J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎを実現するための機能として,データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能があります。それぞれの機能の概要について説明します。また,二つの機能の機能差異についても説明します。
図5-4 データベースセッションフェイルオーバ機能の概要
図5-5 メモリセッションフェイルオーバ機能の概要
データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能ではHTTPセッションの情報の格納先が異なります。そのため,二つの機能には次の表に示す機能差異があります。
表5-2 データベースセッションフェイルオーバ機能とメモリセッションフェイルオーバ機能の機能差異
比較項目 | 機能差異 | |
---|---|---|
データベースセッションフェイルオーバ機能 | メモリセッションフェイルオーバ機能 | |
HTTPセッションの情報の格納先 | データベース | SFOサーバ(メモリ) |
J2EEサーバに障害が発生した際の動作 | 障害発生直前の状態から業務が再開できます。 | 障害発生直前の状態から業務が再開できます。 |
HTTPセッションの情報の格納先に障害が発生した際の動作 | J2EEサーバ上のセッション情報を操作して業務を続行できます。 | システム内のすべてのHTTPセッションが削除され,業務は再開できません。 |
システムの可用性 | データベースセッションフェイルオーバ機能が優れています。 | |
リクエスト処理性能 | メモリセッションフェイルオーバ機能が優れています。 |
メモリセッションフェイルオーバ機能とデータベースセッションフェイルオーバ機能は同時に使用できません。機能差異を踏まえて,システムに適した機能を選択してください。なお,メモリセッションフェイルオーバ機能とデータベースセッションフェイルオーバ機能を同時に有効にする設定をした場合,アプリケーションの開始に失敗します。