3.15.13 実行環境での設定

ここでは,フォールトトレランスのための機能を使用する場合の設定について説明します。

なお,次に示す機能については事前に設定する必要はありません。

<この項の構成>
(1) J2EEサーバの設定
(2) リソースアダプタの設定
(3) J2EEアプリケーションの設定

(1) J2EEサーバの設定

J2EEサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。フォールトトレランスの定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定します。

簡易構築定義ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義について,次の表に示します。

表3-65 簡易構築定義ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義

分類プロパティ設定内容
コネクションの自動クローズejbserver.webj2ee.connectionAutoClose.enabledWebアプリケーションでコネクションを自動クローズするかどうかを指定します。
トランザクションタイムアウト(J2EEサーバ単位)※1ejbserver.jta.TransactionManager.defaultTimeOutJ2EEサーバ上で開始されるトランザクションのタイムアウトのデフォルト値を指定します。
トランザクションのリカバリejbserver.distributedtx.recovery.portグローバルトランザクションを使用する場合に,トランザクションのリカバリで使用する固定ポート番号を指定します。
未決着トランザクションの確認時間のタイムアウト※2ejbserver.distributedtx.recovery.completionCheckOnStopping.timeoutJ2EEサーバ停止時に行われるトランザクション仕掛かり完了確認のタイムアウト時間を指定します。

注※1 CMTの場合,Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位の設定もできます。Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位に設定する場合には,J2EEアプリケーションの設定時にサーバ管理コマンドを使用して属性ファイルに設定します。J2EEアプリケーションの設定については,「3.15.12 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。

注※2 アプリケーション開発時にタイムアウトを設定してください。J2EEアプリケーション運用時には,トランザクションの信頼性を保証するために,タイムアウトを設定しないことをお勧めします。


(2) リソースアダプタの設定

実行環境でのリソースアダプタの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルを使用します。フォールトトレランスのための機能の定義には,Connector属性ファイルを使用します。

Connector属性ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義について次の表に示します。

表3-66 Connector属性ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義

項目指定するパラメタ設定内容
コネクションの障害検知<property>タグのValidationTypeおよびValidationIntervalコネクションの障害を検知するタイミングおよび障害を検知する間隔を指定します。
なお,コネクションの障害検知にタイムアウトを設定する場合には,NetworkFailureTimeoutでコネクション管理スレッドの使用を有効にします。
コネクション管理スレッド<property>タグのNetworkFailureTimeoutコネクション管理スレッドを使用するかどうかを指定します。
コネクション管理スレッドを使用する場合,コネクションの障害検知機能,およびコネクション数調節機能のタイムアウトを使用する設定になります。07-60より前のバージョンでは5秒で固定です。08-00以降のバージョンでは任意の時間を指定できます(デフォルト値は5秒)。
コネクション枯渇時のコネクション取得待ち<property>タグのRequestQueueEnableコネクション枯渇時のコネクション取得待ちを有効にするかどうかを指定します。
<property>タグのRequestQueueTimeoutコネクション取得の待ち時間を指定します。
コネクションの取得リトライ<property>タグのRetryCountコネクション取得に失敗した場合のリトライ回数を指定します。
<property>タグのRetryIntervalコネクション取得に失敗した場合のリトライ間隔を指定します。
コネクションスイーパ<property>タグのSweeperIntervalでコネクションの自動破棄(コネクションスイーパ)が動作する間隔を指定し,
<property>タグのConnectionTimeoutコネクションの最終利用時刻からコネクションを自動破棄するかどうかを判定するまでの時間を指定します。
ステートメントキャンセル<config-property>タグのCancelStatementトランザクションタイムアウト発生時のステートメントキャンセルを有効にするかどうかを指定します。

注※ コネクションの障害検知機能とコネクション数調節機能のタイムアウトを同じキーで設定します。このため,コネクションの障害検知機能でタイムアウトを使用する場合は,コネクション数調節機能でもタイムアウトを使用する設定となります。


(3) J2EEアプリケーションの設定

実行環境でのJ2EEアプリケーションの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルで実施します。パフォーマンスチューニングのための機能の定義には,Session Bean属性ファイル,Entity Bean属性ファイルまたはMessage-driven Bean属性ファイルを使用します。

これらの属性ファイルで指定するタグは,cosminexus.xmlと対応しています。cosminexus.xmlでの定義については,「3.15.12 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。