4.5.2 リポジトリ管理によるユーザ情報の編集

統合ユーザ管理機能では,ユーザ情報を格納するリポジトリとして,ユーザ情報リポジトリ,およびシングルサインオン情報リポジトリを使用します。運用管理ポータルでは,ユーザ情報リポジトリ,およびシングルサインオン情報リポジトリ内のユーザ情報を編集できます。リポジトリごとにユーザ情報の編集手順を説明します。

<この項の構成>
(1) ユーザ情報リポジトリに対するユーザ情報の編集
(2) シングルサインオン情報リポジトリに対するシングルサインオン用のユーザ情報の編集
(3) 操作する画面

(1) ユーザ情報リポジトリに対するユーザ情報の編集

運用管理ポータルでは,ユーザ情報リポジトリとして使用するLDAPディレクトリサーバに対して,次の操作ができます。

リポジトリ管理での操作は,LDAPディレクトリサーバを使用していることが前提です。そのため,ユーザ管理を構築するために必要なスキーマ定義を含むLDAPディレクトリサーバの設定は事前に行っておいてください。

なお,LDAPディレクトリサーバとしてActive Directoryを使用して,ユーザの登録,ユーザ情報の更新,およびリポジトリ情報のパスワードの変更をする場合の方法については,「(b) Active Directoryを使用する場合」を参照してください。

(a) Active Directoryを使用しない場合

運用管理ポータルの「リポジトリ管理」を使用して,ユーザ情報リポジトリへユーザ情報を作成,検索,削除または編集するための手順を次に示します。

  1. 運用管理ポータルにログインし,[運用管理ポータル]画面で「リポジトリ管理」をクリックします。
  2. バインド情報を設定します。
    リポジトリ管理の[バインド情報の設定]画面で,LDAPディレクトリサーバへ接続するための情報を設定します。
  3. レルムを作成します。
    レルム管理の[レルムの作成]画面で,LDAPディレクトリサーバにレルムを作成します。
  4. ユーザエントリのスキーマを定義します。
    レルム管理の[ユーザエントリのスキーマ定義]画面で,レルムで管理するユーザエントリの属性と,ユーザのパスワードを保存するときの暗号化形式を設定します。
  5. ユーザエントリを作成,検索,削除または編集します。
    レルム管理の次の画面で,レルムにユーザエントリを作成,検索,削除または編集します。ユーザエントリの削除および編集は,ユーザエントリを検索してから実施します。
    • [ユーザエントリの作成]画面
    • [ユーザエントリの検索]画面
    • [ユーザエントリの削除]画面
    • [ユーザエントリの編集]画面
(b) Active Directoryを使用する場合

バインド情報の設定,ユーザエントリのスキーマ定義,ユーザエントリの作成については,「(a) Active Directoryを使用しない場合」の手順を参照してください。

SSLを使用して接続するための証明書の登録,およびActive Directory固有の環境設定の方法を次に示します。

●証明書の登録

Management ServerとActive Directory間の通信でSSLを使用するための証明書を登録します。証明書の登録方法を次に示します。

  1. 作成したデジタル証明書を,Active Directoryがインストールされているサーバ(LDAPサーバ)に登録します。
    デジタル証明書の作成,登録方法については,Active Directoryのドキュメントを参照してください。
  2. Management Serverに認証局(CA)の証明書を登録します。
    認証局の証明書のManagement Serverへの登録は,Cosminexus Developer's Kit for Javaに付属するkeytoolを使用して実行できます。keytoolについては,Java 2 SDK, Standard Editionのドキュメントを参照してください。keytoolの実行例を次に示します。なお,表記の都合上,複数行にわたっていますが,実際は一行で記述します。
    Windowsの場合

    keytool -import -alias cakey -file C:¥temp¥cacer.cer -trustcacerts -keystore
    "<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥jdk¥jre¥lib¥security¥cacerts"

    UNIXの場合

    /opt/Cosminexus/jdk/bin/keytool -import -alias cakey -file /tmp/cacer.cer
    -trustcacerts -keystore /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/security/cacerts

なお,keytoolで証明書を登録する際にManagement Serverを起動していた場合は,Management Serverを再起動してください。

●バインド情報の設定

リポジトリ管理の[バインド情報の設定]画面で必要な設定を次に示します。

●ユーザエントリのスキーマ定義

レルム管理の[ユーザエントリのスキーマ定義]画面で必要な設定を次に示します。

●ユーザエントリの作成

レルム管理の[ユーザエントリの作成]画面で設定します。

一つのユーザエントリを作成するためには,次に示す二つの設定が必要です。

(2) シングルサインオン情報リポジトリに対するシングルサインオン用のユーザ情報の編集

運用管理ポータルでは,シングルサインオン情報リポジトリとして使用するLDAPディレクトリサーバに対して,次の操作ができます。

運用管理ポータルの「リポジトリ管理」を使用して,シングルサインオン情報リポジトリへシングルサインオン用のユーザ情報を作成,検索,削除または編集するための手順を次に示します。

  1. 暗号鍵ファイルを適用します(任意)。
    レルム管理の[暗号鍵ファイルの設定]画面で,シングルサインオン用のユーザ情報を暗号化,復号化するための暗号鍵ファイルを適用します。なお,暗号鍵ファイルはあらかじめ作成し,システム管理者が安全な方法で統合ユーザ管理機能を使用するJ2EEサーバに配布しておいてください。
  2. シングルサインオン用のレルムを作成します。
    レルム管理の[レルムの作成]画面で,LDAPディレクトリサーバにレルムを作成します。
  3. シングルサインオン用のユーザエントリのスキーマを定義します。
    レルム管理の[ユーザエントリのスキーマ定義(シングルサインオン用)]画面で,レルムで管理するユーザエントリの属性と,ユーザのパスワードを保存するときの暗号化形式を設定します。
  4. シングルサインオン用のユーザエントリを作成,検索,削除または編集します。
    レルム管理の次の画面で,レルムにユーザエントリを作成,検索,削除または編集します。ユーザエントリの削除および編集は,ユーザエントリを検索してから実施します。
    • [ユーザエントリの作成(シングルサインオン用)]画面
    • [ユーザエントリの検索]画面
    • [ユーザエントリの削除]画面
    • [ユーザエントリの編集(シングルサインオン用)]画面

(3) 操作する画面

運用管理ポータルの「リポジトリ管理」で設定できる内容と操作する画面を次の表に示します。なお,シングルサインオンするかどうかによって,必要な操作が異なります。

表4-12 統合ユーザ管理のリポジトリ管理で設定できる内容と操作する画面

設定内容操作画面の参照先
シングルサインオンするシングルサインオンしない
バインド情報の設定14.2.1
レルムの作成14.3.1
レルムの削除14.3.8
暗号鍵ファイルの設定14.3.2
ユーザエントリのスキーマ定義14.3.3
ユーザエントリの作成14.3.5
ユーザエントリの検索14.3.7
ユーザエントリの編集14.3.9
ユーザエントリの削除14.3.11
ユーザエントリのスキーマ定義(シングルサインオン用)14.3.4
ユーザエントリの作成(シングルサインオン用)14.3.6
ユーザエントリの編集(シングルサインオン用)14.3.10
(凡例)
◎:必要。最低限必要な操作です。
○:任意。運用で必要と判断される場合に操作します。
-:不要。必要な操作はありません。