12.1.10 手動による定義などの修正

旧バージョンから移行する場合に,手動で定義などの修正が必要な項目について説明します。

次に修正項目の詳細について説明します。なお,表の「修正項目」の項番は,説明の項番と対応しています。

<この項の構成>
(1) 論理サーバの起動順序,および前提となる論理サーバの変更
(2) トランザクションサービスのインプロセス化
(3) Management Server用のネーミングサービスの設定変更
(4) 論理サーバの起動/停止の設定の変更
(5) J2EEアプリケーションとリソースの再インポート
(6) 論理サーバの設定情報の再読み込み
(7) 論理サーバの環境変数定義の再設定
(8) JP1イベントメッセージマッピングファイルの再設定
(9) Smart Composer機能の定義変更
(10) 論理サーバの環境設定情報の変更
(11) snapshotログ収集先対象リストファイルの再設定
(12) Management Serverおよび運用管理エージェントのサービス再設定
(13) 論理サーバごとの強制停止監視時間の設定の追加
(14) J2EEサーバおよびSFOサーバの起動パラメタでの単位の変更
(15) Smart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先変更
(16) Unshareable指定時のコネクションアソシエーションのプロパティ追加
(17) セキュリティポリシーファイルの変更
(18) 統合ユーザ管理のタグライブラリの入れ替え
(19) デフォルトエラーページのスタックトレース表示
(20) リダイレクタへのデータ送信処理のタイムアウト追加
(21) ユーザスレッドの生成に必要な権限の追加
(22) セッションIDへのサーバIDの付加
(23) RMIレジストリが使用するポート番号の追加
(24) javax.servlet.ServletExceptionで生成したオブジェクトに対するinitCauseメソッドの呼び出し
(25) SFOサーバの移行
(26) リダイレクタのログ出力先変更
(27) Webコンテナへのデータ送信処理のタイムアウト追加
(28) リダイレクタの保守用トレースログの面数変更
(29) ログ出力先の設定
(30) OutOfMemoryError発生時の運用管理エージェントの動作変更
(31) 負荷分散機のCookieスイッチング機能のモード変更
(32) TP1インバウンド連携機能の同期点待ち受けポートの追加
(33) データベースセッションフェイルオーバ機能のデータベーステーブルの再作成
(34) データベースセッションフェイルオーバ機能でのDB Connectorに設定するステートメントプールの数の変更

(1) 論理サーバの起動順序,および前提となる論理サーバの変更

06-50以降から論理サーバとしてSFOサーバが追加され,論理サーバの起動順序が「SFOサーバ→J2EEサーバ」に変更されました。SFOサーバを使用する場合には,J2EEサーバの前に起動するようにしてください。

運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序は,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定できます。論理サーバごとに数値(デフォルト値があります)を設定し,値の小さなものから起動されるようにします。各論理サーバで「前提となる論理サーバ」を設定している場合は,該当する論理サーバの起動順序が前提の論理サーバより先になっていないか注意してください。

運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序の設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「11. 論理サーバの起動/停止」を参照してください。

(2) トランザクションサービスのインプロセス化

トランザクションサービスをJ2EEサーバとは別のプロセス(アウトプロセス)で起動していた場合,07-00以降はJ2EEサーバ起動時にインプロセスで起動されるのでそれに合わせて設定を変更してください。

Management Serverの運用管理ポータルでシステムを構築する場合には,次の方法で設定を変更してください。

ファイル編集とコマンド実行でシステムを構築する場合の設定の変更方法については,「13.2 インプロセストランザクションサービスへの移行」を参照してください。

(3) Management Server用のネーミングサービスの設定変更

07-00以降は,Management Server用にネーミングサービスを起動する必要がなくなるため,次のように設定を変更することをお勧めします。

Smart Composer機能でシステムを構築している場合に,Management Server用のネーミングサービスを削除する方法については,「(9) Smart Composer機能の定義変更」を参照してください。

(4) 論理サーバの起動/停止の設定の変更

旧バージョンで,論理サーバの起動と停止の設定を更新(運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で設定を更新)していなかった場合,起動または停止の監視時間,自動再起動回数が,07-00以降のデフォルト値に変更されます。

論理サーバ変更内容
パフォーマンストレーサ[起動/停止の設定]画面の「停止監視時間」の値が「1分」から「10分」に変更されます。
[起動/停止の設定]画面の「自動再起動回数」の値が「5回」から「1回」に変更されます。
J2EEサーバ[起動/停止の設定]画面の「起動監視時間」の値が「1分」から「10分」に変更されます。

