数字項目のけた拡張機能とは,数字項目(外部10進項目,内部10進項目)および数字定数で扱えるけた数の上限を18けたから38けたに拡張するものです。これによって,38けたに拡張した数字項目や数字定数を,算術演算,転記,および比較条件で使用できます。なお,算術演算での中間結果を保持する領域は,30けたの固定小数点形式から40けたの10進浮動小数点形式となります。
数字項目のけた拡張機能で38けたの数字項目を定義したコーディング例を次に示します。
図27-1 38けたの数字項目を定義したコーディング例
![[図データ]](figure/zu300010.gif)
数字項目のけた拡張機能を使用する場合の注意事項を次に示します。
- 数字項目のけた数は,従来の18けたより大きなけた数が扱えますが,けた数が増えると実行時間も大きく増えるおそれがあります。
- 数字項目のけた拡張機能を使用した場合,中間結果で保持するけた数が,数字項目のけた拡張機能を使用しない場合より大きい40けたとなるため,従来の18けた以下の演算であっても演算結果が異なる場合があります。
- 次の場合は,数字項目のけた拡張機能と同時に使用できません。
- MEDIAN関数の引数に,算術式または一部の組み込み関数を指定したとき。
MEDIAN関数の引数に指定できない組み込み関数については,マニュアル「COBOL2002 言語 拡張仕様編 21.10.1 引数(数字項目のけた拡張機能)」を参照してください。
- TURN指令にEC-SIZEを指定したとき。