7.14.2 簡易構築定義ファイルでの定義

J2EEサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。メモリセッションフェイルオーバ機能の定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定します。

簡易構築定義ファイルでのメモリセッションフェイルオーバ機能の定義について次の表に示します。

表7-24 簡易構築定義ファイルでのメモリセッションフェイルオーバ機能の定義

項目指定するパラメタ設定内容
グローバルセッション情報を格納するSFOサーバの設定webserver.sfo.sfo_serversHTTPセッションの情報の引き継ぎを行うJ2EEサーバのグローバルセッション情報を格納するSFOサーバの名称※1(セッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名)を指定します。
  • 複数のSFOサーバにグローバルセッション情報を格納する場合
    すべてのSFOサーバの名称(セッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名)を指定します。
  • SFOサーバに対して複数のセッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名を指定する場合
    それぞれのSFOサーバに異なるセッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名を指定してください。複数のSFOサーバに同一のセッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名を指定することはできません。
  • 複数のSFOサーバを指定する場合
    一つ目に指定されたSFOサーバが,Webアプリケーションでの指定が省略された場合にデフォルトで使用するSFOサーバとなります。
webserver.sfo.sfo_server.<セッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名>.namingwebserver.sfo.sfo_serversパラメタに指定したSFOサーバで起動するCORBAネーミングサービスのIPアドレス(またはホスト名)およびポート番号を指定します。
複数のSFOサーバにグローバルセッション情報を格納する場合,それぞれのSFOサーバで起動するCORBAネーミングサービスのIPアドレス(またはホスト名)およびポート番号を指定します。
SFOサーバとの通信タイムアウトの設定webserver.sfo.sfo_server.<セッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名>.connectionTimeoutJ2EEサーバとSFOサーバとの通信タイムアウトを指定します。
複数のSFOサーバにグローバルセッション情報を格納する場合,それぞれのSFOサーバとの通信タイムアウトを指定します。
セッションIDへのサーバIDの付加webserver.session.server_id.enabledHTTPセッションのセッションIDにサーバIDを付加するかどうかを指定します。J2EEサーバ間でHTTPセッションの情報の引き継ぎを行う場合,「true」を指定します。
webserver.session.server_id.value※2HTTPセッションのセッションIDに付加するサーバIDを指定します。
指定するサーバIDは,各J2EEサーバに対して一意な値としてください。HTTPセッションのセッションIDに設定されるサーバIDが,ほかのJ2EEサーバのサーバIDと重複した場合,SFOサーバとのネゴシエーションに失敗し,セッション情報の引き継ぎを行うWebアプリケーションは開始できません。
サーバIDのCookieの付加
(HTTP Cookieを使用する場合)※3
webserver.container.server_id.enabledHTTPセッションを生成したリクエストのレスポンスにサーバIDのCookieを付加するかどうかを指定します。同一セッションのリクエストを,同一のWebコンテナに転送する場合,「true」を指定します。
webserver.container.server_id.nameHTTPセッションを生成したリクエストのレスポンスにサーバIDのCookieを付加する場合に,Cookieの名称を指定します。
Cookieに設定するサーバIDは,サーブレットやJSPで設定するCookieの名称,およびWebコンテナが自動設定するCookieの名称「JSESSIONID」と重複しないように注意してください。
webserver.container.server_id.value※2HTTPセッションを生成したリクエストのレスポンスにサーバIDのCookieを付加する場合に,Cookieの値を指定します。
リクエストラインの最大サイズの設定
(URL書き換えを使用する場合)※1
webserver.connector.inprocess_http.limit.max_request_lineリクエストラインの最大サイズを設定します。
なお,このパラメタはインプロセスHTTPサーバを使用している場合に設定するパラメタです。設定値の算出方法と,Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISを使用している場合の設定個所については,「7.7.5 リクエストラインの最大サイズの設定」を参照してください。
注※1
SFOサーバの名称(セッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名)は,セッション情報の引き継ぎを行うJ2EEサーバとWebアプリケーション間でのSFOサーバの識別に使用する名称です。指定したセッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名にSFOサーバ(論理サーバ)を関連づけて利用します。ここで指定したセッションフェイルオーバ用フィルタのサーバ定義名は,セッション情報の引き継ぎを行うWebアプリケーションの設定で使用します。セッション情報の引き継ぎを行うWebアプリケーションの設定については,「7.12 DDでの定義」を参照してください。
注※2
webserver.session.server_id.valueおよびwebserver.container.server_id.valueのデフォルト値には,サーバ環境の情報が含まれます。この値はクライアントに送信されるため,サーバ環境の情報を含まない値を明示的に指定することをお勧めします。
注※3
新たに負荷分散機を導入して,Webコンテナの機能でCookieによるリクエストの振り分けをする場合,HTTPセッションを生成したリクエストのレスポンスにサーバIDのCookieを付加する機能を有効にして,付加するサーバIDのCookieの名称およびCookieの値を設定します。
既存のアプリケーションで負荷分散機用にCookieの情報を設定している場合などは設定不要です。

簡易構築定義ファイル,および指定するパラメタの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。