旧バージョンと同等の動作をさせるためには,設定を変更する必要があります。

(5) J2EEアプリケーションとリソースの再インポート

運用管理ドメイン内のアプリケーションサーバをアップグレードインストールし,J2EEサーバの移行作業を実施する場合には次のことに注意してください。

データソースからリソースアダプタへの移行については,「12.1.3(22) 1.4モードのデータソース廃止」を参照してください。

(6) 論理サーバの設定情報の再読み込み

Management Serverを使用している場合,移行後にManagement Serverを最初に起動したときに,運用管理ドメインに構成定義された既存の論理J2EEサーバおよびSFOサーバに対して,接続先ホストから設定情報の読み込みを実施する必要があります。移行の手順中で,既存の論理J2EEサーバおよびSFOサーバの設定ファイルの内容が自動的に変更されるためです。

設定情報の読み込みは,Management Serverの運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」,またはmngsvrutilコマンドのサブコマンドreloadで実施できます。「論理サーバの環境設定」については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「7.5.2 「論理サーバの環境設定」での規則」を参照してください。また,mngsvrutilコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。

注意
06-50より前のバージョンから移行して,論理J2EEサーバの設定情報の再読み込みをした場合で,[トランザクションの設定]画面の「タイムアウト時間」に「設定しない」を指定しているときは,設定画面には0秒が表示されます。設定値を見直し,適切な値を指定してください。

(7) 論理サーバの環境変数定義の再設定

Management Serverを使用している場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」で使用する環境変数を設定していたときは,新たにインストールされたadminagent.xmlファイルに環境変数を再設定する必要があります。adminagent.xmlは次のディレクトリに格納されています。

adminagent.xmlでの環境変数の設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.5 adminagent.xml(運用管理エージェント設定ファイル)」を参照してください。

注意
  • adminagent.xmlはインストール時に上書きされ,既存のファイルはadminagent.xml.bakに退避されます。
  • adminagent.xmlはバージョンアップによって変更されている可能性があります。adminagent.xmlを編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。

(8) JP1イベントメッセージマッピングファイルの再設定

次に示すJP1イベントメッセージマッピングファイルは,アップグレードインストール時に上書きされないで旧バージョンのファイルが引き継がれます。

(a) JP1イベントメッセージマッピングファイルをカスタマイズしないで使用していた場合

次の場所に格納されているManagement Server用メッセージマッピングファイルとJ2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイルを修正しないで,旧バージョンのファイルに上書きしてください。

(b) JP1イベントメッセージマッピングファイルをカスタマイズして使用していた場合

次の場所に格納されているManagement Server用メッセージマッピングファイルとJ2EEサーバ共通用メッセージマッピングファイルをコピーして,旧バージョンのときと同様にカスタマイズした上で,旧バージョンのファイルに上書きしてください。

(9) Smart Composer機能の定義変更

Smart Composer機能でシステムを構築している場合には,次の設定変更をお勧めします。

(10) 論理サーバの環境設定情報の変更

論理サーバの環境設定情報の変更について説明します。

(11) snapshotログ収集先対象リストファイルの再設定

snapshotログを収集する場合に,snapshotログ収集先対象リストファイル(snapshotlog.confとsnapshotlog.2.conf)を編集して使用していたときは,新たにインストールされたsnapshotログ収集先対象リストファイルでsnapshotログの収集先を再設定する必要があります。

snapshotログ収集先対象リストファイルは,次のディレクトリに格納されています。

snapshotログ収集先対象リストファイルの設定については,「3.3.3(3) snapshotログの収集先のカスタマイズ」を参照してください。

注意
  • snapshotログ収集先対象リストファイルはバージョンアップ時に上書きされ,既存のファイルはsnapshotlog.conf.bakとsnapshotlog.2.conf.bakに退避されます。
  • バージョンアップによってsnapshotログの収集先が変更されることがあります。snapshotログの収集対象を編集して運用している場合は,新たにインストールされたファイルに,以前に編集した項目を再編集してください。

(12) Management Serverおよび運用管理エージェントのサービス再設定

Management Serverおよび運用管理エージェントのサービスの設定を,サービスメニューまたはmngautorunコマンドで変更している場合,アップグレードインストール時に設定がリセットされます。その場合は,再度サービスの設定を変更してください。

