この節では,Enterprise Beanの呼び出し方を最適化する方法について説明します。
通常,Enterprise Beanは,リモートインタフェースを使用してRMI-IIOP経由で呼び出されます。しかし,この方法の場合,同じJ2EEアプリケーションや同じJ2EEサーバ内で動作しているEnterprise Beanから呼び出すときにも,リモート接続と同じオーバーヘッドが掛かってしまいます。
これに対して,Enterprise Beanの呼び出し方を最適化してスループットの向上を図るために,次の呼び出し方法が使用できます。
これらの呼び出し方法には,それぞれ,次の表に示す特徴があります。この表では,標準仕様に準拠しているか(標準仕様),性能は向上するか(性能),位置透過性はあるか(位置透過),保守性に優れているか(保守性)の四つの特徴で比較しています。アプリケーションやシステムの特徴に応じて使い分けてください。
表8-18 Enterprise Beanの呼び出し方法の特徴
呼び出し方法の種類 | 標準仕様 | 性能 | 位置透過 | 保守性 |
---|---|---|---|---|
ローカルインタフェース | ○ | ○ | × | ○ |
リモートインタフェースのローカル呼び出し | ○ | △ | ○ | ○ |
リモートインタフェースの参照渡し | × | ○ | △ | × |
なお,ローカルインタフェースの詳細については,EJBの仕様を参照してください。
リモートインタフェースのローカル呼び出しおよびリモートインタフェースの参照渡しの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「2.13 EJBのリモートインタフェースの呼び出し」を参照してください。