5.2.2 論理サーバの環境設定

論理サーバの環境設定では,運用管理ドメインの構成定義で追加した論理サーバを稼働させるために必要な設定をします。論理サーバを配置したホスト単位,および論理サーバ単位で環境を設定してください。例えば,ホスト単位では,ホストに配置した論理サーバの基本情報を設定します。論理サーバ単位では,各論理サーバの詳細情報を設定します。

<この項の構成>
(1) 設定手順
(2) 操作する画面

(1) 設定手順

運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で,論理サーバの環境を設定する手順を次に示します。

  1. 運用管理ポータルにログインし,[運用管理ポータル]画面で「論理サーバの環境設定」をクリックします。
  2. ホスト内の論理サーバの基本情報を設定します。
    [ホスト内のサーバの設定]画面で,ホスト内に配置した論理サーバの基本情報を設定します。
  3. 各論理サーバの環境を設定します。
    「運用管理ドメインの構成定義」で追加した論理サーバの環境を設定します。
    なお,バッチサーバを構築する場合には,動作設定で必ず設定しなければならない項目があります。バッチサーバの動作設定で必ず設定する項目を次の表に示します。

    表5-3 バッチサーバの動作設定で必ず設定する項目

    項目設定内容
    バッチサーバとしてサーバを構築するための設定論理J2EEサーバの[J2EEサーバの追加]画面または[J2EEサーバクラスタ構成要素の追加]画面で,[バッチサーバとして作成する]を選択します。バッチサーバを作成する場合には,必ず選択してください。
    バッチサーバとして作成すると,[J2EEコンテナの設定]画面の「拡張パラメタ」に,有効欄がチェックされた状態で「batch.service.enabled=true」が自動的に表示されます。この設定は変更しないでください。
    SecurityManagerを使用しない設定バッチサーバの場合,SecurityManagerは使用しません。
    論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面で,セキュリティマネージャを使用しないように指定します。
    なお,バッチサーバとして作成すると,デフォルトの設定では,セキュリティマネージャを使用しないようになっています。この設定は変更しないでください。
    ライトトランザクション機能を有効にするための設定バッチサーバの場合,ローカルトランザクションを使用します※1。このため,ローカルトランザクションに最適化された環境を提供する,ライトトランザクション機能を使用します。
    論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面または[トランザクションの設定]画面で,ライトトランザクション機能を有効にするように指定します。デフォルトの設定では,ライトトランザクションが有効になっています。この設定は変更しないでください。
    接続するCTMの設定※2論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面で,[接続するCTM]を設定します。
    ORBゲートウェイの設定※2論理CTMの[レギュレータの設定]画面で,[ORBゲートウェイ]を使用するように設定します。
    スマートエージェント使用の設定※2論理J2EEサーバの[J2EEサーバの基本設定]画面で,[利用するスマートエージェント]を設定します。

    注※1 バッチサーバの場合,グローバルトランザクションは使用できません。

    注※2 バッチジョブのスケジューリング機能を使用する場合だけ必要です。


  4. バッチサーバの場合は,設定情報をホストに配布します。
    [設定情報の配布]画面で,論理サーバの環境設定で設定した情報をホストに配布します。
    参考
    論理サーバの環境設定では,環境設定済みの別の論理サーバから設定情報を読み込むことができます。設定情報がほとんど同じ場合には,別の論理サーバから設定情報を読み込んで,設定の異なる個所だけ変更することで,効率良く環境を設定できます。また,バッチサーバでは,接続先ホストで稼働するサーバの設定情報を読み込むこともできます。

(2) 操作する画面

運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で設定できる内容と操作する画面を次の表に示します。使用する論理サーバごとに必要な操作を実施してください。