(13) 論理サーバごとの強制停止監視時間の設定の追加

06-50以降のバージョンで,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)でadminagent.forcestop.threaddump=trueを指定している場合は,adminagent.forcestop.threaddump.timeoutの指定値より長い値,または同じ値を,「強制停止監視時間」に指定してください。「強制停止監視時間」は,論理サーバの起動と停止の設定で指定します。

07-50より前からバージョンアップした場合には,「強制停止監視時間」の値に「1分」が設定されます。「強制停止監視時間」の値を変更しないと,adminagent.forcestop.threaddump.timeoutの値は無視され,スレッドダンプ出力が「1分」で終了しない場合も強制停止されるようになります。

(14) J2EEサーバおよびSFOサーバの起動パラメタでの単位の変更

08-00以降の運用管理ポータルでは,J2EEサーバおよびSFOサーバの[起動パラメタの設定]画面で,「初期サイズ」および「最大サイズ」の単位がメガバイトからバイトに変更になっています。なお,旧バージョンで指定した値は自動的に変換されます。

注意
運用管理ポータルから値を変更する場合に,08-00より前と同じ単位(メガバイト)で指定したいときは,値のあとにmを付けて指定してください。

(15) Smart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先変更

08-00からSmart Composer機能で使用するコマンドのメッセージの出力先が変更になります。バージョンごとの出力先を次の表に示します。

表12-20 バージョンごとの出力先

アプリケーションサーバのバージョンcmx_list_modelおよびcmx_list_statusコマンドの実行結果コマンドのメッセージ
Version 7標準出力標準出力または標準エラー出力
Version 8以降標準出力標準出力

なお,旧バージョンと同じ出力先にするためには,cmxclient.propertiesでcmx.output.modeキーの設定を変更する必要があります。cmxclient.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.4 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。

(16) Unshareable指定時のコネクションアソシエーションのプロパティ追加

06-50以降,ejbserver.connectionpool.association.enabled=trueが設定されたとしても,EJBまたはサーブレット/JSPのDDの<res-sharing-scope>タグにUnshareableが指定された場合,コネクションアソシエーションは行われません。06-50より前では,同条件でコネクションアソシエーションは行われていました。追加になったプロパティを次に示します。なお,ここでは,表記の都合上,キー名の途中で改行しています。

システムプロパティのキー名称デフォルト値
(旧バージョンと同等の値)
手順
ejbserver.connectionpool.association.
enabledDespiteUnshareableSetting
false(true)旧バージョンと同等の動作をさせるためには,明示的にプロパティを指定する必要があります。

プロパティの詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。

(17) セキュリティポリシーファイルの変更

統合ユーザ管理機能を使用している場合はセキュリティポリシーファイルの内容を見直してください。

セキュリティポリシーファイルで,Webアプリケーションのコードベース(file:${ejbserver.http.root}/web/${ejbserver.serverName}/-)のアクセス権の次の内容を見直してください。設定するアクセス権の内容については,javax.security.auth.AuthPermissionクラスを参照してください。

permission javax.security.auth.AuthPermission "createLoginContext.{name}";
permission javax.security.auth.AuthPermission "getSubject";

{name}には,JAASのコンフィグレーションファイルのアプリケーション名を指定します。{name}では,任意の名前を表すのにワイルドカード「*」を使用できます。

(18) 統合ユーザ管理のタグライブラリの入れ替え

統合ユーザ管理でタグライブラリを使用している場合は,uatags.jarとuatags.tldを入れ替えてください。

(19) デフォルトエラーページのスタックトレース表示

Servlet/JSPの実行中にcatchされない例外が発生し,Webアプリケーションがそのエラーをカスタマイズしない場合,デフォルトのエラーページが生成されクライアントに送信されます。このとき,06-51よりも前のバージョンではデフォルトのエラーページにスタックトレースを出力します。06-70以降では,スタックトレースを出力するかどうかをusrconf.propertiesで設定できます(デフォルトでは出力されません)。スタックトレースを出力する場合は,usrconf.propertiesで「webserver.errorpage.stack_trace.enabled=true」を指定してください。

(20) リダイレクタへのデータ送信処理のタイムアウト追加

07-00以降では,Webコンテナからリダイレクタへのデータ送信処理でタイムアウト機能が追加されました。usrconf.propertiesで次のキーが追加されています。

デフォルト値は600(秒)です。旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。

(21) ユーザスレッドの生成に必要な権限の追加

ユーザスレッドの生成に必要な権限の追加について,06-71以前のバージョンではserver.policyに権限の追加を定義する必要がありましたが,07-00以降ではserver.policyにデフォルトで定義が追加されています。

