5.1.5 JSP実装時の注意事項

JSPを実装するときの注意事項を示します。

<この項の構成>
(1) includeディレクティブ利用時の注意
(2) タグライブラリ利用時の注意
(3) <%=%>タグ記述時の注意
(4) URL指定とマッピング定義によるアクセスについて
(5) <jsp:plugin>タグ利用時の注意
(6) JSPドキュメント内のversion属性について
(7) taglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングについて
(8) JSPで動的なページをインクルードする場合の注意
(9) TLDファイルでのDOCTYPE宣言への内部サブセットの記述について
(10) JSPドキュメントおよびXML形式のタグファイルでの外部サブセットURIの指定について
(11) javax.servlet.ServletRequestオブジェクトのjavax.servlet.jsp.jspException属性の値について
(12) TLDファイルのバージョンに関する注意事項
(13) JSPでサポートしている文字エンコーディングについて

(1) includeディレクティブ利用時の注意

(2) タグライブラリ利用時の注意

(3) <%=%>タグ記述時の注意

JSPで<%= %>タグを使用する場合は,その中に「;(セミコロン)」が入らないようにしてください。セミコロンが入っている場合,JSPコンパイルでエラーとなります。

(4) URL指定とマッピング定義によるアクセスについて

直接JSPファイルのパスをURL指定してアクセスする場合とマッピング定義されたURLでアクセスする場合には,それぞれ別々のインスタンスが生成されます。したがって,jspInitメソッドがそれぞれのインスタンスで実行されることに注意してください。なお,<load-on-startup>タグで起動時にロードされるように指定した場合,起動時にロードされるインスタンスは,マッピング定義されたURLでアクセスするものと同じになります。

(5) <jsp:plugin>タグ利用時の注意

JSPページで,pluginアクションまたはJSPドキュメントでの<jsp:plugin>タグのcode属性は必ず指定してください。省略した場合はコンパイルエラーとなります。

(6) JSPドキュメント内のversion属性について

JSPドキュメントでは,<jsp:root>タグの属性として,使用するバージョン情報を記述できます。しかし,JSPで使用できる機能範囲は,該当するJSPを含むWebアプリケーションのweb.xmlのバージョン情報に従います。

例えば,<jsp:root version="1.2">と記述しているJSPドキュメントであっても,JSP 2.0仕様で追加されたJSP ELを使用できます。

(7) taglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングについて

taglibディレクティブのuri属性で指定するURIは,JSP仕様によって次に示すどれかの方法でマッピングします。同じURIを異なるTLDファイルにマッピングすることはできません。URIが重複した場合は,次に示す番号順を優先順位とし,優先順位の高いマッピングが有効になります。

  1. JSTLおよびJSFのURIの暗黙マッピング(Servlet 2.5仕様以降のWebアプリケーション)
  2. web.xmlの<taglib>要素の<taglib-uri>要素で指定したURIと,<taglib-location>要素で指定したTLDファイルのマッピング
  3. Webアプリケーション内のTLDファイルの<uri>要素で指定したURIと,そのTLDファイル自身のマッピング
  4. ライブラリJAR(cjjspcコマンドの場合は-classpathオプションで指定したJARファイル)の/META-INFディレクトリ以下に格納されたTLDファイルの<uri>要素で指定したURIと,そのTLDファイル自身のマッピング

次に,2.~4.までのURIとTLDファイルのマッピングする場合のディレクトリ構成とファイルの記述例を示します。

(a) web.xmlの<taglib>要素の<taglib-uri>要素で指定したURIと,<taglib-location>要素で指定したTLDファイルのマッピング(2.の場合)

2.の場合のディレクトリ構成とファイルの記述例について説明します。

2.の場合,TLDファイルはWebアプリケーション内に格納されています。2.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。

図5-3 ディレクトリ構成(2.の場合)

[図データ]

このディレクトリ構成の場合のtaglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングを次の図に示します。

図5-4 URIとTLDファイルのマッピング(2.の場合)

[図データ]