表5-4 論理サーバの環境設定で設定できる内容と操作する画面

論理サーバ名設定内容操作画面の参照先
論理パフォーマンストレーサ論理サーバの基本情報の設定10.2.1
パフォーマンストレーサの設定10.3.1
パフォーマンストレーサのオプションの設定※110.3.2
パフォーマンストレーサの環境変数の設定※110.3.3
別の論理パフォーマンストレーサの設定読み込み※110.3.4
論理スマートエージェント論理サーバの基本情報の設定10.2.1
スマートエージェントの設定10.4.1
スマートエージェントのオプションの設定※110.4.2
スマートエージェントの環境変数の設定※110.4.3
別の論理スマートエージェントの設定読み込み※110.4.4
論理CTMドメインマネジャ論理サーバの基本情報の設定10.2.1
CTMドメインマネジャの基本設定10.6.1
CTMドメインマネジャのネットワークの設定10.6.2
CTMドメインマネジャのオプションの設定※110.6.3
CTMドメインマネジャの環境変数の設定※110.6.4
別の論理CTMドメインマネジャの設定読み込み※110.6.5
論理CTM論理サーバの基本情報の設定10.2.1
CTMの基本設定10.7.1
CTMのスケジューリングの設定10.7.2
CTMのレギュレータの設定10.7.3
CTM間通信の設定10.7.4
CTMの稼働統計情報の設定10.7.5
CTMのオプションの設定※110.7.6
CTMの環境変数の設定※110.7.7
別の論理CTMの設定読み込み※110.7.8
論理J2EEサーバ※2論理サーバの基本情報の設定10.2.1
J2EEサーバの基本設定10.9.1
J2EEサーバのJ2EEコンテナの設定10.9.2
J2EEサーバのEJBコンテナの設定10.9.3
J2EEサーバのWebコンテナの設定10.9.4
J2EEサーバのネーミングの設定10.9.5
J2EEサーバのJDBCの設定10.9.6
J2EEサーバのトランザクションの設定10.9.7
J2EEサーバのリソース枯渇監視の設定10.9.8
J2EEサーバのログの設定10.9.9
J2EEサーバのユーザログの設定10.9.10
インプロセスHTTPサーバの通信・スレッド制御の設定10.9.11
インプロセスHTTPサーバのログの設定10.9.12
インプロセスHTTPサーバのセキュリティの設定10.9.13
インプロセスHTTPサーバのエラーページの設定10.9.14
インプロセスHTTPサーバのリダイレクトの設定10.9.15
インプロセスHTTPサーバのレスポンスヘッダ・ゲートウェイ指定機能の設定10.9.16
J2EEサーバでの稼働情報監視の設定10.9.17
J2EEサーバでの稼働情報監視で発行するイベントの設定10.9.18
J2EEサーバでの稼働情報監視で使用する通信の設定10.9.19
J2EEサーバで使用するJavaVMの起動パラメタの設定10.9.20
J2EEサーバで使用するJavaVMのシステムプロパティの設定10.9.21
J2EEサーバのJP1連携の設定※310.9.22
J2EEサーバのオプションの設定※110.9.23
J2EEサーバの環境変数の設定※110.9.24
論理J2EEサーバの設定読み込み※110.9.25
設定情報の配布10.11.1
(凡例)
◎:必要。最低限必要な操作です。
○:任意。デフォルトの設定から変更する場合に操作します。
-:不要。必要な操作はありません。
論理ユーザサーバには環境設定で設定する内容はありません。
注※1
各論理サーバで共通の操作です。画面詳細および注意事項については,論理J2EEサーバの説明を参照してください
注※2
バッチサーバの場合,画面の設定項目には有効となる設定と無効となる設定があります。詳細は,表5-5を参照してください。
注※3
JP1を使用する場合は設定が必要です。

バッチアプリケーションを実行するシステムの構築の場合に,運用管理ポータルの論理J2EEサーバの環境設定で操作できる画面および項目を,次の表に示します。

表5-5 バッチアプリケーションを実行するシステムの構築で操作できる画面および項目

操作できる画面操作できる項目
J2EEサーバの基本設定コンテナの設定管理用サーバのポート番号
http/ajp13のポート番号※1
RMIレジストリの設定
利用するネーミングサービスの設定インプロセス用のポート番号
利用する論理サーバの設定利用するパフォーマンストレーサ
利用するスマートエージェント
接続するCTM
運用監視エージェントの設定
Managementイベントの発行機能の設定
起動オプションの設定
J2EEコンテナの設定J2EEコンテナの設定作業ディレクトリの定義
オプションパスワード情報のスクランブル化
J2EEアプリケーション実行時間監視間隔
運用監視エージェントの設定
Managementイベントの発行機能の設定
コンテナ拡張ライブラリの設定
拡張パラメタ
EJBコンテナの設定CTMの設定接続するCTM
デプロイ時のキュー活性化要求
アンデプロイ時のキュー非活性化要求
リクエストの優先順位
サーバとの接続
オプションホストの固定
通信ポート番号
Webコンテナの設定管理用サーバの設定
Webサーバとの接続インプロセスHTTPサーバ機能の使用※2
ネーミングの設定利用するネーミングサービスの設定インプロセス選択時の設定
タイムアウト時間
キャッシュの設定
InitialContextファクトリの設定
ラウンドロビン検索のグループ設定
トランザクションの設定トランザクションに関する設定利用するスマートエージェント
タイムアウト時間
コネクションアソシエーション機能
リソース枯渇監視の設定リソース枯渇監視メモリ
ファイルディスクリプタ数
スレッド数
スレッドダンプファイル数
監視対象リソースの設定
リソース枯渇監視ログファイルの設定※3
ログの設定※4ログの出力レベルの設定
ログ別の設定ファイルサイズ
ファイル面数
ユーザログの設定すべて使用できます。
稼働情報の設定すべて使用できます。
イベントの設定すべて使用できます。
通信の設定すべて使用できます。
起動パラメタの設定すべて使用できます。
システムプロパティの設定すべて使用できます。
JP1連携の設定すべて使用できます。
オプションの設定すべて使用できます。
環境変数の設定すべて使用できます。
注※1
ajp13のポート番号だけ指定できます。httpのポート番号は指定できません。
注※2
「しない(ajp13)」を指定した場合に,「ポート番号」と「ホストの固定」を指定できます。
注※3
次の監視対象リソースだけ操作できます。
・メモリ
・ファイルディスクリプタ数
・スレッド数
・スレッドダンプファイル数
・コネクションプール
注※4
バッチサーバで使用できるログの種類とチャネル名は次のように対応しています。
・メッセージログ:MessageLogFile
・保守ログ:MaintenanceLogFile
・例外ログ:ExceptionLogFile
・コンソールログ:ConsoleLogFile
・EJBコンテナ保守ログ:EJBContainerLogFile
・ユーザ出力ログ:UserOutLogFile
・ユーザエラーログ:UserErrLogFile