13.2.1 移行作業の流れ

次の手順に従って,環境を移行してください。

  1. アウトプロセストランザクションサービスのアンセットアップ
  2. プロパティの設定
  3. 環境変数の変更
<この項の構成>
(1) アウトプロセストランザクションサービスのアンセットアップ
(2) プロパティの設定
(3) 環境変数の変更

(1) アウトプロセストランザクションサービスのアンセットアップ

アウトプロセストランザクションサービスのセットアップ用のコマンドを実行して,アウトプロセストランザクションサービスをアンセットアップしてください。

アウトプロセストランザクションサービスのセットアップ用のコマンドを実行するタイミングによって,使用するコマンドが異なります。

(2) プロパティの設定

インプロセストランザクションサービスでは,セットアップコマンドの実行は必要ありません。また,アウトプロセストランザクションサービスではtsdefvalueコマンドを使用してシステム環境定義をカスタマイズしましたが,インプロセストランザクションサービスではJ2EEサーバ用のユーザプロパティファイルを使用してシステム環境定義をカスタマイズします。インプロセストランザクションサービスで設定が必要なJ2EEサーバのプロパティを次の表に示します。

表13-1 インプロセストランザクションサービスで設定が必要なJ2EEサーバのプロパティ

キー名称見積もりの指針
ejbserver.distributedtx.enableXidReuseOptimizationfalse
ejbserver.distributedtx.ots.status.directory1インプロセストランザクションサービスのステータスファイルを格納するディレクトリ指定したパスのパーティションが枯渇しないように運用する必要があります。
また,アウトプロセストランザクションサービスでは,環境変数「TPFS」をカスタマイズして共有ディスク上に配置し,HA構成で運用していた場合は,共有ディスク上のパスを設定する必要があります。
ejbserver.distributedtx.ots.status.directory2

(凡例)-:該当しない

注※ インプロセストランザクションサービスでステータスファイルを1面で運用する場合,設定の必要はありません。


キーの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。

(3) 環境変数の変更

インプロセストランザクションサービスとアウトプロセストランザクションサービスでは,設定が必要な環境変数が異なります。不要となった環境変数は削除してください。トランザクションサービスの環境変数の設定要否を次の表に示します。なお,環境変数に設定する値については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.3 環境変数の設定」を参照してください。

表13-2 トランザクションサービスの環境変数の設定要否

環境変数名指定する内容設定の要否
アウトプロセストランザクションサービスの場合インプロセストランザクションサービスの場合
OSAGENT_PORTスマートエージェントが使用するポート番号 ※1
PATHプログラム実行パス
LIBPATH,またはLD_LIBRARY_PATH※2ライブラリ検索パス
TPDIRCosminexus TPBrokerのインストール先
TZタイムゾーン
VBROKER_ADMスマートエージェントの定義情報が格納されているディレクトリ
TPFSCosminexus TPBrokerのステータスファイル格納先
(任意のディレクトリまたはキャラクタデバイスファイル)
TPSPOOLCosminexus TPBrokerの稼働情報格納先
(任意のディレクトリ)
(凡例)
◎:設定する必要がある。
○:使用する機能によっては設定する必要がある。
△:設定は不要(設定しても無視される)。

注※1 CTMなどの機能でスマートエージェントを使用する場合があります。ほかの機能で使用している場合は,環境変数「OSAGENT_PORT」を削除しないでください。

注※2 OSによって,使用する環境変数名が異なります。