4.2.2 バッチアプリケーションのスケジューリング機能を使用するシステムのシステム構成

バッチサーバを使用する場合に,バッチアプリケーションのスケジューリング機能を使用するときのシステムの構成について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンに必要なプロセスとソフトウェア

(1) システム構成の特徴

バッチサーバを使用する構成の一つで,CTMを使用するシステム構成です。この場合,アプリケーションサーバにはバッチサーバとCTMを配置します。バッチサーバとCTMは,Smart Composer機能のWebシステム(ctm-tier)として構築,運用します。バッチアプリケーションの実行には,バッチ実行コマンドを使用します。JP1/AJS2のジョブ,または直接コマンドから実行されたバッチアプリケーションの実行は,CTMによってスケジューリングされ,バッチサーバに振り分けられます。

CTMを使用するシステム構成の例を次の図に示します。この例では,バッチサーバを2台配置し,CTMを使用してバッチアプリケーションの実行リクエストをスケジューリングします。バッチ実行コマンドはJP1/AJS2のジョブから実行します。

図4-4 CTMを使用するシステム構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
CTMによってバッチアプリケーションの実行リクエストをスケジューリングすることで,複数のバッチ実行コマンドを同時に実行できます。また,バッチ実行コマンドでバッチサーバを指定する必要がありません。このため,バッチ実行コマンドをJP1/AJSのジョブで定義している場合でも,ジョブの定義を変更することなく,バッチサーバの同時実行数を変更できます。
処理の流れ
JP1/AJS2のジョブ,または直接バッチ実行コマンドから実行されたバッチアプリケーションは,CTMのスケジュールキューにバッチアプリケーションの実行リクエストとして登録されます。スケジュールキュー内のバッチアプリケーションの実行リクエストは,CTMによって適切なバッチサーバに振り分けられます。なお,振り分け先のバッチサーバがない場合,バッチアプリケーションの実行リクエストはスケジュールキュー内に滞留(待機)します。

(2) それぞれのマシンに必要なプロセスとソフトウェア

それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスについて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン

アプリケーションサーバマシンには,Application Server Enterpriseをインストールする必要があります。なお,開発環境の場合は,Developer Professionalをインストールする必要があります。

さらに,JP1/AJS2によってバッチアプリケーションを実行する場合は,次の製品もインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

また,データベースと接続する場合は,使用するデータベースと接続するためのソフトウェアが必要です。データベースに接続するために必要な製品については,「3.6.1 ローカルトランザクションを使用する場合の構成」を参照してください。ただし,バッチサーバで使用できるリソースは,次に示すデータベースだけです。

(b) 管理サーバマシンおよび管理クライアントマシン

管理サーバマシンおよび管理クライアントマシンは,JP1/AJS2と連携する場合に必要です。インストールする製品および起動するプロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」を参照してください。

(c) データベースサーバマシン

データベースサーバマシンに必要な製品については,「3.6.1 ローカルトランザクションを使用する場合の構成」のリソースマネジャが動作するマシンの説明を参照してください。ただし,バッチサーバで使用できるリソースは,次に示すデータベースだけです。