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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.14.1 GADを使用した環境移行

正サイトと副サイトのストレージシステムでGADペアを作成し、データを移行します。その後、GADの運用を終了し、データの移行元ストレージシステムを撤去する手順の流れを次に示します。

次に示すストレージシステム間のデータ移行を、業務無停止で行うことを想定しています。

移行元ストレージシステム 移行先ストレージシステム

VSP G100, G200, G400, G600, G800およびVSP F400, F600, F800

VSP Eシリーズ

VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900

VSP Eシリーズ

VSP Eシリーズ

VSP Eシリーズ

VSP G100, G200, G400, G600, G800およびVSP F400, F600, F800

VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900

VSP G1000, G1500およびVSP F1500

VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900

VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900

VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900

[図データ]
  1. 1.4.1 global-active deviceの環境構築手順」を参照し、正サイトのストレージシステムと、副サイトのストレージシステムとで、GADペアを作成し、ストレージシステムを二重化します。

    この際の障害リカバリおよび保守運用については、「1.7.1 global-active deviceの障害リカバリ」および「1.9.1 global-active deviceの保守運用」を参照してください。

    サーバからは、GADペアを構成する2台のストレージシステムのボリュームに対して、I/Oを実行します。

    メモ

    GADを使用した環境移行では、Quorum ディスクにボリュームを設定する必要はありません。

  2. サーバで次の操作をします。

    • サーバから正サイトへの交替パスを無効化、または削除する

    • 正サイトのプライマリボリュームへのI/O を停止する

    このとき、副サイトのセカンダリボリュームへのI/O は停止させないで継続させます。

    サーバから正サイトのプライマリボリュームへのI/Oがないことを確認してから、次の手順に進んでください。

  3. 副サイトのセカンダリボリュームを指定して、GADペアを中断します。

    副サイトのセカンダリボリュームのペア状態はSSWS(I/OモードはLocal)に、正サイトのプライマリボリュームはPSUS(I/OモードはBlock)に変わります。

    コマンド例

    pairsplit -g oraHA -RS -IH1
  4. 副サイトのセカンダリボリュームを指定して、GADペアを削除します。

    GADペアを削除すると、正サイトにあるプライマリボリュームであったボリュームは、仮想属性にGAD予約が割り当てられたボリュームに変わります。なお、副サイトにあるセカンダリボリュームであったボリュームは、サーバからのI/Oを継続するため仮想LDEV IDを保持し続けます。

    GADペアを削除したあとは、プライマリボリュームとして使用していたボリュームへのLUパスを削除できます。また、LUパスを削除したあとは、プライマリボリュームとして使用していたボリュームを削除できます。

    コマンド例

    pairsplit -g oraHA -S -IH1
  5. 正サイトと副サイトのストレージシステムの両方で、Quorumディスクの設定を解除します。

    コマンド例

    raidcom delete quorum -quorum_id 0 -request_id auto -IH0
  6. Quorumディスクにボリュームを設定する構成で移行操作した場合は、正サイトと副サイトのストレージシステムの両方で、Quorumディスクとして使用していた外部ボリュームを必要に応じて削除します。Quorumディスクにボリュームを設定しない構成で移行操作した場合は、手順6が不要です。手順7を実施します。

  7. 正サイトと副サイトのストレージシステムの両方で、正サイトと副サイトのストレージシステム間のリモート接続を削除します。

    コマンド例

    raidcom delete rcu -cu_free 422222 M800 0 -IH0
  8. 必要に応じて、GADのライセンスをアンインストールします。

  9. 正サイトと副サイトのストレージシステム間の物理パスを取り外します。

  10. 正サイトのストレージシステムを停止させて、撤去します。