ここでは,タイムアウトの設定で使用するチューニングパラメタの設定方法についてまとめて示します。
図8-9または図8-10のポイント1のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。使用するWebサーバによって設定個所が異なります。
Webサーバ連携の場合は,Webサーバ単位に設定します。ファイル編集によって設定します。
表8-27 Webサーバ側で設定するクライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信のタイムアウトのチューニングパラメタ(Webサーバ連携の場合)
設定項目 | 設定個所 |
---|---|
クライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信のタイムアウト | httpsd.confのTimeoutディレクティブ |
注 Web Redirectorを使用する場合などで,WebサーバとしてMicrosoft IISを使用しているときには,isapi_redirect.confのreceive_client_timeoutキーを編集してください。
インプロセスHTTPサーバの場合は,J2EEサーバ単位に設定します。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-28 Webサーバ側で設定するクライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信のタイムアウトのチューニングパラメタ(インプロセスHTTPサーバの場合)
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
クライアントからのリクエスト受信のタイムアウト | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.receive_timeout |
クライアントへのデータ送信のタイムアウト | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.send_timeout |
図8-9のポイント2,およびポイント3のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。リダイレクタ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタについて説明します。なお,これらのチューニングパラメタは,Webサーバ連携の場合だけ指定できます。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-29 リダイレクタ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ
ポイント | 設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名)※ |
---|---|---|---|
2 | リクエスト送信時のWebコンテナに対するコネクション確立のタイムアウト | 論理Webサーバ(web-server) | JkConnectTimeout |
3 | リクエスト送信のタイムアウト | 論理Webサーバ(web-server) | JkSendTimeout |
注※ Web Redirectorを使用する場合などで,WebサーバとしてMicrosoft IISを使用しているときには,isapi_redirect.confのconnect_timeoutキーを編集してください。
図8-9のポイント4のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
リダイレクタのワーカ定義単位で設定します。リダイレクタ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタについて説明します。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-30 リダイレクタ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
レスポンスデータ待ちの通信タイムアウト | 論理Webサーバ(web-server) | worker.<ワーカ名>.receive_timeout |
Webサーバ連携の場合だけ指定できます。
図8-9のポイント5のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
J2EEサーバ単位で設定します。Webコンテナ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタについて説明します。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-31 Webコンテナ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
リダイレクタからの応答待ちのタイムアウト | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.ajp13.receive_timeout |
Webサーバ連携の場合だけ指定できます。
図8-9のポイント12のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
J2EEサーバ単位で設定します。Webコンテナ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタについて説明します。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-32 Webコンテナ側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ
設定項目 | 設定対象 | パラメタ名 |
---|---|---|
レスポンス送信処理のタイムアウト | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.ajp13.send_timeout |
Webサーバ連携の場合だけ指定できます。
図8-9または図8-10のポイント7のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
J2EEサーバ単位,EJBクライアントアプリケーション単位またはAPIによる呼び出し単位に設定します。
EJBクライアント側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ(RMI-IIOP通信によるリモート呼び出し)を次の表に示します。
表8-33 EJBクライアント側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ(RMI-IIOP通信によるリモート呼び出し)
単位 | 設定方法 | 設定項目 | 設定個所 |
---|---|---|---|
J2EEサーバ単位 | Smart Composer機能 | クライアントとサーバ間の通信タイムアウト |
|
EJBクライアントアプリケーション単位 | ファイル編集または開始時に指定するシステムプロパティの指定 |
| |
API単位 | API |
|
注※ パッケージ名はcom.hitachi.software.ejb.ejbclientです。
EJBクライアント側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ(ネーミングサービス呼び出し)を次の表に示します。
表8-34 EJBクライアント側で設定するタイムアウトのチューニングパラメタ(ネーミングサービス呼び出し)
単位 | 設定方法 | 設定項目 | 設定個所 |
