ここでは,Microsoft Cluster Serviceと連携する場合の,システムの構成例とシステムの設定手順について説明します。
N:1リカバリシステムの構成例を次の図に示します。なお,以降の項では,このシステムの構成例を使用したシステムの構築例を示します。
図21-3 システムの構成例(N:1リカバリシステムの場合)
この例では,4台の実行系サーバと1台のリカバリ専用サーバを配置しています。4台の実行系のうち,3台の実行系では,同じJ2EEサーバ名で同じJ2EEアプリケーションとリソースアダプタがデプロイされている「MyServer」というJ2EEサーバを配置しています。残りの1台の実行系では,J2EEサーバ名や,デプロイされているJ2EEアプリケーションとリソースアダプタが異なる「MyServer2」というJ2EEサーバを配置しています。
N:1リカバリ構成の場合,一つのクラスタ内に複数の仮想ホストを構築します。仮想ホストは実行系ノードとリカバリ専用ノードの組で構成し,J2EEサーバをクラスタ構成で配置します。N:1リカバリ構成の場合,J2EEサーバはクラスタ内ではなく,仮想ホスト内で動作します。このため,仮想ホストのIPアドレスおよびホスト名を設定してください。
仮想ホストは一つのリソースグループとして定義され,「物理ディスクリソース」,「IPアドレスリソース」,「ネットワークリソース名」,「汎用スクリプトリソース」が仮想ホストに含まれます。ここでのリソースグループの例を次の図に示します。
図21-4 リソースグループの例
アプリケーションサーバをクラスタ構成に配置するためには,エイリアスIPアドレスを設けて,稼働中のノードがエイリアスIPアドレスを引き継ぐことで,クライアントがクラスタ内のノードを意識しないようにします。N:1リカバリ構成の場合,エイリアスIPアドレスは,仮想ホストのIPアドレスとなります。
待機系のJ2EEサーバには,実行系のJ2EEサーバで使用しているすべてのリソースアダプタと同じ設定のリソースアダプタをインポート,およびデプロイしてください。
Microsoft Cluster Serviceと連携する場合には,運用管理ポータルやクラスタアドミニストレータの設定などが必要になります。N:1リカバリシステムの設定手順を次の図に示します。
図21-5 N:1リカバリシステムの設定手順(Windowsの場合)
図中の1.~7.について説明します。