10.7 チューニング
チューニングでは,システムのパフォーマンスを生かす最適の設定を見つける作業(パフォーマンスチューニング)を実施します。構築した環境で性能メトリックの相関が適切かどうか多角的に検証し,パラメタの調整やボトルネックの調査,解消によってパフォーマンスを向上させていきます。パフォーマンスチューニングの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「9. パフォーマンスチューニング(バッチアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
なお,パラメタを変更するとシステムが動作するために必要なリソースも変更する必要があります。システムが動作するために必要なリソースの見積もりについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「6. 使用するリソースの見積もり(バッチアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
チューニングの流れを次の図に示します。
図10-7 チューニングの流れ
![[図データ]](figure/zu100700.gif)
システムの設定変更には,システムの情報モデルの変更とリソースアダプタの設定変更があります。(1)に従ってパラメタを変更してから,(2)に従ってシステムの設定を変更します。
- <この節の構成>
- (1) パラメタの編集
- (2) システムの設定変更
(1) パラメタの編集
簡易構築定義ファイル(MyWebSystemDef.xml)およびConnector属性ファイルについてパラメタの値を編集して,チューニングを実施します。チューニングできる項目,およびパフォーマンスチューニングの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の次の個所を参照してください。
- 9.1.3 チューニング項目
- 9.2 チューニングの方法
(2) システムの設定変更
cmx_build_systemコマンドを使用して,Management Server上のシステムの情報モデルを変更します。変更した情報モデルを実システムに適用します。
なお,設定変更をする場合は,バッチアプリケーションが停止していることを確認してから実施してください。
- リソースアダプタを停止します。
バッチアプリケーションからリソースに接続している場合は,サーバ管理コマンドを使用してリソースアダプタを停止します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstoprar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstoprar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- システム内のサービスユニットを停止します。
システムの情報モデルを変更する場合だけ停止します。システムの情報モデルを変更しない場合は,手順4.に進んでください。
システムの情報モデルを変更する場合は,cmx_stop_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを停止します。なお,システムが停止している場合はこの手順は不要です。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_stop_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode ALL |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_stop_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem -mode ALL |
- システムの情報モデルを変更して実システムに展開し,システムを一括起動します。
システムの情報モデルを変更する場合だけ実施します。
- cmx_build_systemコマンドを使用して,Management Server上のシステムの情報モデルを変更し,変更した情報モデルからシステムを構築します。-fオプションには,パフォーマンスチューニングを実施した簡易構築定義ファイルを指定します。-fオプションで指定したファイルの内容をシステムに反映するには,-changeオプションを指定します。
- cmx_start_targetコマンドを使用して,システム内のすべてのサービスユニットを開始します。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_build_system -f MyWebSystemDef.xml -change -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥cmx_start_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_build_system -f MyWebSystemDef.xml -change -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -s MyWebSystem
# /opt/Cosminexus/manager/bin/cmx_start_target -m 192.168.100.11 -u cosmi_admin -p cosmi_admin_passwd -mode ALL -s MyWebSystem |
- リソースアダプタのプロパティを変更します。
リソースアダプタのプロパティを変更する場合だけ実施します。ここでは,サーバ管理コマンドを使用して,次の作業を実施しています。
- Connector属性ファイルを取得します。
- Connector属性ファイルのプロパティを編集します。
- Connector属性ファイルをリソースアダプタに反映します。
- リソースアダプタを開始します。
Connector属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjgetrarprop BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>¥MyDBConnectorAttr.xml
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjsetrarprop BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>¥MyDBConnectorAttr.xml
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥admin¥bin¥cjstartrar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
- UNIXの場合
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjgetrarprop BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjsetrarprop BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 -c <任意のディレクトリ>/MyDBConnectorAttr.xml
# /opt/Cosminexus/CC/admin/bin/cjstartrar BatchServer -nameserver corbaname::192.168.1.11:900 -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4 |
各コマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の次の個所を参照してください。
- cjgetrarprop(RARファイルの属性の取得)
- cjsetrarprop(RAR属性設定)
- cjstartrar(リソースアダプタの開始)
- cjstoprar(リソースアダプタの停止)
- cmx_build_system(Webシステムの構築)
- cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始)
- cmx_stop_target(Webシステムまたはサービスユニットの停止)
- 参考
- サーバ管理コマンドの指定値について
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名
- サーバ管理コマンドの引数に指定するサーバ名は実サーバ名です。簡易構築定義ファイルに実サーバ名を設定していない場合,実サーバ名は論理サーバ名と同じです。論理サーバ名は,簡易構築定義ファイルのサービスユニットの定義内に,<logical-server-name>タグで指定している値です。
- なお,論理サーバ名の設定を省略している場合,論理サーバ名は「cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>」の形式で定義されます。バッチサーバの場合,<種別>には「J2EE」と表示されます。論理サーバの種類と<種別>との対応を次の表に示します。
表10-5 論理サーバの種類と<種別>との対応
論理サーバの種類 | <種別> |
---|
論理J2EEサーバ | J2EE |
論理パフォーマンストレーサ | PRF |
論理CTMドメインマネジャ | CTMDM |
論理CTM | CTM |
論理スマートエージェント | SA |
論理ユーザサーバ | USER |
- なお,<通番>は,基本的に「01」が設定されます。ただし,CTMを使用するシステムのように論理サーバを複数配置する場合は,重複しない番号が割り振られます。
- サーバ管理コマンドを使用する操作
- ここで説明する操作のうち,サーバ管理コマンドを使用する操作は,サービスユニットごとに実行します。
- なお,ここで示すサーバ管理コマンドの実行例は,すべてサービスユニット1を対象としています。1台のサーバマシン内に複数のサービスユニットを配置している場合は,各サービスユニットに対してサーバ管理コマンドを実行します。その場合,コマンド実行例中の値を次のように読み替えて同じ操作をしてください。
- BatchServer:簡易構築定義ファイルの<logical-server-name>タグの指定値