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uCosminexus Application Runtime for Spring Boot ユーザーズガイド


17.3.1 ファイルによる情報の収集

表17-2 スナップショットログ収集機能の収集対象情報と収集方法」で収集方法が「ファイル」になっている収集対象情報は,ファイルに含まれた状態で収集されます。ここでは,スナップショットログ収集機能で収集されるファイルのパスについて説明します。なお,パスがディレクトリを指す場合,サブディレクトリの情報も収集されます。収集対象のパスにファイルがある場合だけ,情報が収集されます。

収集対象パスは正規化されます。正規化では「.」および,「<親ディレクトリ>/..」のパス要素が除去されます。「..」の前のパス要素がシンボリックリンクの場合,実ファイルのパスと異なるパスが収集対象となります。

収集対象を変更したい場合は,「17.8.1 収集対象を変更したい場合」を参照してください。

重要

収集対象外のファイルは収集されません。また,収集対象および収集対象外の両方に当てはまるファイルは収集されません。例えば,snapshot.include.paths.<n>とsnapshot.exclude.globs.<n>にそれぞれ同じファイルを指定した場合は,そのファイルは収集されません。

注※

config.properties(本製品の設定ファイル)のプロパティです。詳細は,「18.2.4(4) スナップショットログ収集機能に関するプロパティ」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス

実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパスを次の表に示します。glob形式で表記しています。

表17‒3 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス

収集対象のパス(glob形式)

パスの説明

備考

/etc/hosts

ホスト定義ファイルのパス

なし

/var/log/messages*

syslogのパス

なし

/var/log/syslog*

syslogのパス

なし

${common.base}

ログ出力先のディレクトリのパス

なし

${monitor.log.maintenance.filepath}*

プロセスモニタの保守ログのパス

なし

${monitor.log.message.filepath}*

プロセスモニタのメッセージログのパス

なし

${snapshot.include.paths.<n>}

追加で指定した収集対象のファイルのパス

なし

${tracer.log.filepath}*

トレースログのパス

なし

<環境変数PROCESS_MONITOR_CONFIG_PATHの値>

本製品の設定ファイルのパス

環境変数PROCESS_MONITOR_CONFIG_PATHが未設定の場合,次のパスが収集対象となります。

<本製品のインストールディレクトリ>/conf/config.properties

/etc/.hitachi/pplistd/pplistd

本製品のバージョン情報ファイルのパス

なし

/etc/.hitachi/ppinfo

本製品のバージョン情報ファイルのパス

なし

<本製品のインストールディレクトリ>/internal/version.dat

本製品のバージョン情報ファイルのパス

なし

<本製品のインストールディレクトリ>/install.log

本製品のインストールログのパス

なし

(凡例)

*:ワイルドカードを示します。

注※

複数のパスを収集対象として追加できます。収集対象のファイルを追加したい場合は,「17.8.1(2) スナップショットログの収集対象を追加する」を参照してください。

(2) 実行可能JAR/WAR形式の収集対象のパス

実行可能JAR/WAR形式の場合,「表17-3 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス」の情報に加え,次の表に示す情報も収集されます。表はglob形式で表記しています。

表17‒4 実行可能JAR/WAR形式の収集対象のパス

収集対象のパス(glob形式)

パスの説明

備考

<作業ディレクトリ>/core.*

コアダンプファイルのパス

なし

<作業ディレクトリ>/hs_err_pid*

JavaVMログのパス

-XX:ErrorFile未指定時のデフォルト値に対応しています。

<作業ディレクトリ>/java_pid*

JavaVMログのパス

-XX:HeapDumpPath未指定時のデフォルト値に対応しています。

<組み込みTomcatのアクセスログ出力ディレクトリ>/<Spring Bootのプロパティserver.tomcat.accesslog.prefixの値>*<Spring Bootのプロパティserver.tomcat.accesslog.suffixの値>

組み込みTomcatのアクセスログのパス

  • Spring Bootのプロパティserver.tomcat.accesslog.enabledがtrueのときだけ収集されます。

  • Spring Bootのプロパティserver.tomcat.accesslog.suffixに,/ を含む値が指定された場合は,収集されません。

${monitor.log.stdout.filepath}*

プロセスモニタの標準出力ログのパス

なし

${monitor.log.stderr.filepath}*

プロセスモニタの標準エラー出力ログのパス

なし

(凡例)

*:ワイルドカードを示します。

注※

組み込みTomcatのアクセスログ出力ディレクトリとは,次のSpring Bootのプロパティで定まるディレクトリのことです。

・server.tomcat.basedir

・server.tomcat.accesslog.directory

(3) WARデプロイ形式の収集対象のパス

WARデプロイ形式の場合,「表17-3 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス」の情報に加え,次の表に示す情報も収集されます。表はglob形式で表記しています。

