付録C.1 Microsoft IIS 6.0の設定

ここでは,Microsoft IISを使用してWebサーバと連携する場合のMicrosoft IIS 6.0の設定方法について説明します。

J2EEサーバとMicrosoft IIS 6.0との連携は,次に示す手順で設定します。

  1. 仮想ディレクトリの作成
  2. Webサーバの認証機能の解除
  3. ISAPIフィルタの設定
  4. Webサービス拡張の設定
  5. WWWサービスの起動と動作確認
<この項の構成>
(1) 仮想ディレクトリの作成
(2) Webサーバの認証機能の解除
(3) ISAPIフィルタの設定
(4) Webサービス拡張の設定
(5) リダイレクタのログ出力先ディレクトリへのアクセス権の設定
(6) WWWサービスの起動と動作確認
(7) ほかのフィルタと共存させる場合の注意事項

(1) 仮想ディレクトリの作成

「hitachi_ccfj」という名称の仮想ディレクトリを作成します。仮想ディレクトリの作成の手順を次に示します。

  1. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]-[管理ツール]から,インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを起動します。
  2. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャの左側ツリービューの「Webサイト」の下にある「既定のWebサイト」を右クリックし,表示されるメニューから[新規作成]-[仮想ディレクトリ]を選択します。

    [図データ]

  3. 仮想ディレクトリの作成ウィザードダイアログが表示されたら,[次へ]ボタンをクリックします。
    [仮想ディレクトリ エイリアス]画面が表示されます。
  4. 「エイリアス」欄に「hitachi_ccfj」と入力します。
  5. [次へ]ボタンをクリックします。
    ディレクトリの物理パスを入力する画面が表示されます。
  6. isapi_redirect.dllが格納されているディレクトリ(デフォルトは,<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector)を指定します。
  7. [次へ]ボタンをクリックします。
    仮想ディレクトリのアクセス許可を設定する画面が表示されます。
  8. 「ISAPIアプリケーションやCGIなどを実行する」をチェックします。
  9. [次へ]ボタンをクリックして終了します。
  10. 仮想ディレクトリ「hitachi_ccfj」を右クリックし,メニューから「プロパティ」を選択します。
    プロパティダイアログが表示されます。

(2) Webサーバの認証機能の解除

Webコンテナの認証機能を使用する場合,次に示すWebサーバの認証機能の解除が必要になります。

ダイジェスト認証,統合Windows認証,およびPassport認証を解除する手順を次に示します。

  1. 「hitachi_ccfj」のプロパティダイアログで,[ディレクトリ セキュリティ]タブを選択します。
  2. 「認証とアクセス制御」の[編集]ボタンをクリックします。
    [認証方法]画面が表示されます。
  3. [認証方法]画面で,「Windowsドメインサーバーでダイジェスト認証を使用する」のチェックを外し,ダイジェスト認証を解除します(必須)。
    Webコンテナの認証機能の使用の有無に関係なく,ダイジェスト認証は必ず解除してください。
  4. [認証方法]画面で,「統合Windows認証」のチェックを外し,統合Windows認証を解除します(任意)。
    WebコンテナのBasic認証を設定している場合は,必ず解除してください。
  5. [認証方法]画面で,「.NET パスポート認証」のチェックを外し,Passport認証を解除します(任意)。
    Webコンテナが管理するリソースへアクセスする場合は解除してください。
  6. [OK]ボタンをクリックして各ウィンドウを閉じます。

(3) ISAPIフィルタの設定

ISAPIフィルタの設定の手順を次に示します。

  1. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャの左側ツリービュー内の「Webサイト」を右クリックし,表示されるメニューから「プロパティ」を選択します。

    [図データ]

  2. [Webサイトのプロパティ]画面が表示されたら,[ISAPIフィルタ]タブを選択します。
  3. [追加]ボタンをクリックします。
    [フィルタのプロパティの追加と編集]画面が表示されます。
  4. フィルタ名に「hitachi_ccfj」,実行可能ファイルに「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥isapi_redirect.dll」を指定します。
  5. [OK]ボタンをクリックします。
    [Webサイトのプロパティ]画面が表示されます。
  6. フィルタ名に「hitachi_ccfj」が登録されたのを確認して,[適用]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  7. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを終了します。
    注意
    ISAPIフィルタを追加すると,「hitachi_ccfj」の優先順位に「*不明*」と表示されますが,動作に問題はありません。初回リクエスト処理後に,isapi_redirect.conf(Microsoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル)のfilter_priorityキーで指定した優先順位が表示されます。

(4) Webサービス拡張の設定

Webサービス拡張の設定の手順を次に示します。

  1. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャの左側ツリービュー内の[Webサービス拡張]を選択します。
    右側のビューに,Webサービス拡張状態の一覧が表示されます。
  2. Webサービス拡張状態の一覧から「すべての不明なISAPI拡張」を右クリックし,表示されるメニューから「許可」を選択します。

    [図データ]

(5) リダイレクタのログ出力先ディレクトリへのアクセス権の設定

Microsoft IISと連携する場合,リダイレクタの実行アカウントは「NetworkService」となります。このため,リダイレクタのログ出力先ディレクトリのアクセス権に,Usersグループに対する書き込み権限を付加しておく必要があります。エクスプローラから,リダイレクタのログ出力先ディレクトリにアクセス権を設定してください。

なお,新規インストール時には,デフォルトの状態ではリダイレクタのログ出力先ディレクトリ(<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥web¥redirector¥logs)がありません。このため,logsディレクトリを作成してアクセス権を設定するか,または一つ上のディレクトリ(redirectorディレクトリ)にアクセス権を設定してください。

また,リダイレクタのログ出力先ディレクトリを変更している場合に,指定しているパスが途中までしか存在しないときは,存在する最下層のディレクトリに対してアクセス権を設定するか,または指定したパスに対応するディレクトリをすべて作成して,最下層のディレクトリにアクセス権を設定してください。

(6) WWWサービスの起動と動作確認

Microsoft IISのWWWサービスの起動と動作確認の手順を次に示します。

  1. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]-[管理ツール]から,[サービス]を選択します。
    サービス一覧が表示されます。
  2. サービス一覧の中から「World Wide Web Publishing Service」を選択します。
  3. [サービスの開始]アンカーをクリックします。
    WWWサービスが再起動します。

(7) ほかのフィルタと共存させる場合の注意事項

Microsoft IISが受信したリクエストが,Webコンテナに転送するリクエストの場合,Microsoft IIS用リダイレクタはISAPIフィルタ内で使用するリクエストURL情報を変更します。そのため,Microsoft IIS用リダイレクタよりあとに実行されるISAPIフィルタでは,Microsoft IISが受信したリクエストURLを取得できません。Microsoft IISが受信したリクエストURLをフィルタで取得する場合は,Microsoft IIS用リダイレクタよりも順番が先になるように設定してください。順番を調整するために,Microsoft IIS用リダイレクタの優先順位を「中」または「低」に変更する必要がある場合は,isapi_redirect.conf(Microsoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル)のfilter_priorityキーで指定します。isapi_redirect.conf(Microsoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル)のfilter_priorityキーの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。