3.10.3 SFOサーバがシステムに一つだけ存在する構成(メモリセッションフェイルオーバ機能)

SFOサーバがシステムに一つだけ存在する構成について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

(1) システム構成の特徴

J2EEサーバ上で動作する複数のJ2EEアプリケーションに対して,一つのSFOサーバを用意します。

SFOサーバ上では,SFOサーバアプリケーションが動作しています。

システムにSFOサーバが一つだけ存在する場合の構成の例を次の図に示します。なお,この例では,SFOサーバはJ2EEサーバと異なるマシン上に配置されています。

図3-50 SFOサーバがシステムに一つだけ存在する構成の例(セッションフェイルオーバサーバを配置した場合)

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • 特定のJ2EEサーバでトラブルが発生した場合に,セッション情報をほかのJ2EEサーバに引き継げます。
  • SFOサーバにトラブルが発生した場合は,システム上のすべてのJ2EEアプリケーションでセッション情報が引き継げなくなります。
リクエストの流れ
SFOサーバでは,J2EEサーバ上のグローバルセッション情報が冗長化されて管理されています。
J2EEサーバがリクエストを受け付けてセッションが確立された時点で,J2EEサーバ上のセッションフェイルオーバ用フィルタによってSFOサーバ上のグローバルセッション情報にロックが掛けられます。J2EEアプリケーションの処理が完了すると,J2EEサーバ上のグローバルセッション情報の内容に合わせてSFOサーバ上のグローバルセッション情報が更新されます。そのあとで,セッションフェイルオーバ用フィルタによってSFOサーバ上のグローバルセッション情報のロックが解除されます。
J2EEサーバにトラブルが発生した場合は,別なJ2EEサーバからSFOサーバ上のグローバルセッション情報が取得され,セッション情報が引き継がれます。

なお,SFOサーバは,J2EEサーバと同じマシンにも配置できます。

SFOサーバをJ2EEサーバと同じマシンに配置する構成の例を次の図に示します。

図3-51 SFOサーバをJ2EEサーバと同じマシンに配置する構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴およびリクエストの流れについては,別なマシンとしてセッションフェイルオーバサーバを配置する場合と同様です。

注意
この構成の場合,J2EEサーバのプロセス障害には対応できますが,アプリケーションサーバ1でハードウェア障害が発生した場合には対応できません。アプリケーションサーバで発生するハードウェア障害に対応するためには,SFOサーバを別のマシンに配置してください。

(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスについて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン

セッションフェイルオーバ機能を使用する場合に必要なソフトウェアと起動するプロセスは,使用する機能に応じたシステム構成ごとに異なります。使用する機能に応じて必要なソフトウェアとプロセスを配置してください。

なお,SFOサーバをJ2EEサーバと同じマシンに配置する場合は,次のプロセスを起動してください。

(b) セッションフェイルオーバサーバマシン

セッションフェイルオーバサーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

なお,SFOサーバをJ2EEサーバと同じマシンに配置する場合は,このマシンは不要です。

(c) 運用管理サーバマシン

運用管理サーバマシンには,Application Server StandardまたはApplication Server Enterpriseをインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

(d) Webクライアントマシン

Webクライアントマシンには,Webブラウザが必要です。