ここでは,テストモードでのJ2EEアプリケーションの運用について説明します。
J2EEアプリケーションを新しく登録する場合や,すでに動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替えるとき,本番運用を開始する前に,本番環境で問題なく動作することを確認したいことがあります。このような場合にテストモードを使用します。
テストモードでの運用は,J2EEアプリケーション単位で実行できます。テストモードから本番運用時のモード(通常モード)に変更する場合,J2EEアプリケーションの設定やカスタマイズをし直す必要はありません。また,一つの本番環境で表示名が同じJ2EEアプリケーションを,通常モードとテストモードで同時に開始できます。これによって,既存のJ2EEアプリケーションでクライアントにサービスを提供しながら,入れ替える予定のJ2EEアプリケーションの動作を同じ環境で確認できます。
テストモードで運用できるのは,J2EEアプリケーションだけです。J2EEアプリケーション内でDB Connectorなどのリソースアダプタを使用する場合は,本番時に使用するものを使用してください。また,Webサーバ上の静的コンテンツについても,本番用に構築したWebサーバ上に配置して使用してください。
J2EEアプリケーションのテストモードでの動作確認には,サーバ管理コマンドを使用します。
テストモードで動作中のJ2EEアプリケーションに対してできる操作を次に示します。
Management Serverでは,J2EEアプリケーションをテストモードでインポートして動作確認することはできません。ただし,次の場合には,Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)で,テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションの稼働情報が参照できます。
運用管理コマンド(mngsvrutil)では,テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションを操作できません。テストモードでJ2EEアプリケーションを操作したい場合は,サーバ管理コマンドを実行してください。ただし,テストモードの場合も,運用管理コマンドで稼働情報を出力できます。
なお,J2EEアプリケーションのモードが,サーバ管理コマンドでテストモードに変更された場合,運用管理コマンドにサブコマンド「get」を指定して取得したJ2EEアプリケーションの稼働情報のfullyQualifiedNameに,「_TEST」という文字列が付いて出力されます。
テストモードで実行できるサーバ管理コマンドを示します。
表5-28 テストモードで実行できるサーバ管理コマンド
コマンド | テストモードでの動作 | 参照先マニュアル | 参照個所 |
---|---|---|---|
cjchmodapp | テストモードでインポートしたJ2EEアプリケーションのモードを通常モードに切り替えられます。また,通常モードでインポートしたJ2EEアプリケーションのモードをテストモードに切り替えられます。 | Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編 | cjchmodapp(アプリケーションのモード切り替え) |
cjdeleteapp | テストモードのJ2EEアプリケーションを削除できます。 | cjdeleteapp(J2EEアプリケーションの削除) | |
cjgetappprop | テストモードのJ2EEアプリケーションのアプリケーション属性,WAR属性およびEJB-JAR属性を取得できます。 | cjgetappprop(アプリケーションの属性の取得) | |
cjgetstubsjar | テストモードのJ2EEアプリケーションからRMI-IIOPスタブおよびインタフェースを取得できます。 | cjgetstubsjar(アプリケーションのRMI-IIOPスタブおよびインタフェースの取得) | |
cjimportapp | J2EEアプリケーションをテストモードでインポートできます。インポートは,実行時情報を含む形式(ZIPファイル)または実行時情報を含まない形式(EARファイル)のどちらも実行できます。 | cjimportapp(J2EEアプリケーションのインポート) | |
cjlistapp | J2EEサーバに含まれるすべてのJ2EEアプリケーションのうち,テストモードのJ2EEアプリケーションの一覧を表示できます。また,テストモードのJ2EEアプリケーションに含まれるWARファイルおよびEJB-JARファイルの一覧を表示できます。 | cjlistapp(アプリケーションの一覧表示) | |
cjlistthread | テストモードのJ2EEアプリケーションのスレッド一覧を表示できます。 | cjlistthread(スレッド情報の表示) | |
cjreplaceapp | テストモードのJ2EEアプリケーションをリデプロイできます。 | cjreplaceapp(アプリケーションの入れ替え) | |
cjreloadapp | テストモードのJ2EEアプリケーションをリロードできます。 | cjreloadapp(アプリケーションのリロード) | |
cjsetappprop | テストモードのJ2EEアプリケーションのアプリケーション属性,WAR属性およびEJB-JAR属性を設定できます。 | cjsetappprop(アプリケーションの属性設定) | |
cjstartapp | J2EEアプリケーションをテストモードで開始できます。 | cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始) | |
cjstopapp | テストモードで開始したJ2EEアプリケーションを停止できます。 | cjstopapp(J2EEアプリケーションの停止) | |
cjstopthread | テストモードのJ2EEアプリケーションに対してメソッドキャンセルを実行できます。 | cjstopthread(スレッドの削除) |