Cosminexus アプリケーションサーバ V8 システム設計ガイド
アプリケーションサーバのシステムでは,使用するプロセスの種類とその配置によってシステム構成が決まります。
アプリケーションサーバのシステムはWebフロントシステムとバックシステムで構成されます。Webフロントシステムは,クライアントとしてWebブラウザを使用するシステムです。バックシステムは,クライアントとしてEJBクライアントを使用するシステムです。システムの分類については,「3.1.1 システムの目的と構成」で詳しく説明します。
ここでは,まず,システムの分類に応じて必要なプロセスとソフトウェアについて説明します。次に,使用する機能に応じて必要なプロセス,モジュールおよびソフトウェアについて説明します。なお,これらのプロセス,モジュール,ソフトウェアをどのようにシステムに配置するかについては,「3. システム構成の検討(J2EEアプリケーション実行基盤)」で説明します。
システムの分類に応じて必要なプロセスを次に示します。これらは,使用する機能に関係なく共通して必要なプロセスです。アプリケーションサーバによって提供されます。
| 比較項目 | リダイレクタと連携したWebサーバ | インプロセスHTTPサーバ |
|---|---|---|
| Webサーバとして利用できる機能 | ○ Hitachi Web Server(Apacheの機能をベースにしたWebサーバ)またはMicrosoft IISが提供する多様な機能を利用できます。 |
△ サーブレット,JSPまたはHTMLから構成されるWebアプリケーションへのアクセスを目的にした最小限の機能だけが提供されています。※1 |
| 構築,運用の容易性 | ○ 構築時には,Webサーバの環境設定が必要です。運用時には,Webサーバの起動,停止が必要です。ただし,Smart Composer機能のコマンドで構築・運用できるため,煩雑な操作は不要です。 |
○ 構築時のWebサーバの環境設定,および運用時のWebサーバの起動,停止の操作が不要です。 |
| HTML,JPEGなどの静的コンテンツに対するアクセス性能 | ○ 静的コンテンツをWebサーバ上に配置することによって,最適な性能を確保できます。 なお,Webコンテナ上に配置する場合は,リダイレクタ経由のアクセスになるため,アクセス処理に時間が掛かります。 |
○ リダイレクタを経由しないでアクセスできるため,最適な性能を確保できます。 |
| サーブレット,JSPなどの動的コンテンツに対するアクセス性能 | △ リダイレクタを経由するためのアクセス処理に時間が掛かります。 |
○ リダイレクタを経由しないでアクセスできるため,最適な性能を確保できます。 |
| 注意事項 | インターネットに接続する場合には,セキュリティ上の観点から,DMZを確保する構成にして,リバースプロキシをフロントに配置することを推奨します。 また,リバースプロキシを配置しない場合は,リダイレクタを組み込んだWebサーバをDMZに配置することで,同様の効果を得ることもできます。※2 |
インターネットに接続する場合には,セキュリティ上の観点からDMZを確保する構成にして,必ずリバースプロキシをフロントに配置してください。※2 |
(凡例)○:優れている。 △:優れていない。
注※1 インプロセスHTTPサーバで使用できる機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「4.2.2 インプロセスHTTPサーバで使用できる機能」を参照してください。
注※2 DMZへのWebサーバの配置については,「3.13 DMZへのリバースプロキシの配置を検討する」を参照してください。
使用する機能に応じて必要なプロセスおよびモジュールについて説明します。アプリケーションサーバによって提供されるものと,アプリケーションサーバ以外のソフトウェアによって提供されるものがあります。
使用する機能ごとに必要なプロセスのうち,アプリケーションサーバによって提供されるものを次の表に示します。これらのプロセスは,アプリケーションサーバをインストールしたマシンで起動できます。
表2-6 機能ごとに必要なプロセスまたはモジュール(アプリケーションサーバによって提供されるもの)
| 機能 | 必要なプロセス |
|---|---|
| サーバ間連携でCTMを利用する/CTMを利用して負荷を分散する | CTMデーモン |
| CTMレギュレータ | |
| CTMドメインマネジャ | |
| グローバルCORBAネーミングサービス | |
| スマートエージェント | |
| Management Serverを利用して運用管理する | Management Server |
| 運用管理エージェント | |
| メモリセッションフェイルオーバ機能を使用して可用性を向上させる | SFOサーバ |
| CORBAネーミングサービスをアウトプロセスで起動する | CORBAネーミングサービス |
使用する機能ごとに必要なプロセスおよびモジュールのうち,アプリケーションサーバ以外の製品が提供するプロセスおよびモジュールを,表2-7および表2-8に示します。
表2-7 機能ごとに必要なモジュール(アプリケーションサーバ以外によって提供されるもの)と提供するソフトウェア
| 機能 | モジュール | 提供するソフトウェア | 備考 |
|---|---|---|---|
| データベース(HiRDB)と接続する | HiRDB Type4 JDBC Driver |
|
JDBCドライバとしてHiRDB Type4 JDBC Driverを使用する場合に必要になります。 |
| データベース(Oracle)と接続する | Oracle JDBC Thin Driver |
|
JDBCドライバとしてOracle JDBC Thin Driverを使用する場合に必要になります。 |
| データベース(SQL Server)と接続する | SQL Server 2000 Driver for JDBC |
|
SQL Server 2000に接続する場合に必要になります。 |
| SQL Server 2005 JDBC Driver |
|
SQL Server 2005に接続する場合に必要になります。 | |
| SQL Server JDBC Driver |
|
SQL Server 2008に接続する場合に必要になります。 | |
| データベース(XDM/RD E2)と接続する | HiRDB Type4 JDBC Driver |
|
JDBCドライバとしてHiRDB Type4 JDBC Driverを使用する場合に必要になります。 |
| Message Queueサーバと接続する | TP1/Message Queue - Access |
|
− |
| OpenTP1のSPPと接続する | uCosminexus TP1 Connector |
|
− |
| TP1/Client/J |
|
− |
(凡例) −:該当しません。
注 モジュールは,J2EEサーバのプロセスに含まれて動作します。
表2-8 機能ごとに必要なプロセス(アプリケーションサーバ以外によって提供されるもの)と提供するソフトウェア
| 機能 | 必要なプロセス | 提供するソフトウェア |
|---|---|---|
| クラスタソフトウェアを使用して障害時に系を切り替える | Microsoft Cluster Service | Microsoft Cluster Service |
| HAモニタ | HAモニタ |
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