ただし,06-71以前のバージョンから08-00以降のバージョンに移行する場合には,server.policyには定義が追加されません。06-71以前のバージョンから08-00以降のバージョンに移行してユーザスレッドを使用する場合は,06-71以前と同様に,server.policyを編集して定義を追加する必要があります。

server.policyで,Webアプリケーションのコードベース(file:${ejbserver.http.root}/web/${ejbserver.serverName}/-)のアクセス権に次の内容を追加します。

permission java.lang.RuntimePermission "modifyThread";
permission java.lang.RuntimePermission "modifyThreadGroup";

(22) セッションIDへのサーバIDの付加

06-51以前では,javax.servlet.http.HttpSessionのセッションIDへサーバIDを付加する機能がデフォルトで無効でしたが,06-70以降ではデフォルトで有効になります。この機能によって,webserver.session.server_id.valueキーで指定したサーバIDがセッションIDに付加されます。セッションIDはCookie(名前はJSESSIONID)やURL書き換えによるセッション情報の管理に使用されます。

ただし,サーバIDはデフォルトではWebコンテナを実行するホストのIPアドレスとWebサーバとの通信に使用するポート番号(インプロセスHTTPサーバを使用する場合はインプロセスHTTPサーバが使用するポート番号)から生成されます。

セッションIDはクライアントに送信されるため,IPアドレスなどサーバ環境の情報を含まない値をサーバIDとして明示的に指定することをお勧めします。また,サーバIDがセッションIDに付加されることでセッションIDの文字列長は,06-51以前で,かつこの機能を使用していない場合に比べサーバIDの長さ分増加します。

06-51以前から08-00以降への移行で,セッションIDの長さの増加によって問題が発生する場合,次の対処を行ってください。

セッションIDおよびCookieへのサーバIDの付加については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「2.7.6 セッションIDおよびCookieへのサーバIDの付加」を参照してください。usrconf.propertiesについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.4 usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。

(23) RMIレジストリが使用するポート番号の追加

07-00以降では,RMIレジストリを使用します。RMIレジストリが使用するポート番号は,usrconf.propertiesの次のキーで指定します。

なお,デフォルト値は23,152です。

(24) javax.servlet.ServletExceptionで生成したオブジェクトに対するinitCauseメソッドの呼び出し

コンストラクタServletException(String,Throwable)およびServletException(Throwable)で生成したServletExceptionオブジェクトに対して,initCause(Throwable)を呼び出せません。initCause(Throwable)を呼び出したい場合は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に次のパラメタを設定する必要があります。

webserver.servlet_api.exception.getCause.backcompat=true

(25) SFOサーバの移行

07-50以降では,メモリセッションフェイルオーバ機能を使用している場合,バージョンアップ時にSFOサーバを移行する必要があります。

注意
SFOサーバの移行作業を実施しないで,07-50より前のバージョンで構築したSFOサーバを07-50以降の環境で使用すると,SFOサーバの起動に失敗します。

Management Serverを使用しているシステムの場合は,SFOサーバの設定情報の再読み込みを実施したあとに,SFOサーバのセットアップを実施してください。SFOサーバのセットアップは,Smart Composer機能を使用して構築したシステムの場合は,SFOサーバを含むWebシステムに対して,cmx_build_systemコマンドを実行してください。cmx_build_systemコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_build_system(Webシステムの構築)」を参照してください。Management Serverの運用管理ポータルを使用して構築したシステムの場合は,運用管理ポータルの「運用管理ドメインの構成定義」で,SFOサーバに対してセットアップを実施してください。なお,バージョンアップ前にセットアップを実施したSFOサーバの場合,バージョンアップ後も[セットアップ]画面で「セットアップ済」と表示されますが,「セットアップ済」のSFOサーバに対しても必ずセットアップを実施してください。「運用管理ドメインの構成定義」については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「7.5.1 「運用管理ドメインの構成定義」での規則」を参照してください。

Management Serverを使用していないシステムの場合は,J2EEサーバを移行する前に,サーバ管理コマンドを使用してSFOサーバを移行してください。サーバ管理コマンドを使用したSFOサーバの移行手順については,「12.1.13 メモリセッションフェイルオーバ機能を使用している場合のバージョンアップ」を参照してください。

