リソース枯渇監視機能を使用できるのは,J2EEサーバ,バッチサーバまたはSFOサーバです。J2EEサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,HTTPリクエスト実行待ちキュー,セッション数,およびコネクションプールです。バッチサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,およびコネクションプールです。SFOサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプです。なお,Windows,AIXでは,ファイルディスクリプタは監視できません。また,Linuxではスレッド数を監視できません。
リソース枯渇監視機能を使用する場合,次の設定が必要です。
J2EEサーバの設定は,簡易構築ファイルで実施します。リソース枯渇監視機能の定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に指定します。なお,バッチサーバ単位での設定の場合,簡易構築定義ファイルのバッチサーバ用のユーザプロパティに設定します。
簡易構築定義ファイルでのリソース枯渇監視機能の定義には,次の二つがあります。
簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.enabledパラメタでリソース枯渇監視機能を使用するかどうかを指定します。デフォルトの設定では,リソース枯渇監視機能の使用が有効になっていて,すべてのリソースが監視されるようになっています。なお,リソース枯渇監視機能を無効にしたい場合には,ejbserver.watch.enabledパラメタにfalse(リソース枯渇監視機能を無効にする)を指定してください。
簡易構築定義ファイルでのリソース種別ごとの監視の定義について次の表に示します。
表4-4 簡易構築定義ファイルでのリソース枯渇監視機能の定義
リソース種別 | 指定するパラメタ | 設定内容 |
---|---|---|
メモリ |
| J2EEサーバ単位,バッチサーバ単位,またはSFOサーバ単位で,メモリ監視の設定をします。 メモリ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 また,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※1※2 |
ファイルディスクリプタ |
| J2EEサーバ単位,バッチサーバ単位,またはSFOサーバ単位で,ファイルディスクリプタ監視の設定をします。 ファイルディスクリプタ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 また,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
スレッド数 |
| J2EEサーバ単位またはSFOサーバ単位で,スレッド数監視の設定をします。 スレッド数監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 また,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
スレッドダンプ |
| J2EEサーバ単位,バッチサーバ単位,またはSFOサーバ単位で,スレッドダンプ監視の設定をします。 スレッドダンプ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 また,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
HTTPリクエスト実行待ちキュー |
| J2EEサーバ単位で,デフォルトの実行待ちキューの場合のHTTPリクエスト実行待ちキュー監視の設定をします。 HTTPリクエスト実行待ちキュー監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 また,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
セッション数 | - | J2EEサーバ単位で,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
コネクションプール | - | J2EEサーバ単位,またはバッチサーバ単位で,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
(凡例) -:なし
注※1 メモリ監視をする場合は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内で,JavaVM起動パラメタを定義します。JavaVM起動パラメタには,-XX:PermSizeと-XX:MaxPermSizeを指定し,メモリサイズは同じにすることをお勧めします。メモリサイズに異なる値を指定した場合,Permanent領域の領域拡張でもアラートが出力されることがあります。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。
また,フルガーベージコレクションの予兆検知をするためには,JavaVMのOld領域,New領域のサイズをチューニングする必要があります。
注※2 リソース枯渇監視ログファイルのファイルの面数,サイズは,簡易構築定義ファイルの次に示すパラメタで指定します。
これらのパラメタの監視リソース名には,リソース種別ごとのチャネル名を指定します。
簡易構築定義ファイル,および指定するパラメタの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
リソースアダプタ単位でコネクションプール監視の設定をします。リソースアダプタのプロパティ設定は,サーバ管理コマンドおよびConnector属性ファイルで実施します。
Connector属性ファイルの<property-name>タグとして指定する<WatchEnabled>,<WatchThreshold>,<WatchInterval>,<WatchWriteFileEnabled>タグで,コネクションプール監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。
指定するタグの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
サーバ管理コマンドおよびConnector属性ファイルでのリソースアダプタのプロパティの設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3.3.1 J2EEリソースのプロパティの設定手順」を参照してください。
実行環境でのJ2EEアプリケーションの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルで実施します。リソース枯渇監視機能の定義には,WAR属性ファイルを使用します。
WAR属性ファイルで指定するタグは,cosminexus.xmlと対応しています。cosminexus.xmlでの定義については,「4.3.2 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。