図中のデータの対応について説明します。

  1. タグのプリフィックスにtaglibディレクティブで指定したプリフィックスを指定します。
  2. TLDファイルの<name>要素で指定した値を,JSPファイルのプリフィックスと対応づけます。
  3. web.xmlの<taglib-uri>要素で,JSPファイルのtaglibディレクティブで指定したuriを指定します。
  4. web.xmlの<taglib-location>要素で,マッピングするTLDファイル名を指定します。
(b) TLDファイルの<uri>要素で指定したURIと,そのTLDファイル自身をマッピングする場合

3.または4の場合のディレクトリ構成とファイルの記述例について説明します。

3.の場合,TLDファイルはWebアプリケーション内に格納されています。3.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。

図5-5 ディレクトリ構成(3.の場合)

[図データ]

4.の場合,TLDファイルはライブラリJARの/META-INFディレクトリ以下に格納されています。4.の場合のディレクトリ構成の例を次に示します。

図5-6 ディレクトリ構成(4.の場合)

[図データ]

3.または4.の場合のディレクトリ構成でのtaglibディレクティブのuri属性で指定するURIとTLDファイルのマッピングを次の図に示します。

図5-7 TLDファイルの<uri>要素で指定したURIと,そのTLDファイル自身のマッピング(3.または4.の場合)

[図データ]

図中のデータの対応について説明します。

  1. タグのプリフィックスにtaglibディレクティブで指定したプリフィックスを指定します。
  2. TLDファイルの<name>要素で指定した値を,JSPファイルのプリフィックスと対応づけます。
  3. TLDファイルの<url>要素で,JSPファイルのtaglibディレクティブで指定したuriを指定します。

 

URIの重複が検出された場合,次のメッセージがWebアプリケーション単位で出力され,該当するマッピングは無視されます。

表5-18 URI重複時に出力されるメッセージと出力条件

メッセージID出力条件
KDJE39314-W
J2EEサーバモード,サーブレットエンジンモード,またはcjjspcコマンドの場合
TLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,web.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。
cjjsp2javaコマンドの場合
TLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,コマンド引数-taglibに指定したuriの内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。
KDJE39315-WTLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,ほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。
KDJE39316-Wweb.xmlに指定した<taglib>要素の内容と重複する<taglib-uri>要素を持つほかの<taglib>要素が指定されている場合に出力されます。
KDJE39325-Wweb.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容が,Java EE仕様のタグライブラリ(JSTL, JSF)のURIと重複したときに出力されます。
KDJE39326-WライブラリJAR(cjjspcコマンドの場合は-classpathオプションで指定したJARファイル)に格納されたTLDファイルの<uri>要素の内容が,web.xmlの<taglib-uri>要素の内容,またはほかのTLDファイルで記述した<uri>要素の内容と重複したときに出力されます。

(8) JSPで動的なページをインクルードする場合の注意

JSPで,JSPやサーブレットなどの動的なページをインクルードする場合は,javax.servlet.RequestDispatcherのincludeメソッドを使用しないで,includeアクションを使用してください。

(9) TLDファイルでのDOCTYPE宣言への内部サブセットの記述について

TLDファイル(タグライブラリ・ディスクリプタ)で,DOCTYPE宣言に内部サブセットを記述しないでください。

タグの要素拡張またはタグライブラリの要素拡張でxsi:schemaLocation属性に指定するURIは絶対URIだけ指定できます。タグの要素拡張またはタグライブラリの要素拡張以外の目的で,Java EE仕様で定められたDTD/XMLスキーマ以外を参照しないでください。

(10) JSPドキュメントおよびXML形式のタグファイルでの外部サブセットURIの指定について

DOCTYPE宣言を指定する場合,外部サブセットURIには絶対URIだけ指定できます。また,XML1.0仕様で定義された外部エンティティ参照をする場合,外部エンティティ宣言に指定するURIには絶対URIだけ指定できます。相対URIを指定した外部サブセットおよび外部エンティティは参照できません。

