付録C.5 Webアプリケーションの動作を最適化するためのチューニングパラメタ(推奨手順以外の場合)

ここでは,Webアプリケーションの動作を最適化するために使用するチューニングパラメタの設定個所についてまとめて示します。

<この項の構成>
(1) 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ
(2) 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ
(3) リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ

(1) 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ

静的コンテンツとWebアプリケーションの配置の切り分けは,Webサーバの動作を定義するファイルのパラメタとして指定します。設定個所,ファイルおよびパラメタは,使用するWebサーバの種類によって異なります。

Webサーバの種類ごとの設定方法および設定個所を次に示します。

表C-16 静的コンテンツとWebアプリケーションの配置を切り分けるためのチューニングパラメタ(推奨手順以外の場合)

使用するWebサーバWebサーバの種類設定方法設定個所
Webサーバ連携
(リダイレクタモジュールを使用した切り分け)
Hitachi Web Server運用管理ポータル[論理Webサーバの定義]画面の「マッピング定義」
ファイル編集mod_jk.confのマッピング定義(JkMountパラメタ)
Microsoft IISファイル編集uriworkermap.properties
インプロセスHTTPサーバ
(リバースプロキシモジュールを使用した切り分け)
Hitachi Web Server運用管理ポータル[Webサーバの設定]画面の「項目ごとに設定します。」の「追加ディレクティブ」のProxyPassディレクティブ
[Webサーバの設定]画面の「設定ファイルの内容を直接設定します。」の「設定ファイルの内容」のProxyPassディレクティブ
ファイル編集httpsd.confのProxyPassディレクティブ

注※ httpsd.confの詳細については,マニュアル「Hitachi Web Server」を参照してください。


(2) 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ

静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタについて説明します。これらのチューニングパラメタは,Webコンテナ単位またはWebアプリケーション単位に設定します。

Webコンテナ単位に設定するチューニングパラメタの設定方法および設定個所について,次の表に示します。

表C-17 静的コンテンツをキャッシュするためのチューニングパラメタ(Webコンテナ単位で設定する項目)(推奨手順以外の場合)

設定項目設定方法設定個所
静的コンテンツのキャッシュを使用するかどうかの選択運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「静的コンテンツキャッシュ機能」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.static_content.cache.enabledキー
Webアプリケーション単位のメモリサイズの上限値の設定運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「キャッシュサイズ」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.static_content.cache.sizeキー
キャッシュする静的コンテンツのファイルサイズの上限値の設定運用管理ポータル[Webコンテナの設定]画面の「Webコンテナの設定」の「ファイルサイズ」
ファイル編集usrconf.propertiesのwebserver.static_content.cache.filesize.thresholdキー

Webアプリケーション単位に設定するチューニングパラメタについては,推奨手順の場合と違いがありません。

(3) リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ

リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタは,Webサーバの動作を定義するファイルのパラメタとして指定します。設定個所,ファイルおよびパラメタは,使用するWebサーバごとに異なります。

なお,この定義は,Webサーバ連携の場合だけできます。インプロセスHTTPサーバを使用している場合は定義できません。

Webサーバごとの設定方法および設定個所を次に示します。

表C-18 リダイレクタによってリクエストを振り分けるためのチューニングパラメタ(推奨手順以外の場合)

Webサーバの種類設定方法設定個所
Hitachi Web Server運用管理ポータル[論理Webサーバの定義]画面の「マッピング定義」
ファイル編集mod_jk.confのマッピング定義(JkMountパラメタ)
Microsoft IISファイル編集uriworkermap.properties