9.2 仮想化システムで使用するコマンドの詳細

仮想化システムで使用するコマンドの入力形式,機能などを次に示します。

コマンドの格納先
仮想化システムで使用するコマンドは,次のディレクトリに格納されています。
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥vmi¥bin¥
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/vmi/bin/
共通引数
共通引数は,.vmirc(クライアント設定プロパティファイル)またはvmiclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)で,指定を省略したときのデフォルト値を設定できます。
共通引数の優先順位は次のとおりです。
  1. コマンド入力時に指定した値
  2. .vmircの設定値
  3. vmiclient.propertiesの設定値
なお,.vmircおよびvmiclient.propertiesのどちらも設定していない場合は,コマンド入力時に共通引数を省略できません。
.vmircについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「11.7 .vmirc(仮想サーバマネージャのクライアント設定プロパティファイル)」を,vmiclient.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「11.6 vmiclient.properties(仮想サーバマネージャのクライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。
形式

コマンド名称  [-m <ホスト名>[:<ポート番号>]]
             [-u <ユーザID>] [-p <ユーザパスワード>]
             [-wait <実行待ち時間>]

説明
-m <ホスト名>[:<ポート番号>]
仮想サーバマネージャ(Management Server)のホスト名とポート番号を指定します。
  • <ホスト名>
    ドット記法でのIPアドレス指定(xxx.xxx.xxx.xxx),または名前解決できるホスト名で指定します。なお,xxxには0~255の整数を指定します。
  • <ポート番号>
    Management Serverの設定に従います。設定個所は,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のwebserver.connector.http.portキーの値となります。デフォルト値は28080です。
-u <ユーザID>
コマンドを実行するアカウントのユーザIDを指定します。
  • 仮想サーバマネージャ管理者が実行する場合
    仮想サーバマネージャのセットアップで設定した,仮想サーバマネージャ管理者アカウントの管理ユーザIDを指定します。仮想サーバマネージャのセットアップについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 仮想化システム構築・運用ガイド」の「3.1.2 運用環境の構築」を参照してください。
  • システム構築者が実行する場合
    仮想サーバマネージャで追加した,システム構築者アカウントのユーザIDを指定します。
-p <ユーザパスワード>
コマンドを実行するアカウントのパスワードを指定します。
  • 仮想サーバマネージャ管理者が実行する場合
    仮想サーバマネージャのセットアップで設定した,仮想サーバマネージャ管理者アカウントの管理ユーザパスワードを指定します。仮想サーバマネージャのセットアップについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 仮想化システム構築・運用ガイド」の「3.1.2 運用環境の構築」を参照してください。
  • システム構築者が実行する場合
    仮想サーバマネージャで追加した,システム構築者アカウントのパスワードを指定します。
-wait <実行待ち時間>
ほかのプロセスですでにコマンドが実行中の場合に,その実行中のコマンドが終了するまでの待ち時間(単位:秒)を0~2147483647の範囲で指定します。この引数を指定しない場合のデフォルト値は0です。0の場合,待ち時間は発生しません。
この引数は,次のコマンドのサブコマンドの場合に有効となります。このほかのコマンドのサブコマンドの場合,この引数は無視されます。
  • vmiadminのサブコマンド「changeowner」,「delete」
  • vmiunitのサブコマンド「attach」,「block」,「detach」,「import」,「start」,「stop」,「unblock」,「update」
これらのコマンドで,すでに同じ管理ユニットに対する操作が実行中の場合は,待ち時間が発生します。ただし,これらのコマンドが実行中の場合でも,操作対象の管理ユニットが異なるときは,待ち時間が発生しないで同時実行されます。
指定した待ち時間内に実行中のコマンドが終了した場合は,あとから実行したコマンドは実行されます。指定した待ち時間を超過してもすでに実行中のコマンドが終了しなかった場合は,あとから実行したコマンドは実行待ち時間超過による排他エラー(終了コード2)で処理を行わないで終了します。
コマンドのエラーおよび警告条件
項番エラー・警告条件戻り値
1仮想サーバマネージャとの通信に失敗しました。64
2引数の指定方法に誤りがあります。64
3コマンドを実行する権限がありません。64
4認証に失敗しました(ユーザIDの誤り,またはユーザパスワードの誤り)。64
5内部状態の保存に失敗しました。64
6JP1/Baseの接続に失敗しました。64
7JP1/Baseの認証処理でエラーが発生しました。64
コマンドで指定する名称の入力規則
コマンドで指定する名称の入力規則を次の表に示します。

表9-2 コマンドで指定する名称の入力規則

項番名称長さの制限文字の制限
1管理ユニット名1~31バイト半角英数字,アンダースコア(_)またはハイフン(-)で指定します。
ただし,先頭文字は半角英字である必要があります。
英字の大文字・小文字は区別されます。
2システム構築者アカウントのユーザID1~256バイト半角英数字,アンダースコア(_)またはハイフン(-)で指定します。
ただし,先頭文字は半角英字である必要があります。
英字の大文字・小文字は区別されます。
3システム構築者アカウントのユーザパスワード1~256バイト半角英数字,または半角記号(!"#$%&'()*+,-./:;<=>?@[¥]^_`{|}~)で指定します。
英字の大文字・小文字は区別されます。
4仮想サーバ識別子7~15バイトIPv4記法で指定します。
管理LANに接続されているNICのIPアドレスを指定します。
5業務用IPアドレス7~15バイトIPv4記法で指定します。
業務LANに接続されているNICのIPアドレスを指定します。
6管理ユニットの説明なしコマンドラインで指定できる文字で指定します。
英字の大文字・小文字は区別されます。
7コメント(障害マーク)なしコマンドラインで指定できる文字で指定します。
英字の大文字・小文字は区別されます。
注意事項
仮想化システムで使用するコマンドは,仮想サーバマネージャが起動している状態で実行してください。
<この節の構成>
vmiaccount(アカウント操作コマンド)
vmiunit(管理ユニット運用操作コマンド)
vmiunitadmin(管理ユニット管理コマンド)