3.9.2 スケジュールキュー監視の例

例を使用してスケジュールキュー監視について説明します。

次の内容が設定されていることとします。

この例の場合,システムの処理率が70%を下回るとシステムが停止します。このため,スケジュールキュー滞留監視式「(P/Cn-1) < (M1/100)」の右辺「M1/100」は,70/100=0.7となるため,この例でのスケジュールキュー滞留監視式は次のとおりとなります。

この例のスケジュール滞留監視式
(P/Cn-1) < 0.7

左辺「(P/Cn-1)」の値が0.7未満になると,CTMデーモンが異常終了します。

また,この例では,スケジュールキューの滞留数の最大が50の場合について説明します。このため,スケジュールキューの滞留率60%は,スケジュールキューの滞留数にすると30となります。滞留数が30を超えるとスケジュールキュー監視が開始されます。

図中の監視時点ごとにスケジュールキュー監視について説明します。

C1
C1でのスケジュールキューの滞留数は31で,スケジュールキューの滞留率が60%(滞留数は30)を超えているので,スケジュールキューの滞留監視を開始します。
C2
P(C1からC2までのリクエスト処理数)=22のため,スケジュールキュー滞留監視式の左辺「(P/Cn-1)」の値は次のようになります。
 (P/C1)=22/31=0.7
システムが停止する0.7と同じ値であるため,CTMデーモンは停止しません。
また,C2でのスケジュールキューの滞留数は45で,スケジュールキューの滞留率が60%(滞留数は30)を超えているので,引き続きスケジュールキューの滞留監視を実施します。
C3
P(C2からC3までのリクエスト処理数)=32のため,スケジュールキュー滞留監視式の左辺「(P/Cn-1)」の値は次のようになります。
 (P/C2)=32/45=0.71
システムが停止する0.7を超えているので,CTMデーモンは停止しません。
また,C3でのスケジュールキューの滞留数は35で,スケジュールキューの滞留率が60%(滞留数は30)を超えているので,引き続きスケジュールキューの滞留監視を実施します。
C4
P(C3からC4までのリクエスト処理数)=35のため,スケジュールキュー滞留監視式の左辺「(P/Cn-1)」の値は次のようになります。
 (P/C3)=35/35=1
システムが停止する0.7を超えているので,CTMデーモンは停止しません。
また,C4でのスケジュールキューの滞留数は30で,スケジュールキューの滞留率が60%(滞留数は30)と同じであるため,スケジュールキューの滞留監視は終了します。
C5
P(C4からC5までのリクエスト処理数)=5のため,スケジュールキュー滞留監視式の左辺「(P/Cn-1)」の値は次のようになります。
 (P/C4)=5/30=0.16
システムが停止する0.7未満になっていますが,C5ではスケジュールキューの滞留監視をしていないため,CTMデーモンは停止しません。
C6
C6でのスケジュールキューの滞留数は31で,スケジュールキューの滞留率が60%(滞留数は30)を超えているので,スケジュールキューの滞留監視を開始します。
C7
P(C6からC7までのリクエスト処理数)=2のため,スケジュールキュー滞留監視式の左辺「(P/Cn-1)」の値は次のようになります。
 (P/C6)=2/31=0.06
システムが停止する0.7未満になっているので,CTMデーモンは異常停止します。