2.7.4 リソースアダプタの使用方法

リソースアダプタを使用してリソースと接続する場合,リソースアダプタをJ2EEリソースアダプタとしてデプロイしてください。J2EEリソースアダプタとは,J2EEサーバ上に配置されたリソースアダプタです。デプロイ方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.3.7 リソースアダプタの設定方法」を参照してください。

<この項の構成>
(1) リソースアダプタの機能
(2) リソースアダプタ以外の機能
(3) リソースアダプタのオプショナル名についての注意事項

(1) リソースアダプタの機能

バッチサーバの場合にデータベース接続で使用できる機能を次の表に示します。それぞれの機能の詳細については,参照先の説明を参照してください。

表2-21 リソースアダプタの機能

機能項目説明参照先マニュアル※1参照個所
パフォーマンスチューニングのための機能コネクションプーリングコネクションをメモリ上にプールしておくことで,アプリケーションからの接続要求に対して高速に処理できます。基本・開発編(コンテナ共通機能)3.14.1
コネクションプールのウォーミングアップサーバ起動時またはリソースアダプタ起動時に,指定した数のコネクションを作成します。コネクションをプールしておくことで,コネクションプール開始直後の接続要求を高速に処理します。3.14.2
コネクション数調節機能一定間隔で,プール内の不要なコネクションを段階的に減少させます。3.14.2
コネクションシェアリング・アソシエーションコネクションを共有することで,コネクション取得処理に掛かる処理時間を短縮できます。
コネクションシェアリングでは,論理コネクションと接続先リソースのコネクションである物理コネクションを多対1で接続します。
バッチアプリケーションの場合,コネクションアソシエーションは使用できません。
3.14.3
ステートメントプーリングPreparedStatementおよびCallableStatementを使用する処理の場合に,これらのステートメントをプーリングしておくことで,同じステートメント作成に掛かる処理時間を短縮できます。3.14.4
DataSourceオブジェクトのキャッシングJNDIインタフェースを使用して,DataSource型のオブジェクトの検索要求をする場合,DataSourceオブジェクトをキャッシングできます。3.14.7
DB Connectorのコンテナ管理でのサインオンの最適化コンテナ管理でサインオンをする場合,サインオンの動作を最適化できます。3.14.8
フォールトトレランスのための機能コネクション障害検知プーリングされているコネクションにトラブルが発生していないかを検知できます。これによって,ユーザプログラムからのコネクション要求に対して,有効なコネクションだけを返却できます。3.15.1
コネクション枯渇時のコネクション取得待ちコネクションプールに指定した最大数までコネクションがプールされていて,利用できるコネクションがない場合は,コネクション取得要求を待ち状態にできます。3.15.2
コネクション取得リトライ使用できるコネクションがコネクションプールにない場合や接続先リソースの物理コネクションの確立に失敗した場合に,自動的にコネクションの取得処理を再実行できます。3.15.3
コネクションプールの情報表示コマンドを使用して,コネクションプール内のコネクションの情報を表示できます。3.15.4
コネクションプールのクリアデータベースサーバにトラブルが発生してコネクションが切断された場合などに,不要なコネクションプールをコマンドで削除できます。3.15.5
ステートメントキャンセル実行中のSQL処理が返ってこない状態でトランザクションタイムアウトが発生した場合に,ステートメントをキャンセルできます。3.15.8
障害調査用SQLの出力デッドロックやスローダウンなどの障害が発生した場合に,発行したSQLをログに出力できます。ログは,障害要因の解析に利用できます。3.15.10
オブジェクトの自動クローズユーザプログラムでオープンしたStatementオブジェクトなどをクローズできなかった場合に,DB Connectorによってオブジェクトを自動的にクローズできます。3.15.11
コネクションプールのクラスタ化コネクションプールの一時停止データベースをクラスタ構成にしている場合に,障害発生時やメンテナンス時にコネクションプールを停止したり再開したりできます。また,それぞれのコネクションプールの状態を表示できます。3.17.3
コネクションプールの再開3.17.3
コネクションプールの状態3.17.3
リソースへの接続テストリソースへの接続テスト環境構築時に,リソースアダプタが正しく設定できているかどうかを確認できます。3.18
Enterprise BeanまたはJ2EEリソースへの別名付与(ユーザ指定名前空間機能)J2EEリソースへの別名付与※2J2EEリソースに別名を付与できます。バッチアプリケーションからは,別名として設定した任意の名称でルックアップできます。2.4
性能解析トレースを使用したシステムの性能解析コネクションIDのPRFトレース各機能が出力する性能解析情報を収集します。この情報を基に,システム性能およびボトルネックを分析できます。保守/移行/互換編7章

注※1 参照先のマニュアル名称は,「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説」を省略しています。

注※2 バッチサーバの場合,リソースアダプタの別名は必ず使用します。


リソースアダプタの種類ごとに使用できる機能を次の表に示します。

表2-22 リソースアダプタの種類ごとに使用できる機能

機能項目リソースアダプタの種類
DB Connectorルートリソースアダプタメンバリソースアダプタ
パフォーマンスチューニングのための機能コネクションプーリング×
コネクションプールのウォーミングアップ×
コネクション数調節機能×
コネクションシェアリング・アソシエーション×
ステートメントプーリング×
DataSourceオブジェクトのキャッシング×
DB Connectorのコンテナ管理でのサインオンの最適化×
フォールトトレランスのための機能コネクション障害検知×
コネクション枯渇時のコネクション取得待ち×
コネクション取得リトライ××
コネクションプールの情報表示×
コネクションプールのクリア×
ステートメントキャンセル×
障害調査用SQLの出力×
オブジェクトの自動クローズ×
コネクションプールのクラスタ化コネクションプールの一時停止××
コネクションプールの再開××
コネクションプールの状態×
リソースへの接続テストリソースへの接続テスト
Enterprise BeanまたはJ2EEリソースへの別名付与(ユーザ指定名前空間機能)J2EEリソースへの別名付与×
性能解析トレースを使用したシステムの性能解析コネクションIDのPRFトレース
(凡例)
◎:必ず有効になる
○:使用できる
×:使用できない

注※ バッチアプリケーションの場合,コネクションアソシエーションは使用できません。


(2) リソースアダプタ以外の機能

ここでは,リソースアダプタ以外で実現される機能について説明します。ここで説明する機能は,リソースアダプタの種類に関係なく使用できます。

リソースアダプタ以外で実現される機能を,次の表に示します。それぞれの機能の詳細については,参照先の説明を参照してください。

表2-23 リソースアダプタ以外の機能

機能項目説明参照先マニュアル参照個所
パフォーマンスチューニングのための機能ライトトランザクションローカルトランザクションに最適化された環境を提供します。ライトトランザクション機能は必ず有効にします。基本・開発編(コンテナ共通機能)3.14
フォールトトレランスのための機能トランザクションタイムアウトトランザクション開始時間から一定時間経過した時点で呼び出し先のトランザクションをロールバックします。基本・開発編(コンテナ共通機能)3.15

注※ 参照先のマニュアル名称は,「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説」を省略しています。


注意
J2EEサーバのトランザクション管理の機能では,トランザクションを自動決着する機能がありますが,バッチサーバの場合,トランザクションの自動決着機能は使用できません。

(3) リソースアダプタのオプショナル名についての注意事項

同じオプショナル名で複数のリソースアダプタをデプロイしている場合,エラーメッセージが出力されて,リソースアダプタの開始に失敗します。