5.2.2 グローバルセッションを利用したセッション管理

セッションフェイルオーバ機能では,J2EEサーバ上のHttpSessionオブジェクトに登録されたオブジェクトの情報を,ほかのJ2EEサーバに引き継ぎます。

複数のJ2EEサーバ間で引き継いで使用できるセッションを,グローバルセッションといいます。HTTPセッションは,そのセッションを扱っているJ2EEサーバに障害が発生すると消失します。一方,グローバルセッションは,J2EEサーバとは別のプロセス(データベースまたはSFOサーバ)で管理されているため,J2EEサーバに障害が発生した場合も消失しません。このため,一つのJ2EEサーバで障害が発生した場合に,別のJ2EEサーバにHTTPセッションを作成して,グローバルセッションの情報を引き継げます。

グローバルセッションを使用している場合に,ほかのJ2EEサーバに引き継がれるHttpSessionオブジェクトの情報を,グローバルセッション情報といいます。

HTTPセッションとグローバルセッションの範囲について,次の図に示します。

図5-2 HTTPセッションとグローバルセッションの範囲

[図データ]

セッションフェイルオーバ機能では,J2EEサーバでの障害発生時にグローバルセッション情報を引き継ぐことで,ユーザにエラーを通知することなく,障害発生前の状態で業務を続行できます。