3.6.2 グローバルトランザクションを使用する場合の構成

トランザクションに参加するリソースが複数の場合の構成について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

(1) システム構成の特徴

Session Beanを構成要素とする一つのJ2EEアプリケーションから,リソースアダプタ経由で複数のリソースマネジャにアクセスする構成です。アプリケーションからリソースマネジャへのアクセスで使用するトランザクションは,J2EEサーバ側で管理します。トランザクションの種類は,XAインタフェースを使用するグローバルトランザクションになります。

グローバルトランザクションを使用する場合の構成の例を,次の図に示します。この例は,CTMを使用するシステムの場合の例です。

図3-35 グローバルトランザクションを使用する場合の構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • アプリケーションから複数のリソースマネジャにアクセスします。2フェーズコミットが必要になります。
  • 一つのリソースマネジャにアクセスするアプリケーションと,複数のリソースマネジャにアクセスするアプリケーションを混在させるシステムの場合も,この構成にする必要があります。
アプリケーションからリソースアダプタ経由でリソースマネジャにアクセスする流れ
EJBクライアントアプリケーションからアクセスされたStateless Session Beanは,リソースアダプタを経由してリソースマネジャにアクセスします。

(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

グローバルトランザクションを使用する場合に,それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセスについて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン

アプリケーションサーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

また,リソースマネジャと接続するために,次のソフトウェアをインストールする必要があります。

接続するリソースマネジャ必要なソフトウェア
HiRDBHiRDB Run TimeまたはHiRDB Type4 JDBC Driver
OracleOracle ClientまたはOracle JDBC Thin Driver
TP1/Message QueueTP1/Message Queue - Access
OpenTP1のSPPuCosminexus TP1 Connector
TP1/Client/J

注 SQL ServerおよびXDM/RD E2はグローバルトランザクションでは使用できません。


起動するプロセスは次のとおりです。

また,図3-38のようにCTMを使用する構成の場合は,Application Server Enterpriseをインストールして,上記のプロセスのほかに,グローバルCORBAネーミングサービス,CTMのプロセス群,CTMドメインマネジャおよびスマートエージェントも起動する必要があります。詳細は,「3.5.2 CTM経由でStateless Session Beanを呼び出すサーバ間連携」を参照してください。

(b) リソースマネジャが動作するマシン

リソースマネジャが動作するマシンには,次に示すソフトウェアのどれかをインストールしてください。なお,SQL ServerおよびXDM/RD E2はグローバルトランザクションでは使用できません。

また,それぞれのリソースマネジャで必要なプロセスを起動してください。

(c) 運用管理サーバマシン

運用管理サーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

(d) EJBクライアントマシン

EJBクライアントマシンには,Application Server Standard,Application Server EnterpriseまたはuCosminexus Client(Windowsの場合)をインストールする必要があります。

起動するプロセスは,EJBクライアントアプリケーションのプロセスです。