2.8.18 プログラムプロダクトを連携した状態でのDP-VOLの容量拡張
ここでは、プログラムプロダクト連携時の容量拡張順序を説明します。最初に基本的な考え方を説明し、次に具体的な操作手順を説明します。
-
(7) Universal ReplicatorペアとShadowImageを併用している状態でDP-VOLの容量を拡張する
-
(8) Universal ReplicatorペアとThin Imageを併用している状態でDP-VOLの容量を拡張する
- 〈この項の構成〉
(1) プログラムプロダクト連携時の容量拡張順序の考え方
Universal Replicatorペアが次のプログラムプロダクトと連携している状態で、Universal Replicatorペアおよび各プログラムプロダクトのペアが使用しているDP-VOLの容量を拡張できます。
-
global-active device
-
TrueCopy
-
ShadowImage
-
Thin Image
TrueCopyペアが各プログラムプロダクトと連携した構成の場合、各DP-VOLの拡張順序は、次の2つの拡張順序を合わせこんだ順序となります。
-
TrueCopyペアの1対1構成時の拡張順序
-
各プログラムプロダクトの1対1構成時の拡張順序
次にプログラムプロダクト連携を考慮した、DP-VOLの拡張順序の考え方を示します。
-
リモートコピー(TrueCopy/Universal Replicator/GAD)が存在する場合
リモートコピーの末端となるS-VOL側から拡張し、最後にP-VOL側を拡張します。
具体的な拡張手順については、次の手順を参照してください。
-
リモートコピー(TrueCopy/Universal Replicator/GAD)にローカルコピー(ShadowImage/Thin Image)が連携している場合
次に示すまとまりごとに拡張します。最初に、リモートコピーのS-VOLのまとまりを拡張し、次に、リモートコピーのP-VOLのまとまりを拡張します。
-
リモートコピーのS-VOLと、そのS-VOLと連携しているローカルコピーのボリュームすべてのまとまり
-
リモートコピーのP-VOLと、そのP-VOLと連携しているローカルコピーのボリュームすべてのまとまり
まとまり内の拡張順序は、ローカルコピーの拡張順序に従います。
具体的な拡張手順については、次の手順を参照してください。
-
-
ローカルコピー(ShadowImage/Thin Image)の拡張順序は、上の階層から順に実施します。 同一階層の場合は順不同です。
(2) ローカルコピーのS-VOLにリモートコピーのP-VOLを連携する構成での容量拡張順序の考え方
リモートコピーのP-VOLにローカルコピーのS-VOLが連携していた場合、次の順番で容量拡張します。
-
リモートコピーのS-VOLのまとまりを容量拡張します(図の「1」、「2」、「3」)。
-
リモートコピーのP-VOLのまとまりを容量拡張します(図の「4」、「5」、「6」)。
手順2では、ローカルコピーの拡張順序が優先され、上の階層から順に拡張するため、ローカルコピーのP-VOLを拡張してから、次にリモートコピーのP-VOLと連携しているローカルコピーのS-VOLを拡張します。
たとえば、次の図のようにTrueCopyまたはUniversal ReplicatorのP-VOLにShadowImageのS-VOLが連携している場合、ShadowImageのP-VOL(図中の「4」のボリューム)を先に拡張します。続いて、ShadowImageのS-VOL(=TrueCopyまたはUniversal ReplicatorのP-VOL(図中の右側の「5」のボリューム))、ShadowImageの同じ階層のボリューム、ShadowImageの次の階層のボリューム…の順で拡張します。
(3) リモートコピーの3DCカスケード構成、3DCマルチターゲット構成、3DCデルタリシンク構成での拡張順序の考え方
リモートコピーの3DCカスケード構成、3DCマルチターゲット構成、3DCデルタリシンク構成の場合は、リモートコピーの末端となるS-VOL側から拡張し、最後にP-VOL側を拡張します。 次の図は、その考えに基づいた順序を示しています。
具体的な拡張手順については、次の手順を参照してください。
-
3DCカスケード構成の場合
-
3DCマルチターゲット構成の場合
-
3DCデルタリシンク構成の場合
3DCカスケード構成にローカルコピー(ShadowImage/Thin Image)が連携している場合の拡張順序
また、リモートコピーの3DC構成とローカルコピー(ShadowImage/Thin Image)が連携している場合、次に示したまとまりごとに、前述の3DC構成で示した順番で拡張します。
-
リモートコピーのS-VOLと、そのS-VOLと連携しているローカルコピーのボリュームすべてのまとまり
-
リモートコピーのP-VOLと、そのP-VOLと連携しているローカルコピーのボリュームすべてのまとまり
まとまり内の順序については、ローカルコピーの拡張順に従います。
DCマルチターゲット構成、および3DCデルタリシンク構成の場合も、同じ考え方になります。
(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件
容量拡張をする際の前提条件を次に示します。
容量拡張対象のボリュームすべてに対して、各プログラムプロダクト間で共通の前提条件、および拡張対象のプログラムプロダクト固有の前提条件をすべて満たすようにしてください。
各プログラムプロダクト間で共通の前提条件
-
拡張する仮想ボリュームが外部ボリュームではないこと
-
拡張する仮想ボリュームがLDEVフォーマット中ではないこと
-
拡張する仮想ボリュームに関連づけているプールが、次の状態のどれかであること
-
正常
-
しきい値超え
-
プールの縮小を実行中
-
-
GAD、TrueCopy、またはUniversal Replicatorの場合、容量拡張する分のページ割り当て容量に対して、拡張対象のプログラムプロダクトの十分なライセンス容量をあらかじめ用意しておくこと
-
「2.8.16 ペアを維持したDP-VOLの容量拡張」に記載されているストレージシステム上に作成されたボリュームであること
ShadowImage固有の前提条件
-
拡張後に必要な次の資源数がシステム最大を超えないこと
-
差分テーブル数
-
ペアテーブル数
-
必要な差分テーブル数/ペアテーブル数の確認方法
- メモ
-
DP-VOLが4TBを超える場合、シェアドメモリではなく階層メモリという領域に差分テーブルを配置するため、シェアドメモリの差分テーブルを使用しません。このため、4TBを超えるDP-VOLに拡張する場合は、差分テーブル数の計算は不要です。
-
次の式を使用して、1ペア当たりに必要な差分テーブル数を計算します。
容量拡張に必要な差分テーブル数 = 拡張後の容量で必要な差分テーブル数 - 拡張前の容量で必要な差分テーブル数
1ペア当たりに必要な差分テーブル数 = ↑(ボリューム容量KB ÷ 256)÷20,448↑