(11) javax.servlet.ServletRequestオブジェクトのjavax.servlet.jsp.jspException属性の値について

JSPファイルで例外をスローした場合,pageディレクティブのerrorPage属性でエラーページを指定しているとき,例外がjavax.servlet.ServletRequestオブジェクトのjavax.servlet.jsp.jspException属性に設定されるとJSP仕様に記述されていますが,pageディレクティブのerrorPage属性でエラーページを指定しない場合も設定されます。

(12) TLDファイルのバージョンに関する注意事項

07-00以降のバージョンでは,JSPトランスレーション時にTLDファイルのバージョン(TLDファイルが対応するJSPのバージョン)をチェックします。そのため,TLDファイルのバージョンが,Webアプリケーションのバージョンに対応しているJSPおよびTLDファイルのバージョンより上位のJSPの場合,JSPトランスレーションでエラーになります。また,JSP 1.2,およびJSP 2.0仕様以降では,TLDファイルにスキーマ言語を定義する必要があります。

TLDファイルのバージョンは,TLDファイルに記述されたスキーマ言語から判定します。ただし,スキーマ言語が定義されていない場合は,Webアプリケーションのバージョンから判定します。

TLDファイルにスキーマ言語を定義していない場合のTLDファイルのバージョンを次の表に示します。

表5-19 スキーマ言語未定義時のTLDファイルのバージョン

WebアプリケーションのバージョンTLDファイルのバージョン
2.21.1
2.31.2
2.42.0
2.52.1

(13) JSPでサポートしている文字エンコーディングについて

ここでは,JSPファイル,およびタグファイルで使用できる文字エンコーディングについて説明します。

(a) JSPページの場合

JSPページで使用できる文字エンコーディングと,文字エンコーディングの指定方法について次に示します。

(b) JSPドキュメントの場合(Servlet 2.4仕様以降に準拠したWebアプリケーションの場合)

Servlet 2.4仕様以降に準拠したWebアプリケーション内のJSPドキュメントで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。

注※ Cosminexus XML Processorがサポートしている文字エンコーディングについては,マニュアル「Cosminexus XML Processor ユーザーズガイド」の「1.3.2 処理できる文字コード」を参照してください。

(c) JSPドキュメントの場合(Servlet 2.3仕様に準拠したWebアプリケーションの場合)

Servlet 2.3仕様に準拠したWebアプリケーション内のJSPドキュメントで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。

(d) 標準シンタックスのタグファイルの場合

標準シンタックスのタグファイルで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法について次に示します。

(e) XMLシンタックスのタグファイルの場合

XMLシンタックスのタグファイルで使用できる文字エンコーディングと,使用する文字エンコーディングの指定方法を示します。

注※ Cosminexus XML Processorがサポートしている文字エンコーディングについては,マニュアル「Cosminexus XML Processor ユーザーズガイド」の「1.3.2 処理できる文字コード」を参照してください。

(f) デフォルトの文字エンコーディング

JSPファイル,またはタグファイルに文字エンコーディングを明示的に指定しない場合,デフォルトの文字エンコーディングでJSPを処理します。

なお,この場合も,デフォルトの文字エンコーディングと,タグファイルで使用する文字エンコーディングは,必ず一致するようにしてください。デフォルトの文字エンコーディングについて,ServletおよびJSPの仕様ごとに次の表に示します。

表5-20 デフォルトの文字エンコーディング

仕様JSPページJSPドキュメント標準シンタックスのタグファイルXMLシンタックスのタグファイル
Servlet 2.2/ JSP1.1ISO-8859-1ISO-8859-1
Servlet 2.3/ JSP 1.2ISO-8859-1ISO-8859-1
Servlet 2.4/ JSP 2.0ISO-8859-1UTF-8ISO-8859-1UTF-8
Servlet 2.5/ JSP 2.1ISO-8859-1UTF-8ISO-8859-1UTF-8

(凡例)-:該当しない


デフォルトの文字エンコーディングは,デフォルトの文字エンコーディング設定機能を使用しても設定できます。詳細については,「2.6 デフォルトの文字エンコーディング設定機能」を参照してください。