4.4 論理サーバの運用監視

運用管理ポータルを使用して構築したシステムでは,論理サーバの運用状況を監視できます。論理サーバの運用状況として,論理サーバの稼働状態(ステータス)や稼働情報,稼働中のJ2EEサーバまたはSFOサーバ内のリソースやアプリケーションの稼働情報を監視できます。ここでは,論理サーバの運用を監視する手順について説明します。

<この節の構成>
(1) 論理サーバのステータスの監視
(2) 論理サーバの稼働情報の監視
(3) 論理サーバの稼働状況のステータス
(4) 操作する画面

(1) 論理サーバのステータスの監視

論理サーバのステータスは,運用管理ドメイン単位,ホスト単位,または論理サーバ単位に実施できます。

論理サーバのステータスを監視する手順を次に示します。なお,ステータス監視画面で表示されるステータスの意味については,「(3) 論理サーバの稼働状況のステータス」を参照してください。

  1. 運用管理ポータルにログインし,[運用管理ポータル]画面で「論理サーバの運用監視」をクリックします。
  2. 監視対象をクリックします。
    監視対象には,運用管理ドメイン,ホストまたは論理サーバが選択できます。

(2) 論理サーバの稼働情報の監視

論理サーバの稼働情報は,J2EEサーバまたはSFOサーバに対して実施できます。稼働中のJ2EEサーバまたはSFOサーバのステータスを表示した画面から,稼働情報が表示できます。また,J2EEサーバまたはSFOサーバ内のアプリケーションやリソースなどの稼働情報も表示できます。なお,稼働情報監視画面で表示されるステータスの意味については「(3) 論理サーバの稼働状況のステータス」を,稼働情報の監視で表示できる項目については「13.1.3 J2EEサーバの稼働情報監視で表示できる項目」,「13.1.5 SFOサーバの稼働情報監視で表示できる項目」を参照してください。

論理サーバの稼働情報を監視する手順を次に示します。

  1. 運用管理ポータルにログインし,[運用管理ポータル]画面で「論理サーバの運用監視」をクリックします。
  2. 監視したいJ2EEサーバまたはSFOサーバをクリックします。
    J2EEサーバまたはSFOサーバ内のアプリケーションやリソースなどの稼働情報を監視したい場合は,アプリケーションやリソースをクリックします。
  3. ステータス監視画面内で,アンカーが表示されている稼働中の論理サーバ名をクリックします。
    稼働中の論理サーバ名にはアンカーが表示されます。アンカーをクリックすると,稼働情報監視画面が表示されます。
  4. J2EEサーバまたはSFOサーバ内で動作しているコンテナやJavaVMの稼働情報を監視したい場合には,監視対象のタブを選択します。

(3) 論理サーバの稼働状況のステータス

運用管理ポータルでは,稼働情報監視画面やステータス監視画面で,論理サーバの稼働状況を確認できます。これらの画面で表示される,稼働状況を示すステータスの意味について説明します。

(a) 稼働状況を示すステータスの意味

稼働状況は,次のようなステータスで表示されます。

表4-6 稼働状況のステータスの意味

稼働状況の
ステータス
説明
停止初期状態および停止要求を受け付け停止処理が完了したあとの,論理サーバが停止した状態です。または,通信障害の回復後に運用管理エージェントが停止状態であることを確認できた状態です。
起動中起動要求を受け付けてから論理サーバが稼働状態になるまでの起動処理中の状態です。
稼働中起動要求を受け付け,起動処理が完了したあとの,論理サーバが稼働している状態です。または,通信障害の回復後に運用管理エージェントと稼働状態であることを確認できた状態です。
停止中停止要求を受け付けてから論理サーバが停止状態になるまでの停止処理中の状態です。
強制停止中強制停止要求を受け付けてから論理サーバが停止状態になるまでの強制停止処理中の状態です。
異常停止停止要求を受け付けていない状態で,論理サーバの停止を検出した状態です。
回復中異常停止状態で起動要求を受け付けてから稼働状態になるまでの,論理サーバの起動処理中の状態です。
通信障害運用管理エージェントとの通信で障害が発生し,ステータスの表示ができない状態です。
自動停止中運用管理エージェントから論理サーバの異常通知(プロセスはあるが動作していない状態の通知)を受けて論理サーバの強制停止中の状態です。
自動再起動中自動再起動指定ありの論理サーバで,稼働中状態に運用管理エージェントから論理サーバの停止通知を受けて自動再起動処理中の状態です。
計画停止中計画停止要求を受け付けてから,論理Webサーバが停止状態になるまでの計画停止処理中の状態です。このステータスに遷移するのは,論理Webサーバの場合だけです。
(b) ステータスの遷移

