12.1.8 リソースアダプタの移行コマンドの実行
(1) バックアップRARディレクトリ
リソースアダプタの移行コマンドを実行すると,J2EEサーバの作業ディレクトリ内のファイルを変換する前にバックアップを作成します。このマニュアルでは,バックアップされた作業ディレクトリのことを,バックアップRARディレクトリと呼びます。バックアップRARディレクトリには,移行前の情報(ファイル)が残ります。リソースアダプタの移行コマンドの実行が終了したとき,バックアップRARディレクトリは自動的に削除されません。
また,リソースアダプタの移行コマンドを複数回実行する場合(例えば,DB Connector用に1回とuCosminexus TP1 Connector用に1回の合計2回実行する),バックアップRARディレクトリはコマンド実行ごとに生成され,最終的には複数残ります。
(a) Windowsの場合
Windowsの場合のバックアップRARディレクトリの例,および移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法について説明します。
- バックアップRARディレクトリの例
作業ディレクトリが「・・・¥<ディレクトリ名>」の場合,バックアップRARディレクトリは,「・・・¥<ディレクトリ名>¥rarupdate_bk」になります。例を次に示します。
- 作業ディレクトリが「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public」の場合,バックアップRARディレクトリは「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥rarupdate_bk」になります。
- 作業ディレクトリが「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public」で,すでにバックアップRARディレクトリ「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥rarupdate_bk」が作成されている場合,既存のバックアップディレクトリは「<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥public¥rarupdate_bk_0000000[n]」(nは17けたの番号で年月日時間の情報)にリネームされたあと,新たにバックアップRARディレクトリが作成されます。
- 移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法
移行処理に失敗した場合に自動で回復するには,cjrarupdateコマンドに引数-recoverfromを指定して実行してください。引数-recoverfromには,バックアップ格納先ディレクトリを指定します。バックアップ処理の開始時,および完了時には,メッセージが出力されます。また,引数-recoverfromに指定したバックアップ格納先ディレクトリが不正な場合,および回復処理に失敗した場合,エラーメッセージが出力されます。
(b) UNIXの場合
UNIXの場合のバックアップRARディレクトリの例,および移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法について説明します。
- バックアップRARディレクトリの例
作業ディレクトリが「・・・/<ディレクトリ名>」の場合,バックアップRARディレクトリは,「・・・/<ディレクトリ名>/rarupdate_bk」になります。例を次に示します。
- 作業ディレクトリが「/opt/Cosminexus/CC/server/public」の場合,バックアップRARディレクトリは「/opt/Cosminexus/CC/server/public/rarupdate_bk」になります。
- 作業ディレクトリが「/opt/Cosminexus/CC/server/public」で,すでにバックアップRARディレクトリ「/opt/Cosminexus/CC/server/public/rarupdate_bk」が作成されている場合,既存のバックアップディレクトリは「/opt/Cosminexus/CC/server/public/rarupdate_bk_0000000[n]」(nは17けたの番号で年月日時間の情報)にリネームされたあと,新たにバックアップRARディレクトリが作成されます。
- 移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法
移行処理に失敗した場合に自動で回復するには,cjrarupdateコマンドに引数-recoverfromを指定して実行してください。引数-recoverfromには,バックアップ格納先ディレクトリを指定します。バックアップ処理の開始時,および完了時には,メッセージが出力されます。また,引数-recoverfromに指定したバックアップ格納先ディレクトリが不正な場合,および回復処理に失敗した場合,エラーメッセージが出力されます。
(2) アプリケーションサーバ 06-00以降からの移行
cjrarupdateコマンドを実行します。DB Connector,およびバージョンアップする各リソースアダプタに対して,一回ずつcjrarupdateコマンドを実行します。
cjrarupdateコマンドの実行形式を次に示します。
- DB Connectorを使用している場合
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥bin¥cjrarupdate -type dbconnector
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjrarupdate -type dbconnector
- DB Connector以外のリソースアダプタを使用している場合
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥server¥bin¥cjrarupdate -type rar -f <リソースアダプタのパス>
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjrarupdate -type rar -f <リソースアダプタのパス>
なお,cjrarupdateコマンドのログは,次の場所に出力されます。
- Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>¥CC¥logs
- UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/logs
cjrarupdateコマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjrarupdate(リソースアダプタのバージョンアップ)」を参照してください。
- 注意
- cjrarupdateコマンドを同時に実行すると正しく環境が移行されないことがあります。コマンドを同時に実行しないでください。
- 複数のリソースアダプタを使用している場合,cjrarupdateコマンドを1回実行して,すべてのリソースアダプタを一括で移行できます。また,バックアップRARディレクトリのディレクトリパスを明示的に指定できます。
- TP1/Message Queue-Accessを移行する場合に,新しいRARファイルが同一バージョンと認識されることがあります。その場合は-forceオプションを指定して強制的に移行処理を実行してください。
- cjrarupdateコマンドに引数-recoverfromを指定して,J2EEアプリケーションに含めて使用するリソースアダプタを自動で回復する場合,移行処理に失敗したときに,回復が完了するまでJ2EEサーバに対する操作を実行しないでください。回復が完了する前にJ2EEサーバに対する操作を実行すると,回復処理が正しく実行されないことがあります。