1.7.19 正サイトのストレージシステムから副サイトのストレージシステムへの物理パスの障害から回復する
正サイトおよび副サイトのストレージシステムの状態を確認し、ともに正常な場合は、ストレージシステム間の物理パスやスイッチなどで障害が発生しているおそれがあります。障害が発生している物理パスやスイッチなどを回復します。
正サイトのストレージシステムから副サイトのストレージシステムへのすべての物理パスが使用できなくなった場合の、GADペアのペア状態とI/Oモード、サーバからのアクセス可否、および最新のデータの格納先の変化を次に示します。
GADを構成する両方のサイトで、次のようにGADペアを組んでいる場合があります。
- GADペアのプライマリボリュームがサイト1に、セカンダリボリュームがサイト2に存在する
- 別のGADペアのプライマリボリュームがサイト2に、セカンダリボリュームがサイト1に存在する
この場合は、「1.7.21 副サイトのストレージシステムから正サイトのストレージシステムへの物理パスの障害から回復する」を参照して、副サイトとしての物理パスの障害も回復してください。
障害発生前 |
障害発生後 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
ペア状態(I/Oモード) |
ペア状態(I/Oモード) |
サーバからのアクセス可否 |
最新のデータの格納先 |
|||
P-VOL |
S-VOL |
P-VOL |
S-VOL |
P-VOL |
S-VOL |
|
PAIR(Mirror(RL))※1 |
PAIR(Mirror(RL))※1 |
PSUE(Local) |
PSUE(Block) |
○ |
× |
P-VOL |
PAIR(Mirror(RL)) |
PAIR(Block) |
PSUE(Local) |
PAIR(Block)※2 |
○ |
× |
P-VOL |
COPY(Mirror(RL)) |
COPY(Block) |
PSUE(Local) |
PSUE/COPY(Block)※3 |
○ |
× |
P-VOL |
PSUS/PSUE(Local) |
SSUS/PSUE(Block) |
PSUS/PSUE(Local) |
SSUS/PSUE(Block) |
○ |
× |
P-VOL |
PSUS/PSUE(Block) |
SSWS(Local) |
PSUS/PSUE(Block) |
SSWS(Local) |
× |
○ |
S-VOL |
- (凡例)
-
P-VOL:プライマリボリューム
S-VOL:セカンダリボリューム
○:アクセス可
×:アクセス不可
- 注※1
-
サーバからプライマリボリュームにI/Oが発行されなくても、ATSなどのヘルスチェックによって、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステム間を同期するコマンドが、プライマリボリュームに対して発行されることがあります。 コマンド実行時に、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステム間でパス障害が発生していると、同期に失敗します。その結果、サーバからI/Oを発行していないプライマリボリュームのI/OモードがLocalに、サーバからI/Oを発行しているセカンダリボリュームのI/OモードがBlockになり、GADペアが障害サスペンドすることがあります。
- 注※2
-
障害の回復手順については、関連項目を参照してください。
- 注※3
-
下記の場合、S-VOLがCOPY(Block)の状態になる可能性があります。
- Quorumディスクにボリュームを設定しない構成の場合
- Quorumディスク障害の場合
SIM
-
正サイトのストレージシステム:dd0xyy、2180xx
-
副サイトのストレージシステム:dd3xyy
障害回復手順
-
ストレージシステム間の物理パスの障害を回復します。
-
障害によって中断したGADペアを再同期します。
- 注意
-
GADペアの片方のボリュームの容量拡張が成功した後に障害が発生した場合、GADペアの作成、再同期、スワップリシンク、およびhorctakeover操作は、容量不一致により失敗します。もう片方のボリュームの容量を拡張して、両方のボリュームの容量を一致させてから、この操作を実施してください。