付録A.1 パフォーマンスチューニング

ここでは,ベーシックモードで使用できるパフォーマンスチューニングについて説明します。

ベーシックモードで使用できるパフォーマンスチューニングを次の表に示します。

表A-1 ベーシックモードで使用できるパフォーマンスチューニング

チューニング項目使用可否参照先
同時実行数の最適化リクエスト処理スレッド数(インプロセスHTTPサーバ使用時)8.3.3
Webアプリケーションの同時実行数URLグループ単位8.3.4
Webアプリケーション単位
Webコンテナ単位
Enterprise Beanの同時実行数Stateless Session Beanの同時実行数8.3.5
Stateful Session Beanの同時実行数
Entity Beanの同時実行数
Message-driven Beanの同時実行数
CTMで制御する同時実行数8.3.6
Enterprise Beanの呼び出し方法の最適化ローカルインタフェースの使用8.4.1
リモートインタフェースのローカル呼び出し機能の使用8.4.2
リモートインタフェースの参照渡し機能の使用8.4.3
データベースアクセス方法の最適化コネクションプーリング付録A.1(1)
ステートメントプーリング×
タイムアウトの設定WebフロントシステムでのタイムアウトWebサーバ側で設定するクライアントからのリクエスト受信,およびクライアントへのデータ送信のタイムアウト8.6.2
リダイレクタ側で設定するWebコンテナへのデータ送信のタイムアウト
リダイレクタ側で設定するWebコンテナからのデータ受信のタイムアウト
Webコンテナ側で設定するリダイレクタからのデータ受信のタイムアウト
Webコンテナ側で設定するリダイレクタへのデータ受信のタイムアウト
バックシステムでのタイムアウトEJBクライアント側で設定するEnterprise Beanのリモート呼び出し(RMI-IIOP通信)とJNDIによるネーミングサービス呼び出しのタイムアウト8.6.3
EJBクライアント側で設定するCTMからEnterprise Bean呼び出しのタイムアウト
EJBコンテナ側で設定するデータベースのトランザクションタイムアウト(DB Connectorを使用した場合)8.6.4
データベースのタイムアウト8.6.5
J2EEアプリケーションのメソッドタイムアウト8.6.6
Webアプリケーションの動作の最適化静的コンテンツとWebアプリケーションの配置の切り分け8.7.1
静的コンテンツのキャッシュ8.7.2
リダイレクタによるリクエストの振り分け8.7.3
CTMの動作の最適化CTMドメインマネジャおよびCTMデーモンの稼働状態を監視する間隔の設定8.8.1
負荷状況監視間隔の設定8.8.2
CTMデーモンのタイムアウト閉塞の設定8.8.3
CTMで振り分けるリクエストの優先順位の設定8.8.4
そのほかの項目のチューニングPersistent Connectionについてのチューニング8.9
(凡例)○:使用できる。 ×:使用できない。 -:該当しない。
注※
ベーシックモードの場合,CMTを使用するときのトランザクションのタイムアウトは,Enterprise Bean,インタフェースまたはメソッドの属性では設定できません。ベーシックモードの場合,CMTを使用するときのトランザクションのタイムアウトは,usrconf.propertiesで定義してください。

これらのチューニング項目のうち,ベーシックモードで使用できる機能や,チューニングパラメタの異なるものについて説明します。

<この項の構成>
(1) データベースへのアクセス方法を最適化するためのチューニングパラメタ

(1) データベースへのアクセス方法を最適化するためのチューニングパラメタ

ベーシックモードの場合に,コネクションプーリングで使用できる機能を次の表に示します。なお,コネクションプーリングで使用できる各機能の設計時の指針については,「8.5.1 コネクションプーリングを使用する」を参照してください。

表A-2 コネクションプーリングで使用できる機能(ベーシックモードの場合)

機能使用可否
プールするコネクションの最大値と最小値を指定する
プール内のコネクションを検査して無効なコネクションを破棄する
コネクション取得失敗時にリトライする
スイーパによって使わないコネクションをプールから削除する
コネクションウォーミングアップによってあらかじめコネクションをプールしておく×
コネクション枯渇時のコネクション取得要求を取得待ちキューに入れる×
コネクションプール内の不要なコネクションを段階的に減少させる×
コネクションプールをクラスタ化する×
コネクションプールの未使用コネクションがしきい値以下になったとき,コネクションを追加する
コネクション取得待ち時間を指定する
(凡例)○:使用できる。 △:指定しても無視される。 ×:使用できない。
注※
ただし,スイーパを実行する処理は負荷が高いため,性能に影響が出ます。このため,スイーパを使用する場合は,自動削除の間隔を1時間以上の値にすることをお勧めします。

次に,ベーシックモードの場合にコネクションプーリングをチューニングするパラメタについて説明します。これらのチューニングパラメタは,データソース単位に設定します。

チューニングパラメタについて,次の表に示します。これらは,サーバ管理コマンドのCUIで設定します。CUIを使用する場合は,属性ファイルを編集してください。

表A-3 ベーシックモードの場合のコネクションプーリングのチューニングパラメタ

設定項目設定方法設定個所
コネクションプールにプールするコネクションの最小値CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<MinimumSize>タグ
コネクションプールにプールするコネクションの最大値CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<MaximumSize>タグ
コネクションの生成時刻からコネクションを自動破棄するかを判定するまでの時間CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<ConnectionTimeout>タグ
コネクションの自動破棄(コネクションスイーパ)が動作する間隔CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<SweeperInterval>タグ
コネクションプールにコネクションを追加するためのしきい値CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<Threshold>タグ
コネクションプールにコネクションを追加する場合の追加数CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<GrowthIncrement>タグ
コネクション取得待ち時間CUI(cjsetresprop)データソース属性ファイルの<PoolConfiguration>タグ下の<WaitTimeout>タグ
注 
cjsetrespropコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjsetresprop(リソースの属性設定)」を参照してください。データソース属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.4 データソース属性ファイル」を参照してください。