止した状態で一括起動します。
cmx_start_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを準備状態にします。準備状態にするには,-modeオプションに「READY」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem |
- リソースアダプタのプロパティを変更します。
ここでは,サーバ管理コマンドを使用して,次の作業を実施しています。
- Connector属性ファイルを取得します。
取得したConnector属性ファイルは必要に応じて編集します。
- Connector属性ファイルをリソースアダプタに反映します。
- リソースアダプタを開始します。
Connector属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjgetrarprop cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>¥MyDBConnectorAttr.xml
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjsetrarprop cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>¥MyDBConnectorAttr.xml
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjgetrarprop cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjsetrarprop cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- J2EEアプリケーションのプロパティを変更します。
cosminexus.xmlを編集してJ2EEアプリケーションを再作成します。再作成後,サーバ管理コマンドを使用して,次の作業を実施します。
- 再作成したJ2EEアプリケーションをリデプロイします。
- J2EEアプリケーションを開始します。
cosminexus.xmlを含むアプリケーションについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「10.3 cosminexus.xmlを含むアプリケーション」を参照してください。cosminexus.xmlについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「2. Cosminexusアプリケーション属性ファイル(cosminexus.xml)」を参照してください。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjreplaceapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp -f <任意のディレクトリ>¥MyApp.ear
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjreplaceapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp -f <任意のディレクトリ>/MyApp.ear
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp |
- 参考
- インポート済みのJ2EEアプリケーションのプロパティは,属性ファイル(アプリケーション統合属性ファイル)でも変更できます。変更方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9.2 アプリケーション統合属性ファイルによるプロパティ設定」を参照してください。
- 手順6.から手順7.までをサービスユニット1およびサービスユニット2で実施したあとで,システムを開始します。
cmx_start_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを稼働状態にします。稼働状態にするには,-modeオプションに「ALL」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem |
各コマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の次の個所を参照してください。
- cjgetrarprop(RARファイルの属性の取得)
- cjreplaceapp(アプリケーションの入れ替え)
- cjsetrarprop(RAR属性設定)
- cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始)
- cjstartrar(リソースアダプタの開始)
- cjstopapp(J2EEアプリケーションの停止)
- cjstoprar(リソースアダプタの停止)
- cmx_build_system(Webシステムの構築)
- cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始)
- cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)