4.5.2 Cosminexus RMを利用した実行環境

Cosminexus RMを利用した実行環境の場合,アプリケーションサーバはキューをデータベース上に構築します。データベースのデータとして登録することによって,メッセージを送信したときに受信側が受信できなかった場合に,正しく受信されるまでキューにメッセージを保持できます。これによって,確実なメッセージ配信を実現できます。

Cosminexus RMを利用した実行環境では,アプリケーションサーバが提供するCosminexus RMおよびDB Connector for Cosminexus RMという二つのリソースアダプタを利用して,データベース上のキューの実現,およびアプリケーションからデータベース上のキューへのアクセスなどを実現します。

実行環境の例を次の図に示します。

図4-17 メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境の例(Cosminexus RMを利用する場合)

[図データ]

送信側のアプリケーションサーバ上で動作するメッセージを送信するアプリケーションから,Cosminexus RMおよびDB Connector for Cosminexus RMを経由してメッセージが送信され,キューに登録されます。メッセージがキューに登録されると,受信側のアプリケーションサーバ上のCosminexus RMおよびDB Connector for Cosminexus RMによってメッセージが取り出され,メッセージを受信するアプリケーションに渡されます。受信側のアプリケーションサーバでは,メッセージの到着を契機として,アプリケーションが実行されます。なお,同じマシン内のアプリケーション間で非同期通信を実現したい場合は,送信側のアプリケーションサーバと受信側のアプリケーションサーバを同じマシンにすることもできます。

また,キューに登録されたメッセージを異なるシステムのキューに転送する場合は,WS-Reliabilityに基づいた転送が実行されます。WS-Reliabilityは,SOAPプロトコルをベースに,標準化団体OASISで標準化された,インターネット向けのオープンな非同期通信プロトコルです。異なるシステム間のキューでメッセージが転送される場合,メッセージはSOAPメッセージの形式で転送されます。

メッセージの転送の概要を,次の図に示します。

図4-18 メッセージの転送の概要

[図データ]

ポイント
メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境の送信側と受信側に使用できる製品を次の表に示します。

表4-3 メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの送信側と受信側に使用できる製品

構築する実行環境使用できる製品
送信側Application Server Standard
Application Server Enterprise
Service Platform
Developer Professional
Service Architect
受信側Application Server Standard
Application Server Enterprise
Service Platform
Developer Professional
Service Architect
(WS-Reliabilityに対応した異なるシステム)

注※ 開発環境でのデバッグ環境として使用できます。


メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境については,マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照してください。