10.6.5 統合ユーザ管理機能の設定

ここでは,サーブレットエンジンモードの場合の,統合ユーザ管理機能の設定について説明します。統合ユーザ管理機能を使用しない場合は,この設定は不要です。

<この項の構成>
(1) 統合ユーザ管理機能の設定手順
(2) 統合ユーザ管理機能の設定方法

(1) 統合ユーザ管理機能の設定手順

統合ユーザ管理機能の設定手順について説明します。

アプリケーションサーバでは,アプリケーションサーバで構築したシステムにログインするユーザを統合管理できます。統合ユーザ管理では,それぞれのJ2EEアプリケーションが管理しているユーザの情報が関連づけて管理され,一度のログイン処理でさまざまなJ2EEアプリケーションにログインできるようになります。統合ユーザ管理機能を使用する場合は,ユーザ認証情報を格納するLDAPディレクトリサーバや,統合ユーザ管理のコンフィグレーションファイルを設定する必要があります。

統合ユーザ管理機能を使用するための設定手順は,運用管理ポータルを使用してシステムを構築するときの設定手順とほとんど同じです。運用管理ポータルを使用したシステム構築の場合の統合ユーザ管理機能の設定手順については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。

(2) 統合ユーザ管理機能の設定方法

統合ユーザ管理機能の設定方法について説明します。

統合ユーザ管理機能を使用するための設定方法は,運用管理ポータルを使用してシステムを構築するときの設定方法とほとんど同じです。運用管理ポータルを使用したシステム構築の場合の統合ユーザ管理機能の設定方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「3.5 統合ユーザ管理の設定」を参照してください。ただし,サーブレットエンジンモードの場合では,設定方法が少し異なります。設定方法の差異を次に示します。

(a) サーバ名について

サーブレットエンジンモードの場合は,「J2EEサーバ」を「Webコンテナサーバ」と読み替えてください。

(b) ユーザ情報の登録について

サーブレットエンジンモードの場合は,統合ユーザ管理GUI(Management Serverの運用管理ポータルの「リポジトリ管理」)でのユーザ情報の登録はできません。ユーザ情報は,コマンド,ユーザ認証ライブラリまたはシングルサインオンライブラリのAPIを使用して登録してください。

(c) JavaVMのプロパティの設定について

統合ユーザ管理機能を使用する場合は,JavaVMの起動時に,J2EEサーバのusrconf.propertiesとweb.policyの設定が必要です。ここでは,各ファイルでの設定内容の概要について説明します。

usrconf.propertiesでの設定

usrconf.propertiesでは,次の内容を設定します。

なお,uachpwコマンドでパスワードをスクランブル化する場合には,必ずusrconf.propertiesでcom.cosminexus.admin.auth.passwordScramble.enable=trueを指定し,スクランブル化されたパスワードの復号化機能を有効にしておいてください。

usrconf.propertiesの格納場所を次に示します。

usrconf.propertiesの設定例をOSごとに示します。

Windowsの場合

java.security.auth.login.config==C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/manager/config/jaas.conf
com.cosminexus.admin.auth.config=C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/manager/config/ua.conf
com.cosminexus.admin.auth.passwordScramble.enable=true

このうち,「C:/Program Files/Hitachi/Cosminexus/」はCosminexusの標準インストールディレクトリです。異なるディレクトリにインストールした場合は,この部分をインストールディレクトリに変更してください。
UNIXの場合

java.security.auth.login.config==/opt/Cosminexus/manager/config/jaas.conf
com.cosminexus.admin.auth.config=/opt/Cosminexus/manager/config/ua.conf
com.cosminexus.admin.auth.passwordScramble.enable=true

●web.policyでの設定

web.policyでは,WebアプリケーションでLoginContextクラスを操作するためのアクセス権を設定します。設定するアクセス権の詳細については,javax.security.auth.AuthPermissionクラスを参照してください。

また,カスタムログインモジュールやパスワード認証時の暗号拡張機能を使用する場合,各クラスを操作するために,アクセス権の設定が必要です。

web.policyの格納場所を次に示します。

JavaVM起動時のweb.policyのプロパティの設定例については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「18.6 web.policy(SecurityManager定義ファイル)」を参照してください。

(d) ファイルのデプロイについて

サーブレットエンジンモードの場合は,デプロイする統合ユーザ管理用の「EARファイル(uastartup.ear)」を「WARファイル(uastartup.war)」と読み替えてください。また,WARファイルのデプロイについては,「10.6.6(1) Webアプリケーションのデプロイ」を参照してください。uastartup.warは,次に示すディレクトリにインストールされています。

(e) JSPタグライブラリを使用している場合の設定について

Webコンテナサーバにデプロイ済みのWebアプリケーションで,JSPタグライブラリを使用している場合には,ファイルのコピーや編集が必要です。

JSPタグライブラリ用のJARファイル(uatags.jar)とタグライブラリ記述子ファイル(uatags.tld)をコピーして,WebアプリケーションのDD(web.xml)を編集してください。手順を次に示します。

  1. uatags.jarを,<デプロイ先ディレクトリ>¥<Webアプリケーション名>¥WEB-INF¥lib(Windowsの場合),または<デプロイ先ディレクトリ>/<Webアプリケーション名>/WEB-INF/lib(UNIXの場合)にコピーします。
    例えば,uCosminexus Portal Frameworkを使用する場合,<Webアプリケーション名>は,Portalです。
  2. uatags.tldを,<デプロイ先ディレクトリ>¥<Webアプリケーション名>¥WEB-INF(Windowsの場合),または<デプロイ先ディレクトリ>/<Webアプリケーション名>/WEB-INF(UNIXの場合)にコピーします。
  3. web.xmlの適切な位置に次の記述を追加します。

    <taglib>
    <taglib-uri>http://cosminexus.com/admin/auth/uatags</taglib-uri>
    <taglib-location>/WEB-INF/uatags.tld</taglib-location>
    </taglib>

    web.xmlは次の場所に格納されています。
    • Windowsの場合
      <デプロイ先ディレクトリ>¥<Webアプリケーション名>¥WEB-INF¥web.xml
    • UNIXの場合
      <デプロイ先ディレクトリ>/<Webアプリケーション名>/WEB-INF/web.xml
    <デプロイ先ディレクトリ>については,「10.6.7 Webコンテナサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。
    参考
    JSPタグライブラリを使用したWebアプリケーションの作成については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「10.11 タグライブラリを使用したユーザ認証の実装」を参照してください。なお,JSPタグライブラリを使用する場合は,上記の手順3.に従ってweb.xmlを編集してください。