ここでは,Webフロントシステムでのタイムアウトの設定について説明します。
Webフロントシステムのタイムアウトを設定する場合は,システム全体のタイムアウトのうち,次の図に示す,1~6および12のポイントについて意識する必要があります。この番号は,図8-9または図8-10と対応しています。
- ポイント
- インプロセスHTTPサーバを使用する場合,設定できるのは1と6のポイントです。2~5,および12のポイントは該当しません。
図8-11 Webフロントシステムの場合に意識するタイムアウトのポイント(1~6,および12のポイント)
![[図データ]](figure/zu061100.gif)
- Webサーバでのクライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信待ち時間(1のポイント)
Webブラウザからの要求が滞った場合に,タイムアウトによってリダイレクタのリソースを解放します。また,Webブラウザへの応答が滞った場合(Webブラウザが受信しない場合)に,タイムアウトによってリダイレクタおよびJ2EEサーバ内のWebコンテナのリソースを解放します。
Webサーバ連携の場合,これらの待ち時間には,同じ値が設定されます。
インプロセスHTTPサーバを使用する場合,クライアントからのリクエスト受信待ち時間と,クライアントへのデータ送信待ち時間には,それぞれ異なる値を指定できます。
- Webサーバに登録したリダイレクタでのWebコンテナへのリクエスト送信待ち時間(2および3のポイント)
リダイレクタからWebコンテナへのリクエスト送信時に,Webコンテナ自体のトラブル,またはリダイレクタとWebコンテナ間の通信路でのトラブルによって制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってリダイレクタのリソースを解放します。また,同時にWebブラウザにエラーを通知します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
ポイント2はWebコンテナとのコネクション確立の待ち時間,ポイント3はWebコンテナへのリクエスト送信処理の待ち時間です。
- Webサーバに登録したリダイレクタでのWebコンテナからのデータ受信待ち時間(4のポイント)
J2EEアプリケーションで何かのトラブルが発生して制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってリダイレクタのリソースを解放します。また,同時にWebブラウザにエラーを通知します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
- ポイント
- 設定の単位はワーカです。このため,業務によって処理に掛かる時間が異なる場合は,業務に対応するWebアプリケーション単位でワーカを定義してタイムアウトを設定することをお勧めします。
- Webコンテナでのリダイレクタからのデータ受信待ち時間(5のポイント)
ブラウザからの要求が滞ったときに,J2EEサーバ(Webコンテナ)のリソースを解放します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。
- Webコンテナ上でのリクエスト処理待ち時間(6のポイント)
J2EEアプリケーションの実行時間監視機能を利用します。
「8.6.6 J2EEアプリケーションのメソッドタイムアウトを設定する」を参照してください。
- Webコンテナからリダイレクタへのレスポンス送信待ち時間(12のポイント)
Webコンテナからリダイレクタへのレスポンス送信時に,リダイレクタ自体のトラブル,またはリダイレクタとWebコンテナ間の通信路でのトラブルによって制御が戻らなくなった場合に,タイムアウトによってWebコンテナのリソースを解放します。また,同時にWebブラウザにエラーを通知します。Webサーバと連携する場合にだけ設定できるポイントです。