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 システム管理者 クイックリファレンス


3.22.26 iSCSIに関するトラブルシューティング

次に示す1つ、もしくは複数の項目が、ホストとストレージシステムが通信できない原因と考えられます。各項目の妥当性を確認し、問題がある場合は対処してください。

表3‒20 確認項目一覧表

項番

確認項目

1

ホストのLANポートのリンク状態は正常ですか?

2

ストレージシステムとホスト間のネットワーク周辺機器(スイッチ、ルータやNICなど)の電源状態。機器の電源がOFFだった場合、その電源をONにしてください。

3

ホストとストレージシステム間のすべてのLANケーブルが両端共コネクタに接続してありますか?

LANケーブルが緩んで接続されていた場合、しっかりと接続し直してください。

4

ストレージシステムに接続しているHBA、スイッチまたはNICのポート転送速度がストレージシステムの転送速度と一致していますか?

ストレージシステムとお客様が準備した機器で一致させてください。

5

VLANの設定を確認してください。

6

ファイアウォールの設定を確認してください。

7

L3 スイッチやルータの設定を確認してください。

8

ホストのiSCSIドライバの設定を確認してください。

9

ストレージシステムのポートに対して、ホストのIPsecがOFFですか?

ホストのIPsecの設定は、ストレージシステムのポートに対してOFFである必要があります。

10

ストレージシステムとホストそれぞれのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイやMTU値の設定がネットワークに適合していますか?

MTU値は、LANネットワーク環境のすべての機器(ホスト、スイッチやストレージシステムなど)で同一の値に設定する必要があります。

IPv6アドレスで接続している場合、IPv6アドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイやMTU値の設定がネットワークに適合していますか?

IPv6アドレスのアドレスステータス(下記の表を参照)でアドレスの状態を確認してください。

11

ホストがiSCSIドライバを認識できていますか?

12

ホストからTargetに誤ったIPアドレスとiSCSI Nameでログインしていませんか?

13

ホストにストレージシステムのTCPポート番号が正しく設定してありますか?

14

ホストから「ディスカバリ」と「ログイン」を実施していますか?

15

iSNSサーバを使用している場合、ホストやストレージシステムにiSNSサーバのIPアドレスが正しく設定できていますか?

16

iSNSサーバを使用している場合、iSNSサーバが新規にiSCSI機器の情報(IPアドレスやiSCSI Nameなど)を登録できる状態にありますか?

17

CHAP認証のInitiator認証を使用している場合、ストレージシステムのポートにInitiatorのCHAP Userが登録してありますか?

登録されていない場合、InitiatorのCHAP Userを新規登録してください。

18

CHAP認証のInitiator認証を使用している場合、ストレージシステム側のInitiatorのCHAP UserにTargetのTarget名(例:[000:T000])が登録してありますか?

登録されていない場合、InitiatorのCHAP UserにTargetのTarget名を割り当ててください。

19

CHAP認証の双方向認証を使用している場合、TargetのUser NameとSecretをホストに正しく設定できていますか?

20

LUN Manager機能を解除して、Targetセキュリティを使用している場合、ストレージシステムのTargetに割り当てているInitiatorのiSCSI NameのリストにHBAのiSCSI Nameがありますか?

リストにない場合、HBAのiSCSI NameをTargetに割り当ててください。

次の確認項目について対策を実施し、障害が回復することを確認してください。

表3‒21 iSCSI IPv6接続障害対策表

確認項目

対策

接続するiSCSI PortのIPv6アドレス、デフォルトゲートウェイアドレスは正しい値が設定されていますか?

iSCSI Port のIPv6アドレス、デフォルトゲートウェイは、自動生成されます。手動で設定する場合は、お客様の環境に合わせた適切な値を設定してください。

iSCSI Port IPv6アドレスのアドレスステータス表示

確認中

IPv6アドレスが、接続ネットワーク内の他のホストとアドレスが重複していないか確認中の状態です。有効に遷移されることを確認してください。

有効

iSCSI PortのIPv6アドレスが、重複せず正しく設定されており、アドレスが正常な状態です。

無効

iSCSI Portがリンクダウンしている状態です。

iSCSI PortのIPv6アドレスを使用する場合は、正しくケーブルが接続されていることを確認してください。

重複

iSCSI PortのIPv6アドレスが、接続ネットワーク内の他のホストとアドレスが重複している状態です。重複しない任意のIPv6アドレスを手動で設定してください。

未確定

iSCSI PortのIPv6アドレスが、同一iSCSI Port内でアドレス重複している状態です。

iSCSI PortのIPv6アドレスには、iSCSI Port内で重複しない任意のIPv6アドレスを手動で設定してください。

MTUサイズは正しい値が設定されていますか?

IPv6 Link MTUサイズは、ネットワーク上のMTUサイズカレント値を示します。

ストレージシステムiSCSI Portに設定したMTUサイズとLink MTUサイズが異なる場合、ホストまたはルータ/SwitchのMTUサイズ値がストレージシステムと異なっています。

MTUサイズが同一の値になるように設定してください。

IPv6アドレスでのリモートパス設定では、正しくIPv6アドレスが設定されていますか?

IPv6アドレスを有効にする必要があります。

リモートパス設定するローカル、およびリモート両方のiSCSI PortにおいてIPv6アドレスを有効に設定してください。

サーバ内のIPv6グローバルアドレスは、正しいプレフィックスが設定されていますか?

サーバ内の複数のインターフェースにIPv6グローバルアドレスを設定する場合、それぞれのインターフェースには異なるプレフィックスを持つIPv6アドレスを設定する必要があります。