7.7.1 運用管理エージェントの起動/停止と設定

通常の運用では,運用管理エージェントとManagement Serverは自動起動する方法をお勧めします。運用管理エージェントとManagement Serverに自動起動を設定すると,運用管理エージェントの起動からManagement Serverの起動までの一連の操作を,ホスト起動と同時に処理できるようになります。ここでは,手動による運用管理エージェントの起動/停止と,運用管理エージェントを自動起動するための設定について説明します。

<この項の構成>
(1) 運用管理エージェントの起動
(2) 運用管理エージェントの自動起動の設定
(3) 運用管理エージェントの停止

(1) 運用管理エージェントの起動

アプリケーションサーバごとに,adminagentctlコマンドを使用して運用管理エージェントを起動します。起動方法を,OSごとに示します。なお,Windowsの場合はサービスからも起動できます。

Windowsの場合

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl start

UNIXの場合

# /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start

(2) 運用管理エージェントの自動起動の設定

運用管理エージェントを自動起動する場合は,ホストと同時に起動するようにします。自動起動するためにはあらかじめ設定が必要です。設定方法を,OSごとに示します。

Windowsの場合
mngautorunコマンドに引数「agent」を指定して実行します。

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngautorun agent

参考
ホスト単位管理モデルのように,同一マシン上でManagement Serverと運用管理エージェントを起動する場合には,mngautorunコマンドに引数「both」を指定して,運用管理エージェントが先に起動するように依存関係を設定してください。
AIXの場合
mkitabコマンドを使用して,運用管理エージェントの起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start)を,/etc/inittabファイルに登録します。mkitabコマンドの詳細については,AIXのドキュメントを参照してください。

# mkitab "adminagentctl:2:once:/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start # Cosminexus Management Server - Administration Agent Start"

HP-UXの場合
/sbin/rc<N>.dディレクトリに,/sbin/init.d/MngSvrおよび/sbin/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。

# ln -s /sbin/init.d/MngSvr /sbin/rc2.d/S900MngSvr
# chmod 755 /sbin/rc2.d/S900MngSvr
# ln -s /sbin/init.d/AdminAgent /sbin/rc2.d/S800AdminAgent
# chmod 755 /sbin/rc2.d/S800AdminAgent

Linuxの場合
/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリに,/etc/rc.d/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。

# ln -s /etc/rc.d/init.d/AdminAgent /etc/rc.d/rc2.d/S80AdminAgent
# chmod 755 /etc/rc.d/rc2.d/S80AdminAgent

参考
運用管理エージェント自動起動用設定ファイル(/opt/Cosminexus/manager/config/AdminAgentrc)にリソースの制御設定(ulimit)を記述することで,運用管理エージェントから起動する論理サーバに設定を引き継ぐことができます。運用管理エージェント自動起動用設定ファイルにはulimit以外を記述しないでください。運用管理エージェント自動起動用設定ファイルにulimit以外を記述した場合の動作は保証しません。
運用管理エージェント自動起動用設定ファイルはシェルスクリプトとして運用管理エージェント自動起動停止用スクリプト(/etc/rc.d/init.d/AdminAgent)から実行されます。このため,運用管理エージェント自動起動用設定ファイルの記載内容を変更する場合は十分な動作確認を実施してください。
Solarisの場合
/etc/rc<N>.dディレクトリに,/etc/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。

# ln -s /etc/init.d/AdminAgent /etc/rc2.d/S80AdminAgent
# chmod 755 /etc/rc2.d/S80AdminAgent

(3) 運用管理エージェントの停止

手動停止する場合は,アプリケーションサーバごとにadminagentctlコマンドを使用して停止します。なお,Windowsの場合はサービスからも停止できます。

Windowsの場合

<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl stop

UNIXの場合

# /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl stop

UNIXの場合,自動停止ができます。自動停止する場合は,ホストと同時に停止するようにします。運用管理エージェントを自動停止する場合の停止手順をOS別に次に示します。

●AIXの場合の停止手順

ホスト停止時に運用管理エージェントを自動停止させるためには,次に示す作業が必要です。

  1. 運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルを作成します。
  2. /etc/rc.shutdownスクリプトに,運用管理エージェントを停止させるための処理を追加します。

