9.1 トレース機能の概要
本製品のトレース機能とは,Tomcatを利用したシステムで,リクエスト実行中の性能影響個所や障害発生個所の特定を手助けする機能です。Tomcatの処理の入口と出口には,多くのトレース取得ポイントが設定されています。これによって,障害発生個所などを特定しやすくなります。また,uCosminexus Application Serverと組み合わせて使用する場合は,PRFトレース機能と連携できます。
- メモ
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Tomcatの内部処理の調査はスレッドダンプなどを活用してください。
トレース機能を使用するための前提条件,トレース取得ポイント,トレースの種類,およびuCosminexus Application Serverとの連携について説明します。
- トレース機能使用時の前提条件
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トレース機能を使用する際の前提条件は,ホストアドレスにIPv4のアドレスが割り当てられていることです。IPv4アドレスおよびIPv6アドレスの両方を持つホストで稼働させる場合,java.net.preferIPv6Addressesはデフォルト値(false)のままにします。
- トレース取得ポイント
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本製品のトレース取得ポイントを次の図に示します。
図9‒1 本製品のトレース取得ポイント - トレースの種類
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本製品のトレース機能では,次の種類のトレースを取得します。
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サーバの開始時および終了時のトレース
詳細は,「9.4 サーバの開始時および終了時のトレース」を参照してください。
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Webアプリケーションの開始時および終了時のトレース
詳細は,「9.5 Webアプリケーションの開始時および終了時のトレース」を参照してください。
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HTTPリクエストおよびサーブレット・フィルタのトレース
詳細は,「9.6 HTTPリクエストおよびサーブレット・フィルタのトレース」を参照してください。
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HTTPセッションのトレース
詳細は,「9.7 HTTPセッションのトレース」を参照してください。
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JAX-RSクライアントのトレース
詳細は,「9.8 JAX-RSクライアントのトレース」を参照してください。
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Tomcat JDBC Connection Poolのトレース
詳細は,「9.9 Tomcat JDBC Connection Poolのトレース」を参照してください。
- 重要
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データベースへのアクセスのトレースは,Tomcat JDBC Connection Pool経由でアクセスした場合に取得します。
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JAX-RSクライアントのトレースは,JAX-RS Client仕様のサードパーティライブラリ経由でアクセスした場合に取得します。java.net.URLConnectionクラスを直接利用したアクセスなど,JavaAPIを直接呼び出した場合にはトレースを取得しません。
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セキュリティマネージャが有効な環境での動作は保証しません。
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- uCosminexus Application Serverとの連携
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TomcatとuCosminexus Application Serverを組み合わせてシステムを構築する場合に限り,PRFトレースと連携できます。連携すると,TomcatからuCosminexus Application ServerへのHTTPの呼び出しを1つの処理単位として,uCosminexus Application Serverのパフォーマンストレーサで認識できます。これによって,TomcatからuCosminexus Application Serverまでの処理をまとめて調査できます。PRFトレースおよびパフォーマンストレーサについては,uCosminexus Application Serverのマニュアルを参照してください。