業務システムは,Webサーバ,J2EEサーバ,負荷分散機,運用管理用のサーバなど,複数の要素で構成されています。また,J2EEサーバ内にも,複数の機能があります。アプリケーションサーバを中心とした業務システムを,特長を生かして円滑に運用するためには,システムの用途に応じたシステム構成を検討し,それぞれの要素の多様なパラメタを,適切な関係で設定する必要があります。
ここでは,システムを導入および拡張するときの,アプリケーションサーバの特長について説明します。
J2EEアプリケーションを実行するシステムは,次のどちらかの方法で一括して構築できます。
構築するシステムの構成によって,これらの方法を使い分けることができます。
また,同じ業務サービスを提供するシステムは,ユニットという概念で管理できます。ユニット単位でシステム構成の変更やスケールアウトができるため,サービス提供規模などの変更に対応して,スムーズにシステムを拡張できます。
システムを導入する場合,本番稼働用の実行環境(本番環境)でシステムを構築する前に,デバッグ環境(テスト環境)を構築して,テストおよびチューニングを実施することがあります。アプリケーションサーバでは,稼働中のJ2EEサーバ上でテスト用のJ2EEアプリケーションを動作させられます。これによって,本番環境と同じ環境でのテストができます。
さらに,テスト環境でチューニング済みの定義をまとめてファイルに出力できます。本番環境を構築するときには,このファイルを本番環境用の定義として使用できます。これによって,テスト環境でチューニングした内容を再度本番環境で設定する必要がなくなり,構築済みのシステムのスムーズな移行を実現できます。
アプリケーションサーバ独自の定義情報を開発環境でXMLファイル(cosminexus.xml)に定義できます。このファイルを含むアプリケーションを実行環境のJ2EEサーバにインポートすることで,実行環境での属性設定が不要になります。
例えば,リソースとのリンク解決などを開発環境で定義できるため,実行環境ではインポートしてすぐにアプリケーションを開始できます。また,DDを変更してアプリケーションを入れ替えるときなどに,アプリケーションサーバ独自の定義をし直す必要がありません。
なお,実行環境でアプリケーションの属性を設定したい場合は,CUI(サーバ管理コマンド)を使用します。
同一製品のバージョンアップやパッチの違い,設定内容の違いなどによるシステムの動作を,1台のマシンでの検証が必要な場合があります。Cosminexusのアプリケーションサーバでは,バージョンアップまたはパッチ適用の前の実行環境の情報を,一括して退避できます。退避後には,バージョンアップまたはパッチ適用後の別の実行環境を同じマシン内に構築できます。
これによって,複数の構築済み実行環境の切り替えが,効率良く,かつ確実に実行できます。
なお,この機能は,UNIXの場合に使用できる機能です。