5.3 セッションフェイルオーバ機能の種類と差異

J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎを実現するための機能として,データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能があります。それぞれの機能の概要について説明します。また,二つの機能の機能差異についても説明します。

 

データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能ではHTTPセッションの情報の格納先が異なります。そのため,二つの機能には次の表に示す機能差異があります。

表5-2 データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能の機能差異

比較項目機能差異
データベースセッションフェイルオーバ機能メモリセッションフェイルオーバ機能
HTTPセッションの情報の格納先データベースSFOサーバ(メモリ)
J2EEサーバに障害が発生した際の動作障害発生直前の状態から業務が再開できます。障害発生直前の状態から業務が再開できます。
HTTPセッションの情報の格納先に障害が発生した際の動作J2EEサーバ上のセッション情報を操作して業務を続行できます。システム内のすべてのHTTPセッションが削除され,業務は再開できません。
システムの可用性データベースセッションフェイルオーバ機能が優れています。
リクエスト処理性能メモリセッションフェイルオーバ機能が優れています。

メモリセッションフェイルオーバ機能とデータベースセッションフェイルオーバ機能は同時に使用できません。機能差異を踏まえて,システムに適した機能を選択してください。なお,メモリセッションフェイルオーバ機能とデータベースセッションフェイルオーバ機能を同時に有効にする設定をした場合,アプリケーションの開始に失敗します。