4.1 J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築に必要な作業の流れ

J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築に必要な作業の流れについて説明します。また,システム構築に必要な作業が,どのマニュアルに記載されているかについても説明します。システム構築に必要な作業と,マニュアルとの対応を次の図に示します。なお,図中の参照先マニュアルについては,表4-1を参照してください。

図4-1 Smart Composer機能を使用したシステム構築に必要な作業とマニュアルとの対応(J2EEアプリケーションを実行するシステム)

[図データ]

図中の参照先マニュアルの一覧を次の表に示します。

表4-1 参照先マニュアルの一覧

項目参照先マニュアル名
設計Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド
構築運用Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド
機能解説Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)
Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)
Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)
Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編
Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編
Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編

注※ 記載内容については,各マニュアルの機能の分類,およびシステムの目的と機能の対応に関する説明を参照してください。


図中の1.~5.について説明します。

  1. システムの設計
    構築するシステムの構成や,使用する機能などをあらかじめ決定し,システムを動作させるために必要なリソースやメモリの見積もりを実施します。
    ここでは,次の作業を実施します。
    • システム構成の検討
      J2EEアプリケーションで使用する機能に応じて,機能の実現に必要なプロセスやサーバの配置,マシンの台数などを検討します。システム全体の構成は,システムの特性や要件を考慮して決定しておいてください。システムの構成については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「3. システム構成の検討(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
      決定したシステム構成を基に,Smart Composer機能でのシステムの構築時に使用する構成定義パターンを選定します。構成定義パターンの選定については,「5.1 J2EEアプリケーションを実行するシステムでの構成定義パターンの選定」を参照してください。
    • 使用リソースおよびメモリの見積もり
      システムを動作させるために必要なリソースや,メモリを見積もります。また,オプション製品を使用した環境での見積もりや,プロセス単位の見積もりなども実施します。リソースの見積もりについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5. 使用するリソースの見積もり(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
    • 運用・障害設計
      システムの日常運用や保守,障害発生時のシステムの対応などを設計します。運用・障害設計については,「6.1 J2EEアプリケーションを実行するシステムの運用・障害設計」を参照してください。
  2. インストールと初期設定
    構築するシステムに合わせて,各サーバマシンにそれぞれ必要な製品をインストールします。Application Serverのインストール方法については,「7.2.1 インストール方法」を参照してください。そのほかの製品のインストール方法については,各製品のマニュアルを参照してください。
    参考
    アプリケーションサーバのオプション製品を使用する場合,各オプション製品の導入手順やインストールについては,次のマニュアルまたは個所を参照してください。
    • uCosminexus Client(マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「付録A uCosminexus Client」参照)
    • Web Redirector(マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「付録D Web Redirector」参照)
    • uCosminexus Operator(「付録G uCosminexus Operator(実行環境に対するGUI操作環境の構築)」参照)
    製品のインストール後,次の作業を実施して初期設定をします。
    • 環境変数の設定
      使用する製品,機能に必要な環境変数を設定します。設定については,「7.3 環境変数の設定」を参照してください。
    • 使用リソースの設定
      手順1.の「使用リソースおよびメモリの見積もり」で見積もった値を設定します。設定方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5. 使用するリソースの見積もり(J2EEアプリケーション実行基盤)」を参照してください。
    • データベースを使用するための設定
      必要に応じて,データベースに接続する場合の設定をします。データベースを使用しない場合は設定不要です。設定については,「7.5 データベースを使用するための設定」を参照してください。
    • Management Serverのセットアップと設定
      Smart Composer機能で構築するシステムは,Management Serverを使用します。Management Serverを初めて使用するホストでは,Management Serverをセットアップしてください。セットアップと設定については,「7.6 Management Serverのセットアップと環境設定」を参照してください。
    • Server Plug-inの設定
      必要に応じて,Server Plug-inを使用するための設定をします。リソースやJ2EEアプリケーションの設定でServer Plug-inを使用する場合には設定が必要です。Server Plug-inの設定については,「7.8 Server Plug-inの設定」を参照してください。
  3. システムの構築
    決定した構成に基づいて,システムを定義して構築します。また,構築するシステムで動作するリソースアダプタやJ2EEアプリケーションを設定します。システムを構築するために,次の作業を実施します。
    なお,各作業の詳細については,「8. J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築」を参照してください。
    • システムの構成定義
      Smart Composer機能のファイルを使用して,決定したシステム構成を定義します。
    • 使用する機能を有効にするための設定
      デフォルトの設定では,無効となる機能があります。使用する機能は,Smart Composer機能のファイルなどを使用して,有効にする設定をしてください。Smart Composer機能で使用できるアプリケーションサーバの機能については,「8.12 Smart Composer機能で使用できるアプリケーションサーバの機能の一覧と参照先」を参照してください。
    • システムの構築
      Smart Composer機能のコマンドを使用して,システムを構築します。
    • リソースアダプタの設定
      リソースを利用する場合,必要に応じてリソースと接続するリソースアダプタを設定します。リソースアダプタは,サーバ管理コマンドを使用して,プロパティを設定したり,インポートしたりします。
      リソースアダプタの種類や設定手順については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3. リソース接続とトランザクション管理」を参照してください。また,リソースとしてJavaBeansリソースを利用する場合の設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.12 JavaBeansリソースの利用」を参照してください。
    • J2EEアプリケーションの設定
      サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションをインポートします。J2EEアプリケーションのプロパティは,アプリケーション開発時にcosminexus.xmlで定義しておいてください。
    • ほかのプログラムと連携するための設定
      JP1やクラスタソフトウェアと連携するために必要な設定をします。連携に必要な設定は,連携するプログラムによって異なります。必要な設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」を参照してください。
    • システムの開始
      Smart Composer機能のコマンドを使用して,システムを開始します。
  4. チューニング
    構築したシステムで,アプリケーションサーバのパフォーマンスをチューニングします。初期構築後,構築したシステム環境で,実際にJ2EEアプリケーションに負荷を掛けながら,設定したパラメタが適切かどうかを検証し,検証結果に基づいて設定を変更することで,パフォーマンスを向上させます。パラメタの設定変更は,Smart Composer機能のファイルおよびコマンドを使用します。チューニングについては,「8.10 チューニング」を参照してください。
  5. システムの運用
    構築したシステムを運用します。システムの日常運用,システムのメンテナンス,システム構成の変更などを,必要に応じて実施します。
    システムの運用については「9. J2EEアプリケーションを実行するシステムの運用」を参照してください。
    参考
    Smart Composer機能のコマンド以外に,運用管理コマンド(mngsvrutil)などを使用して運用できます。代替手段については,「付録E 代替手段で実行できる運用作業」を参照してください。