表17‒5 WARデプロイ形式の収集対象のパス

収集対象のパス(glob形式)

パスの説明

${CATALINA_BASE}/bin/setenv.sh

Tomcatの環境設定スクリプトのパス

${CATALINA_HOME}/bin/setenv.sh

Tomcatの環境設定スクリプトのパス

${CATALINA_BASE}/conf

Tomcatの設定ディレクトリのパス

${CATALINA_HOME}/conf

Tomcatの設定ディレクトリのパス

(4) その他の収集対象

表17-3 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス」,「表17-4 実行可能JAR/WAR形式の収集対象のパス」,および「表17-5 WARデプロイ形式の収集対象のパス」の情報に加え,次の表に示す情報も収集されます。

表17‒6 スナップショットログ収集機能のその他の収集対象

収集対象

説明

備考

各アプリケーションのファイル(デプロイメント・ディスクリプタファイル)

デプロイされたアプリケーション中の下記ファイルが収集されます。

  • /META-INF/context.xml

  • /WEB-INF/web.xml

  • /WEB-INF/tomcat-web.xml

WARデプロイ形式の場合だけ収集されます。

Spring Bootコア機能のログ

次のSpring Bootのプロパティで定まるファイルが収集されます。

  • logging.file.name

  • logging.file.path

  • 次の条件のどちらかに当てはまる場合は,収集されません。

    ・logging.file.name,logging.file.pathの2つとも未設定の場合

    ・Spring Bootのプロパティlogging.configが設定されている場合

  • WARデプロイ形式の場合,各アプリケーションの設定に従って,収集対象のルールが決定します。収集対象のルールは,アプリケーションをデプロイしたときに決定します。ただし,アプリケーションをアンデプロイしたとしても,プロセスモニタが終了するまで決定したルールは削除されません。

コマンド実行結果格納ディレクトリ

スナップショットログ収集中にコマンドが実行され,結果がファイルに出力されます。コマンド実行結果格納ディレクトリには,これらのファイルが格納されます。

コマンド実行結果格納ディレクトリの詳細は「17.3.2 コマンドの実行による情報の取得」を参照してください。

(5) 独自の収集対象パス(日立JavaVMを使用する場合)

日立JavaVMを利用している場合,「(1) 実行可能JAR/WAR形式とWARデプロイ形式で共通の収集対象のパス」,「(2) 実行可能JAR/WAR形式の収集対象のパス」,「(3) WARデプロイ形式の収集対象のパス」および「(4) その他の収集対象」で示した情報に加え,スレッドダンプファイルも収集されます。詳細を次の表に示します。

表17‒7 スナップショットログ収集機能で日立JavaVMを利用する場合だけ収集される情報

収集対象

説明

スレッドダンプファイル

モニタ対象プロセスが起動してから出力されたスレッドダンプファイルがすべて収集されます。次のファイルが収集対象です。

  • スナップショットログ収集時に要求したスレッドダンプファイル

  • スナップショットログ収集要求以前に出力されたスレッドダンプファイル

なお,スレッドダンプファイルの出力ファイル名および出力内容は,マニュアル「uCosminexus Application Runtime - Cosminexus Developer's Kit for Java 機能解説・リファレンス」を参照してください。

(6) 収集対象外ファイル

収集対象外のファイルパスを次の表に示します。パスはglob形式で表記しています。

表17‒8 収集対象外のパス

収集対象外のパス(glob形式)

パスの説明

${CATALINA_BASE}/conf/tomcat-users.xml

Tomcat Managerのログインユーザ定義ファイルのパス(WARデプロイ形式の場合)

${CATALINA_HOME}/conf/tomcat-users.xml

Tomcat Managerのログインユーザ定義ファイルのパス(WARデプロイ形式の場合)

${snapshot.log.filepath}*.zip

過去に出力されたスナップショットファイルのパス

${common.base}/.unmasked

アプリケーション設定値情報のマスキング前ファイルの配置ディレクトリのパス

${snapshot.exclude.globs.<n>}

収集対象外に指定したファイルのパス

(凡例)

*:ワイルドカードを示します。

注※

複数のパスを収集対象外に指定できます。収集対象外のパスを指定したい場合は,「17.8.1(1) 特定のファイルおよび特定のディレクトリを収集対象外にする」を参照してください。

なお,収集対象外のパスは正規化されます。正規化では「.」および「<親ディレクトリ>/..」のパス要素が除去されます。「..」の前のパス要素がシンボリックリンクの場合,実ファイルのパスと異なるパスが収集対象外となります。「**/..」の場合も「**」が親ディレクトリと見なされるため,パターンから除去されます。

例えば,次の設定は,

snapshot.exclude.globs.1=/aaa/**/../ccc

スナップショットログ収集では次のとおりに扱われます。

snapshot.exclude.globs.1=/aaa/ccc