ステータスが,システムの状態によってどのように遷移するかを次の図に示します。

図4-5 ステータスの遷移

[図データ]

参考
論理Webサーバの場合は,mngsvrutil stop server gracefulコマンドを使って,計画停止要求を出せます。この場合,ステータスは稼働中→計画停止中→停止と遷移します。mngsvrutil stop server gracefulコマンド(Management Serverの運用管理コマンド)については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。
(c) 起動,停止実行時のステータス

論理サーバの起動と停止には,次の表に示す種類があります。

表4-7 起動/停止処理の種類

起動/停止処理の種類説明
起動または起動処理一つの論理サーバに対しての起動処理を意味します。
論理サーバのステータス種別が「停止」または「異常停止」の場合だけ論理サーバに対して起動処理をします。そのほかのステータスの論理サーバに対する起動要求は無視します(メッセージ出力だけをします)。
停止または停止処理一つの論理サーバに対しての停止処理を意味します。
論理サーバのステータス種別が「稼働中」の場合だけ論理サーバに対して停止処理をします。そのほかのステータスの論理サーバに対する停止要求は無視します(メッセージ出力だけをします)。
一括起動または一括起動処理運用管理ドメイン内,単一ホスト内,またはクラスタ内の構成要素の全論理サーバに対する起動処理を意味します。
一括起動処理中,一括停止処理中,または一括再起動処理中の場合の一括起動要求は無視します(メッセージ出力だけをします)。
一括停止または一括停止処理運用管理ドメイン内,単一ホスト内,クラスタ内の構成要素の全論理サーバに対する停止処理を意味します。
一括起動処理中,一括停止処理中,または一括再起動処理中の場合の一括停止要求は無視します(メッセージ出力だけをします)。
一括再起動または一括再起動処理運用管理ドメイン内,単一ホスト内,クラスタ内の構成要素の全論理サーバに対する,一括停止処理およびそのあとの一括起動処理を意味します。
一括起動処理中,一括停止処理中または一括再起動処理中の場合の一括再起動要求は無視します(メッセージ出力だけをします)。
自動再起動または自動再起動処理論理サーバの設定で自動再起動をすると指定した場合,Management Serverが論理サーバの「異常停止」状態を検出すると論理サーバを自動的に起動します。
起動/停止の設定で前提となる論理サーバを設定し,前提となる論理サーバで自動再起動をすると指定した場合,前提となる論理サーバで障害状態を検出したときは,該当論理サーバを前提と設定したすべての論理サーバの停止処理をし,該当論理サーバの起動処理をしたあと,該当論理サーバを前提と設定したすべての論理サーバの起動処理をします。
強制停止または強制停止処理一つの論理サーバに対しての強制停止処理を意味します。
論理サーバのステータス種別が「稼働中」のときに論理サーバに対して強制停止処理をします。そのほかのステータスの論理サーバに対しては,強制停止要求は無視されます(メッセージ出力だけをします)。
計画停止または計画停止処理一つの論理サーバに対しての計画停止処理を意味します。
論理サーバのステータス種別が「稼働中」のときに論理サーバに対して計画停止処理をします。そのほかのステータスの論理サーバに対しては,計画停止要求は無視されます(メッセージ出力だけをします)。
計画停止はmngsvrutilコマンドを使用します。なお,計画停止が有効な論理サーバはWebサーバだけです。Webサーバ以外の論理サーバに対する計画停止要求は停止要求として扱われます。