(26) リダイレクタのログ出力先変更

UNIXの場合,06-50以降では,mod_jk.confのJkLogFileDirキーおよびJkTraceLogFileDirキーで指定したディレクトリにリダイレクタのログを出力します。また,06-50以降では,mod_jk.confのJkLogFileキーは使用しません。06-50以降で使用する場合,このキーの指定を削除またはコメントにする必要があります。指定が残っている場合,Hitachi Web Server起動時に警告メッセージがリダイレクタのログに出力されます。

(27) Webコンテナへのデータ送信処理のタイムアウト追加

07-00以降では,リダイレクタからWebコンテナへのデータ送信処理でタイムアウト機能が追加され,リダイレクタ動作定義ファイルにキーが追加されました。追加されたHitachi Web Server用リダイレクタ動作定義ファイル(mod_jk.conf)とMicrosoft IIS用リダイレクタ動作定義ファイル(isapi_redirect.conf)のキーを次に示します。

ファイル名キー名説明
mod_jk.confJkConnectTimeoutデフォルト値は,30(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
JkSendTimeoutデフォルト値は,100(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
JkRequestRetryCountデフォルト値は,3(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,デフォルト値のままにしてください。
isapi_redirect.confconnect_timeoutデフォルト値は,30(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
send_timeoutデフォルト値は,100(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,0(秒)を指定する必要があります。
request_retry_countデフォルト値は,3(秒)です。
旧バージョンと同等の動作をさせるためには,デフォルト値のままにしてください。

(28) リダイレクタの保守用トレースログの面数変更

07-00以降では,次のキーで指定するリダイレクタの保守用トレースログファイルの面数のデフォルト値が,2から4に変更となります。

アップグレードインストールの場合は,旧バージョンでの設定値が有効になります。旧バージョンで明示的に値を指定していなかった場合,旧バージョンと同等の動作をさせるためには,2を指定してください。

(29) ログ出力先の設定

07-10以降,cjclstartapコマンドを使用してEJBクライアントアプリケーションを起動した場合のデフォルトのログ出力先が変更になります。このため,既存のログ出力先を移行前のディレクトリにしたい場合,ejb.client.log.directoryプロパティを設定してください。なお,07-10以降でのデフォルトのログ出力先については,「12.1.3(71) cjclstartapコマンドの仕様変更」を参照してください。

(30) OutOfMemoryError発生時の運用管理エージェントの動作変更

OutOfMemoryError発生時に保守調査用ログを保護したり,不安定な状態で運用管理エージェントが動作することを防いだりするため,08-50から運用管理エージェントの動作が変更になります。

旧バージョンと同等の動作にするには,adminagentuser.cfgに次のオプションを追加してください。

add.jvm.arg=-XX:-HitachiOutOfMemoryAbort

(31) 負荷分散機のCookieスイッチング機能のモード変更

08-53から,負荷分散機のCookieスイッチング機能で使用しているスイッチングモードが,ハッシュモードからインサートモードへ変更されます。

08-53より前に,Smart Composer機能でBIG-IP v9のCookieスイッチング機能を使用してシステムを構築している場合は,cmx_delete_systemコマンドを実行してシステムを削除してから,再度,cmx_build_systemコマンドを実行してシステムを構築してください。

また,08-53以降では,簡易構築定義ファイルの<server-id-rule>タグが非推奨となります。<server-id-rule>タグに値を設定しても無視されます。

(32) TP1インバウンド連携機能の同期点待ち受けポートの追加

08-53以降のTP1インバウンド連携機能では,同期点待ち受けポートが追加になりました。デフォルトは23900です。このため,同期点待ち受けポートを必要に応じて変更してください。複数のTP1インバウンドアダプタを使用している場合は,cjrarupdateコマンド実行後に,同期点待ち受けポートにそれぞれ別のポート番号を設定してください。

(33) データベースセッションフェイルオーバ機能のデータベーステーブルの再作成

08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能では,データベースのアプリケーション情報テーブルとセッション情報格納テーブルのテーブル構成が08-53以前のテーブル構成と異なります。

08-70以降のバージョンに移行する場合は,08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能が提供するテーブル削除用SQLを使用してテーブルを削除してから,テーブル作成用SQLを使用してテーブルを作成してください。

(34) データベースセッションフェイルオーバ機能でのDB Connectorに設定するステートメントプールの数の変更

08-70以降のデータベースセッションフェイルオーバ機能では,DB Connectorに設定するステートメントプールの数が変更となります。Connector属性ファイルに次のプロパティを設定してください。

プロパティ名
PreparedStatementPoolSize
30×J2EEサーバ内のデータベースセッションフェイルオーバ機能を使用するWebアプリケーション数