---|---|---|---|
J2EEサーバ単位 | Smart Composer機能 | ネーミングサービスとの通信タイムアウト時間 |
|
EJBクライアントアプリケーション単位 | ファイル編集または開始時に指定するシステムプロパティの指定 |
|
図8-9または図8-10のポイント8のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
J2EEサーバ単位,EJBクライアントアプリケーション単位またはAPIによる呼び出し単位に設定します。
なお,このタイムアウトの設定値には,「(6) EJBクライアント側で設定するEnterprise Beanのリモート呼び出し(RMI-IIOP通信)とJNDIによるネーミングサービス呼び出しのタイムアウト」で指定した設定値と同じ値が引き継がれます。
図8-9または図8-10のポイント10のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
J2EEサーバ単位,Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位(CMTの場合),またはAPIによる呼び出し単位(BMTの場合)に設定します。
トランザクションタイムアウトのチューニングパラメタを次の表に示します。
表8-35 トランザクションタイムアウトのチューニングパラメタ
単位 | 設定方法 | 設定項目 | 設定個所 |
---|---|---|---|
J2EEサーバ単位 | Smart Composer機能 | トランザクションのトランザクションタイムアウト時間のデフォルト |
|
Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位(CMTの場合) | サーバ管理コマンドのcjsetapppropコマンド | トランザクションタイムアウト時間 |
|
API単位(BMTの場合) | API | UserTransaction#setTransactionTimeoutメソッド※ |
注※ パッケージ名はjavax.transactionです。
図8-9または図8-10のポイント11のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
データベースのタイムアウトは,使用するデータベースの種類,およびサーバの動作モードによって異なります。なお,ここでは,DB Connectorを使用してHiRDB,Oracle,SQL ServerまたはXDM/RD E2にアクセスする場合のタイムアウトの設定方法について説明します。
HiRDBサーバのシステム共通定義またはHiRDBのクライアント環境変数に設定します。詳細は,マニュアル「HiRDB システム定義」またはマニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
HiRDBのタイムアウトを設定するチューニングパラメタを次の表に示します。
表8-36 HiRDBのタイムアウトを設定するチューニングパラメタ
タイムアウトの種類 | 設定個所 | 設定方法(パラメタ名) | 設定内容 |
---|---|---|---|
ロック解放待ちタイムアウト | HiRDBサーバのシステム共通定義 | pd_lck_wait_timeoutパラメタ | 設定値は任意です。 |
レスポンスタイムアウト | HiRDBのクライアント環境変数 | PDCWAITTIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。 |
リクエスト間隔タイムアウト | HiRDBのクライアント環境変数 | PDSWAITTIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。 |
Oracleのサーバ定義のDISTRIBUTED_LOCK_TIMEOUTパラメタに設定します。
なお,このほか,XAOpenStringのSesTmパラメタの設定がタイムアウトに影響します。このパラメタは,チューニングできません。
SQL Serverの環境設定オプションのパラメタ,またはステートメントの実行によって設定します。
SQL Serverのタイムアウトを設定するチューニングパラメタを次の表に示します。
表8-37 SQL Serverのタイムアウトを設定するチューニングパラメタ
タイムアウトの種類 | 設定個所 | 設定方法(パラメタ名/ステートメント名) | 設定内容 |
---|---|---|---|
メモリ取得待ちタイムアウト | SQL Serverの環境設定オプション(SQL Server 2000の場合)またはサーバー構成オプション(SQL Server 2005またはSQL Server 2008の場合) | query waitパラメタ | 設定値は任意です。 |
ロック解放待ちタイムアウト | - | SET LOCK_TIMEOUTステートメント | 設定値は任意です。 |
XDM/BASEのシステムオプション定義,HiRDBのクライアント環境変数,またはDBコネクションサーバのコントロール空間起動制御文/サーバ空間起動制御文に設定します。
XDM/RD E2のタイムアウトを設定するチューニングパラメタを次の表に示します。
表8-38 XDM/RD E2のタイムアウトを設定するチューニングパラメタ
タイムアウトの種類 | 設定個所 | 設定方法(パラメタ名) | 設定内容 |
---|---|---|---|
ロック解放待ちタイムアウト | XDM/BASEのシステムオプション定義 | TIMER | 設定値は任意です。※1 |
SQL実行CPU時間タイムアウト | DBコネクションサーバのコントロール空間起動制御文/サーバ空間起動制御文 | SQLCTIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。※2 |
SQL実行経過時間タイムアウト | DBコネクションサーバのコントロール空間起動制御文/サーバ空間起動制御文 | SQLETIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。※2 |
トランザクション経過時間タイムアウト | DBコネクションサーバのコントロール空間起動制御文/サーバ空間起動制御文 | SVETIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。※2 |
レスポンスタイムアウト | HiRDBクライアント環境変数 | PDCWAITTIME | トランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。※3 |
図8-9または図8-10のポイント6とポイント9のタイムアウトを設定するチューニングパラメタです。
Webアプリケーション内またはEnterprise Bean内のメソッド単位にタイムアウトを設定する場合は,アプリケーションの属性として設定します。また,タイムアウトが発生した場合の動作についても,アプリケーションの属性として設定します。これらの項目は,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。
メソッドの実行時間のタイムアウトを設定するチューニングパラメタを次の表に示します。なお,ポイントごとに設定個所が異なります。
表8-39 メソッド実行時間のタイムアウトを設定するチューニングパラメタ
対象になるポイント | タイムアウトの種類およびタイムアウト時の動作 | 設定個所 |
---|---|---|
6 | フィルタ,サーブレットまたはJSPのリクエスト処理メソッド |
|
9 | Enterprise Beanのリクエスト処理メソッド |
|
6および9 | タイムアウト発生時のアプリケーション単位の動作 |
|
注※ メソッドキャンセルを実行する場合に「thread」を指定します。