ここでは,snapshotログ収集のための設定について説明します。snapshotログとして収集するファイルの設定や,収集したsnapshotログの格納先などの設定を変更できます。
snapshotログの収集方法を変更するための設定を収集タイミングごとに次の表に示します。
表3-6 snapshotログ収集を変更するための設定(J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合)
分類 | 収集のタイミング | デフォルトの設定を変更するために必要な設定 |
---|---|---|
自動的に収集する※ | 論理サーバが障害時に自動停止される直前 |
|
J2EEサーバが障害時に自動再起動される直前 | ||
J2EEサーバを手動で一括再起動する直前 |
| |
任意のタイミングで収集する | Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)でsnapshotログの収集を実行したとき |
注※ 論理サーバの停止前,またはJ2EEサーバの再起動前のどちらのタイミングでsnapshotログを収集するかは,mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.snapshot.collect.pointキーで変更できます。デフォルトの設定では,論理サーバの停止前にsnapshotログが収集されます。
次に,タイミングごとに収集できる資料について説明します。
次に示すどちらかのタイミングでsnapshotログを自動的に収集する場合には,Management Serverによって障害検知時コマンドが実行されて,スレッドダンプと性能解析トレースなどの資料が取得されます。
障害検知時コマンドで取得された資料は,snapshotログとして収集できます。障害検知時コマンドの動作や設定の変更については,「3.3.1 障害検知時コマンドによる資料取得の設定(J2EEアプリケーションを実行するシステム)」を参照してください。
任意のタイミングでsnapshotログを収集する場合には,スレッドダンプファイルやユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)が出力されているときだけ,snapshotログとして収集できます。任意のタイミングでsnapshotログを収集する際に,コマンドが実行されてスレッドダンプファイルやユーザダンプまたはcoreダンプが出力されることはありません。
Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)を実行して任意のタイミングでsnapshotログを収集する場合は,コマンド実行時に収集先の種別(種別1,種別2)を指定して収集できます。それ以外のタイミングでは,種別1と種別2それぞれの収集対象として定義されているファイルがすべて収集されます。
トラブルシューティングに必要な資料は,資料を保守員へ送付するときのタイミングによって,一次送付資料と二次送付資料に分類されます。snapshotログでは,一次送付資料と二次送付資料を収集できます。各資料については,「2.3.3(2) snapshotログとして収集できる資料」を参照してください。
一次送付資料としてどのファイルを収集するかは,一次送付資料用のsnapshotログ収集対象定義ファイル(snapshotlog.conf)で指定します。mngsvrutilコマンドで引数snapshot 1を指定してsnapshotログを収集する場合は,snapshotlog.confに指定されているファイルが収集されます。二次送付資料としてどのファイルを収集するかは,二次送付資料用のsnapshotログ収集対象定義ファイル(snapshotlog.2.conf)で指定します。mngsvrutilコマンドで引数snapshot 2を指定してsnapshotログを収集する場合は,snapshotlog.confとsnapshotlog.2.confに指定されているファイルが収集されます。
デフォルトでsnapshotログの収集先として定義されていないファイルをsnapshotログとして収集したい場合には,そのファイルの出力先をsnapshotログ収集対象定義ファイルに追加してください。また,資料によっては,次のような設定も必要になります。
snapshotlog.confおよびsnapshotlog.2.confの指定については,「(3) snapshotログの収集先のカスタマイズ」を参照してください。デフォルトの設定で一次送付資料および二次送付資料として収集できる資料については,「付録A snapshotログの収集対象一覧」を参照してください。
snapshotログの収集先は,snapshotログ収集対象定義ファイルでカスタマイズできます。また,adminagent.propertiesでは,論理サーバごとのsnapshotログのファイル数を指定できます。ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「12.2 snapshotログ収集対象定義ファイル」を参照してください。
snapshotログ収集対象定義ファイルを編集して,snapshotログの収集先を指定してください。snapshotログ収集対象定義ファイルの格納場所を次に示します。
snapshotlog.confでは,一次送付資料として収集するファイルの格納ディレクトリを指定します。また,snapshotlog.2.confでは,二次送付資料として収集するファイルの格納ディレクトリを指定します。
snapshotログ収集対象定義ファイルでは,収集対象のパスに変数を使用できます。例えば,Cosminexusのインストールディレクトリを表す変数「${cosminexus.home}」を使用して,snapshotログ収集対象定義ファイルに「${cosminexus.home}/manager/log/.+」(ピリオド(.)は任意の文字,プラス(+)は1回以上を表します)と指定すると,<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥manager¥log(Windowsの場合),または/opt/Cosminexus/manager/logディレクトリ(UNIXの場合)直下のファイルがすべて収集されます。なお,snapshotログ収集対象定義ファイルの変数の値には,ドル記号($)を含めないでください。
論理サーバごとのsnapshotログファイルの数は,adminagent.propertiesの次のキーで変更できます。デフォルトの設定は10です。adminagent.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。
snapshotログの収集によって自動で取得された情報の格納先は,adminagent.propertiesのadminagent.snapshotlog.log_dirキーで変更できます。デフォルトの設定では,次のディレクトリに格納されます。
adminagent.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。
snapshotログ収集時に実行する処理に対してタイムアウトを設定できます。タイムアウトは,mserver.propertiesで設定します。snapshotログ収集時に実行する処理とタイムアウトの設定を次の表に示します。
表3-7 snapshotログ収集時に実行する処理とタイムアウトの設定
処理 | タイムアウトの設定(mserver.propertiesのキー) | 説明 |
---|---|---|
システム提供の障害検知時コマンドの実行 | com.cosminexus.mngsvr.sys_cmd.abnormal_end.timeout | 次に示すそれぞれの処理の終了を待つ時間です。
|
ユーザ作成の障害検知時コマンドの実行 | com.cosminexus.mngsvr.usr_cmd.abnormal_end.timeout | ユーザ作成の障害検知時に実行したコマンドの終了を待つ時間です。指定した時間を経過してもコマンドが終了しない場合は,実行したコマンドを無視して処理を続行します。 |
snapshotログ(一次送付資料)の収集 | com.cosminexus.mngsvr.snapshot.timeout | 一次送付資料および二次送付資料の収集の終了を待つ時間です。指定した時間を経過しても収集が終了しない場合は,Management Serverから運用管理エージェントにsnapshotログ収集中止のサービス要求が実行され,Management ServerのログにKEOS20052-Eメッセージが出力されます。 |
snapshotログ(二次送付資料)の収集 |
mserver.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。