Hitachi

uCosminexus Application Runtime for Apache Tomcat ユーザーズガイド


3.3 Tomcatに組み込む

本製品をTomcatに組み込むための方法を次に示します。

ここでは,Tomcatのインストール先パスを${CATALINA_HOME}と表記し,環境変数CATALINA_BASEが指すパスを${CATALINA_BASE}と表記します。環境変数CATALINA_BASEを使用していない場合は,${CATALINA_BASE}を${CATALINA_HOME}に読み替えてください。

操作手順を次に示します。

操作手順

  1. インストールディレクトリとファイルの所有グループをTomcat実行ユーザに合わせて変更する。

    root以外のユーザでTomcatを実行する場合,本製品のインストールディレクトリとその配下のサブディレクトリおよびファイルの所有グループを,Tomcat実行ユーザが属するグループに変更します(Tomcat実行ユーザに書き込み権限を与えないように,所有ユーザはrootのままにしてください)。

    Tomcat実行ユーザが属するグループ名が「tomcat」の場合の実行例を次に示します。

    $ sudo chgrp -R tomcat /opt/hitachi/ucart
  2. 各種定義ファイルのバックアップを作成する。

    次の3つの定義ファイルについて,編集前の状態でバックアップを作成しておきます。

    • ${CATALINA_BASE}/conf/catalina.properties(Tomcatのプロパティ定義ファイル)

    • ${CATALINA_BASE}/conf/server.xml(Tomcatのサーバ設定ファイル)

    • ${CATALINA_BASE}/conf/context.xml(Tomcatのコンテキスト設定ファイル)

    また,次の2つのファイルについても,すでに存在する場合はバックアップを作成しておきます。

    • ${CATALINA_HOME}/bin/setenv.sh(Tomcat起動時の環境変数定義ファイル)

    • ${CATALINA_BASE}/bin/setenv.sh(Tomcat起動時の環境変数定義ファイル)

  3. ${CATALINA_BASE}/bin/setenv.shを作成する。

    本製品の動作に必要な環境変数を,${CATALINA_BASE}/bin/setenv.sh(Tomcat起動時の環境変数定義ファイル)に定義します。

    このファイルのテンプレートをコピーして使うこともできます。次のコマンドでコピーできます。

    $ sudo cp /opt/hitachi/ucart/template/tomcat/setenv.sh "${CATALINA_BASE}/bin/setenv.sh"

    ユーザ側でカスタマイズが必要な場合は,コピーしたあとのファイルを修正してください。

    setenv.sh(Tomcat起動時の環境変数定義ファイル)の詳細は,「12.3 setenv.sh(Tomcat起動時の環境変数定義ファイル)」を参照してください。

  4. ${CATALINA_BASE}/conf/catalina.propertiesを編集する。

    本製品の動作に必要なプロパティを,${CATALINA_BASE}/conf/catalina.properties(Tomcatのプロパティ定義ファイル)に追記します。

    sedコマンドを利用して置換する場合は,次のように実行してください。

    $ sudo sed -i -e "s/^\(common\.loader=[^\r]*\)\(\r\?\)$/\1,\"\${com.cosminexus.appruntime.lib.path}\/tomcat\/common\/*.jar\"\2/g" "${CATALINA_BASE}/conf/catalina.properties"

    catalina.properties(Tomcatのプロパティ定義ファイル)の詳細は,「12.4 catalina.properties(Tomcatのプロパティ定義ファイル)」を参照してください。

  5. ${CATALINA_BASE}/conf/server.xmlを編集する。

    本製品の動作に必要な定義を,${CATALINA_BASE}/conf/server.xml(Tomcatのサーバ設定ファイル)に追記します。

    このファイルのテンプレートをコピーして使うこともできます。ユーザ側でserver.xml(Tomcatのサーバ設定ファイル)のカスタマイズが必要な場合は,テンプレートからコピーしたあとでカスタマイズしてください。

    Tomcat 9.xの場合

    $ sudo cp /opt/hitachi/ucart/template/tomcat9/server.xml "${CATALINA_BASE}/conf/server.xml"

    Tomcat 10.xの場合

    $ sudo cp /opt/hitachi/ucart/template/tomcat10.1/server.xml "${CATALINA_BASE}/conf/server.xml"

    server.xml(Tomcatのサーバ設定ファイル)の詳細は,「12.5 server.xml(Tomcatのサーバ設定ファイル)」を参照してください。

  6. ${CATALINA_BASE}/conf/context.xmlを編集する。

    本製品の動作に必要な定義を,${CATALINA_BASE}/conf/context.xml(Tomcatのコンテキスト設定ファイル)に追記します。

    このファイルのテンプレートをコピーして使うこともできます。ユーザ側でcontext.xml(Tomcatのコンテキスト設定ファイル)のカスタマイズが必要な場合は,テンプレートからコピーしたあとでカスタマイズしてください。

    Tomcat 9.xの場合

    $ sudo cp /opt/hitachi/ucart/template/tomcat9/context.xml "${CATALINA_BASE}/conf/context.xml"

    Tomcat 10.xの場合

    $ sudo cp /opt/hitachi/ucart/template/tomcat10.1/context.xml "${CATALINA_BASE}/conf/context.xml"

    context.xml(Tomcatのコンテキスト設定ファイル)の詳細は,「12.6 context.xml(Tomcatのコンテキスト設定ファイル)」を参照してください。

これでTomcatへの組み込み作業は完了です。