1.2.18 GADとUniversal Replicatorとの併用
GADを使用したシステムでは、サーバは正サイトと副サイトへ同時にI/Oを発行し、近距離にある2つのストレージシステム間で同じデータを共有します。このため、一方のストレージシステムに障害が発生しても、他方のストレージシステムで業務を継続できます。大規模な災害によって正サイトとGADの副サイトの両方が被災した場合は、GADだけでデータを冗長化したシステムでは業務を継続できなくなります。GADとUniversal Replicator(UR)を組み合わせて3データセンター構成(3DC)にすることで、正サイトとGADの副サイトの両方が被災した場合でも、遠隔地にあるURの副サイトを利用できるため、業務を継続できます。
- メモ
-
GADとURを組み合わせた3DCデルタリシンク構成は、VSP G370およびVSP F370、VSP G700およびVSP F700、VSP G800およびVSP F800、VSP G900およびVSP F900、VSP E590、VSP E790、VSP E990、またはVSP 5000シリーズでサポートしています。
ただし、VSP E590、VSP E790同士の構成、またはVSP E590、VSP E790とその他のモデルを組み合わせた構成では、次のバージョンのDKCMAINファームウェアが必要です。
モデル
ファームウェアバージョンの要件
VSP E590、VSP E790
93-03-22-40/00以降 VSP G370、VSP F370
88-07-01-60/00以降 VSP G700、VSP F700
88-07-01-60/00以降 VSP G800、VSP F800
-
83-06-09-60/80以降
-
83-05-37-60/80以降、83-06-01-60/00未満
VSP G900、VSP F900
88-07-01-60/00以降 VSP E990
93-03-22-60/00以降 VSP 5000シリーズ
90-05-01-00/00以降 -
GADとURを併用するときは、次のようにシステムを構成します。
-
GADのセカンダリボリュームとして使用されているボリュームをデルタリシンク用URペアのプライマリボリュームに指定します。
-
GADのプライマリボリュームとして使用されているボリュームをURペアのプライマリボリュームに指定します。
URペアのセカンダリボリュームは2つのミラーIDを使用します。1つは、URペアで、1つはデルタリシンク用のURペアです。
次の図にGADとURを併用するときの構成を示します。GADとURを併用するときは、必ずこの構成にします。
GADの副サイトからURの副サイトへデルタリシンク用のURペアがあるため、正サイトで障害が発生したときにはGADの副サイトにあるジャーナルデータを使ってURペアのセカンダリボリュームを同期できます。
- メモ
-
-
正サイトおよび副サイトに複数のストレージシステムを配置してURシステムを構築している場合、そのURを使用して、GADとURとの3DC構成は構築できません。
-
TrueCopyとURの3DCマルチターゲット構成、3つのURサイトによる3DCマルチターゲット構成、および3つのURサイトによる3DCカスケード構成のURは、GADとURとの3DC構成として併用できません。
-
GADとURとを併用する場合、リモートコマンドデバイスは不要です。
-
GADとURを併用する場合、先にGADペアを作成してから、URペアを作成してください。作成されたURペアに対して、GADペアと併用できません。
-
- メモ
-
GADを使用して、URペアを維持したまま、正サイトと副サイトによるURの環境を別の正サイトと副サイトへ移行できます。詳細は、関連概念を参照してください。