5.1.6 メモリセッションフェイルオーバ機能を使用する場合の使用リソース

メモリセッションフェイルオーバ機能を使用する場合の,セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,OSごとに説明します。

なお,使用リソースの見積もりの各表にある,「オプション設定ファイル例」については,使用しているOSのバージョン,およびカーネルのバージョンごとに異なります。使用しているOSのマニュアルを参照して,表中の見積もり式を基に見積もった値を設定してください。使用しているOSで該当するカーネルパラメタが設定できない場合には,設定は不要です。

なお,メモリセッションフェイルオーバ機能を使用する場合,J2EEサーバが使用するメモリ量が増加します。J2EEサーバ単位のメモリ増加量を求める式を次に示します。

J2EEサーバ単位のメモリ増加量(単位:メガバイト)
 =Webアプリケーション単位のメモリ増加量の合計+1.5

Webアプリケーション単位のメモリ増加量の合計は,それぞれのWebアプリケーションで使用するメモリ増加量を合計したものです。Webアプリケーションで使用するメモリ増加量は,次の式で求められます。

Webアプリケーションで使用するメモリ増加量(単位:メガバイト)
 =最大同時実行スレッド数※1×グローバルセッション情報の最大サイズ※2×1.5
注※1
Webアプリケーション単位の同時実行スレッド数を設定しているかどうかによって値が異なります。最大同時実行スレッド数に指定する値を次の表に示します。

表5-19 最大同時実行スレッド数に指定する値

Webアプリケーション単位の同時実行スレッド数の設定最大同時実行スレッド数に指定する値
設定ありWebアプリケーション単位の最大同時実行スレッド数
設定なしWebコンテナ単位の最大同時実行スレッド数

なお,Webアプリケーション単位の同時実行スレッド数については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.17 Webアプリケーション単位での同時実行スレッド数の制御」を参照してください。

注※2
DD(web.xml)で設定したメモリセッションフェイルオーバ機能用の設定パラメタ(GSInfosLengthMax)の値です。GSInfosLengthMaxパラメタについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「7. メモリセッションフェイルオーバ機能」を参照してください。

<この項の構成>
(1) AIXの場合
(2) HP-UXの場合
(3) Linuxの場合
(4) Solarisの場合

(1) AIXの場合

セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-20 セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり(AIXの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496
プロセス数4
スレッド数SFOサーバのスレッド数※2+34
ファイルディスクリプタ数nofilesSFOサーバのファイルディスクリプタ数※2+43/etc/security/limits

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
SFOサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数は,J2EEサーバと同じです。J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。

(2) HP-UXの場合

セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-21 セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり(HP-UXの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリshmmaxPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496kctune shmmax= 1073741824
プロセス数nproc4kctune nproc=4200
スレッド数nkthreadSFOサーバのスレッド数※2+34kctune nkthread= 8416
ファイルディスクリプタ数nfileSFOサーバのファイルディスクリプタ数※2+43kctune nfile= 65536
注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
SFOサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数は,J2EEサーバと同じです。J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。

(3) Linuxの場合

セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-22 セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり(Linuxの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリSHMMAXPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496/proc/sys/kernel/shmmax
プロセス数threads-max※24/proc/sys/kernel/threads-max
スレッド数threads-max※2SFOサーバのスレッド数※3+34
ファイルディスクリプタ数fs.file-maxSFOサーバのファイルディスクリプタ数※3+43/proc/sys/fs/file-max

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
threads-maxパラメタには,プロセス数とスレッド数の合計を指定してください。
注※3
SFOサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数は,J2EEサーバと同じです。J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。

(4) Solarisの場合

セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もりについて,次の表に示します。

表5-23 セッションフェイルオーバサーバマシンの使用リソースの見積もり(Solarisの場合)

システムリソースパラメタ所要量オプション設定ファイル例
共用メモリshminfo_shmmaxPrfTraceBufferSize※1×1,024+18,496/etc/system
プロセス数max_nprocs4/etc/system
スレッド数SFOサーバのスレッド数※2+34
ファイルディスクリプタ数rlim_fd_maxSFOサーバのファイルディスクリプタ数※2+43/etc/system

(凡例)-:該当しません。

注※1
パフォーマンストレーサのバッファメモリサイズを512キロバイト~102,400キロバイトの範囲で指定します。PrfTraceBufferSizeについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.15 論理パフォーマンストレーサで指定できるパラメタ」を参照してください。
注※2
SFOサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数は,J2EEサーバと同じです。J2EEサーバのスレッド数とファイルディスクリプタ数については,「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」を参照して算出してください。