10.6.1 サーブレットエンジンモードでのシステム構築

サーブレットエンジンモードを使用する場合のインストール,システム構築の流れ,システム構築で使用するファイルについて説明します。なお,旧バージョンでサーブレットエンジンモードを使用していた場合の移行情報については,「12.2 サーブレットエンジンモードの場合の移行」を参照してください。

<この項の構成>
(1) インストールと初期設定
(2) システム構築の流れ
(3) システム構築で使用するファイル

(1) インストールと初期設定

サーブレットエンジンモードの場合,インストールと初期設定は,J2EEサーバの場合と同じです。J2EEサーバの場合のインストールと初期設定の概要については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.1 インストールと初期設定の概要」を参照してください。なお,サーブレットエンジンモードの場合には,次のように読み替えてください。

また,インストール後のディレクトリ構成については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.9 インストール後のディレクトリ構成」を参照してください。

ここでは,J2EEサーバモードの場合と異なる内容について説明します。

Webコンテナサーバの場合の,インストール方法ごとのユーザ環境の扱いを次の表に示します。

表10-22 インストール方法ごとのユーザ環境の扱い(Webコンテナサーバの場合)

インストール方法Webコンテナサーバのユーザ定義Webアプリケーション配置ディレクトリリダイレクタのユーザ定義
新規インストールインストーラが,デフォルトのWebコンテナサーバをセットアップし,ユーザ定義を作成します。インストーラが,デフォルトのWebコンテナサーバをセットアップし,Webアプリケーション配置ディレクトリを作成します。インストーラが,デフォルトの定義を作成します。
上書きインストール引き継ぎます。引き継ぎます。引き継ぎます。
アップグレードインストール引き継ぎます。引き継ぎます。引き継ぎます。
(a) インストールとアンインストール

Cosminexus Component Containerを上書きインストールすると,前の設定が自動的に引き継がれます。なお,デフォルトのWebコンテナサーバ(ホスト名称のサーバ)のディレクトリ(<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥web¥containers¥<ホスト名称>,または/opt/Cosminexus/CC/web/containers/<ホスト名称>)がない場合には,サーバが自動的にセットアップされます。

(b) 環境変数の設定

サーブレットエンジンモードの場合,環境変数の設定は,J2EEサーバモードで,CTMおよびトランザクションサービスの両方を使用しないときの設定と同じです。詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.3 環境変数の設定」を参照してください。

(c) 見積もりと設定

Webコンテナサーバで使用するリソースの見積もり方法を次に示します。

(d) 作業ディレクトリ

Webコンテナサーバの作業ディレクトリについては,「10.6.7 Webコンテナサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。

(2) システム構築の流れ

サーブレットエンジンモードでのシステム構築の流れを次の図に示します。

図10-3 システム構築の流れ(サーブレットエンジンモードの場合)

[図データ]

注※
それぞれの参照先については,次の表に示した個所を参照してください。
参照先のマニュアル名は,「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説」を省略しています。
項番参照先マニュアル参照個所
1このマニュアル10.6.2
2基本・開発編(Webコンテナ)付録D.3
3このマニュアル10.6.3
4このマニュアル10.6.4
5基本・開発編(Webコンテナ)3章
6このマニュアル10.6.5
7このマニュアル10.6.6
8運用/監視/連携編2章

図中の1.~8.について説明します。

  1. サーバをセットアップします。
    デフォルトの設定のままで利用する場合は,セットアップ不要です。インストール時にセットアップ済みのWebコンテナサーバとは別のサーバ名称を使用したい場合,Webコンテナサーバをセットアップしてください。
  2. Webサーバの設定をします。
    使用するWebサーバとして,Hitachi Web Server,またはMicrosoft IIS(Windowsの場合)の設定をします。
  3. サーバをカスタマイズします。
    デフォルトの設定のままで利用する場合は,カスタマイズ不要です。Webコンテナサーバが使用するネーミングサービス,JavaVMの起動オプションなどを変更したい場合や,コンテナ拡張ライブラリ,コネクションプーリングなど特定の機能を使用したい場合には,アプリケーションサーバが提供するユーザ定義ファイルやコマンドを使用して,Webコンテナサーバの動作を設定,カスタマイズします。
  4. トラブルシューティングの資料取得の設定をします。
    デフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。ただし,OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合),JavaVMのガーベージコレクションのログは,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。
    これらの資料を取得する場合や,ほかの資料の取得設定を変更したい場合に,トラブルシューティングの資料取得の設定をしてください。
  5. Webサーバとの連携の設定をします。
    Webサーバと連携しない場合は,設定不要です。リダイレクタを利用したリクエストの振り分け,通信タイムアウト,エラーページのカスタマイズなど,Webサーバと連携するための設定をします。
  6. 統合ユーザ管理機能の設定をします。
    統合ユーザ管理機能を使用しない場合は,設定不要です。アプリケーションサーバのシステムにログインするユーザを統合管理するための設定をします。ユーザ認証情報を格納するLDAPディレクトリサーバや,統合ユーザ管理のコンフィグレーションファイルを設定します。
  7. Webアプリケーションの設定をします。
    WARファイルをWebコンテナサーバにデプロイします。
  8. システムを起動して,システムの動作を確認します。
    参考
    運用支援機能を持つプログラムを利用することで,システムで運用操作の一括実行や自動実行などの運用方法を実現することもできます。この場合には,図10-3の環境構築に加えて,運用支援機能を持つプログラムの設定が必要になります。運用支援機能を持つほかのプログラムを使用する場合には,使用しているプログラムのマニュアルなどを参照して,環境を構築してください。

(3) システム構築で使用するファイル

ここでは,システムの構築で使用するファイルのうち,主なファイルについて説明します。ここで説明していないファイルについては,システム構築の手順の中で適宜説明します。

注意
ファイルを変更する場合は,Webコンテナサーバを停止してください。Webコンテナサーバの稼働中にファイルの内容を変更した場合の動作は保証されません。