11.2.2 Cosminexus DABroker Libraryのインストールおよび動作環境の設定(UNIXの場合)

ここでは,UNIXでCosminexus DABroker Libraryを使用するためのインストールおよび動作環境の設定について説明します。

<この項の構成>
(1) インストール
(2) インストール後のCosminexus DABroker Libraryのディレクトリ構成
(3) Cosminexus DABroker Libraryのセットアップ
(4) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定
(5) データベース接続のための設定
(6) J2EEアプリケーション運用のための設定

(1) インストール

製品のインストールには,日立PPインストーラを使用します。

(2) インストール後のCosminexus DABroker Libraryのディレクトリ構成

UNIXの場合のインストール後のCosminexus DABroker Libraryのディレクトリ構成を次の表に示します。

表11-8 Cosminexus DABroker Libraryのディレクトリ構成(UNIXの場合)

ディレクトリ説明
/opt/CosminexusDABJCosminexus DABroker LibraryのJDBCドライバのインストールディレクトリです。
/opt/DABrokerCosminexus DABroker Libraryのインストールディレクトリです。
bin実行コマンド格納用ディレクトリです。
libライブラリ格納用ディレクトリです。
objオブジェクトファイル格納用ディレクトリです。
AGTエージェント処理用ディレクトリです。
AGTGRPグループ管理用ディレクトリです。
msgメッセージファイル格納用ディレクトリです。
sampleサンプルファイル格納用ディレクトリです。
conf定義ファイル格納用ディレクトリです。
spoolトレースファイル,ログファイル格納用ディレクトリです。

(凡例)-:該当しません。


注意
Cosminexus DABroker Libraryをアンインストールする場合,/opt/Cosminexus/DABJは削除されないので,手動で削除してください。

(3) Cosminexus DABroker Libraryのセットアップ

セットアップでは,Cosminexus DABroker Libraryを管理するユーザをOSに登録し,Cosminexus DABroker Libraryの運用ディレクトリを作成します。セットアップの手順を次に示します。

  1. Cosminexus DABroker Libraryを管理するユーザ(UNIXログインユーザ)をOSに登録します。
    ユーザID登録後,パスワードも登録してください。登録方法はOSのマニュアルを参照してください。ここで登録したユーザを,Cosminexus DABroker Libraryの管理ユーザと呼びます。Cosminexus DABroker Libraryの管理ユーザに与えられる権限は,次のとおりです。
    • Cosminexus DABroker Libraryで提供するファイルおよびディレクトリの所有者としてのアクセス権
    • Cosminexus DABroker Libraryの運用コマンドの実行権
    注 Oracleにアクセスする場合は,登録するユーザのUIDを「3」以上にしてください。
  2. Cosminexus DABroker Libraryのインストールディレクトリのグループおよびユーザを,手順1.で登録した管理グループおよびユーザに変更します。
  3. Cosminexus DABroker Libraryセットアップコマンド(dabsetup)を実行します。
    スーパーユーザで,/opt/DABroker/binディレクトリにあるdabsetupを実行します。
    (例) dabsetup /home
    dabsetupコマンドは,Cosminexus DABroker Library運用ディレクトリを指定するコマンドです。このコマンドを実行すると,インストールディレクトリのディレクトリおよびファイルが,<パス名>に指定した運用ディレクトリに移動されます。<パス名>を省略した場合,運用ディレクトリはCosminexus DABroker Libraryのインストールディレクトリ(/opt/DABroker)となります。また,dabsetupコマンドに-dオプションを指定すると,運用ディレクトリの削除もできます。
    注意
    AIXの場合で,Cosminexus Component ContainerをCロケールで動作させるときは,環境変数「LC__FASTMSG」に「false」が指定されているか確認してください。Cosminexus DABroker Libraryを使用してDBにアクセスし,かつCosminexus Component ContainerをCロケールで動作させる場合には,環境変数「LC__FASTMSG」に「false」を指定する必要があります。

(4) Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境は,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで設定します。また,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルでは,トレース取得の設定ができます。Cosminexus DABroker Libraryで取得できるトレースについては,「11.5.3 Cosminexus DABroker Libraryで取得できるトレース」を参照してください。

ここでは,Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定について説明します。

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境は,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで設定します。動作環境定義ファイルは,インストール時に提供されるサンプルを使用して作成します。

Cosminexus DABroker Libraryの動作環境の設定手順を次に示します。

  1. サンプルファイルを動作環境定義ファイルの格納先へコピーします。
  2. コピーしたサンプルファイルを編集します。
    必要に応じて,標準値の変更や値の追加をしてください。
    • 共通設定項目(作業ディレクトリ,Oracleのバージョン,拡張データベースアクセストレースの取得の有無など)
    • リモートアクセス設定項目(データの受け取りバッファサイズなど)
    • HiRDB設定項目
    • Oracle設定項目
    なお,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルは,「DAB」ブロックと「OTHERS」ブロックで構成されます。
    「DAB」ブロック
    共通設定項目やリモートアクセス設定項目を指定するブロックです。Cosminexus DABroker Libraryはこのブロックの設定項目をチェックするため,不正な名称などを指定していた場合はエラーになります。
    「OTHERS」ブロック
    HiRDB設定項目やOracle設定項目を指定するブロックです。Cosminexus DABroker Libraryはこのブロックの設定項目をチェックしません。指定したすべての項目が有効となります。
    Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「17.2 Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイル」を参照してください。
  3. ファイルを保存します。

