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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.7.20 副サイトのストレージシステムから正サイトのストレージシステムへの物理パスの障害から回復する

正サイトおよび副サイトのストレージシステムの状態を確認し、ともに正常な場合は、ストレージシステム間の物理パスやスイッチなどで障害が発生しているおそれがあります。障害が発生している物理パスやスイッチなどを回復します。

副サイトのストレージシステムから正サイトのストレージシステムへのすべての物理パスが使用できなくなった場合の、GADペアのペア状態とI/Oモード、サーバからのアクセス可否、および最新のデータの格納先の変化を次に示します。

GADを構成する両方のサイトで、次のようにGADペアを組んでいる場合があります。

この場合は、「1.7.18 正サイトのストレージシステムから副サイトのストレージシステムへの物理パスの障害から回復する」を参照して、正サイトとしての物理パスの障害も回復してください。

障害発生前

障害発生後

ペア状態(I/Oモード)

ペア状態(I/Oモード)

サーバからのアクセス可否

最新のデータの格納先

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))※1

PSUE(Block)

SSWS(Local)

×

S-VOL

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Mirror(RL))

PSUE(Local)※2

PSUE(Block)※2

×

P-VOL

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Block)

PAIR(Mirror(RL))

PAIR(Block)

×

P-VOL

COPY(Mirror(RL))

COPY(Block)

COPY(Mirror(RL))

COPY(Block)

×

P-VOL

PSUS/PSUE(Local)

SSUS/PSUE(Block)

PSUS/PSUE(Local)

SSUS/PSUE(Block)

×

P-VOL

PSUS/PSUE(Block)

SSWS(Local)

PSUS/PSUE(Block)

SSWS(Local)

×

S-VOL

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

○:アクセス可

×:アクセス不可

注※1

サーバからセカンダリボリュームにI/Oが発行されなくても、ATSなどのヘルスチェックによって、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステム間を同期するコマンドが、セカンダリボリュームに対して発行されることがあります。コマンド実行時に、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステム間でパス障害が発生していると、同期に失敗します。その結果、サーバからI/Oを発行していないセカンダリボリュームのI/OモードがLocalに、サーバからI/Oを発行しているプライマリボリュームのI/OモードがBlockになり、GADペアが障害サスペンドすることがあります。

注※2

下記の場合、P-VOLがPSUE(Local)かつS-VOLがPSUE(Block)の状態になる可能性があります。

  • Quorumディスクにボリュームを設定しない構成の場合
  • Quorumディスク障害の場合

SIM

障害回復手順

  1. ストレージシステム間の物理パスの障害を回復します。

  2. 障害によって中断したGADペアを再同期します。