ここでは,システム起動の流れの中での,構成ソフトウェアの各種プロセスの起動方法と,リソースやJ2EEアプリケーションの開始方法について説明します。
運用管理コマンド(mngsvrutil)および構成ソフトウェアのプロセスの起動で使用するコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
運用管理エージェントは次のどれかの方法で起動します。
起動前の確認事項と,それぞれの起動方法について説明します。
運用管理エージェントは,論理サーバが動作するそれぞれのホストで動作させる必要があります。また,運用管理エージェントの起動時には,運用管理エージェントで使用するポート番号がすでに使用されていないか注意してください。ポート番号のデフォルト値は「20295」で,運用管理エージェントのプロパティを設定するadminagent.propertiesで変更できます。
adminagent.propertiesの格納場所を次に示します。
adminagent.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。
ホスト起動時に,運用管理エージェントのサービスを自動起動できます。運用管理エージェントを自動起動する場合の起動手順をOS別に次に示します。
次のどちらかの方法で起動方法を設定します。
ホスト起動時にデーモンプロセスとして自動起動させるために,起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start)を,/etc/inittabファイルに登録します。起動スクリプトの登録は,root権限のあるユーザが実行してください。
起動スクリプトの登録手順を次に示します。
# mkitab "adminagentctl:2:once:/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start # Cosminexus Management Server - Administration Agent Start" |
# ps -elf | grep adminagent |
ホスト起動時に運用管理エージェントをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/sbin/rc<N>.dディレクトリに/sbin/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの起動時の実行レベル,および運用管理エージェントを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。Management Serverをホスト起動時に自動起動する方法については,「(2)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
運用管理エージェントを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときに運用管理エージェントを自動起動することを前提としています。
# ln -s /sbin/init.d/AdminAgent /sbin/rc2.d/S800AdminAgent |
シンボリックの名称は,「S<NNN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NNN>」には,同一実行レベル内での起動順序を示す3けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
ホスト起動時に運用管理エージェントをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリに/etc/rc.d/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの起動時の実行レベル,および運用管理エージェントを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。Management Serverをホスト起動時に自動起動する方法については,「(2)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
運用管理エージェントを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときに運用管理エージェントを自動起動することを前提としています。
# ln -s /etc/rc.d/init.d/AdminAgent /etc/rc.d/rc2.d/S80AdminAgent |
シンボリックの名称は,「S<NN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一実行レベル内での起動順序を示す2けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
ホスト起動時に運用管理エージェントをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/etc/rc<N>.dディレクトリに/etc/init.d/AdminAgentへのリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,運用管理エージェントの起動時の実行レベル,および運用管理エージェントを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。Management Serverをホスト起動時に自動起動する方法については,「(2)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
運用管理エージェントを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが2になるときに運用管理エージェントを自動起動することを前提としています。
# ln -s /etc/init.d/AdminAgent /etc/rc2.d/S80AdminAgent |
シンボリックリンクの名称は,「S<NN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一レベル内での起動順序を示す2けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
運用管理エージェントをコマンドラインから起動する場合の起動手順をOS別に次に示します。
運用管理エージェントは,adminagentctlコマンドで引数「start」を指定して起動できます。adminagentctlコマンドはAdministrator権限のあるユーザが実行してください。
運用管理エージェントの起動例を次に示します。
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥adminagentctl start |
運用管理エージェントは,adminagentctlコマンドで引数「start」を指定して起動できます。adminagentctlコマンドはroot権限のあるユーザが実行してください。
運用管理エージェントの起動例を次に示します。
/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start |
また,daemonコマンドを使用して,コマンドラインから運用管理エージェントをデーモンプロセスとして起動することもできます。daemonコマンドの実行例を次に示します。
/opt/Cosminexus/manager/bin/daemon -cf /opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start |
Windowsでは,運用管理エージェントはサービスとして登録されます。サービス名称は「Cosminexus Management Server - Administration Agent」です。通常のサービスの起動と同様の操作で起動してください。
Management Serverは次のどれかの方法で起動します。
起動前の確認事項と,それぞれの起動方法について説明します。
Management Serverの起動時には,Management Serverで使用するポート番号がすでに使用されていないか注意してください。ポート番号は,Management Serverの環境を設定するmserver.propertiesで変更できます。
mserver.propertiesの格納場所を次に示します。
Management Serverで使用するポート番号を指定するmserver.propertiesのキーを次に示します。
webserver.connector.http.port=28080 |
mserver.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。
なお,Management Server起動後は,運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からもポート番号を変更できます。ただし,mserver.propertiesにコメントを書いていた場合は,変更時にコメントが削除されます。
ホストの起動と同時にManagement Serverを自動起動できます。Management Serverを自動起動する手順をOS別に次に示します。
サービス画面で「Cosminexus Management Server」を選択し,[スタートアップ]で自動起動するように設定してください。
同一ホスト上でManagement Serverと運用管理エージェントを起動する場合には,運用管理エージェントが先に起動されるように依存関係を設定します。Management Serverと運用管理エージェントのサービスの設定を変更するにはmngautorunコマンドを利用します。
例えば,Management Serverと運用管理エージェントのサービスのスタートアップの設定を自動変更し,OS起動時に運用管理エージェントのあとにManagement Serverを起動する場合には,「mngautorun both」と指定します。
起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start)に日本語のロケールを設定してください。ただし,AIXでは,mkitabコマンドによる起動スクリプト登録時に設定してください。
ホスト起動時にデーモンプロセスとして自動起動させるために,起動スクリプトを/etc/inittabファイルに登録します。起動スクリプトの登録は,root権限のあるユーザが実行してください。
起動スクリプトの登録手順を次に示します。
# mkitab "mngsvrctl:2:once:/bin/env LANG=Ja_JP /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start # Cosminexus Management Server Start" |
# ps -elf | grep mngsvrctl |
起動スクリプトに日本語のロケールを設定してください。起動スクリプトの設定例を次に示します。
LANG=ja_JP.SJIS |
