4.1.7 Webサービスへの対応

Webサービスとは,システム間でプログラムを使用して情報をやり取りし,ほかのシステムが持つアプリケーションをWeb上で使用できるようにした仕組みです。また,Webサービスの仕組みによってネットワーク経由で公開,実行できるアプリケーションのことも,Webサービスといいます。アプリケーションサーバでは,Webサービスの実行環境としての機能を提供するほか,Webサービスに対応したアプリケーションの開発を支援しています。

Webサービスの多くは,SOAPと呼ばれるプロトコルを使用して,ネットワーク上でのシステム間連携を実現します。SOAPでは他システムのアプリケーションへのアクセスを実現するために,下位のトランスポート層にWeb標準のHTTPプロトコルを利用します。アプリケーションサーバでは,JAX-WS 2.1仕様に従って,WebサービスクライアントとWebサービス間のSOAPメッセージのバインディングを実現します。

Webサービス利用環境の概要を次の図に示します。

図4-6 Webサービス利用環境の概要

[図データ]

Webサービスの利用環境には,Webサービスのクライアントになる実行環境と,Webサービスのサーバになる実行環境が必要です。アプリケーションサーバでは,これら両方の実行環境を構築できます。

Webクライアントのユーザからのリクエストを受け付けた実行環境(Webサービスのクライアント)は,Webサービスを提供する実行環境(Webサービスのサーバ)にSOAPメッセージを送ります。Webサービスのサーバでは,処理を実行して,結果をレスポンスとしてWebサービスのクライアントに送信します。WebサービスのクライアントとWebサービスのサーバ間の通信にはSOAPプロトコルを使用します。

機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ Webサービス開発の手引」を参照してください。

参考
アプリケーションサーバ07-60までで提供していたWebサービス(SOAPアプリケーション)の実行基盤は,JAX-WS 2.1仕様には準拠していません。JAX-WS 2.1仕様に準拠しない形式のWebサービスを使用する場合は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」を参照してください。