ここでは,同時実行数の最適化で使用するチューニングパラメタの設定方法についてまとめて示します。
インプロセスHTTPサーバを使用している場合の,リクエスト処理スレッド数のチューニングパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目をSmart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-6 リクエスト処理スレッド数のチューニングパラメタ(インプロセスHTTPサーバ使用時)
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
J2EEサーバ起動時に生成するリクエスト処理スレッド数 | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.init_threads |
Webクライアントとの接続数の上限(リクエスト処理スレッド数の上限) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.max_connections |
Webクライアントとの接続数の上限を超えた場合に使用されるTCP/IPのListenキュー(バックログ)の最大値 | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.backlog |
予備スレッド数の最大数 | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.max_spare_threads |
予備スレッド数の最小数 | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.min_spare_threads |
なお,Webサーバ連携でHitachi Web Serverを使用している場合のチューニングパラメタについては,マニュアル「Hitachi Web Server」を参照してください。
URLグループ単位,Webアプリケーション単位,またはWebコンテナ単位に設定します。
URLグループ単位の同時実行数のチューニングパラメタの設定方法について説明します。設定項目ごとに設定方法と設定個所が異なります。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-7 URLグループ単位の同時実行数のチューニングパラメタ(Smart Composer機能で設定する項目)
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (Webサーバ連携時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.ajp13.max_threads |
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (インプロセスHTTPサーバ使用時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.max_execute_threads |
Webアプリケーション単位で同時実行数を制御するかどうか | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.container.thread_control.enabled |
デフォルトの実行待ちキューサイズ | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.container.thread_control.queue_size |
次の表に示す項目は,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,WAR属性ファイルに定義します。
表8-8 URLグループ単位の同時実行数のチューニングパラメタ(サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定する項目)
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
Webアプリケーション単位での最大同時実行スレッド数 | <thread-control>タグ下の<thread-control-max-threads> |
Webアプリケーションの占有スレッド数 | <thread-control>タグ下の<thread-control-exclusive-threads> |
Webアプリケーション単位の実行待ちキューサイズ | <thread-control>タグ下の<thread-control-queue-size> |
URLグループ単位の同時実行スレッド数制御の定義名 | <thread-control><urlgroup-thread-control>タグ下の<urlgroup-thread-control-name> |
URLグループ単位での最大同時実行スレッド数 | <thread-control><urlgroup-thread-control>タグ下の<urlgroup-thread-control-max-threads> |
URLグループ単位の占有スレッド数 | <thread-control><urlgroup-thread-control>タグ下の<urlgroup-thread-control-exclusive-threads> |
URLグループ単位の実行待ちキューサイズ | <thread-control><urlgroup-thread-control>タグ下の<urlgroup-thread-control-queue-size> |
URLグループ単位の制御対象となるURLパターン | <thread-control><urlgroup-thread-control>タグ下の<urlgroup-thread-control-mapping> |
Webアプリケーション単位の同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。設定項目ごとに設定方法と設定個所が異なります。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-9 Webアプリケーション単位の同時実行数のチューニングパラメタ(Smart Composer機能で設定する項目)
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (Webサーバ連携時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.ajp13.max_threads |
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (インプロセスHTTPサーバ使用時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.max_execute_threads |
Webアプリケーション単位で同時実行数を制御するかどうか | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.container.thread_control.enabled |
デフォルトの実行待ちキューサイズ | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.container.thread_control.queue_size |
次の表に示す項目は,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,WAR属性ファイルに定義します。
