ここでは,システムの構築例とシステムの設定手順について説明します。
アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの構成例を次の図に示します。なお,以降の項では,このシステムの構成例を使用したシステムの構築例を示します。
図19-12 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの構成例(UNIXの場合)
この例では,アプリケーションサーバの実行系(現用系)とアプリケーションサーバの待機系(予備系)を1:1で配置しています。また,Management Serverは,運用管理サーバとして,アプリケーションサーバとは別のマシンに配置しています。
アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムでは,まずクラスタを構築して,アプリケーションサーバをクラスタ内に現用系と予備系として定義します。また,HAモニタで使用するコマンドや出力するメッセージのための,サーバの識別名(サーバの別名)を指定します。現用系と予備系とで同じ名称(例ではCosminexusAP)を指定します。
なお,アプリケーションサーバをクラスタ構成に配置するためには,エイリアスIPアドレスを設けて,稼働中のノードがエイリアスIPアドレスを引き継ぐことで,クライアントがクラスタ内のノードを意識しないようにします。1:1系切り替えシステムの場合,エイリアスIPアドレスは,HAモニタによって動的に割り当てられるアドレスとなります。
HAモニタと連携する場合には,運用管理ポータルやHAモニタのファイルの設定などが必要になります。アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの設定手順を次の図に示します。
図19-13 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの設定手順(UNIXの場合)
図中の1.~9.について説明します。