↑↑で値が囲まれている場合は、その値の小数点以下を切り上げてください。
-
1ペア当たりに必要なペアテーブル数を計算します。
容量拡張に必要なペアテーブル数 = 拡張後の容量で必要なペアテーブル数 - 拡張前の容量で必要なペアテーブル数
1ペア当たりに必要なペアテーブル数 = ↑1 ペア当たりに必要な差分テーブル数÷36↑
↑↑で値が囲まれている場合は、その値の小数点以下を切り上げてください。
-
次に示すテーブル数が、システム最大数を超えないことを確認します。
-
現在のペアテーブル数と容量拡張に必要なペアテーブル数の合計
-
現在の差分テーブル数と容量拡張に必要な差分テーブル数の合計
差分テーブル数およびペアテーブル数は[ローカルレプリケーション]画面から確認できます。
-
Thin Image固有の前提条件
-
クローン属性のペアが使用しているボリュームではないこと
-
拡張後に必要な次の資源数がシステム最大を超えないこと
-
スナップショット管理可能推量
-
キャッシュ管理デバイス
-
仮想ボリューム容量の最大予約量
-
必要な資源数の確認方法
-
Thin Imageの容量拡張に必要なスナップショット管理可能推量
Thin Imageのルートボリュームの容量を拡張する場合は、スナップショット管理可能推量が残っていることを確認してください。Thin Imageのルートボリュームの容量拡張に必要となるスナップショット管理可能推量デバイスの数は次の計算式で求められます。
ルートボリュームの容量拡張に必要なスナップショット管理可能推量 = 拡張後のルートボリューム容量で必要なスナップショット管理可能推量 - 拡張前のルートボリューム容量で必要なスナップショット管理可能推量
スナップショット管理可能推量 =(ルートボリューム容量[TB] ÷ 2.6[TB]) × 3,024[GB] + (168GB × 2(シェアドメモリ消 費量))
ルートボリューム以外のボリュームの拡張ではスナップショット管理可能推量は消費されません。 スナップショット管理可能推量は[ローカルレプリケーション]画面で確認できます。
-
Thin Imageの容量拡張に必要なキャッシュ管理デバイス数
Thin Imageのルートボリュームの容量拡張を行う場合は、キャッシュ管理デバイスが残っていることを確認してください。Thin Imageのルートボリュームの容量拡張に最大必要となるキャッシュ管理デバイスの数は次の計算式で求められます
ルートボリュームの容量拡張に必要なキャッシュ管理デバイス数 =(↑拡張後のルートボリュームのサイズ(単位:TB)÷ 2.6(TB)↑)-(↑拡張前のルートボリュームのサイズ(単位:TB)÷ 2.6(TB)↑)
↑↑で値が囲まれている場合は、その値の小数点以下を切り上げてください。
ルートボリューム以外のボリュームの拡張ではキャッシュ管理デバイスは消費されません。
-
Thin Imageの容量拡張に必要な、DPプールの仮想ボリューム容量最大予約量
Thin Imageのルートボリュームの容量拡張を行う場合は、拡張後の容量がDPプールの仮想ボリューム容量の最大予約量を超過しないことを確認してください。Thin Imageのルートボリュームの容量拡張で加算される仮想ボリューム容量は次の計算式で求められます。
ルートボリュームの容量拡張で加算される仮想ボリューム容量 = 拡張後のルートボリューム容量で計算したThin Imageペア容量 - 拡張前のルートボリューム容量で計算したThin Imageペア容量
Thin Imageペア容量=Σ↑(ルートボリューム容量(MB)×ペア数※×2÷42(MB))↑ ×42(MB)+Σ↑(ルートボリューム容量(MB)×ペア数※×2÷2,921,688(MB))↑×175,434(MB)
- 注※
- 一部のペアを削除しても割り当てられたページは解放されません。このため、該当するスナップショットツリーに現在作成されているペア数ではなく、該当するスナップショットツリーに 作成するThin Imageペアの大数を当てはめてください。
↑↑で値が囲まれている場合は、その値の小数点以下を切り上げてください。
ルートボリューム以外のボリュームの拡張では、Thin ImageとしてDPプールの仮想ボリューム容量は追加されません。
(5) TrueCopyペアとUniversal Replicatorを併用している状態でDP-VOLの容量を拡張する
TrueCopyペアとUniversal Replicatorを併用している状態で、ペアボリュームで使用しているDP-VOLの容量を拡張できます。
TrueCopyとUniversal Replicatorを併用時の、次の構成を例とした容量拡張手順を示します。
-
3DCカスケード構成、3DCマルチターゲット構成
-
3DCデルタリシンク構成
次の操作手順内で行う、差分データ管理方式の確認、容量拡張、および容量拡張の状態確認の詳細手順については、「2.8.17 Universal Replicatorペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する」を参照してください。
Universal ReplicatorペアとTrueCopyペアの3DCカスケード構成または3DCマルチターゲット構成時の操作手順
-
Universal Replicatorペア、およびUniversal Replicatorペアと連携しているTrueCopyペアの、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使って、TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFにします。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを中断します。
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを中断します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
-
3DCカスケード構成
-
3DCマルチターゲット構成
- メモ
-
手順5の1番目のボリュームの容量拡張に成功した後で、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
TrueCopyペアのセカンダリボリュームの容量拡張
-
TrueCopyペアのプライマリボリュームの容量拡張
-
TrueCopyペアまたはUniversal Replicatorペアの再同期
-
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、TrueCopyペアおよびUniversal Replicatorペアが、容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager Storage Navigator pairdisplayのP列表示 [リモートレプリケーション]画面の[処理状態]表示 容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