ホスト起動時にManagement Serverをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/sbin/rc<N>.dディレクトリに/sbin/init.d/MngSvrへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,Management Serverの起動時の実行レベル,およびManagement Serverを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。運用管理エージェントをホスト起動時に自動起動する方法については,「(1)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
Management Serverを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときにManagement Serverを自動起動することを前提としています。
# ln -s /sbin/init.d/MngSvr /sbin/rc2.d/S900MngSvr |
シンボリックの名称は,「S<NNN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NNN>」には,同一実行レベル内での起動順序を示す3けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
起動スクリプトに日本語のロケールを設定してください。起動スクリプトの設定例を次に示します。
export LANG=ja_JP.utf8 |
ホスト起動時にManagement Serverをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリに/etc/rc.d/init.d/MngSvrへのシンボリックリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,Management Serverの起動時の実行レベル,およびManagement Serverを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。運用管理エージェントをホスト起動時に自動起動する方法については,「(1)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
Management Serverを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが1から2になるときに運用管理エージェントを自動起動することを前提としています。
# ln -s /etc/rc.d/init.d/MngSvr /etc/rc.d/rc2.d/S90MngSvr |
シンボリックの名称は,「S<NN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一実行レベル内での起動順序を示す2けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
起動スクリプトに日本語のロケールを設定してください。起動スクリプトの設定例を次に示します。
LANG=ja_JP.PCK |
ホスト起動時にManagement Serverをデーモンプロセスとして自動起動させるために,/etc/rc<N>.dディレクトリに/etc/init.d/MngSvrへのリンクを作成します(<N>は起動時の実行レベルを表します)。なお,シンボリックリンクの作成は,root権限のあるユーザが実行してください。
シンボリックリンク作成時に指定する,Management Serverの起動時の実行レベル,およびManagement Serverを起動する順番は,運用環境に合わせて決めてください。ただし,同一ホスト上で運用管理エージェントとManagement Serverを起動する場合,運用管理エージェントがManagement Serverよりも先に起動するように順番を設定してください。運用管理エージェントをホスト起動時に自動起動する方法については,「(1)(b) ホスト起動時に自動起動する場合」を参照してください。
Management Serverを自動起動する場合の実行例を次に示します。この例では,実行レベルが2になるときにManagement Serverを自動起動することを前提としています。
# ln -s /etc/init.d/MngSvr /etc/rc2.d/S90MngSvr |
シンボリックリンクの名称は,「S<NN><起動スクリプト名>」の形式で指定してください。「<NN>」には,同一レベル内での起動順序を示す2けたの数字を指定してください。「<起動スクリプト名>」には,リンク先の起動スクリプトの名称と同じ名称を指定してください。なお,実行レベルとシンボリックリンクの指定規則の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
Management Serverをコマンドラインから起動する手順をOS別に次に示します。
Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数「start」を指定して起動します。mngsvrctlコマンドはAdministrator権限のあるユーザが実行してください。
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥bin¥mngsvrctl start |
Management Serverをコマンドラインから起動する場合,事前に次の設定をしてください。
export LANG=Ja_JP |
export LANG=ja_JP.SJIS |
export LANG=ja_JP.utf8 |
export LANG=ja_JP.PCK |
Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数「start」を指定して起動します。mngsvrctlコマンドはroot権限のあるユーザが実行してください。
/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start |
また,daemonコマンドを使用して,コマンドラインからManagement Serverをデーモンプロセスとして起動することもできます。daemonコマンドの実行例を次に示します。
/opt/Cosminexus/manager/bin/daemon -cf /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start |
Windowsでは,Management Serverはサービスとして登録されます。サービス名称は「Cosminexus Management Server」です。通常のサービスの起動と同様の操作で起動してください。
Management Serverの運用管理ポータルへは,Webブラウザからログインします。ログイン方法については,「7.1.2 ログイン」を参照してください。
論理サーバの起動方法について説明します。
論理サーバは,運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して起動します。論理サーバは運用管理ドメイン単位に一括起動したり,ホスト単位に一括起動したり,個別の論理サーバ単位に起動したりすることができます。
運用管理ポータルを使用する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」の画面から起動してください。運用管理コマンドを使用する場合,サブコマンド「start」を指定して実行してください。
なお,論理サーバ起動時は次の点に留意してください。
運用管理ポータルまたは運用管理コマンドでの論理サーバの起動方法について(a)~(c)で説明します。
運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,運用管理ドメイン内のすべての論理サーバを一括起動する方法について説明します。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> start allServers |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 start allServers
運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,ホスト内のすべての論理サーバを一括起動する方法について説明します。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <ホスト名> -k host start server |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t host01 -k host start server
J2EEアプリケーションを開始したあとにWebサーバや論理ユーザサーバを起動する場合や,異常終了した論理サーバだけ再起動する場合などに,論理サーバを個別に起動します。運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,論理サーバを個別に起動する方法について説明します。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <論理サーバ名> start server |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start server
運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,リソースを開始する方法について説明します。運用管理ポータルを使用するとリソースアダプタを開始できます。運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用すると,リソースアダプタおよびJavaBeansリソースを開始できます。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start resAdapter <リソースアダプタ名> |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start resAdapter resadapter01
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start resJavaBeans <JavaBeansリソース名> |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start resJavaBeans javabeans01
運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,J2EEアプリケーションを開始する方法について説明します。
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start app <J2EEアプリケーション名> |
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start app App01