3.17.2 リダイレクタを利用して負荷分散する構成

アクセスポイントになるコンポーネントがサーブレットまたはJSPの場合に,Webサーバに登録したリダイレクタによって負荷を分散する構成について説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成の特徴
(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

(1) システム構成の特徴

J2EEサーバ上で動作するアプリケーションのアクセスポイントが,サーブレットまたはJSPの場合に使用できる構成です。Webサーバに登録したリダイレクタで負荷を分散します。リダイレクタの設定ファイルに対象となるアプリケーションサーバを登録することで実現できます。

リダイレクタを利用した負荷分散の構成の例を次の図に示します。

図3-72 リダイレクタを利用した負荷分散の構成の例

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • サーブレットとJSPのスケーラビリティと可用性を確保できます。アプリケーションサーバを複数用意して,リダイレクタによってクライアントからのアクセスを分散することで,負荷を分散できます。
  • リダイレクタを登録したWebサーバは,アプリケーションサーバとは異なるマシン上に配置する必要があります。
  • 特定のアプリケーションサーバでトラブルが発生した場合,またはメンテナンスが必要な場合に,リダイレクタから該当するアプリケーションサーバへのアクセスを停止することで,システムの縮退運転ができます。
    ポイント
    負荷分散機を使用する方が,Webサーバを実行するマシンへの負荷を掛けないで,性能の高い負荷分散を実現できます。
リクエストの流れ
アクセスポイントであるJ2EEサーバ上のサーブレットとJSPへのリクエストは,WebブラウザからWebサーバ経由で送られます。その際,Webサーバに登録されているリダイレクタは,ロードバランスクラスタの構成要素であるJ2EEサーバにラウンドロビン方式でリクエストを振り分けます。

(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

リダイレクタを使用した負荷を分散する場合に必要なソフトウェアと起動するプロセスは,サーブレットとJSPをアクセスポイントにする構成のうち,Webサーバとアプリケーションサーバを分離して配置する構成と同じです。「3.17.1 Webサーバとアプリケーションサーバを異なるマシンに配置する構成」を参照してください。