TrueCopyペアまたはUniversal Replicatorペアの、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを中断します。
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Universal ReplicatorペアとTrueCopyペアの3DCデルタリシンク構成時の操作手順
-
Universal Replicatorペア、およびUniversal Replicatorペアと連携しているTrueCopyペアの、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使用して、TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分(ドライブによる差分)か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
変更方法には次の表に示す2方式があります。それぞれ次に示すメリットとデメリットがあるため、ユーザ側で選択して、選択した方式の手順を実施してください。
項目 変更方式1 変更方式2 デルタリシンクによる階層差分切り替え方式 デルタリシンク用Universal Replicatorペア再作成による階層差分切り替え方式 メリット デルタリシンク用Universal Replicatorペアの削除が不要なため、3DCデルタリシンク構成を維持したまま容量拡張ができる
次の操作がすべて不要
- ホストIOの停止
- 副サイトへのフェールオーバー操作
- デルタリシンク操作
デメリット 次の操作が必要
- ホストIO停止(正ホストから副ホストに切り替えるため)
- デルタリシンク操作
デルタリシンク用Universal Replicatorペアを削除し、再作成するまでの間、3DCデルタリシンク構成ではなくなる
デルタリシンクの実行要否 要 不要 デルタリシンク時の副サイトホストへのフェールオーバー要否 要 不要 デルタリシンク用Universal Replicatorペアの削除、再作成要否 不要 要 -
変更方式1:
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
正サイトのホストを停止します。
-
TrueCopyペアをスワップサスペンドします。
-
副サイトのホストを稼働開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
TrueCopyペアをスワップリシンクします。
-
副サイトのホストを停止します。
-
TrueCopyペアをスワップサスペンドします。
- 正サイトのホストの稼働を開始します。
- デルタリシンクを実施します。
-
TrueCopyペアをスワップリシンクします。
- RAID ManagerでTrueCopyペア、Universal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
変更方式2:
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
Universal Replicatorペアをスワップサスペンドします。
-
デルタリシンク用Universal Replicatorペアを削除します。
-
デルタリシンク用Universal Replicatorペアを作成します。
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
-
TrueCopyペアを中断します。
-
TrueCopyペアをを再同期します。
-
RAID Managerで、TrueCopyペア、Universal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを中断します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
-
Universal Replicatorペアのセカンダリボリューム(=デルタリシンク用Universal Replicatorペアのセカンダリボリューム)
-
TrueCopyペアのセカンダリボリューム
-
TrueCopyペアのプライマリボリューム
- メモ
-
手順5の1番目のボリュームの容量拡張に成功した後で、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
TrueCopyペアのセカンダリボリュームの容量拡張
-
TrueCopyペアのプライマリボリュームの容量拡張
-
TrueCopyペアまたはUniversal Replicatorペアの再同期
-
-
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、TrueCopyペアおよびUniversal Replicatorペアが、容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager Storage Navigator pairdisplayのP列表示 [リモートレプリケーション]画面の[処理状態]表示 容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
TrueCopyペアまたはUniversal Replicatorペアの、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
- メモ
-
デルタリシンク用Universal Replicatorペアの場合、TrueCopyペアとUniversal Replicatorペアの容量拡張が完了した時点で、デルタリシンク用Universal Replicatorペアの容量拡張も完了となるため、RAID ManagerやStorage Navigatorで容量拡張中の状態が表示されることはありません。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
正サイトのホストを停止します。
-
TrueCopyペアをスワップサスペンドします。
-
副サイトのホストを稼働開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
TrueCopyペアをスワップリシンクします。
-
副サイトのホストを停止します。
-
TrueCopyペアをスワップサスペンドします。
-
正サイトのホストを稼働開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
TrueCopyペアをスワップリシンクします。
- RAID ManagerでTrueCopyペア、Universal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
