Tenured領域のメモリサイズには,アプリケーションが最低限必要とするメモリサイズに,New領域分のメモリサイズを追加することをお勧めします。これは,Tenured領域の未使用メモリサイズがNew領域の使用メモリサイズを下回ることによって,フルガーベージコレクションが頻発するのを防ぐためです。
通常,Eden領域がいっぱいになると,コピーガーベージコレクションが発生します。このとき,Eden領域とSurvivor領域のFrom空間に存在する使用中のJavaオブジェクトが,Survivor領域のTo空間に移動しようとします。このとき,Tenured領域の未使用領域がEden領域とSurvivor領域で使用中のメモリサイズよりも小さいと,New領域のすべてのJavaオブジェクトが昇格した場合に,JavaオブジェクトをTenured領域に移動できなくなります。そこでJavaVMは,フルガーベージコレクションを発生させ,Tenured領域の未使用メモリサイズを増やそうとします。
これを防ぐために,Tenured領域には,アプリケーションが必要とするメモリサイズに加えて,New領域分のメモリサイズを追加してください。
考え方を次の図に示します。
図7-11 New領域のメモリサイズを追加する理由の考え方
なお,New領域のメモリサイズの見積もりについては,「7.5 Javaヒープ内のNew領域のメモリサイズの見積もり」で説明します。