クライアント性能モニタ機能とは,作成したWebアプリケーションを操作するときの処理時間をクライアントの視点で測定して,分析する機能です。Webアプリケーションの通信に掛かる時間,Webブラウザの描画に掛かる時間,ユーザがWebブラウザ上で操作を実行するまでに掛かる時間などの性能データを測定することで,サーバ側の性能測定ではわからなかった次のことが分析できます。
性能データには,Webアプリケーションの一つ一つの操作に対する情報(性能情報)と性能情報を画面遷移の単位で統計した情報(統計情報)があります。
性能データの測定中,ユーザはクライアント性能モニタ機能が動作していることを意識しないで,Webアプリケーションを操作できます。ユーザがWebブラウザを使用してWebアプリケーションを操作している間に,自動的に処理時間が記録されます。
また,クライアント性能モニタ機能を導入するときに,ユーザ一人一人のマシンにプログラムをインストールする必要はありません。Webアプリケーションに対して,サーブレットフィルタが動作するように設定するだけで導入できます。
さらに,クライアント性能モニタ機能の性能データに付与される問い合わせIDをサーバ側の性能解析トレース(PRFトレース)のルートアプリケーション情報と突き合わせることができます。このことで,Webアプリケーションに発生した性能問題について,サーバ側,およびクライアント側の両面から分析できます。
クライアント性能モニタ機能の概要を次の図に示します。
図9-1 クライアント性能モニタ機能の概要図