ここでは,運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルの作成方法と,/etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加方法について説明します。

運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルの作成
運用管理エージェントを停止させるスクリプトファイルを,/etc/下に任意のファイル名で作成します(例:/etc/AdminAgentStop)。なお,スクリプトファイルの権限は「755」に設定してください。
スクリプトファイルの例を次に示します。

#!/bin/sh
BIN_PATH=/opt/Cosminexus/manager/bin
# 運用管理エージェント停止
if [ -x $BIN_PATH/adminagentctl ] ; then
 $BIN_PATH/adminagentctl stop
fi
exit 0

なお,この例では,最後の"exit 0"で停止処理に失敗した場合でもシャットダウン処理が中断されないようにしています。エラー発生時にシャットダウンを中断する場合は,それぞれのコマンド実行後にリターンコードをチェックして0以外のリターンコードを返すようにしてください。
/etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加
/etc/rc.shutdownスクリプトで実行する処理として,/etc/rc.shutdownスクリプトに運用管理エージェントを停止させるためのスクリプトファイルを追加します。
/etc/rc.shutdownスクリプトへの運用管理エージェントの停止処理の追加例を次に示します。なお,この例は,運用管理エージェントを停止させるためのスクリプトファイルを/etc/AdminAgentStopに保存した場合の例です。

if [ -x /etc/AdminAgentStop]; then
 /etc/AdminAgentStop
fi

●HP-UXの場合の停止手順

ホスト停止時に運用管理エージェントを自動停止させるためには,/sbin/rc<N>.dディレクトリに/sbin/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は停止時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。

シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの停止時の実行レベル,および運用管理エージェントを停止する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを停止する場合,Management Serverが運用管理エージェントよりも先に停止するように順番を設定してください。

運用管理エージェントを自動停止させる場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときに運用管理エージェントを自動停止させることを前提としています。

# ln -s /sbin/init.d/AdminAgent /sbin/rc2.d/K900AdminAgent
# chmod 755 /sbin/rc2.d/K900AdminAgent

シンボリックリンクの名称は,「K<NNN><停止スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NNN>」には,同一実行レベル内での停止順序を示す3けたの数字を指定してください。「<停止スクリプト名>」には,リンク先の停止スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

●Linuxの場合の停止手順

ホスト停止時に運用管理エージェントを自動停止させるためには,/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリに/etc/rc.d/init.dへのシンボリックリンクを作成します(<N>は停止時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。

シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの停止時の実行レベル,および運用管理エージェントを停止する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを停止する場合,Management Serverが運用管理エージェントよりも先に停止するように順番を設定してください。

運用管理エージェントを自動停止させる場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが3の場合に運用管理エージェントを自動停止させることを前提としています。

# ln -s /etc/rc.d/init.d/AdminAgent /etc/rc.d/rc3.d/K91AdminAgent
# chmod 755 /etc/rc.d/rc3.d/K91AdminAgent

シンボリックリンクの名称は,「K<NN><停止スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一実行レベル内での停止順序を示す2けたの数字を指定してください。「<停止スクリプト名>」には,リンク先の停止スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

●Solarisの場合の停止手順

ホスト停止時に運用管理エージェントを自動停止させるためには,/etc/rc<N>.dディレクトリに/etc/init.dへのシンボリックリンクを作成します(<N>は停止時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。

シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの停止時の実行レベル,および運用管理エージェントを停止する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを停止する場合,Management Serverが運用管理エージェントよりも先に停止するように順番を設定してください。

運用管理エージェントを自動停止させる場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときに運用管理エージェントを自動停止させることを前提としています。

# ln -s /etc/init.d/AdminAgent /etc/rc2.d/K91AdminAgent
# chmod 755 /etc/rc2.d/K91AdminAgent

シンボリックリンクの名称は,「K<NN><停止スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一実行レベル内での停止順序を示す2けたの数字を指定してください。「<停止スクリプト名>」には,リンク先の停止スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。