2.2.3 バッチアプリケーションの実行環境の構築と運用

ここでは,バッチアプリケーションの実行環境の構築方法と,運用方法について説明します。また,バッチアプリケーションの実行環境と連携できるプログラムについても説明します。

<この項の構成>
(1) バッチアプリケーションの実行環境の構築
(2) バッチアプリケーションの実行環境の運用
(3) ほかのプログラムとの連携

(1) バッチアプリケーションの実行環境の構築

バッチアプリケーションの実行環境は,Smart Composer機能,サーバ管理コマンドを使用して構築します。バッチアプリケーションの実行環境の構築手順を次に示します。

  1. Smart Composer機能を使用してシステムを構築します。
    簡易構築定義ファイルでシステム構成を定義し,Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,システムを一括構築します。
  2. サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタを設定します。
    バッチアプリケーションからデータベースに接続する場合だけ実施します。

Smart Composer機能,サーバ管理コマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「10. バッチアプリケーションを実行するシステムの構築」を参照してください。

注意
バッチサーバを複数構築する場合,サーバで使用するTCP/IPのポート番号を重複しないよう変更する必要があります。また,バッチサーバはJ2EEサーバで使用しているTCP/IPのポート番号を使用します。複数のバッチサーバを同時に起動する場合,およびバッチサーバとJ2EEサーバを同時に起動する場合は,使用するポート番号が重複しないように設定してください。ポート番号については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「3.18 アプリケーションサーバのプロセスが使用するTCP/UDPのポート番号」を参照してください。
参考
バッチアプリケーションの実行環境は運用管理ポータルを使用して構築することもできます。運用管理ポータルを使用したバッチアプリケーションの実行環境の構築については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「5. バッチアプリケーションを実行するシステムの構築と削除」を参照してください。
また,バッチアプリケーションの実行環境では,複数の構築済み実行環境の切り替え機能を使用できます。この機能は拡張機能の一つです。この機能を使用すると,1台のマシンに,複数の構築済み実行環境を共存させて切り替えられます。これによって,同じ製品のバージョン違いや,パッチ適用の有無などによる動作確認を1台のマシンで検証できます。なお,この機能はWindows環境では使用できません。複数の構築済み実行環境の切り替え機能については,「11. 複数の構築済み実行環境の切り替え」を参照してください。

(2) バッチアプリケーションの実行環境の運用

バッチアプリケーションの実行環境は次の順序で運用します。

  1. システムの起動
    Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,バッチサーバを含むシステム全体を起動します。バッチアプリケーションからリソースに接続する場合は,DB Connectorも開始します。
  2. バッチアプリケーションの実行
    cjexecjobコマンドを使用してバッチアプリケーションを開始します。
  3. バッチサーバの停止
    Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,バッチサーバを含むシステム全体を停止します。
    参考
    運用管理ポータルを使用したバッチアプリケーションの実行環境の起動および停止については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「6.1 システムの起動と停止」を参照してください。

JP1/AJS2と連携する場合は,JP1/AJS2からバッチサーバおよびバッチアプリケーションを開始できます。また,JP1/AJS2およびBJEXと連携する場合はJP1/AJS2からバッチサーバを,BJEXからバッチアプリケーションを開始できます。

システムの起動および停止の詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.7 システムの起動と停止の設定」を参照してください。バッチアプリケーションの開始方法については,「2.3.2 バッチアプリケーションの実行」を参照してください。

バッチアプリケーションを実行するシステムでは,次の運用機能が使用できます。

(a) システムの日常運用を支援する機能

システムの起動・停止のほかに,バッチサーバの稼働状況や,バッチサーバのリソースの使用状況を監視できます。システムの日常運用を支援する機能の概要について説明します。

システムの日常運用を支援する機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「1.2.1 システムの日常運用を支援する機能」を参照してください。

(b) システムの保守を支援する機能

バッチサーバなど,運用管理エージェントによって起動されるプロセスの情報をコンソールログとして出力できます。コンソールログ出力の概要について説明します。

また,バッチアプリケーションのログをユーザログとして出力できます。ユーザログ出力は拡張機能の一つです。ユーザログ出力の概要について説明します。

(c) システムの監査を支援する機能

システムの構築者や運用者がアプリケーションサーバのプログラムに対して実行した操作や履歴を出力できます。また,バッチアプリケーションがデータベースにアクセスした際に使用したアカウントを記録できます。システムの監査を支援する機能の概要について説明します。

システムの監査を支援する機能については,次の個所を参照してください。

(d) システムの保守のための機能

バッチサーバの障害を検知したときに,トラブルシューティングの資料を取得できます。システムの保守のための機能の概要について説明します。

システムの保守のための機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行/互換編」を参照してください。

(3) ほかのプログラムとの連携

バッチアプリケーションを実行するシステムでは,次に示すプログラムと連携できます。

JP1との連携については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「12. JP1と連携したシステムの運用」を参照してください。クラスタソフトウェアとの連携については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「18. クラスタソフトウェアとの連携」を参照してください。

(a) JP1連携による運用管理機能の概要

JP1連携による運用管理機能の概要について説明します。

(b) クラスタソフトウェアとの連携による系切り替え機能の概要

クラスタソフトウェアとの連携による系切り替え機能の概要について説明します。連携できるクラスタソフトウェアは,Microsoft Cluster Service※1またはWindows Server Failover Cluster※2(Windowsの場合),およびHAモニタ(AIX・HP-UX・Linuxの場合)です。なお,Solarisの場合,クラスタソフトウェアと連携したシステム運用はできません。

注※1
使用できるOSは,Windows Server 2003 Enterprise Edition,Windows Server 2003 R2 Enterprise Edition,Windows Server 2003 Enterprise x64 Edition,およびWindows Server 2003 R2 Enterprise x64 Editionとなります。
注※2
使用できるOSは,Windows Server 2008となります。