付録F.2 拡張データベースアクセストレース

データベースへの接続から切断までのアクセス情報を出力したトレースです。データベースへの接続ごとに出力されます。

拡張データベースアクセストレースは,次のように利用できます。

なお,出力するイベントの種類や,トレースファイルの最大容量などは,Cosminexus DABroker Libraryの[環境設定ユティリティ],またはCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで定義しておきます。Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定については,Windowsの場合は「11.2.1(3) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定」,UNIXの場合は「11.2.2(4) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定」を参照してください。Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「17.2 Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイル」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 出力形式
(2) 出力項目
(3) ファイル名称規則

(1) 出力形式

拡張データベースアクセストレースのファイル出力形式を次に示します。斜体は可変の情報です。拡張データベースアクセストレースは,次の2種類の情報で構成されます。

個々のトレース情報は,出力項目を示すタイトル行の下に出力されます。

(2) 出力項目

拡張データベースアクセストレースの出力項目について,次の表に示します。斜体は可変の情報です。

表F-2 拡張データベースアクセストレースの出力項目

項目内容
ヘッダ情報
DRVCosminexus DABroker Libraryのデータベースアクセスドライバの種別に従い,次の識別子が出力されます。
  • HiRDB接続の場合:HiRDB Driver
  • Oracle8i接続の場合:ORACLE8i Driver(Oracle Call Interface 8iを使用)
  • Oracle7接続の場合:ORACLE7 Driver(Oracle Call Interface 7を使用)
Date:YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnnファイル作成日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
DABroker Connect ID:AAAAA(BBBBB)データベース接続識別子が出力されます。
Process ID:CCCCC実行プロセスIDが出力されます。
UserID:DDDDD接続ユーザIDが出力されます。
Cosminexus DABroker LibraryでORACLEのOS認証機能を使用した場合は,「OS authority」となります。
Client Name:EEEEEJ2EEアプリケーション名称が出力されます。名称が設定されていない場合は空白になります。
(DB別出力情報)接続データベースによって異なる情報が出力されます。
HiRDBの場合
  • PDHOST:
    HiRDB接続時のPDHOSTの設定内容です。
    未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
  • PDNAMEPORT:
    HiRDB接続時のPDNAMEPORTの設定内容です。
    未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
Oracleの場合
  • SQLNET:
    Oracleリスナー名が出力されます。
    未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
Lang Mode:GGGGG実行言語モードが出力されます。
個々のトレース情報
THREAD-ID実行スレッドIDが出力されます。
CIDカーソル番号が出力されます。
EVTCosminexus DABroker Libraryがデータベースに要求した処理内容を示す文字列が出力されます。データベースアクセストレースおよび拡張データベースアクセストレースの内容が含まれます。
Cosminexus DABroker Libraryの[環境設定ユティリティ]またはCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで設定された内容のイベントが出力されます。なお,すべてのイベントを出力しない設定にしている場合は,ヘッダだけが出力されます。なお,何か一つでもイベントを出力する設定にしている場合は,GET_DIAGイベントは必ず出力されます。
 
