クライアント性能モニタ機能の設定は,クライアント性能フィルタで実行されます。
ここでは,アプリケーションの開発環境で必要なDDでの定義について,必須項目と任意項目に分けて説明します。DDでのクライアント性能モニタ機能の定義はweb.xmlに指定します。
クライアント性能フィルタに指定する項目は,サーブレットフィルタの初期化パラメタ(<init-param>タグ)として定義します。
DDでの定義で任意に指定できる項目を次の表に示します。これらの項目は,サーブレットフィルタの初期化パラメタ(<filter>タグ内の<init-param>タグ)に指定します。なお,各項目に指定範囲外の値や文字列,誤った文法などを指定した場合はエラーとなり,Webアプリケーションが開始できません。
表9-5 DDでのクライアント性能モニタ機能の定義でカスタマイズできる項目
項番 | 項目 | <param-name>に指定する要素 | <param-value>に指定する内容 | デフォルト値 |
---|---|---|---|---|
1 | 使用するリソース名の先頭文字列 | resourcePrefix | クライアント性能モニタ機能で使用する次のリソース名の先頭文字列をほかの文字列に置き換えたい場合に指定します。
この項目は,通常は指定する必要はありません。ユーザが作成したWebアプリケーションの中に「CPMON_」で始まるCookie名が含まれている場合などに,名前の重複を避けるために指定してください。 | CPMON |
2 | Webブラウザ上の性能データの有効期限 | dataExpire | Webブラウザ上に保存される性能データ全体の有効期限を分単位で指定します。値は,1~1440の整数で指定します。 ここで指定する有効期限は,すべての性能データで共有されます。クライアント性能測定スクリプトやモニタページの操作で,性能データが更新(追加,削除など)されるたびに,有効期限が再設定されます。性能データが更新されないまま有効期限を超えた場合は,すべての性能データが有効期限切れとなります。 なお,ここで指定する有効期限は,クライアント性能モニタ機能が保証する期間です。この期限を過ぎると即座に性能データが失われるわけではありません。 また,有効期限内の性能データであっても,dataMaxCountに設定した個数,またはWebブラウザのリソースの上限値を超えたデータは削除対象となります。 | 60 |
3 | 問い合わせIDの先頭文字列 | idAddrNameMapping | 問い合わせIDの先頭文字列にあるIPアドレス部分をほかの文字列に置き換えたい場合に指定します。 先頭文字列には,半角英数字(0~9,A~Z(大文字))の組み合わせで15文字以内の文字列を指定します。クライアントにホストのIPアドレスを公開しない場合に指定してください。 この項目を指定する場合の構文を次に示します。
問い合わせIDについては,「9.2.3 問い合わせIDの定義方法」を参照してください。 | - |
4 | クライアント性能フィルタのバッファサイズ | filterSize | クライアント性能フィルタが最低限確保するバッファサイズをバイト単位で指定します。値は,1024~2097152の整数で指定します。 WebアプリケーションのHTMLコンテンツで,<BODY>タグまたは<FRAMESET>タグが現在のバッファサイズよりもあとに設定されて,クライアント性能測定スクリプトが挿入されない場合は,この指定値を大きくしてください。ただし,値を大きくした場合,処理性能が低下します。 | 8192 |
5 | 性能データを保存する個数 | dataMaxCount | Webブラウザ上に保存する性能データの個数を指定します。値は,10~200の整数で指定します。 この値を超える性能データが記録された場合,古い性能データから順番に削除対象として扱われます。削除対象の性能データは,任意のタイミングで削除されます。ただし,実際に削除されるまでは,通常の性能データと同様に扱うことができます。 また,性能データの個数が保存できる上限値以内であっても,dataExpireに設定した有効期限,またはWebブラウザのリソースの上限値を超えたデータは削除対象となります。 | 50 |
6 | クライアント性能モニタを適用しないページの指定 | ignorePages | クライアント性能モニタ機能を適用しないページのパスを指定します。性能データを読み出すアプリケーションを作成した場合,このパスを指定して測定対象から除きます。 通常は指定する必要はありません。 パスには,コンテキストルート以下を指定してください。 複数のパスを指定する場合は,半角セミコロン「;」を区切り文字として指定してください。「;」の前後の空白文字は無視されます。また,最後の「;」は無視されます。
| - |
7 | Webブラウザ側のエラー表示方法の指定 | printErrorBox | Webアプリケーションに埋め込まれたクライアント性能測定スクリプトの実行中にエラーが発生した場合,エラーメッセージをWebブラウザのダイアログボックスに表示するかどうかを指定します。値は,OnまたはOffで指定します。
| Off |
8 | モニタページの表示レベルの指定 | monitorPageEnableLevel | モニタページの表示レベルを指定します。指定した表示レベル以外のモニタページへアクセスした場合は,404 Not Foundが表示されます。値は,Test,MonitorまたはAPIのどれかで指定します。
| Monitor |
9 | 性能データの異常値を検出するのためのしきい値 | warningThreshold | 通信時間,描画時間,応答時間および操作時間のそれぞれの値で,異常値と判定するしきい値をミリ秒単位で指定します。しきい値は,0~86400000の整数で指定します。 しきい値を指定する場合の構文を次に示します。
また,値に0を指定した場合は,しきい値は設定されません。この場合,警告色は表示されません。 | (3000, 3000, 6000, 0) |
10 | 保存するファイル名の最大長 | urlMaxLength | 性能データに記録するURLのファイル名の最大長を指定します。値は,16~64の整数で指定します。通常は指定する必要はありません。 性能データのファイル名が途中で切れてしまう場合は,この指定値を大きくすることで対応できます。ただし,値を大きくした場合は,保存できる性能データの個数が減少します。 | 16 |
(凡例) -:なし