表8-10 Webアプリケーション単位の同時実行数のチューニングパラメタ(サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定する項目)
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
Webアプリケーション単位での最大同時実行スレッド数 | <thread-control-max-threads> |
Webアプリケーションの占有スレッド数 | <thread-control-exclusive-threads> |
Webアプリケーション単位の実行待ちキューサイズ | <thread-control-queue-size> |
Webコンテナ単位の同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目をSmart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-11 Webコンテナ単位の同時実行数のチューニングパラメタ
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (Webサーバ連携時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.ajp13.max_threads |
Webコンテナ単位での最大同時実行スレッド数 (インプロセスHTTPサーバ使用時) | 論理J2EEサーバ(j2ee-server) | webserver.connector.inprocess_http.max_execute_threads |
Enterprise Beanの同時実行数は,Enterprise Bean単位に設定します。Enterprise Beanの種類ごとに説明します。
Stateless Session Beanの同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目を,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,Session Bean属性ファイルに定義します。
表8-12 Stateless Session Beanの同時実行数のチューニングパラメタ
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
プールで管理するインスタンスの最大値 | <stateless><pooled-instance>タグ下の<maximum>※ |
プールで管理するインスタンスの最小値 | <stateless><pooled-instance>タグ下の<minimum> |
注※ 運用時にCTMの同時実行数を動的に変更する場合は,最大値は無制限(「0」)に設定する必要があります。
Stateful Session Beanの同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目を,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,Session Bean属性ファイルに定義します。
表8-13 Stateful Session Beanの同時実行数のチューニングパラメタ
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
クライアントから作成可能なセッションの上限 | <stateful>タグ下の<maximum-active-sessions> |
使われていないインスタンスが削除されるまでの時間(分) | <stateful>タグ下の<removal-timeout> |
Entity Beanの同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目を,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,Entity Bean属性ファイルに定義します。
表8-14 Entity Beanの同時実行数のチューニングパラメタ
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
クライアントから作成可能なEntity Beanの最大値 | <maximum-instances> |
使われていないEntity BeanのEJBObjectが削除されるまでの時間(分) | <entity-timeout> |
Message-driven Beanの同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。
次の表に示す項目を,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)で設定します。パラメタは,Message-driven Bean属性ファイルに定義します。
表8-15 Message-driven Beanの同時実行数のチューニングパラメタ
設定項目 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|
プールで管理するインスタンスの数の最大値 | <pooled-instance><maximum> |
プールで管理するインスタンスの数の最小値 | <pooled-instance><minimum> |
CTMで制御する同時実行数をチューニングするパラメタの設定方法について説明します。CTMデーモン,アプリケーション,およびStateless Session Beanに設定する項目があります。
次の表に示す項目は,Smart Composer機能で設定します。パラメタは,簡易構築定義ファイルに定義します。
表8-16 CTMで制御する同時実行数のチューニングパラメタ(Smart Composer機能で設定する項目)
設定項目 | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|
CTMが制御するスレッドの最大値およびキューごとのリクエストの登録数 | 論理CTM(component-transaction-monitor) | ctm.DispatchParallelCount |
次の表に示す項目は,サーバ管理コマンドで設定します。パラメタは,アプリケーション属性ファイルまたはSession Bean属性ファイルに定義します。
表8-17 CTMで制御する同時実行数のチューニングパラメタ(サーバ管理コマンドで設定する項目)
設定項目 | 定義ファイル | 設定対象 | 設定個所(パラメタ名) |
---|---|---|---|
アプリケーションをCTMによる同時実行数制御の対象にするかどうか | アプリケーション属性ファイル | アプリケーション | <managed-by-ctm> |
アプリケーションの同時実行スレッド数 | アプリケーション属性ファイル | アプリケーション | <scheduling>タグ下の<parallel-count> |
Stateless Session BeanをCTMによる同時実行数制御の対象にするかどうか | Session Bean属性ファイル | Stateless Session Bean | <enable-scheduling> |
Bean単位のキューについての設定※ | Session Bean属性ファイル | Stateless Session Bean | <scheduling>タグ下の<parallel-count> |
注※ スケジュールキューをBean単位に配置する場合に必要です。スケジュールキューの配置方法は,アプリケーション属性ファイルの<scheduling-unit>タブに設定します。