インプロセスHTTPサーバは,J2EEサーバのプロセス内で提供されるWebサーバ機能です。
Webサーバを経由しないで,HTTPリクエストをJ2EEサーバのプロセスが直接受信することによって,Webサーバ連携時よりも優れた処理性能でWebサーバの機能を利用できます。このため,性能を重視したシステムでは,インプロセスHTTPサーバを使用することを推奨します。
ただし,Hitachi Web ServerおよびMicrosoft IISと比べて提供機能に差異があるため,機能差異を確認した上で,インプロセスHTTPサーバを使用するかどうか検討してください。また,インプロセスHTTPサーバとWebサーバ連携機能を同時に使用することはできません。システム設計時に,あらかじめどちらの機能を使用するか選択しておく必要があります。選択の指針については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」を参照してください。
なお,インプロセスHTTPサーバを使用する場合,次のことが前提となります。
- インプロセスHTTPサーバは不正アクセスが想定される外部ネットワークからのアクセスが可能なDMZに配置しないで,ファイアウォール内の内部ネットワークに配置する必要があります。インターネットなどの外部ネットワークからアクセスされるシステムでは,DMZにプロキシサーバを配置して,内部ネットワークのインプロセスHTTPサーバに転送するようにシステムを構築する必要があります。インプロセスHTTPサーバを使用する場合のシステム構成については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」を参照してください。
- インプロセスHTTPサーバでは,HTTPだけがサポートされています。HTTPSはサポートされていません。HTTPSを使用する場合,SSLアクセラレータ,またはHitachi Web Serverのリバースプロキシを使用することが前提となります。
- インプロセスHTTPサーバを使用してアクセスできるのは,J2EEサーバ上にデプロイされたWebアプリケーションだけです。なお,静的コンテンツだけをデプロイすることはできませんが,リダイレクトによるリクエストの振り分け,およびエラーページのカスタマイズを実行する場合だけ,Webアプリケーションに含まれない静的コンテンツを指定できます。
インプロセスHTTPサーバの設定は,J2EEサーバのプロパティをカスタマイズして設定します。J2EEサーバの動作設定のカスタマイズについては,「4.2.3 実行環境での設定(J2EEサーバの設定)」を参照してください。
- ポイント
- インプロセスHTTPサーバは,デフォルトでは使用しない設定になっています。