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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.7.10 プライマリボリューム(DP-VOL以外)の障害から回復する手順例(ペア状態がPAIRのときに障害が発生した場合)

ペア状態がPAIRのときに、プライマリボリューム(DP-VOL以外)の障害によってGADペアが中断した場合の回復手順を次に示します。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. プライマリボリュームへの交替パス(論理パス)を削除します。

    1. 交替パスソフトウェアを使用して、サーバからアクセスできないボリュームを特定します。

    2. サーバからアクセスできないボリューム(プライマリボリューム)が閉塞していることを確認します。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x2222 -IH0
      (略)
      STS : BLK
      (略)

      閉塞しているボリュームは、STSBLKと表示されます。

    3. 交替パスソフトウェアを使用して、プライマリボリュームへの交替パスを削除します。

    交替パスを削除できない場合も、次の手順へ進みます。

  2. GADペアを削除します。

    1. 副サイトのストレージシステムから、セカンダリボリュームの実LDEV IDを指定して、GADペアを削除します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -R -d dev1 -IH1

      メモ

      セカンダリボリュームを指定してペアを削除するには、pairsplitコマンドの-Rオプションを使用します。-dオプションにセカンダリボリュームの実LDEV ID(デバイス名)を指定します。

    2. GADペアが削除されたことを確認します。

      コマンド例:

      pairdisplay -g oraHA -fxce -IH1
      Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU), Seq#,   LDEV#.P/S,Status,
      Fence,   %,    P-LDEV# M   CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
      oraHA   dev1(L)      (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.SMPL  ---- 
      ------,  ----- -----   -   -   -   -  -        -      -       -/-
      oraHA   dev1(R)      (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.SMPL  ---- 
      ------,  ----- -----   -   -   -   -  -        -      -       -/-
  3. ボリュームの障害を取り除きます。

    ボリュームの障害から回復する手順例:

    1. プライマリボリュームを障害から回復します。

    2. プライマリボリュームの状態を表示し、障害から回復したことを確認します。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x2222 -IH0
      (略)
      STS : NML
      (略)

      正常なボリュームは、STSNMLと表示されます。

  4. ボリュームを回復できない場合は、次の手順でプライマリボリュームを再作成します。

    1. ストレージシステムで、プライマリボリュームへのLUパスを削除します。

    2. プライマリボリュームを削除します。

    3. 新しいボリュームを作成します。

    4. 新しいボリュームへのLUパスを設定します。

  5. Quorumディスクの状態を確認し、閉塞している場合は回復します。Quorumディスクにボリュームを設定しない場合、Quorumディスクの回復手順は不要です。

  6. GADペアを再作成します。

    1. 手順4で新しいボリュームを作成した場合は、作成したボリュームの仮想属性にGAD予約を割り当てます。

      コマンド例:raidcom map resource -ldev_id 0x2222 -virtual_ldev_id reserve -IH0

    2. 副サイトのストレージシステムから、セカンダリボリュームの実LDEV IDを指定してGADペアを作成します。

      コマンド例:paircreate -g oraHA -f never -vl -jq 0 -d dev1 -IH1

      メモ

      セカンダリボリュームを指定してペアを作成するには、paircreateコマンドの-dオプションにセカンダリボリュームの実LDEV ID(デバイス名)を指定します。

      正サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリューム、副サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリュームに変わります。

    3. GADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIR(Mirror(RL))に変わったことを確認します。

      コマンド例:

      pairdisplay -g oraHA -fxce -IH0
      Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,
      Fence,   %,P-LDEV# M CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
      oraHA   dev1(L)     (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.P-VOL PAIR 
      NEVER ,  100  4444 -   -   0  -  -            -       - L/M
      oraHA   dev1(R)     (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.S-VOL PAIR 
      NEVER ,  100  2222 -   -   0  -  -            -       - L/M
      pairdisplay -g oraHA -fxce -IH1
      Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,
      Fence,   %,P-LDEV# M CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
      oraHA   dev1(L)     (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.S-VOL PAIR 
      NEVER ,  100  2222 -   -   0  -  -            -       - L/M
      oraHA   dev1(R)     (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.P-VOL PAIR 
      NEVER ,  100  4444 -   -   0  -  -            -       - L/M
  7. 交替パスソフトウェアを使用して、サーバからセカンダリボリューム(障害発生前のプライマリボリューム)への交替パスを追加します。

  8. 交替パスソフトウェアを使用して、サーバからセカンダリボリューム(障害発生前のプライマリボリューム)へのI/Oを再開します。

    自動でサーバからのI/Oが再開されることもあります。

  9. 必要に応じて、プライマリボリュームとセカンダリボリュームを入れ替えます。