3.7.2 インプロセスHTTPサーバ使用時の負荷分散機を利用した負荷分散(サーブレット/JSPの場合)

負荷分散機(レイヤ5スイッチ)によって負荷を分散する構成について説明します。この方法は,サーブレットまたはJSPがアクセスポイントの場合に使用できます。

ここでは,インプロセスHTTPサーバ機能を使用する場合について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

(1) システム構成の特徴

J2EEサーバ上で動作するアプリケーションのアクセスポイントが,サーブレットまたはJSPの場合に使用できる構成です。

負荷分散は,負荷分散機に対象になるアプリケーションサーバを登録することで実現できます。アプリケーションサーバを複数登録することで,クライアントからのアクセスによる負荷を分散できます。

負荷分散機を利用した負荷分散の構成の例を次の図に示します。

図3-38 負荷分散機を利用した負荷分散の構成の例(インプロセスHTTPサーバを使用する場合)

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • サーブレットとJSPのスケーラビリティと可用性を確保できます。
  • 特定のアプリケーションサーバでトラブルが発生した場合,またはメンテナンスが必要な場合に,負荷分散機から該当するアプリケーションサーバへのアクセスを停止することで,システムの縮退運転ができます。
  • WebブラウザからWebサーバを経由しないで直接J2EEサーバにアクセスできるため,性能上のメリットがあります。また,Webサーバを起動する必要がないため,運用が簡易になります。ただし,使用できる機能や構成について,留意する必要があります。また,インターネットに接続する場合は,必ずリバースプロキシを組み込んだWebサーバをフロントに配置してください。詳細は,「3.4.2 サーブレットとJSPをアクセスポイントに使用する構成(インプロセスHTTPサーバを使用する場合)」を参照してください。
リクエストの流れ
アクセスポイントであるJ2EEサーバ上のサーブレットとJSPへのリクエストは,Webブラウザから,負荷分散機経由で送られます。その際,負荷分散機では,Webブラウザからのアクセスを,それぞれのアプリケーションサーバ上で動作しているJ2EEサーバに対して振り分けます。なお,負荷分散機では,HTTPセッションのスティッキー(Sticky)やアフィニティ(Afinity)の関連づけも制御します。
参考
HTTPSを使用する場合は,負荷分散機のフロントにSSLアクセラレータを配置する必要があります。

(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

負荷分散機を使用する場合にそれぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセスは,サーブレットとJSPをアクセスポイントにする構成と同じです。「3.4.2 サーブレットとJSPをアクセスポイントに使用する構成(インプロセスHTTPサーバを使用する場合)」を参照してください。