7.2.1 処理の概要

メモリセッションフェイルオーバ機能を使用すると,リクエストによるセッションの生成処理が発生したときに,引き継ぎ対象に指定したセッション情報をSFOサーバに冗長化できます。そのため,J2EEサーバまたはWebサーバで障害が発生した場合も,ほかのJ2EEサーバでSFOサーバに格納されているセッション情報を基にセッションを再生成し,正常に業務を続行できます。

なお,SFOサーバで障害が発生した場合は,すべてのセッション情報は削除されます。また,SFOサーバでの障害発生後にリクエストを受け付けた場合は,SFOサーバへのセッション情報の冗長化は実施されません。

セッション情報の格納の流れ,および障害が発生した場合の処理について説明します。

<この項の構成>
(1) セッション情報の格納の流れ
(2) WebサーバまたはJ2EEサーバで障害が発生した場合の処理

(1) セッション情報の格納の流れ

メモリセッションフェイルオーバ機能を使用すると,リクエストによるセッションの作成処理が発生したときに,処理の延長上でセッション情報がSFOサーバに格納されます。

セッション情報の格納の流れを次の図に示します。

図7-1 セッション情報の格納の流れ

[図データ]

Webサーバがクライアントからセッションの作成が必要なリクエストを受け取ると,J2EEサーバでセッションが作成されます(1.)。セッションの作成処理の延長上で,セッション情報が作成され(2.),セッション情報がSFOサーバに格納されます(3.)。

(2) WebサーバまたはJ2EEサーバで障害が発生した場合の処理

WebサーバまたはJ2EEサーバで障害が発生した場合,SFOサーバに格納されているセッション情報を基に,ほかのJ2EEサーバでセッションを再作成し,正常に業務を続行できます。

WebサーバまたはJ2EEサーバで障害が発生した場合の処理について,次の図に示します。

図7-2 WebサーバまたはJ2EEサーバで障害が発生した場合の処理

[図データ]

Webサーバ1/J2EEサーバ1で障害が発生すると,負荷分散機によってWebサーバ2へリクエストが転送されます(1.)。転送先のJ2EEサーバ2でリクエストを処理するとき,リクエストに関連づけられたセッションが存在しないため,SFOサーバからセッション情報を取得して(2.),セッションを再作成します(3.)。

セッションが正常に引き継がれ,障害発生前の状態で業務を続行できます。