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 システム管理者 クイックリファレンス


3.10.8 iSCSI I/Fの仕様

表3‒13 iSCSI I/F仕様

プロトコル層

項目

仕様

全般

iSCSIターゲット機能

サポート

iSCSIイニシエータ機能

サポート

パス切替

Windows:HDLM、Microsoft DSM/MPIOを使用可能。

Linux:Device Mapperを使用可能。

接続ホスト(コネクション)数

127コネクション/Port

接続数が多くなるとiSCSI Portへの負荷が増大するため、127コネクション/Port以下での接続を推奨します。

物理層、MAC層

リンク

10Gbps(Optic):10Gbps SFP+

10Gbps(Copper):10Gbps/1Gbps

転送速度

10Gbps(Optic):10Gbps

10Gbps(Copper):10Gbps/1Gbps

コネクタ形状

10Gbps(Optic):LC

10Gbps(Copper):RJ-45

ケーブル

10Gbps(Optic):マルチモードファイバケーブル(OM2/OM3/OM4)

10Gbps(Copper):

  • 転送速度が10Gbpsの場合は、カテゴリ6a LANケーブル

  • 転送速度が1Gbpsの場合は、カテゴリ5e/6a LANケーブル

ネットワークスイッチ

L2スイッチ、L3スイッチ

10Gbps(Optic):IEEE 802.3ae(10Gbps SFP+)準拠

10Gbps(Copper):

  • IEEE 802.3an (10GBASE-T)準拠

  • IEEE 802.3ab (1000BASE-T)準拠

スイッチのカスケード

最大5段

カスケード段数が増加すると、ホストI/Oの遅延が多くなるため、必要最小限の段数での利用を推奨します。

MACアドレス

ポートごと(固定値)

出荷時にWorld Wide Uniqueな値を設定しています。変更できません。

最大通信データ長(MTU)

1500/4500/9000 Byte

(イーサネットフレーム)

ジャンボフレーム

サポート

リンクアグリゲーション

未サポート

VLAN

サポート

1~4094の範囲で設定可能(スイッチのポートVLANも利用可能)

TCP/IP

IPv4

サポート

IPv6

サポート

サブネットマスク

サポート

ゲートウェイ

サポート

DHCP

未サポート

DNS

未サポート

Ping送受信

サポート

IPsec※1

未サポート

TCPポート番号

3260(デフォルト)

1~65535の範囲で変更可能ですが、次の内容に注意してください。

(1) アクセスするホストの設定も変更してください。

(2) 変更後の番号が、経路上のスイッチなどでフィルタリングにより無効化されていないか確認してください。

Fragment

未サポート

Window Scale

サポート

Window Size 64KB(デフォルト)/128KB/256KB/512KB/1MB

iSCSI

iSCSI Name

iqn※2、eui※3の両形式をサポート

ターゲット設定時にWorld Wide Uniqueなiqn値が自動的に設定されますが、変更もできます。

Error Recovery Level

レベル0

ホストのリトライによって障害回復します。レベル1、2は未サポート。

Header digest, Data digest

サポート

iSCSI通信のヘッダ、データ情報をエラーから保護します。iSCSIポートはホスト側の設定にあわせてこの機能を使用しますが、使用時は性能が低下します(ホストの能力や通信内容によって低下率は変わります)。

CHAP

サポート

ストレージにとって、CHAPに登録したホストからのログインであることを認証します※4

Mutual CHAP

サポート

(Linuxホストとの接続では未サポート)

ホストにとって、CHAPに登録したストレージへのログインであることを認証します。双方向認証またはtwo-way authenticationと呼ばれることがあります。

CHAP User登録数

最大256ユーザ/iSCSIポート

iSNS

サポート

iSNS(ネームサービス)を利用すれば各ターゲットのIPアドレスを直接知らずともディスカバリできます。

注※1

IP Security。IPパケットの認証と暗号化技術です。

注※2

iqn: iSCSI Qualified Nameの意。IPドメインを使用し、タイプ識別子「iqn.」、ドメイン取得日、ドメイン名、ドメイン取得者が付けた文字列から構成されます。

(例) iqn.1994-04.jp.co.hitachi:rsd.d7m.t.10020.1b000.Tar

注※3

eui: 64ビットExtended Unique Identifierの意。IEEE EUI-64 Formatは、タイプ識別子「eui.」とアスキーコード化された16進数のEUI-64識別子から構成されます。

(例) eui.0123456789ABCDEF

注※4

iSCSIの規格ではCHAP動作は、実際にイニシエータからターゲットにログインするログインセッションと、接続可能なイニシエータを検索するディスカバリセッションで実施可能とされています。どちらもサポートしています。