3.10.2 SFOサーバがシステムに複数存在する構成(メモリセッションフェイルオーバ機能)

SFOサーバがシステムに複数存在する構成について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

(1) システム構成の特徴

J2EEサーバ上で動作するJ2EEアプリケーションごとに,SFOサーバを用意します。J2EEアプリケーションとSFOサーバを1:1にすることをお勧めします。これによって,SFOサーバにトラブルが発生した場合の影響を最小限に抑えられます。これに対して,複数のJ2EEアプリケーションに対して一つのSFOサーバを配置した場合,SFOサーバにトラブルが発生したときには,そのSFOサーバに対応するすべてのJ2EEアプリケーションのセッション情報が引き継げなくなります。

SFOサーバ上では,SFOサーバアプリケーションが動作しています。

システムに複数のSFOサーバが存在する場合の構成の例を次の図に示します。この例では,SFOサーバはJ2EEサーバと異なるマシン上に配置されています。この構成の場合,SFOサーバを配置したマシンを,セッションフェイルオーバサーバといいます。

図3-49 SFOサーバがシステムに複数存在する構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • 特定のJ2EEサーバでトラブルが発生した場合に,セッション情報をほかのJ2EEサーバに引き継げます。
  • SFOサーバにトラブルが発生した場合も,対応するJ2EEアプリケーションだけに影響範囲を抑えられます。
リクエストの流れ
SFOサーバでは,J2EEサーバ上のグローバルセッション情報が冗長化されて管理されています。
J2EEサーバがリクエストを受け付けてセッションが確立された時点で,J2EEサーバ上のセッションフェイルオーバ用フィルタによってSFOサーバ上のグローバルセッション情報にロックが掛けられます。J2EEアプリケーションの処理が完了すると,J2EEサーバ上のグローバルセッション情報の内容に合わせてSFOサーバ上のグローバルセッション情報が更新されます。そのあとで,セッションフェイルオーバ用フィルタによってSFOサーバ上のグローバルセッション情報のロックが解除されます。
J2EEサーバにトラブルが発生した場合は,別なJ2EEサーバからSFOサーバ上のグローバルセッション情報が取得され,セッション情報が引き継がれます。

(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスについて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン

メモリセッションフェイルオーバ機能を使用する場合に必要なソフトウェアと起動するプロセスは,使用する機能に応じたシステム構成ごとに異なります。使用する機能に応じて必要なソフトウェアとプロセスを配置してください。

(b) セッションフェイルオーバサーバマシン

セッションフェイルオーバサーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

(c) 運用管理サーバマシン

運用管理サーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

(d) Webクライアントマシン

Webクライアントマシンには,Webブラウザが必要です。