この節では,アプリケーションサーバのシステムで想定されるトラブルの種別と,それに応じて取得が必要な資料について説明します。
トラブルシューティングに必要な資料は,発生したトラブルの種別によって異なります。例えば,エラーメッセージが出力されたのか,アプリケーションサーバのサーバプロセスが異常終了したのかによって,必要な資料は異なります。
また,トラブルの内容によっては保守員に連絡する必要があります。保守員とは,ご購入契約に基づくお問い合わせ窓口のことです。
- 保守員に連絡が必要なトラブル
- 出力されたエラーメッセージの対処に「保守員に連絡してください。」とある場合
- トラブルの要因がわからない場合
- エラーメッセージの内容に対処できない場合
保守員に連絡する場合には,次の内容をできるだけ正確に伝えてください。
- エラーの発生時期
- エラー発生の直前に実行した操作
- エラー発生時の画面の動作
- トラブル発生時に取得した資料
トラブルシューティングに必要な資料は,資料を保守員へ送付するときのタイミングによって,一次送付資料と二次送付資料に分類されます。
- メールなどで早急に送付する資料(一次送付資料)
メールの添付資料として送付できるファイルサイズの資料が該当します。メールなどで早急に保守員に送付できます。
例えば,次の資料が一次送付資料として取得できます。
- メッセージログ
J2EEサーバなどの稼働状態およびエラー情報が出力されます。
- ユーザログ
アプリケーション中で出力される標準出力および標準エラー出力の情報が出力されます。
- 例外ログ
システムでトラブルが発生したときの例外情報が出力されます。
- 保守用ログ
システムでトラブルが発生したときの障害保守情報が出力されます。保守員が障害解析用に使用します。
- 別途送付する資料(二次送付資料)
ファイルサイズが比較的大きく,保守員への送付に時間が掛かるため,メール以外の方法などで別途送付する必要がある資料が該当します。なお,二次送付資料には,一次送付資料の内容が含まれます。
例えば,次の資料が二次送付資料として取得できます。
- 性能解析トレース
リクエストの一連の処理で出力されるトレース情報が出力されます。
- メモリダンプ
プロセスのメモリイメージがダンプ出力されます。
- <この節の構成>
- 2.4.1 トラブルの種別と取得が必要な資料
- 2.4.2 取得が必要な資料の一覧
- 2.4.3 取得方法および調査方法との対応