JP1/IMの統合スコープでは,監視ツリーを使用してシステムを監視します。監視ツリーは,JP1/IMの機能を使用して,自動生成できます。
Cosminexusシステムを集中監視する場合,次の2種類の監視ツリーが自動生成できます。これによって,JP1/IMと連携したCosminexusシステムを含んだシステム全体の障害監視が容易に実現できるようになります。
なお,監視ツリーは,運用開始前にあらかじめ自動生成しておきます。
監視ツリーの自動生成の設定については,「14.4.1 監視ツリーの自動生成の設定」を参照してください。
業務指向ツリーとは,Cosminexusシステム上で稼働しているJ2EEアプリケーションを主体に構成されている監視ツリーです。どの業務で問題が発生しているのか,業務の視点で障害が監視できるようになります。
業務指向ツリーの構成を次に示します。初期表示は,「Cosminexus運用管理グループ」ノードまでが展開された状態になります。
図14-3 業務指向ツリーの構成
業務指向ツリーの各ノードについて説明します。
表14-3 業務指向ツリーのノード
ノード名※1※2 | 説明 | ||
---|---|---|---|
業務 | 業務指向ツリーのルートノードです。 | ||
AJS2マネージャグループ | JP1/AJS用のルートノードです。 | ||
Cosminexus運用管理グループ | Cosminexus用のルートノードです。 | ||
Cosminexus運用管理ホスト<運用管理ホスト名> | Cosminexus運用管理ホストの監視グループです。運用管理ホストの名称が表示されます。 | ||
<Cosminexus運用管理ドメイン名> | Cosminexus運用管理ドメインの監視グループです。運用管理ドメインの名称が表示されます。 | ||
<業務J2EEアプリケーション名>※3 | 業務に対応する監視グループです。J2EEアプリケーション(EAR)のプロパティであるDisplay Nameプロパティの値が表示されます。統合スコープから,わかりやすい業務名に必要に応じて変更できます。 | ||
<Cosminexus運用管理エージェントホスト名> | 論理サーバが稼働するホストの監視グループです。Cosminexusの運用管理エージェントが配置されているホストのホスト名が表示されます。 | ||
業務サービス | (JP1/IMで管理しているほかの業務指向ツリーと階層を合わせるためのノードです)。 | ||
Cosminexus業務サービス | (サーバ指向ツリーを使用する場合にJP1/AJS2の監視ノードと区別するためのノードです)。 | ||
論理サーバ監視 | 論理サーバに対応する監視グループです。論理サーバを監視するWebサーバ,およびAPサーバの監視グループは,このノードの下に配置されます。 | ||
Webサーバ※3 | Webサーバに対応する監視グループです。Webサーバを監視するオブジェクトは,このノード下に配置されます。 | ||
<Webサーバ名>監視※3 | Webサーバの障害監視オブジェクトです。 該当するWebサーバに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
APサーバ | アプリケーションサーバの監視グループです。Webサーバ以外を監視するオブジェクトは,このノード下に配置されます。 | ||
J2EEサーバ<論理サーバ名>監視 | J2EEサーバまたはバッチサーバの障害監視オブジェクトです(バッチサーバの場合も「J2EEサーバ」と表示されます)。 J2EEアプリケーションが稼働しているJ2EEサーバの表示名,またはバッチサーバの表示名が表示されます。 該当するJ2EEサーバまたはバッチサーバで障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。なお,J2EEサーバの場合,該当するJ2EEアプリケーションが1ホスト内の複数のJ2EEサーバに配置されている場合,この監視オブジェクトは複数生成されます。 | ||
ネーミングサービス<論理サーバ名>監視※3 | ネーミングサービスの障害監視オブジェクトです。J2EEサーバに関連するネーミングサービスの表示名が表示されます。 該当するネーミングサービスに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
スマートエージェント<論理サーバ名>監視※3 | スマートエージェントの障害監視オブジェクトです。同じ監視グループ内のOTSやCTMに関連するスマートエージェントの表示名が表示されます。 該当するスマートエージェントに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
CTMドメインマネジャ名<論理サーバ名>監視※3 | CTMドメインマネジャの障害監視オブジェクトです。J2EEサーバに関連するCTMドメインマネジャの表示名が表示されます。 該当するCTMドメインマネジャに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
CTM<論理サーバ名>監視※3 | CTMの障害監視オブジェクトです。J2EEサーバに関連するCTMの表示名が表示されます。 該当するCTMに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
パフォーマンストレーサ<論理サーバ名>監視 | パフォーマンストレーサの障害監視オブジェクトです。J2EEサーバに関連するパフォーマンストレーサの表示名が表示されます。 該当するパフォーマンストレーサに障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
SFOサーバ<論理サーバ名>監視※3 | SFOサーバの障害監視オブジェクトです。SFOサーバの表示名が表示されます。 該当するSFOサーバで障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。 | ||
J2EEアプリケーション監視※3※4 | J2EEアプリケーションの監視グループです。J2EEアプリケーションを監視するオブジェクトはこのノードの下に配置されます。 | ||
<論理サーバ名><J2EEアプリケーション名>監視※3 | J2EEサーバ内のJ2EEアプリケーション監視オブジェクトです。J2EEサーバのサーバ名とJ2EEアプリケーション名が表示されます。 該当するJ2EEサーバ内のJ2EEアプリケーションで障害が発生すると,この監視オブジェクトの状態が変わります。なお,この監視オブジェクトは,各J2EEサーバ内のJ2EEアプリケーションの数だけ生成されます。 | ||
ミドル | ミドル製品用の監視グループです。ミドル製品のリソースを監視するオブジェクトです。 |
注※1 < >で囲まれている名称は,環境に応じて設定される名称です。
注※2 各ノードの名称は,統合スコープ上で任意の名称に変更できます。
注※3 バッチサーバの場合,該当しません。
注※4 J2EEアプリケーション監視をするには,監視ツリーの自動生成で取得する内容にアプリケーション情報を含めるかどうかの設定(mngsvrutil.compat.monitoring_tree)が必要です。また,J2EEサーバが起動されていることが前提となります。
サーバ指向ツリーとは,サーバマシン(ホスト)を主体に構成されている監視ツリーです。どのホストで問題が発生しているのか,ホストの視点で障害が監視できるようになります。
サーバ指向ツリーの構成を次に示します。初期表示は,「管理ホスト<IMマネージャ>」ノードまでが展開された状態になります。なお,IM構成ホストとは,JP1/IMマネジャホストまたはエージェントホストのことです。
図14-4 サーバ指向ツリーの構成
監視ツリーの自動生成処理の流れについて説明します。
JP1/IM - Viewで表示した統合スコープのビューアーから監視ツリーの自動生成を実行すると,JP1/IMからJP1/Baseを介してアダプタコマンドが実行されます。アダプタコマンドとは,監視ツリーの自動生成に使用する定義情報を収集するために,JP1/Baseによって実行されるコマンドです。あらかじめJP1/Baseに登録しておく必要があります。
Cosminexusシステムに対してアダプタコマンドが実行されると,Cosminexus運用管理コマンド(mngsvrutil)が実行されます。J2EEアプリケーションを実行しているシステムでは,J2EEアプリケーションやJ2EEサーバ,Webサーバなどの構成情報が取得されます。バッチアプリケーションを実行しているシステムでは,バッチサーバ,パフォーマンストレーサなどの構成情報が取得されます。
JP1/IMでは,それぞれのアダプタコマンドによって取得された情報を基に,監視ツリーの自動生成が実行されます。