6.6.1 処理性能の解析作業の概要

アプリケーションサーバで構築したシステムの処理性能は,クライアントからデータベースなどのEISまでの一連の処理,およびその処理結果がクライアントに返却されるまでのリクエストの一連の処理で,リダイレクタやWebコンテナなどの機能レイヤから出力されるトレース情報を基に解析できます。

各機能レイヤのトレース情報は,バイナリ形式でPRFトレースファイルに出力されます。システムの処理性能を解析する際は,PRFトレースファイルをテキスト形式(CSV形式)に変換した性能解析トレースファイルを使用します。

次に,システムの処理性能を解析する作業について説明します。

参考
保守レベルのトレース情報について
PRFトレース取得レベルには,標準レベルと詳細レベルのほかに,保守レベルがあります。保守レベルとは,障害発生時などの保守情報を取得するためのレベルを指します。通常は指定しないでください。
PRFトレース取得レベルに保守レベルを設定する方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cprflevel(PRFトレース取得レベルの表示と変更)」を参照してください。
<この項の構成>
(1) 性能解析トレースファイルの収集
(2) 性能解析トレースファイルを利用したシステムの処理性能の解析

(1) 性能解析トレースファイルの収集

システムの処理性能の解析で使用する性能解析トレースファイルを,運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して出力,収集します。性能解析トレースファイルの収集方法については,「6.3.1 性能解析トレースファイルの収集方法」を参照してください。また,性能解析トレースファイルの出力先および出力情報については,「6.3.2 性能解析トレースファイルの出力先と出力情報」を参照してください。

(2) 性能解析トレースファイルを利用したシステムの処理性能の解析

性能解析トレースファイルを使用して性能を解析する場合,Microsoft Excelなど,CSV形式のファイルを編集できるアプリケーションプログラムで表示して,目的に合わせてフィルタリングや並べ替えの機能を利用します。

例えば,CSV形式で出力すると,Excelなどのアプリケーションプログラムで「イベントごと」「プロセスごと」などによって出力項目をフィルタリングして,注目する個所を絞り込んで,目的に合わせた分析ができます。

次に示す性能解析トレースファイルの利用方法について,例を使用して説明します。

なお,ここでは,次のようなWebクライアント構成の環境で性能解析トレースファイルを収集したことを前提とします。

図6-4  Webクライアント構成の例

[図データ]