N台の実行系に対して1台の待機系(リカバリ専用サーバ)を用意する構成について説明します。この構成を,N:1リカバリシステムといいます。
この構成は,J2EEサーバを冗長化した構成でグローバルトランザクションを使用する場合に,特定のJ2EEサーバにトラブルが発生したときにトランザクションを解決してリソースを解放するためのシステム構成です。N台のJ2EEサーバを冗長化するためには,負荷分散機などを使用します。
次のことが前提になります。
なお,N:1リカバリシステムで系切り替えの対象になるのは,アプリケーションサーバです。
また,N:1リカバリシステムを構成する場合,実行系で使用するリソースアダプタが,待機系にも必要です。ここでは,リソースアダプタの配置とシステム構成の関係について,次の3種類の構成を例として説明します。
次にそれぞれの構成の例を示します。
図3-56 N:1リカバリシステムのシステム構成の例(N台の実行系マシンで,J2EEアプリケーションとリソースアダプタの構成がすべて同じ場合)
これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。
図3-57 N:1リカバリシステムのシステム構成の例(N台の実行系マシンで,J2EEアプリケーションの構成は異なり,リソースアダプタはすべて同一の場合)
これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。
図3-58 N:1リカバリシステムのシステム構成の例(N台の実行系マシンで,J2EEアプリケーションとリソースアダプタの構成がすべて異なる場合)
これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。
それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスについて説明します。
実行系のアプリケーションサーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。
クラスタソフトウェアを使用する場合に必ず起動するプロセスは次のとおりです。
これ以外にアプリケーションサーバに必要なソフトウェアと起動するプロセスは,使用する機能に応じたシステム構成ごとに異なります。使用する機能に応じて必要なソフトウェアとプロセスを配置してください。
待機系のアプリケーションサーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。
また,実行系のアプリケーションサーバマシン上のJ2EEサーバにインポートされているすべてのリソースアダプタをインポートしてください。
なお,待機系のアプリケーションサーバマシンは,コールドスタンバイの状態になります。
系切り替えが発生するまで,プロセスは起動しません。系切り替えが発生すると,J2EEサーバのプロセスが,リカバリモードで起動されます。
運用管理サーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。
起動するプロセスは次のとおりです。
クライアントマシンには,次のソフトウェアをインストールしてください。