(6) 3つのUniversal Replicatorサイトを用いた3DC構成でDP-VOLの容量を拡張する
3つのUniversal Replicatorサイトを用いた3DC構成で使用しているDP-VOLの容量拡張ができます。
3つのUniversal Replicatorサイトによる、次の構成を例とした容量拡張手順を示します。
-
3DCカスケード構成、3DCマルチターゲット構成
-
3DCデルタリシンク構成
次の操作手順内で行う、差分データ管理方式の確認、容量拡張、および容量拡張の状態確認の詳細手順については、「2.8.17 Universal Replicatorペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する」を参照してください。
3つのUniversal Replicatorサイトによる3DCカスケード構成または3DCマルチターゲット構成時の操作手順
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使用して、1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分(ドライブによる差分)か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを中断します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを中断します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
-
3DCカスケード構成
-
3DCマルチターゲット構成
- メモ
-
手順5の1番目のボリュームの容量拡張に成功した後で、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
3DCカスケード構成の場合
-
中間サイトと副サイト間のUniversal Replicatorペアのプライマリボリューム(=正サイトと中間サイト間のUniversal Replicatorペアのセカンダリボリューム)の容量拡張
-
正サイトと中間サイトの間のUniversal Replicatorペアのプライマリボリュームの容量拡張
-
Universal Replicatorペアの再同期
-
-
3DCマルチターゲット構成の場合
-
1個目のUniversal Replicatorペアのセカンダリボリュームの容量拡張
-
1個目のUniversal Replicatorペアのプライマリボリューム(=2個目のUniversal Replicatorペアのプライマリボリューム)の容量拡張
-
Universal Replicatorペアの再同期
-
-
-
-
各Universal Replicatorペアを再同期します。
-
各Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、各Universal Replicatorペアが、容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager Storage Navigator pairdisplayのP列表示 [リモートレプリケーション]画面の[処理状態]表示 容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
Universal Replicatorペアの、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを中断します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
3つのUniversal Replicatorサイトによる3DCデルタリシンク構成時の操作手順
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使用して、1個目のUniversal Replicatorペア、2個目のUniversal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分(ドライブによる差分)か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを中断します。
-
正サイトのホストを停止します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップサスペンドします。
-
副サイトのホストの稼働を開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップリシンクします。
-
副サイトのホストを停止します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップサスペンドします。
-
正サイトのホストの稼働を開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップリシンクします。
-
RAID Managerで、1個目のUniversal Replicatorペア、2個目のUniversal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアのの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを中断します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
- メモ
-
手順5の1番目のボリュームの容量拡張に成功した後で、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
1個目のUniversal Replicatorペアのセカンダリボリュームの容量拡張
-
1個目のUniversal Replicatorペアのプライマリボリューム(=2個目のUniversal Replicatorペアのプライマリボリューム)の容量拡張
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアの再同期
-
-
1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアを再同期します。
-
各Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、各Universal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペア容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager Storage Navigator pairdisplayのP列表示 [リモートレプリケーション]画面の[処理状態]表示 容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