ホストや論理サーバの起動/停止/強制停止/自動再起動を実行したときに,ステータスがどのように遷移するか,また,どのステータス状態になれば処理成功とみなせるかについて説明します(成功時のステータスを太字で示します)。

[起動]ボタン実行時
  • 停止→起動中→稼働中
  • 異常停止→回復中→稼働中
ステータスが「稼働中」になれば,起動の処理は成功しています。
[停止]ボタン実行時
  • 稼働中→停止中→停止
ステータスが「停止」になれば,停止の処理は成功しています。
[強制停止]ボタン実行時
  • 稼働中→強制停止中→停止
ステータスが「停止」になれば,強制停止の処理は成功しています。
自動再起動の実行時
  • 稼働中→自動再起動中→稼働中
ステータスが「稼働中」になれば,自動再起動の処理は成功しています。
注※ [起動/停止の設定]画面で設定する自動再起動の処理のことです。
参考
論理Webサーバの場合は,mngsvrutil stop server gracefulコマンドを使って,計画停止要求を出せます。この場合,ステータスは稼働中→計画停止中→停止と遷移します。ステータスが「停止」になれば,計画停止の処理は成功しています。なお,mngsvrutil stop server gracefulコマンド(Management Serverの運用管理コマンド)については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。

(4) 操作する画面

ステータス監視または稼働情報監視で操作する画面について説明します。

(a) ステータス監視で操作する画面

ステータス監視では,論理サーバの稼働状況(ステータス)を運用管理ドメイン単位,ホスト単位,または論理サーバ単位で確認できます。監視できる論理サーバは,論理パフォーマンストレーサ,論理スマートエージェント,論理ネーミングサービス,論理CTMドメインマネジャ,論理CTM,論理SFOサーバ,論理J2EEサーバ,論理Webサーバ,および論理ユーザサーバです。

ステータス監視で操作できる内容と操作する画面を次の表に示します。

表4-8 ステータス監視で操作できる内容と操作する画面

操作内容操作画面の参照先
ホストごとのステータス監視13.2
運用管理ドメイン全体のステータス監視13.3
論理サーバごとのステータス監視13.4
(凡例)
○:任意。運用で必要と判断される場合に操作します。

(b) 稼働情報監視で操作する画面

稼働情報監視では,論理J2EEサーバおよび論理SFOサーバが監視できます。

稼働情報監視で操作できる内容と操作する画面を次の表に示します。

表4-9 稼働情報監視で操作できる内容と操作する画面

論理サーバ名操作内容操作画面の参照先
論理SFOサーバJ2EEコンテナの稼働情報監視13.5.1
JavaVMの稼働情報監視13.5.5
13.5.6
SFOサーバアプリケーションの稼働情報監視13.7
論理J2EEサーバJ2EEコンテナの稼働情報監視13.5.1
EJBコンテナの稼働情報監視13.5.2
Webコンテナの稼働情報監視13.5.3
13.5.4
JavaVMの稼働情報監視13.5.5
13.5.6
J2EEアプリケーションの稼働情報監視13.7
EJBアプリケーションの稼働情報監視13.8
Stateful Session Beanの稼働情報監視13.9.1
13.9.2
Homeインタフェースの稼働情報監視13.9.3
Local Homeインタフェースの稼働情報監視13.9.4
Componentインタフェースの稼働情報監視13.9.5
Local Componentインタフェースの稼働情報監視13.9.6
Stateless Session Beanの稼働情報監視13.10
Entity Beanの稼働情報監視13.11
Message-driven Beanの稼働情報監視13.12
リソースアダプタの稼働情報監視13.13
Webアプリケーションの稼働情報監視13.14
サーブレットの稼働情報監視13.15
URLの稼働情報監視13.16
トランザクションの稼働情報監視13.17
(凡例)
○:任意。運用で必要と判断される場合に操作します。