9.8.2 ホスト単位管理モデルでのシステムのスケールアウト
ここでは,ホスト単位管理モデルでの,システムのスケールアウトの準備およびスケールアウトで実施する内容について説明します。
- スケールアウトの準備
- システムのスケールアウトの準備とは,複製元のディスクイメージを作成する作業です。システム構築が終わって,運用環境が整ったところで実施します。スケールアウトの準備では次の内容を実施します。
- 複製元アプリケーションサーバでの準備
- スケールアウト用ディスクイメージの作成
- スケールアウト
- 複製したディスクイメージを使用して,スケールアウトをします。スケールアウトでは,次の内容を実施します。
- ディスクイメージのリストア
- スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成
- システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)
- 注意
- JP1/AJS2 - SOを使用してシステムのスケールアウトを自動化する場合
- JP1/SC/DPMを使用したシステムのスケールアウトを,JP1/AJS2 - SOを使用して自動化する場合,ディスク複製インストール(リストア)が完了してから運用管理エージェントを自動起動するように設定する必要があります。設定方法については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。また,JP1/AJS2 - SOとの連携については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「16. シナリオによるシステムの自動運転(JP1/AJS2 - SOとの連携)」を参照してください。
ここで使用するJP1/SC/DPMを利用したスケールアウトの例を次の図に示します。
図9-2 JP1/SC/DPMを利用したスケールアウトの例(ホスト単位管理モデルの場合)
![[図データ]](figure/zu090200.gif)
この図では,JP1/SC/DPMを使用して,アプリケーションサーバ1のディスクイメージを複製し,そのディスクイメージに従って,新たなアプリケーションサーバにOSやアプリケーションをインストールします。次に,Smart Composer機能のコマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバの情報をシステムにスケールアウトします。この例で使用するアプリケーションサーバの設定例を次の表に示します。
表9-25 各アプリケーションサーバの設定例(ホスト単位管理モデルの場合)
設定項目 | 複製元アプリケーションサーバ | 複製先アプリケーションサーバ |
---|
Webシステム | Webシステム名 | MyWebSystem1 | MyWebSystem1※ |
サービスユニット | サービスユニット名 | unit1 | unit1※1 |
ホスト名 | apsv1 | apsv1※1 |
ホスト | ホスト名 | apsv1 | apsv1※1 |
IPアドレス | 192.168.1.11 | 192.168.1.13 |
管理IPアドレス | 192.168.100.11 | 192.168.100.13 |
- 注※
- アプリケーションサーバ(運用管理ドメイン)ごと複製するため,複製先アプリケーションサーバのWebシステム,サービスユニット,ホストの名称は,複製元と同じになります。
なお,Webシステムの構成を変更するとWebシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。Webシステムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5. 使用するリソースの見積もり(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
- 参考
- サーバ管理コマンドの指定値について
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名は実サーバ名です。簡易構築定義ファイル作成時に実サーバ名を設定していない場合,実サーバ名は論理サーバ名と同じです。なお,論理サーバ名の設定を省略している場合,論理サーバ名は「cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>」の形式で定義されます。論理サーバの種類と<種別>との対応を次の表に示します。
表9-26 論理サーバの種類と<種別>との対応
論理サーバの種類 | <種別> |
---|
論理Webサーバ | HTTP |
論理J2EEサーバ | J2EE |
論理パフォーマンストレーサ | PRF |
論理SFOサーバ | SFO |
論理CTMドメインマネジャ | CTMDM |
論理CTM | CTM |
論理スマートエージェント | SA |
論理ユーザサーバ | USER |
- なお,<通番>は,基本的に「01」が設定されます。ただし,CTMを使用するシステムのように論理サーバを複数配置する場合は,重複しない番号が割り振られます。
- <この項の構成>
- (1) 複製元アプリケーションサーバでの準備
- (2) JP1/SC/DPMを使用したスケールアウト用ディスクイメージの作成
- (3) JP1/SC/DPMを使用したディスクイメージのリストア
- (4) スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成
- (5) システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)
(1) 複製元アプリケーションサーバでの準備
複製元アプリケーションサーバで,JP1/SC/DPMによるディスクイメージ作成のための準備をします。
- リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを停止します(必要に応じて)。
複製先アプリケーションサーバで,リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを自動で開始する場合には,この操作は不要です。
ここでは,次の内容を実施します。
- サーバ管理コマンドを使用して,サービスユニット「unit1」のJ2EEアプリケーションを停止します。
- サーバ管理コマンドを使用して,サービスユニット「unit1」のリソースアダプタを停止します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstopapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstoprar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstopapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstoprar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- サービスユニット,運用管理エージェント,およびManagement Serverを停止します。
ここでは,次の内容を実施します。
- cmx_stop_targetコマンドを使用して,サービスユニット「unit1」を停止します。
- adminagentctlコマンドを使用して,運用管理エージェントを停止します。
- mngsvrctlコマンドを使用して,Management Serverを停止します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl stop
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngsvrctl stop |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_stop_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1
# /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl stop
# /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl stop |
- 運用管理エージェント,およびManagement Serverのサービスを手動起動に設定します。
ここでは,次の内容を実施します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngautorun -d |
- Linuxの場合
# rm /etc/rc.d/rc2.d/S80AdminAgent
# rm /etc/rc.d/rc2.d/S90MngSvr |
- デフォルトのJ2EEサーバをアンセットアップします。
インストール時にホスト名で作成されているデフォルトのJ2EEサーバをアンセットアップします。