Universal Replicatorペアの、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
- メモ
-
デルタリシンク用Universal Replicatorペアの場合、1個目のUniversal Replicatorペアと2個目のUniversal Replicatorペアの容量拡張が完了した時点で、デルタリシンク用Universal Replicatorペアの容量拡張も完了となるため、RAID ManagerやStorage Navigatorで容量拡張中の状態が表示されることはありません。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
正サイトのホストを停止します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップサスペンドします。
-
副サイトのホストの稼働を開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップリシンクします。
-
副サイトのホストを停止します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアスワップサスペンドします。
-
正サイトのホストの稼働を開始します。
-
デルタリシンクを実施します。
-
1個目のUniversal Replicatorペアをスワップリシンクします。
-
RAID Managerで、1個目のUniversal Replicatorペア、2個目のUniversal Replicatorペア、およびデルタリシンク用Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
(7) Universal ReplicatorペアとShadowImageを併用している状態でDP-VOLの容量を拡張する
Universal ReplicatorペアとShadowImageを併用している状態で、ペアボリュームで使用しているDP-VOLの容量を拡張できます。
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームそれぞれに、ShadowImageペアをL1ペア、L2ペアを作成した構成を例とした容量拡張手順を次に示します。
次の操作手順内で行う、差分データ管理方式の確認、容量拡張、および容量拡張の状態確認の詳細手順については、「2.8.17 Universal Replicatorペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する」を参照してください。
操作手順
-
Universal Replicatorペア、およびUniversal Replicatorペアと連携しているShadowImageペアの、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使用して、Universal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分(ドライブによる差分)か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
Universal Replicatorペアを中断します。
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
- RAID ManagerでUniversal Replicatorペア詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
Universal ReplicatorペアとShadowImageペアをすべて中断します。
-
ShadowImageペアのペア状態を確認します。
PSUSまたはPSUEの状態の場合に、ShadowImageのペアボリュームを拡張できます。現在のペア状態を確認して、異なる状態の場合はペア操作を行い、PSUSまたはPSUEの状態に遷移したことを確認します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
- メモ
-
1番目のボリューム(Universal ReplicatorのS-VOL)の容量を拡張した後に、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
ShadowImageペアのDP-VOLの容量拡張
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームの容量拡張
-
Universal Replicatorペアの再同期
-
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、Universal ReplicatorペアとShadowImageペアすべてについて容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager
Storage Navigator
pairdisplayのP列表示
[リモートレプリケーション]または[ローカルレプリケーション]画面の[処理状態]表示
容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
ShadowImageペアの場合、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張後も、しばらく(30秒ほど)この状態となります。その後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
Universal Replicatorペアを中断します。
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
(8) Universal ReplicatorペアとThin Imageを併用している状態でDP-VOLの容量を拡張する
Universal ReplicatorペアとThin Imageを併用している状態で、ペアボリュームで使用しているDP-VOLの容量を拡張できます。
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームそれぞれに、Thin ImageペアをL1ペア、L2ペアを作成した構成を例とした容量拡張手順を次に示します。
次の操作手順内で行う、差分データ管理方式の確認、容量拡張、および容量拡張の状態確認の詳細手順については、「2.8.17 Universal Replicatorペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する」を参照してください。
操作手順
-
