資料のデフォルトの設定(ログの出力先やサイズ)を変更する場合や,デフォルトで取得できない資料を取得する場合には,簡易構築定義ファイルやユーザ定義ファイルを編集して設定します。ここでは,バッチアプリケーションを実行するシステムで,事前に資料(ログ)を取得するための設定が必要かどうかについて説明します。また,設定方法の概要についても説明します。
資料取得のための設定を次の表に示します。
表3-4 資料取得のための設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)
資料の種類 | 資料取得のための設定 | 設定の要否 | 参照先マニュアル | 参照個所 |
---|---|---|---|---|
snapshotログ | snapshotログの収集先,収集方法や収集のタイミングを変更する場合には,ユーザ定義ファイルを編集します。 | △ | このマニュアル | 3.3.2,3.3.4 |
Management Serverのログ | mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,ログの出力レベルや,ログファイルの面数などを設定します。 | △ | このマニュアル | 3.3.5※ |
性能解析トレースファイル | mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,性能解析トレースファイルの面数を設定します。 また,簡易構築定義ファイルで,論理パフォーマンストレーサ(performance-tracer)の<configuration>タグ内に,パフォーマンストレーサのトレース取得レベルや,PFRトレースファイルの面数などを指定します。 | △ | このマニュアル | 6.5※ |
バッチサーバのログ | 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。 また,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.systemlog.enabledで,システムログ出力の設定が有効になっている場合,バッチサーバの起動,停止および異常終了のメッセージがイベントログ(UNIXの場合,syslog)に出力されます。 | △ | このマニュアル | 3.3.7 |
アプリケーションのユーザログ | 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ロガーやハンドラの設定,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。また,server.policyで,セキュリティポリシーを設定します。 | ○ | Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編 | 12章 |
稼働情報ファイル | 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,稼働情報ファイルの出力先や面数などを設定します。 | △ | Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編 | 3.3.3 |
Cosminexus Managerのログ | manager.cfgで統合ログの面数やサイズを指定します。 | △ | このマニュアル | 3.3.12※ |
コンソールログ | adminagent.propertiesでコンソールログの出力の有無,面数やサイズを設定します。 | △ | Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編 | 11章※ |
リソースアダプタのログ | サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタ単位でのログ出力の有無を設定します。 また,簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数を設定します。 | △ | このマニュアル | 3.3.13※ |
Cosminexus TPBrokerのトレースファイル | 簡易構築定義ファイル(論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内),サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,トレースファイルの出力先や面数などを設定します。 | △ | このマニュアル | 3.3.14※ |
OSの統計情報 | Windowsの場合,Windowsのシステムモニタでシステムリソースのパフォーマンスデータ取得の設定をします。 | ○ | このマニュアル | 3.3.16※ |
ユーザダンプ | Windowsの場合,ワトソン博士で,ユーザダンプ取得の設定をします。 | ○ | このマニュアル | 3.3.17※ |
coreダンプ | UNIXの場合,簡易構築定義ファイルやシェルコマンドで,coreファイル取得の設定をします。 | ○ | このマニュアル | 3.3.18※ |
JavaVMの資料 | 簡易構築定義ファイルで,JavaVMのスレッドダンプや日立固有のJavaVMログ(日立JavaVMログファイル)の出力方法や出力内容などの設定をします。また,明示管理ヒープ機能のイベントログを出力するファイル名や,ログの出力レベルなどを設定します。 | ○ | このマニュアル | 3.3.19※ |
サーバ管理コマンドのログ | サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,ログの出力レベルなどを設定できます。 | △ | Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド | 8.8.1 |
この表に示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,Cosminexus TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。また,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)については,固定のファイル名に対して収集します。障害発生時に収集するためには,ユーザ作成の障害検知時コマンドを利用する必要があります。
なお,次のログはログ出力先を変更できません。
ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,「2.4 取得が必要な資料の種類」を参照してください。