障害検知時コマンドは,Management Serverが論理サーバの障害を検知したときに,システムによって実行されるコマンドです。障害検知時コマンドを利用して,トラブル発生時のスレッドダンプやユーザダンプの取得などの取得処理を実行することで,トラブル発生時のタイムリーな資料を取得できるようになります。また,障害検知時コマンドを利用すると,次のどちらかのタイミングでsnapshotログを自動収集することもできます。収集するタイミングは設定によって決められます。
障害検知時コマンドには,システム提供の障害検知時コマンドとユーザ作成の障害検知時コマンドの2種類があります。
システム提供の障害検知時コマンドの動作設定を変更する場合,またはユーザ作成の障害検知時コマンドを利用する場合に必要な設定については,「3.3.1 障害検知時コマンドによる資料取得の設定(J2EEアプリケーションを実行するシステム)」または「3.3.2 障害検知時コマンドによる資料取得の設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)」を参照してください。
ここでは,それぞれで取得できる情報について説明します。
システムで提供されている障害検知時コマンドで取得できる情報について,次の表に示します。障害検知時コマンドで取得できる情報は,障害の種類(システムダウン,またはハングアップ)および使用しているOSによって異なります。
なお,snapshotログでこれらの情報を取得するためには,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)に必要な設定がされていることが必要です。
障害検知時コマンドで取得できる情報を次に示します。
表2-3 障害検知時コマンドで取得できる情報
論理サーバ | OS | 取得できる情報 | J2EEアプリケーション | バッチアプリケーション | |
---|---|---|---|---|---|
プロセスダウンを検出した場合 | ハングアップを検出した場合 | ||||
論理パフォーマンストレーサ | Windows UNIX |
| - | ○ | ○ |
論理J2EEサーバ※ | Windows |
|
| ○ | ○ |
UNIX |
|
| ○ | ○ | |
論理SFOサーバ | Windows |
|
| ○ | - |
UNIX |
|
| ○ | - | |
論理Webサーバ | Windows UNIX |
|
| ○ | - |
ほかの論理サーバ | Windows UNIX |
|
| ○ | - |
注※ バッチサーバは論理J2EEサーバとして定義します。
ユーザが作成した障害検知時コマンドとして,資料取得に必要な任意の処理を記述したバッチファイルまたはシェルスクリプトを実行できます。例えば,ユーザダンプまたはcoreダンプは,このコマンドの中でdrwtsn32コマンドまたはkillコマンドなどを実行して取得できます。障害検知時コマンドの作成方法については,「3.3.1 障害検知時コマンドによる資料取得の設定(J2EEアプリケーションを実行するシステム)」または「3.3.2 障害検知時コマンドによる資料取得の設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)」を参照してください。
なお,ユーザ作成の障害検知時コマンドは,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のadminagent.<serverkind>.usr_cmd.abnormal_endキーに指定されているものが実行されます。