ここでは,次の内容を実施します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥bin¥cjsetup -d apsv1 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjsetup -d apsv1 |
- ログを削除します。
ログファイルを削除します。削除対象ログファイルが格納されているディレクトリについては,「付録B JP1/SC/DPMを利用したスケールアウト時に削除するログファイル」を参照してください。
- 次のファイルを編集します。
編集対象のファイルおよびキーと,指定値を次の表に示します。
表9-27 編集対象のファイルおよびキーと,指定値
ファイル名称 | キー名称 | 指定値 |
---|
.cmxrc(クライアント設定プロパティファイル) | cmx.lb | keepvs |
cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル) | cmx.lb | keepvs |
adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル) | adminagent.adapter.allowedHosts※ | mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のmngsvr.myhost.nameキーを指定しているかどうかで指定値が異なります。
- mngsvr.myhost.nameキーを指定している場合
- mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のmngsvr.myhost.nameキーと同じ値を指定します。
- mngsvr.myhost.nameキーを指定していない場合
- 複製元アプリケーションサーバマシンおよび複製先アプリケーションサーバマシンの管理IPアドレスの,両方にマッチする正規表現を指定します。
|
注※ adminagentcheckコマンドは,このキーで指定したIPアドレスのアプリケーションサーバマシン以外では実行できません。adminagentcheckコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「adminagentcheck(運用管理エージェントの稼働確認)」を参照してください。
また,次の表に示すキーに,ループバックアドレス以外を指定している場合は,複製元アプリケーションサーバマシンおよび複製先アプリケーションサーバマシンで,共通して使用できる管理IPアドレスとマッチする正規表現に変更してください。ループバックアドレス以外を指定している場合に,IPアドレスを正規表現に変更するキーを次の表に示します。
表9-28 ループバックアドレス以外を指定している場合に,IPアドレスを正規表現に変更するキー
ファイル名称 | キー名称 |
---|
.mngsvrutilrc(mngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル) | mngsvrutil.connect.host |
mngsvrutil.target_name |
mngsvrutilcl.properties(mngsvrutilコマンドのクライアント側共通定義ファイル) | mngsvrutil.connect.host |
mngsvrutil.target_name |
.cmxrc(クライアント設定プロパティファイル) | cmx.connect.host |
cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル) | cmx.connect.host |
各ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の次の個所を参照してください。
- 4.3 .cmxrc(クライアント設定プロパティファイル)
- 4.4 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)
- 10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)
- 10.15 .mngsvrutilrc(mngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル)
- 10.17 mngsvrutilcl.properties(mngsvrutilコマンドのクライアント側共通定義ファイル)
- 注意
- JP1/SC/DPMを使用してスケールアウトする場合,複製先アプリケーションサーバマシンが複数のIPアドレスで構成されているときは,次の表に示すキーに設定するIPアドレスを正規表現で指定する必要があります。これは,スケールアウトするマシンはIPアドレスが変わり,固定のIPアドレスが指定できないためです。
- 複数のIPアドレス構成時に,IPアドレスを正規表現で指定するキーを次の表に示します。
表9-29 複数のIPアドレス構成時に,IPアドレスを正規表現で指定するキー
ファイル名称 | キー名称 |
---|
mserver.properties(Management Server環境設定ファイル) | mngsvr.myhost.name |
webserver.connector.http.bind_host |
adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル) | adminagent.adapter.bind_host |
- なお,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。
(2) JP1/SC/DPMを使用したスケールアウト用ディスクイメージの作成
JP1/SC/DPMを使用して複製元アプリケーションサーバからディスクイメージを作成します。なお,複製元アプリケーションサーバは,ディスクイメージの作成後,業務を再開します。
- スケールアウト用ディスクイメージを作成します。
複製元アプリケーションサーバから,スケールアウト用のディスクイメージを作成します。なお,詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」のディスク複製OSインストール機能の説明を参照してください。
- 複製元アプリケーションサーバの運用管理エージェント,およびManagement Serverを開始します。
ここでは,次の内容を実施します。
- adminagentctlコマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバの運用管理エージェントを開始します。
- mngsvrctlコマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバのManagement Serverを開始します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl start
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngsvrctl start |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start
# /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start |
なお,必要に応じて,運用管理エージェントおよびManagement Serverの自動起動を再設定してください。運用管理エージェントの設定方法については,「7.7.1(2) 運用管理エージェントの自動起動の設定」を,Management Serverの設定方法については,「7.7.2(2) Management Serverの自動起動の設定」を参照してください。
- 複製元アプリケーションサーバのリソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを開始します(必要に応じて)。
リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを自動で開始する場合,この操作は不要です。
ここでは,次の内容を実施します。
- cmx_start_targetコマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」を準備状態で起動します。準備状態にするには,-modeオプションに「READY」を指定します。
- サーバ管理コマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」のリソースアダプタを開始します。
- サーバ管理コマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」のJ2EEアプリケーションを開始します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem1 -unit unit1
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem1 -unit unit1
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -name MyApp |