なお,作成済みのCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルの内容を変更する場合は,J2EEサーバを停止してください。

(5) データベース接続のための設定

ここでは,Cosminexus DABroker Libraryを使用してデータベースに接続するために必要な設定について説明します。

(a) HiRDBの言語モードの設定

データベースとしてHiRDBを使用する場合は,言語モードを設定してください。Cosminexus DABroker Libraryの言語モードとHiRDBの言語モードの対応を次の表に示します。なお,Cosminexus DABroker Libraryの言語モードとは,Cosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルのDAB_LANG(LANG環境変数)のことです。

表11-9 Cosminexus DABroker Libraryの言語モードとHiRDBの言語モードの対応

Cosminexus DABroker Libraryの言語モードHiRDBの言語モード
OS言語モードDAB_LANGの指定値SJISEUC日本語ASCIIUTF-8
AIXSJISJa_JP
Ja_JP.IBM-932
Ja_JP.IBM-943
EUCja_JP
ja_JP.IBM-eucJP
ASCIIC
UTF-8UTF-8
HP-UXSJISja_JP.SJIS
EUCja_JP.EUC
ja_JP.UJIS
ja_JP.eucJP
ASCIIC
UTF-8UTF-8
LinuxEUCja_JP
ja_JP.ujis
japanese
japanese.euc
ja_JP.eucjp
Ja_JP
ASCIIC
UTF-8UTF-8
SolarisSJISja_JP.PCK
EUCja
japanese
ASCIIC
UTF-8UTF-8

(凡例) ○:使用できる -:使用できない

注※ DAB_LANGの標準値を示します。


(b) Cosminexus DABroker LibraryおよびJDBCでの言語モードの設定

ENCODELANG,またはsetEncodLangに指定する言語モードは,Cosminexus DABroker Libraryの言語モードと合わせる必要があります。ENCODELANG,またはsetEncodLangの指定方法について次に説明します。

OSの言語モードとCosminexus DABroker Libraryの言語モードが同じ場合
ENCODELANG,またはsetEncodLangの指定は必要ありません。
OSの言語モードとCosminexus DABroker Libraryの言語モードが異なる場合
ENCODELANG,またはsetEncodLangに,Cosminexus DABroker Libraryの言語モードと同等の値を指定する必要があります。
注意事項
  • Cosminexus DABroker Libraryの言語モードと,データベースの言語モードは必ず合わせてください。
  • データベースの言語モードをCosminexus DABroker Libraryがサポートしていない場合,Cosminexus DABroker Libraryの言語モードにはASCIIモードを設定し,ENCODELANGまたはsetEncodLangにデータベースの言語モードを指定してください。

(6) J2EEアプリケーション運用のための設定

J2EEアプリケーションを運用する前に,次の設定をしてください。

(a) J2EEアプリケーションの組み込み

Cosminexus DABroker Libraryが組み込まれたサーバにJ2EEアプリケーションを格納します。また,環境変数「CLASSPATH」に次に示すパスを追加します。

(b) J2EEアプリケーションのインタフェースの定義

J2EEアプリケーションのインタフェースを定義します。

(c) サーバで動作するJ2EEアプリケーションの動作環境の設定

Cosminexus DABroker Libraryでは,JNIを使ってDABrokerの提供するネイティブライブラリを使用します。Cosminexus DABroker Libraryをサーバで動作するJavaアプリケーションとして動作させるときは,次の設定が必要です。

●ネイティブライブラリの動作環境の設定

ネイティブライブラリはJDBCドライバを実行する(呼び出す)プロセス上で読み込まれて動作するので,ネイティブライブラリ実行のための動作環境を設定する必要があります。

設定内容
ライブラリ検索パスを指定する環境変数に,「<Cosminexus DABroker Library運用ディレクトリ>/lib」を設定します。設定する環境変数はOSによって異なります。
  • LIBPATH(AIXの場合)
  • LD_LIBRARY_PATH(HP-UX,Linux,およびSolarisの場合)
●データベースクライアントライブラリの動作環境の設定

ネイティブライブラリは,データベースにアクセスする場合に,各データベースが提供するクライアントライブラリを呼び出します。データベースクライアントライブラリの動作環境の設定を次に示します。

  1. データベースライブラリのパスを設定します。
    特別な設定は必要ありません。ただし,接続するデータベースによっては動作環境の設定が必要な場合があります。詳細については,接続するデータベースのマニュアルなどを参照してください。
    ライブラリ検索パスを指定する環境変数に,次の値を指定します。設定する環境変数はOSによって異なります。
    • LIBPATH(AIXの場合)
    • LD_LIBRARY_PATH(HP-UX,Linux,およびSolarisの場合)
    使用しているOSの環境変数に次のパスを設定してください。
    • HiRDB,またはXDM/RD E2の場合:HiRDBクライアントライブラリのパス名
    • Oracleの場合:Oracleライブラリ(libclntsh)のパス名
  2. データベースの提供する環境変数を設定します。
    JDBCドライバを実行する(呼び出す)プロセス上で有効な環境変数として,各データベースの提供する環境変数を設定する必要があります。
    詳細については,「11.2.3 データベースの設定」,接続するデータベースのマニュアルなどを参照してください。