6.1.3 CTMを使用する場合の使用リソース

CTM(バッチアプリケーションのスケジューリング機能)を使用する場合の,使用リソースの見積もりについて,OSごとに説明します。

なお,使用リソースの見積もりの各表にある,「オプション設定ファイル例」については,使用しているOSのバージョン,およびカーネルのバージョンごとに異なります。使用しているOSのマニュアルを参照して,表中の見積もり式を基に見積もった値を設定してください。使用しているOSで該当するカーネルパラメタが設定できない場合には,設定は不要です。

<この項の構成>
(1) AIXの場合
(2) HP-UXの場合
(3) Linuxの場合
(4) Solarisの場合

(1) AIXの場合

CTMを使用する場合の,使用リソースの見積もりについて次の表に示します。

表6-7 CTM使用時の使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496+CTMドメインマネジャの共用メモリ※2+CTMデーモンの共用メモリ※2
プロセス数7+バッチサーバ数※3
スレッド数72+(バッチサーバのスレッド数※4+7)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするスレッド数※5
ファイルディスクリプタ数nofiles88+(バッチサーバのファイルディスクリプタ数※4+6)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数※5/etc/security/limits

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
値については,「6.1.3(1)(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式」を参照して算出してください。
注※3
簡易構築定義ファイルの<j2ee-server-count>タグの指定値を指します。
注※4
バッチサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.2.1 バッチサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。
注※5
CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.1.3(1)(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式」を参照して算出してください。

(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式

共用メモリ用ファイルサイズを算出するには,CTMドメインマネジャの共用メモリおよびCTMデーモンの共用メモリを算出する必要があります。それぞれの計算式について次に示します。

なお,計算式中の可変値には,次の値を使用してください。「ctm.」で始まるパラメタについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。

計算式に使用する値
-CTMMaxCTM:64
-CTMQueueCount:ctm.QueueCount
-CTMClientConnectCount:256
-CTMServerConnectCount:ctm.ServerConnectCount
-CTMEntryCount:-CTMClientConnectCount+-CTMServerConnectCount
-CTMServerCacheSize:ctm.ServerCacheSize
-CTMQueueRegistCount:ctm.QueueRegistCount
-CTMDispatchParallelCount:ctm.DispatchParallelCount
●CTMドメインマネジャの共用メモリ用ファイルサイズの計算式

CTMドメインマネジャの共用メモリ用ファイルサイズの計算式を次に示します。

共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
1,018,320+(2,362 × -CTMMaxCTM指定値)
●CTMデーモンの共用メモリ用ファイルサイズの計算式

CTMデーモンの場合は,CTMデーモン単位で固定長の共用メモリ用ファイルと可変長の共用メモリ用ファイルを確保する必要があります。それぞれの計算式を次に示します。

固定長の共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
551,840 + (1,208 × -CTMQueueCount指定値)
可変長の共用メモリ用ファイルサイズ(単位:バイト) =
1,027,008
+(928 × -CTMClientConnectCount指定値)
+(256 × -CTMServerConnectCount指定値)
+(512 × -CTMEntryCount指定値)
+(1,024 ×-CTMServerCacheSize指定値)
+(512 × -CTMQueueCount指定値)
+(544 × -CTMQueueCount指定値 × -CTMQueueRegistCount指定値)
+(512 × -CTMDispatchParallelCount指定値)
(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式

スレッド数およびファイルディスクリプタ数を算出するには,CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数を算出する必要があります。それぞれの計算式について次に示します。

●CTMデーモンで必要とするスレッド数の計算式
最大値 =
(A×4+B×3+C×2+D×E+F+G+32) / 0.8
(凡例)
  • A:-CTMMaxCTM値(ctmdが属するctmdmdで指定された値)
  • B:-CTMClientConnectCount値
  • C:-CTMServerConnectCount値
  • D:-CTMQueueCount値
  • E:-CTMQueueRegistCount値
  • F:-CTMDispatchParallelCount値
  • G:Createを発行するEJBクライアントの総数
●CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数の計算式
最大値 =
(A×2+B×4+C×2+D×E+F×EJBのインタフェース数+G+100) / 0.8
(凡例)
  • A:-CTMMaxCTM値(ctmdが属するctmdmdで指定された値)
  • B:-CTMClientConnectCount値
  • C:-CTMServerConnectCount値
  • D:-CTMQueueCount値
  • E:-CTMQueueRegistCount値
  • F:-CTMDispatchParallelCount値
  • G:Createを発行するEJBクライアントの総数

(2) HP-UXの場合

CTMを使用する場合の,使用リソースの見積もりについて次の表に示します。

表6-8 CTM使用時の使用リソースの見積もり(HP-UXの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリshmmaxPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496+CTMドメインマネジャの共用メモリ※2+CTMデーモンの共用メモリ※2kctune shmmax= 1073741824
プロセス数nproc7+バッチサーバ数※3kctune nproc=4200
スレッド数nkthread72+(バッチサーバのスレッド数※4+7)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするスレッド数※5kctune nkthread= 8416
ファイルディスクリプタ数nfile88+(バッチサーバのファイルディスクリプタ数※4+6)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数※5kctune nfile= 65536
注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
値については,「6.1.3(1)(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式」を参照して算出してください。
注※3
簡易構築定義ファイルの<j2ee-server-count>タグの指定値を指します。
注※4
バッチサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.2.1 バッチサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。
注※5
CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.1.3(1)(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式」を参照して算出してください。

(3) Linuxの場合

CTMを使用する場合の,使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表6-9 CTM使用時の使用リソースの見積もり(Linuxの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリSHMMAXPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496+CTMドメインマネジャの共用メモリ※2+CTMデーモンの共用メモリ※2/proc/sys/kernel/shmmax
プロセス数threads-max7+バッチサーバ数※3/proc/sys/kernel/threads-max
スレッド数threads-max72+(バッチサーバのスレッド数※4+7)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするスレッド数※5
ファイルディスクリプタ数fs.file-max88+(バッチサーバのファイルディスクリプタ数※4+6)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数※5/proc/sys/fs/file-max

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
値については,「6.1.3(1)(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式」を参照して算出してください。
注※3
簡易構築定義ファイルの<j2ee-server-count>タグの指定値を指します。
注※4
バッチサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.2.1 バッチサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。
注※5
CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.1.3(1)(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式」を参照して算出してください。

(4) Solarisの場合

CTMを使用する場合の,使用リソースの見積もりについて次の表に示します。

表6-10 CTM使用時の使用リソースの見積もり(Solarisの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリshminfo_shmmaxPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496+CTMドメインマネジャの共用メモリ※2+CTMデーモンの共用メモリ※2/etc/system
プロセス数max_nprocs7+バッチサーバ数※3/etc/system
スレッド数72+(バッチサーバのスレッド数※4+7)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするスレッド数※5
ファイルディスクリプタ数rlim_fd_max88+(バッチサーバのファイルディスクリプタ数※4+6)×バッチサーバ数※3+CTMデーモンで必要とするファイルディスクリプタ数※5/etc/system

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
値については,「6.1.3(1)(a) 共用メモリ用ファイルサイズの計算式」を参照して算出してください。
注※3
簡易構築定義ファイルの<j2ee-server-count>タグの指定値を指します。
注※4
バッチサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.2.1 バッチサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。
注※5
CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「6.1.3(1)(b) CTMデーモンで必要とするスレッド数とファイルディスクリプタ数の計算式」を参照して算出してください。