Universal Replicatorペア、およびUniversal Replicatorペアと連携しているThin Imageペアの、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの各ボリュームについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている前提条件を満たしているか確認します。
-
RAID ManagerまたはStorage Navigatorで、現在の差分データの管理方式の設定を確認します。
-
RAID Managerの場合
pairdisplayコマンドを使用して、Universal Replicatorペアの詳細情報を表示します。
現在の差分データの管理方式がシェアドメモリ差分か、階層差分(ドライブによる差分)か確認します。
-
シェアドメモリ差分の場合、一時的に階層差分にする必要があります。手順3に進んでください。
-
階層差分の場合、手順4に進んでください。
-
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5およびNo.6の設定を確認します。
-
システム詳細設定のNo.5およびNo.6の両方がOFFの場合
シェアドメモリ差分へ切り替える設定となっているため、一時的に階層差分へ切り替える設定にする必要があります。手順3に進んでください。
-
システム詳細設定のNo.5またはNo.6のどちらか片方がON、または両方がONの場合
階層差分へ切り替える設定となっているため、手順4に進んでください。
-
-
-
次の手順で、データの差分管理方式を階層差分に変更します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をON、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode enable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をON、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
Universal Replicatorペアを中断します。
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
- RAID ManagerでUniversal Replicatorペア詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、階層差分であることを確認します。
-
-
Universal Replicatorペアを中断します。
-
Thin Imageペアのペア状態を確認します。
PAIR、PSUSまたはPSUEの状態の場合に、Thin Imageのペアボリュームを拡張できます。現在のペア状態を確認して、異なる状態の場合はペア操作を行い、PAIRまたはPSUSの状態に遷移したことを確認します。
-
次の図で示した順序にしたがって、各ボリュームの容量拡張と容量拡張の完了確認を実施します。
- メモ
-
1番目のボリューム(Universal ReplicatorのS-VOL)の容量を拡張した後に、次の操作に失敗した場合、「(1) Universal Replicatorペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。
-
Thin ImageペアのDP-VOLの容量拡張
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームの容量拡張
-
Universal Replicatorペアの再同期
-
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。
また、Universal ReplicatorペアとThin Imageペアすべてについて容量拡張中状態ではないことを確認します。
容量拡張の処理状態は、次のように表示されます。
状態 RAID Manager
Storage Navigator
pairdisplayまたはraidcom get snapshot のP列表示
[リモートレプリケーション]または[TIペア]画面の[処理状態]表示
容量拡張中ではない N 空白表示 容量拡張中 E※ Expanding※ - 注※
-
Universal Replicatorペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張してからペアを再同期するまでの間この状態表示となります。再同期が完了後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
Thin Imageペアの場合、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量を拡張後も、しばらく(30秒ほど)この状態となります。その後、容量拡張中ではない状態に遷移します。
-
手順2で、データの差分管理方式がシェアドメモリ差分だった場合、次の手順でシェアドメモリ差分に戻します。
-
RAID Managerの場合は、システムオプションモードを、Storage Navigatorの場合は、システム詳細設定を次の手順で切り替えます。
-
RAID Managerの場合
raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をONに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode enable
-
Storage Navigatorの場合
[システム詳細設定編集]画面で、システム詳細設定のNo.5をOFF、No.6をOFFに設定します。設定方法については、『Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイド』を参照してください。
-
-
Universal Replicatorペアを中断します。
-
Universal Replicatorペアを再同期します。
-
RAID Managerで、Universal Replicatorペアの詳細情報を表示し、現在の差分データの管理方式が、シェアドメモリ差分であることを確認します。
-
システムオプションモード1198と1199の設定を変更している場合は、RAID Managerで、元の設定に戻します。raidcom modify system_optコマンドを使用して、システムオプションモード1198をOFF、1199をOFFに設定します。
コマンド例:
raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1198 -mode disable raidcom modify system_opt -system_option_mode system -mode_id 1199 -mode disable
-