- 複製元アプリケーションサーバのサービスユニットを開始します。
cmx_start_targetコマンドを使用して,複製元アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」を稼働状態で起動します。稼働状態にするには,-modeオプションに「ALL」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1 |
(3) JP1/SC/DPMを使用したディスクイメージのリストア
作成したディスクイメージを,複製先アプリケーションサーバにリストアします。なお,リストアの操作手順については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。
また,複製先アプリケーションサーバの運用管理エージェント,およびManagement Serverを起動する場合は,ここで実施します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl start
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngsvrctl start |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start
# /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start |
なお,必要に応じて,運用管理エージェントおよびManagement Serverの自動起動を再設定してください。運用管理エージェントの自動起動の設定については,「7.7.1(2) 運用管理エージェントの自動起動の設定」を,Management Serverの自動起動の設定については,「7.7.2(2) Management Serverの自動起動の設定」を参照してください。
(4) スケールアウト用ホスト定義ファイルの作成
スケールアウト用ホスト定義ファイルを任意の場所にコピーして,ファイルの内容を編集します。
- スケールアウト用ホスト定義ファイルを作成します。
スケールアウト用ホスト定義ファイル(cmxscaleouthostdef.xmlファイル)は,次の場所に提供されています。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥config¥templates¥
- Linuxの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/templates/
このファイルをコピーし,名称を変更して,任意の場所に格納します。なお,ここではファイル名を「MyWebSystemHostScaleout.xml」に変更しています。
- コピーしたスケールアウト用ホスト定義ファイルを編集します。
MyWebSystemHostScaleout.xmlファイルを編集します。ここでは,複製先アプリケーションサーバのWebシステムの内容と,ホストの定義をします。
設定後のMyWebSystemHostScaleout.xmlファイルを次に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<host-scaleout xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/HostScaleOut-2.5">
<!-- 複製先のWebシステムの定義 -->
<web-system>
<name>MyWebSystem1</name>
</web-system>
<!-- 複製先のホストの定義 -->
<host>
<host-name>192.168.1.13</host-name>
<agent-host>192.168.100.13</agent-host>
</host>
</host-scaleout> |
- 注 太字の部分が編集部分です。
(5) システムの情報モデルの変更(複製先アプリケーションサーバのホスト情報変更)
作成したスケールアウト用ホスト定義ファイルの内容を,複製先アプリケーションサーバのManagement Serverの,システムの情報モデルに反映します。また,変更したシステムの情報モデルを実システムに適用して,複製先アプリケーションサーバのホスト情報を変更します。
- システムの情報モデルを変更します。
cmx_scaleout_hostコマンドに,(4)で作成したスケールアウト用ホスト定義ファイルを指定して,複製先アプリケーションサーバのManagement Serverの,システムの情報モデルを変更します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_scaleout_host -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>¥MyWebSystemHostScaleout.xml |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_scaleout_host -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -f <任意のディレクトリ>/MyWebSystemHostScaleout.xml |
- 変更したシステムの情報モデルを実システムに展開します。
cmx_build_systemコマンドを使用して,手順1.で変更したシステムの情報モデルを実システムに適用します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_build_system -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem1 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem1 |
- 負荷分散機からのリクエストの振り分けを抑止した状態で,複製先アプリケーションサーバのサービスユニットを一括起動します。
ここでは次の内容を実施しています。
- cmx_start_targetコマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」を準備状態で起動することで,負荷分散機からのリクエストの振り分けを抑止します。準備状態にするには,-modeオプションに「READY」を指定します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem1 -unit unit1 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode READY -s MyWebSystem1 -unit unit1 |
- 複製先アプリケーションサーバのリソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを開始します(必要に応じて)。
リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションが自動で開始しない場合は,最初に,リソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを開始します。JP1/SC/DPMを使用してディスクイメージを作成するときに,複製元アプリケーションサーバでリソースアダプタおよびJ2EEアプリケーションを一括停止しなかった場合,この操作は必要ありません。
ここでは次の内容を実施しています。
- サーバ管理コマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」のリソースアダプタを開始します。
- サーバ管理コマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」のJ2EEアプリケーションを開始します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -name MyApp |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartapp cmx_MyWebSystem_unit1_J2EE_01 -nameserver corbaname::192.168.1.13:900 -name MyApp |
- 複製先アプリケーションサーバのサービスユニットを一括起動します。
cmx_start_targetコマンドを使用して,複製先アプリケーションサーバのサービスユニット「unit1」を一括起動します。このとき,コマンドの-modeオプションに「ALL」を指定して,稼働状態で起動します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1 |
- Linuxの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.100 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem1 -unit unit1 |