4.7 JP1/SC/DPMの利用

JP1/SC/DPMは,Smart Composer機能を使用したシステムの初期構築や,スケールアウトをする場合に利用できます。

JP1/SC/DPMでは,構築したシステムのディスクイメージ(OSとアプリケーション)を複製できます。Smart Composer機能でのシステムの構築が完了したあと,構築したサービスユニットまたは運用管理ドメインのディスクイメージをJP1/SC/DPMを使用して複製しておきます。スケールアウトが必要になった場合に,複製しておいたディスクイメージを基にして,追加するサービスユニットにOSやアプリケーションの一括インストールができるので,スケールアウトするサーバのセットアップが簡単になります。これによって,1台ずつインストールする場合と比較して,セットアップ時間を大幅に短縮できます。

ここでは,Smart Composer機能でJP1/SC/DPMを利用する場合に,システム構築で考慮する点について説明します。

<この節の構成>
(1) JP1/SC/DPMを利用できる構成定義パターン
(2) 運用管理プロセス(Management Server)の配置
(3) JP1/SC/DPM管理サーバマシンの配置
(4) サーバマシンへのJP1/SC/DPMのインストール

(1) JP1/SC/DPMを利用できる構成定義パターン

システムごとに,JP1/SC/DPMを利用できる構成定義パターンを示します。

J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合
  • WebサーバとJ2EEサーバを同じサーバマシンに配置するパターン(combined-tier)
  • WebサーバとJ2EEサーバを別のサーバマシンに配置するパターン(http-tierとj2ee-tierとの組み合わせ)
  • インプロセスHTTPサーバを使用するパターン(j2ee-tier)
  • CTMを使用するパターン(ctm-tier)
JP1/SC/DPMを利用したスケールアウトおよびスケールインの手順については,「9.8 JP1/SC/DPMを利用したシステムのスケールアウトとスケールイン」を参照してください。
注意
SFOサーバを使用するパターン(sfo-tier)の場合,JP1/SC/DPMによるスケールアウトは,アプリケーションサーバでは利用できますが,セッションフェイルオーバサーバマシンでは利用できません。
バッチアプリケーションを実行するシステムの場合
  • バッチサーバを配置するパターン(j2ee-tier)
JP1/SC/DPMを利用したスケールアウトおよびスケールインの手順については,「11.5 JP1/SC/DPMを利用したシステムのスケールアウトとスケールイン」を参照してください。

なお,JP1/SC/DPMを利用してスケールアウトできるOSは,WindowsおよびLinuxです。詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。

(2) 運用管理プロセス(Management Server)の配置

JP1/SC/DPMを利用する場合,運用管理プロセス(Management Server)をどこに配置するかによって,次に示すモデルのシステムが構築できます。

(3) JP1/SC/DPM管理サーバマシンの配置

JP1/SC/DPMのうち,管理サーバfor DPMおよびWebサーバfor DPMがインストールされたマシンを,JP1/SC/DPM管理サーバマシンといいます。JP1/SC/DPM管理サーバマシンは必要に応じて用意してください。

JP1/SC/DPM管理サーバマシンにインストールする製品と,JP1/SC/DPM管理サーバマシン上で動作するプロセスを次の表に示します。

表4-7 JP1/SC/DPM管理サーバマシンにインストールする製品と動作するプロセス

インストールする製品動作するプロセス
JP1/SC/DPM管理サーバ for DPM
Webサーバ for DPM

(4) サーバマシンへのJP1/SC/DPMのインストール

JP1/SC/DPMを利用する場合,次のサーバマシンにJP1/SC/DPMをインストールする必要があります。JP1/SC/DPMのプロセスとして,クライアントサービス for DPMが動作します。

注※ J2EEアプリケーションを実行するシステムで,CTMを使用するパターン(ctm-tier)の場合に配置するマシンです。