付録C.1 同時実行数を最適化するためのチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

ここでは,同時実行数の最適化で使用するチューニングパラメタの設定方法と設定個所についてまとめて示します。

<この項の構成>
(1) インプロセスHTTPサーバ使用時のリクエスト処理スレッド数
(2) Webアプリケーションの同時実行数
(3) Enterprise Beanの同時実行数
(4) CTMで制御する同時実行数

(1) インプロセスHTTPサーバ使用時のリクエスト処理スレッド数

インプロセスHTTPサーバを使用している場合の,リクエスト処理スレッド数のチューニングパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

なお,Webサーバ連携でHitachi Web Serverを使用している場合のチューニングパラメタについては,マニュアル「Hitachi Web Server」を参照してください。

表C-1 インプロセスHTTPサーバ使用時のリクエスト処理スレッド数のチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

設定項目設定方法設定個所
J2EEサーバ起動時に生成するリクエスト処理スレッド数運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「初期スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.init_threadsキー
Webクライアントとの接続数の上限(リクエスト処理スレッド数の上限)運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「初期スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.max_connectionsキー
Webクライアントとの接続数の上限を超えた場合に使用されるTCP/IPのListenキュー(バックログ)の最大値運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「Webクライアントとの接続設定」の「TCPリスンキューの長さ」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.backlogキー
予備スレッド数の最大数運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「予備スレッド」の「最大数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.max_spare_threadsキー
予備スレッド数の最小数運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「予備スレッド」の「最小数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.min_spare_threadsキー

(2) Webアプリケーションの同時実行数

URLグループ単位,Webアプリケーション単位,またはWebコンテナ単位に設定します。

(a) URLグループ単位の同時実行数

URLグループ単位の同時実行数のチューニングパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

表C-2 URLグループ単位の同時実行数のチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

設定項目設定方法設定個所
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(Webサーバ連携時)
運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webサーバとの接続」の「最大スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.max_threadsキー
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(インプロセスHTTPサーバ使用時)
運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「同時実行スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.max_execute_threadsキー
Webアプリケーション単位で同時実行数を制御するかどうか運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「同時実行スレッド数制御機能の使用」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.container.thread_control.enabledキー
デフォルトの実行待ちキューサイズ運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「実行待ちキューサイズ」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.container.thread_control.queue_sizeキー

次の設定項目については,推奨手順の場合と違いがありません。

(b) Webアプリケーション単位の同時実行数

Webアプリケーション単位の同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

表C-3 Webアプリケーション単位の同時実行数のチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

設定項目設定方法設定個所
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(Webサーバ連携時)
運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webサーバとの接続」の「最大スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.max_threadsキー
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(インプロセスHTTPサーバ使用時)
運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「同時実行スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.max_execute_threadsキー
Webアプリケーション単位で同時実行数を制御するかどうか運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「同時実行スレッド数制御機能の使用」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.container.thread_control.enabledキー
デフォルトの実行待ちキューサイズ運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「実行待ちキューサイズ」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.container.thread_control.queue_sizeキー

次の設定項目については,推奨手順と違いがありません。

(c) Webコンテナ単位の同時実行数

Webコンテナ単位の同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

表C-4 Webコンテナ単位の同時実行数のチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

設定項目設定方法設定個所
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(Webサーバ連携時)
運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webサーバとの接続」の「最大スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.max_threadsキー
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数
(インプロセスHTTPサーバ使用時)
運用管理ポータル[通信・スレッド制御に関する設定]画面の「スレッド制御設定」の「同時実行スレッド数」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.max_execute_threadsキー
参考
このほか,Webコンテナでは,リダイレクタからのTCP接続要求の最大待ち行列数も指定できます(usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.backlogキー)。ただし,これはソケットのListenキューの大きさを指定するキーであり,リクエストの実行待ちキューと直接の関係はありません。

(3) Enterprise Beanの同時実行数

Enterprise Beanの同時実行数は,Enterprise Bean単位に設定します。

Enterprise Beanの同時実行数のチューニングパラメタについては,推奨手順の場合と違いがありません。

(4) CTMで制御する同時実行数

CTMで制御する同時実行数のチューニングパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。CTMデーモン,アプリケーション,およびStateless Session Beanに設定する項目があります。

CTMで制御する同時実行数のチューニングパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

表C-5 CTMで制御する同時実行数のチューニングパラメタ(推奨手順以外の方法)

設定対象設定項目設定方法設定個所
CTMデーモンCTMが制御するスレッドの最大値およびキューごとのリクエストの登録数運用管理ポータル[スケジューリングの設定]画面の「CTMキューの設定」の「スレッド最大値」
ファイル編集ctmstartコマンドの引数「-CTMDispatchParallelCount」

なお,アプリケーションまたはStateless Session Beanに対する設定項目については,推奨手順の場合と違いがありません。