1.2 アプリケーション実行環境とアプリケーション開発環境

この節では,アプリケーションサーバの特長について説明します。

アプリケーションサーバは,サービスを実行するための基盤(サービスデプロイメント)となる製品です。性能と信頼性を確保しながらユーザにサービスを提供する,アプリケーション実行環境を構築します。また,サービスとなるアプリケーションを開発する環境も構築できます。

アプリケーションの実行環境とアプリケーションの開発環境の特長を次に示します。

アプリケーション実行環境
アプリケーションを実行することでユーザにサービスを提供する基盤となる環境です。
アプリケーション実行環境では,次の2種類の業務を実行できます。
  • オンライン業務(オンライン処理)
    インターネットやイントラネット上のユーザから送信された要求を随時処理する形式の業務です。オンライン業務では,Java EEの技術を使用して開発されたアプリケーションを実行します。この環境を,J2EEアプリケーション実行環境といいます。
  • バッチ業務(バッチ処理)
    定型的な業務を決まった時間にまとめて処理する形式の業務です。従来メインフレーム上などで実行されていたバッチジョブを,オープン環境の技術であるJavaを使用して実現できます。Javaで開発したバッチジョブを実行するためのアプリケーションをバッチアプリケーションといいます。バッチアプリケーションを実行するための環境をバッチアプリケーション実行環境といいます。
アプリケーション開発環境
アプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションを開発する環境です。アプリケーションサーバでは,実行環境上で動作するアプリケーションの設計・開発からデバッグまでを統括的に支援する開発環境を構築・運用できます。
<この節の構成>
1.2.1 J2EEアプリケーション実行環境の概要と特長
1.2.2 バッチアプリケーション実行環境の概要と特長
1.2.3 アプリケーション開発環境の概要と特長
1.2.4 アプリケーションの実行環境と開発環境の関係