出力されるイベントを次に示します。
  • ATTACH:サーバとのアクセスパス作成要求を実行します。
  • ATTRGET:ハンドル属性の取得要求を実行します。
  • ATTRSET:ハンドル属性の設定要求を実行します。
  • AUTOCOMOFF:AUTO COMMITモードの解除要求を実行します。
  • AUTOCOMON:AUTO COMMITモードの設定要求を実行します。
  • BIND:パラメタのバインド要求を実行します。
  • CHARFORM:キャラクタセットフォームの取得要求を実行します。
  • CHARID:キャラクタセットIDの取得要求を実行します。
  • DEFINE:パラメタの定義要求を実行します。
  • DESALLOC:記述子の領域確保を実行します。
  • DESC_OUT:前処理したSQLの出力情報を返します。
  • DESC_IN :前処理したSQLの入力情報を返します。
  • DESCANY:オブジェクトの記述要求を実行します。
  • DESFREE:記述子の領域解放を実行します。
  • DETACH:データベースアクセスパス削除要求を実行します。
  • ENVCREATE:環境作成要求を実行します。
  • ERRGET:エラー情報取得要求を実行します。
  • EXECDIRECT:SQLの前処理後の実行処理です。
  • GET_DIAG:エラー詳細情報の取得処理を実行します。
  • GETINFO:接続後の動作情報の取得要求を実行します。
  • GETPIECE:ピース情報の取得要求を実行します。
  • HDLALLOC:ハンドルの領域確保を実行します。
  • HDLFREE:ハンドルの領域解放を実行します。
  • LOBCLOSE:BFILEデータのクローズ要求を実行します。
  • LOBLEN:LOBデータの長さ取得要求を実行します。
  • LOBOPEN:BFILEデータのオープン要求を実行します。
  • LOBREAD:LOBデータの読み込み要求を実行します。
  • LOBWRITE:LOBデータの書き込み要求を実行します。
  • PARAMGET:パラメタ情報の取得要求を実行します。
  • SESBEGIN:セッション開始要求を実行します。
  • SESEND:セッション終了要求を実行します。
  • SETINFO:接続後の動作情報の設定要求を実行します。
  • SETPIECE:ピース情報の設定要求を実行します。
START-TIMEアクセス開始日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
END-TIMEアクセス終了日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
RETCODEデータベースから返されるリターンコードが出力されます。
BLOCKCNTFETCH時の行取得件数が出力されます。
(Windows QueryPerformance Counter)Windowsの場合に,高分解パフォーマンス情報が表示されます。
HiRDB_CONNECTION_IDコネクションID(aaaa:bbbb:cccc)が出力されます。
  • aaaa:
    フロントエンドサーバ名(HiRDB/Parallel Server使用時)またはシングルサーバ名(HiRDB/Single Server使用時)
  • bbbb:
    aaaaで示すサーバの接続通番
  • cccc:
    aaaaで示すサーバのプロセスID。
    コネクションIDは,HiRDBクライアントのバージョンが07-01以降で,かつサーバがHiRDBである場合だけ出力されます。サーバがHiRDBで,かつHiRDBクライアントのバージョンが07-01よりも前の場合は,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID)だけが出力され,コネクションIDは出力されません。また,サーバがXDM/RD E2の場合は,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID)およびコネクションIDは出力されません。なお,この情報は,CONNECT,COMMIT,ROLLBACK,PREPARE,EXECUTE,DIRECTを実行したとき,最新の情報に更新されます。
(SQL)SSSSクライアントから要求のあったSQLの内容が出力されます。この項目は,必要に応じて出力されます。
注※
Cosminexus DABroker LibraryからOracle8i,Oracle9iおよびOracle10gの機能を使用する場合に出力されます。

(3) ファイル名称規則

拡張データベースアクセストレースのファイルは,次のディレクトリに作成されます。

拡張データベースアクセストレースのファイル名称は,次の規則に従います。斜体は可変の情報です。

spdb_XXXXXXXX_YYYYYYYY_HHHHHHHHHHHHHHHH_<接続データベース名称>ZZZZZ.IIIIII
 
ファイル名称中の文字列について次に示します。

表F-3 拡張データベーストレースのファイル名称の規則

項目意味
XXXXXXXX実行プロセスIDが設定されます。
YYYYYYYYデータベース接続識別子が設定されます。
HHHHHHHHHHHHHHHH_実行プロセスごとにユニークな接続識別子が設定されます。
<接続データベース名称>接続データベース名称です。指定したデータベース種別によって,次のどれかが設定されます。
  • HiRDBの場合:HiRDB
  • Oracle8i接続の場合:ORACLE8i
  • Oracle7の場合:ORACLE7
ZZZZZ識別順序番号が設定されます。
同じ実行プロセスIDで,かつ同じデータベース接続識別子のファイルがある場合に,00000から32767までの番号を付加します。
IIIIIIファイル拡張子が設定されます。
  • log:最新のトレースファイル
  • logold:1世代前のトレースファイル