8.7.4 Webアプリケーションの動作を最適化するためのチューニングパラメタ

ここでは,Webアプリケーションの動作を最適化するために使用するチューニングパラメタの設定方法についてまとめて示します。

<この項の構成>
(1) 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ
(2) 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ
(3) リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ

(1) 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ

静的コンテンツとWebアプリケーションの配置の切り分けは,Webサーバの動作を定義するファイルのパラメタとして指定します。設定個所,ファイルおよびパラメタは,使用するWebサーバの種類によって異なります。

Webサーバ連携でHitachi Web Serverを使用している場合は,リダイレクタモジュールを使用して切り分けます。インプロセスHTTPサーバを使用している場合は,リバースプロキシサーバ(Hitachi Web Server)に配置しているリバースプロキシモジュールを使用して切り分けます。

設定方法および設定個所を次に示します。

表8-40 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ

使用するWebサーバ設定方法設定個所
Hitachi Web Server
(リダイレクタモジュールを使用した切り分け※1
Smart Composer機能
定義ファイル
簡易構築定義ファイル
設定対象
論理Webサーバ(web-server)
パラメタ名
JkMount
インプロセスHTTPサーバ
(リバースプロキシモジュールを使用した切り分け)
ファイル編集
定義ファイル
httpsd.conf
設定対象
リバースプロキシサーバ
パラメタ名
ProxyPassディレクティブ※2

注※1 Web Redirectorを使用する場合などに,WebサーバとしてMicrosoft IISを使用しているときは,uriworkermap.propertiesで設定します。

注※2 httpsd.confの詳細については,マニュアル「Hitachi Web Server」を参照してください。


(2) 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ

静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタについて説明します。これらのチューニングパラメタは,Webコンテナ単位またはWebアプリケーション単位に設定します。

Webコンテナ単位に設定するチューニングパラメタの設定方法について,次の表に示します。これらの項目は,Smart Composer機能で設定します。

表8-41 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ(Webコンテナ単位で設定する項目)

設定項目設定個所
静的コンテンツのキャッシュを使用するかどうかの選択
定義ファイル
簡易構築定義ファイル
設定対象
論理J2EEサーバ(j2ee-server)
パラメタ名
webserver.static_content.cache.enabled
Webアプリケーション単位のメモリサイズの上限値の設定
定義ファイル
簡易構築定義ファイル
設定対象
論理J2EEサーバ(j2ee-server)
パラメタ名
webserver.static_content.cache.size
キャッシュする静的コンテンツのファイルサイズの上限値の設定
定義ファイル
簡易構築定義ファイル
設定対象
論理J2EEサーバ(j2ee-server)
パラメタ名
webserver.static_content.cache.filesize.threshold

Webアプリケーション単位に設定するチューニングパラメタについて示します。Webアプリケーション単位に設定する項目は,web.xmlを直接編集するか,サーバ管理コマンドを使用して設定します。デプロイ前のWebアプリケーションに設定する場合は,web.xmlを編集してください。デプロイ後のWebアプリケーションに設定する場合は,サーバ管理コマンド(cjsetappprop)を使用してください。

設定内容を次の表に示します。

表8-42 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ(Webアプリケーション単位で設定する項目)

設定項目設定内容
静的コンテンツのキャッシュを使用するかどうかの選択
<param-name>タグ
com.hitachi.software.web.static_content.cache.enabled
<param-value>タグ
(設定値)
Webアプリケーション単位のメモリサイズの上限値の設定
<param-name>タグ
com.hitachi.software.web.static_content.cache.size
<param-value>タグ
(設定値)
キャッシュする静的コンテンツのファイルサイズの上限値の設定
<param-name>タグ
com.hitachi.software.web.static_content.cache.filesize.threshold
<param-value>タグ
(設定値)
(設定値)に設定できる値の詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.21.2 DDでの定義(Webアプリケーション単位での設定)」を参照してください。
注※
web.xmlを直接編集する場合,<web-app>タグ内に<context-param>タグを追加して,<context-param>タグ内に<param-name>タグおよび<param-value>タグを追加します。
サーバ管理コマンドを使用する場合,WAR属性ファイルの<hitachi-war-property>タグ内に<context-param>タグを追加して,<context-param>タグ内に<param-name>タグおよび<param-value>タグを追加します。

(3) リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ

リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタは,Webサーバの動作を定義するファイルのパラメタとして指定します。

なお,この定義は,Webサーバ連携の場合だけできます。インプロセスHTTPサーバを使用している場合は定義できません。

設定方法および設定個所を次に示します。

表8-43 リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ

設定項目設定方法設定個所
URLパターンのマッピング定義Smart Composer機能
定義ファイル
簡易構築定義ファイル
設定対象
論理J2EEサーバ(j2ee-server)
パラメタ名
JkMount

注※ Web Redirectorを使用する場合などに,WebサーバとしてMicrosoft IISを使用しているときは,uriworkermap.propertiesで設定します。