Hitachi

 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.1.5 GADの目的と必要なシステム構成

次の表に示すとおり、GADを使用する目的によって、必要なシステム構成が異なります。

目的

ソフトウェア

構成名

交替パスソフトウェア

クラスタソフトウェア

サーバI/Oの継続(ストレージシステムに障害発生時)

×

シングルサーバ構成

ストレージシステムの操作なしでのサーバのフェイルオーバ/フェイルバック

×

サーバクラスタ構成

ストレージシステムの操作なしでの仮想マシンの移動

×

サーバクラスタ構成

次の両方

  • サーバI/Oの継続(ストレージシステムに障害発生時)

  • ストレージシステムの操作なしでのサーバのフェイルオーバ/フェイルバック

クロスパス構成

(凡例)

○:必要

×:不要

注意

GADペアをコンシステンシーグループに登録する場合は、クロスパス構成を推奨します。次のどちらかの状態で、正サイトと副サイトの間のパスに障害が発生し、二重化状態のGADペアが障害によって中断された場合、コンシステンシーグループ内の一部のGADペアは正サイトのサーバから、また一部のGADペアは副サイトサーバからだけアクセスできる状態になってしまうことがあります。

  • コンシステンシーグループ内に二重化中状態のGADペアと二重化状態のGADペアが混在している

  • コンシステンシーグループ内に中断状態のGADペアと二重化状態のGADペアが混在している

この場合、正サイトと副サイトのサーバの両方が、正サイトと副サイトの両方のボリュームにアクセスできるクロスパス構成を使用しているときは、GADペアへのアクセスを継続できます。しかし、クロスパス構成以外の構成でGADを運用している場合、サーバからコンシステンシーグループ内のGADペアへアクセスできなくなります。

シングルサーバ構成

シングルサーバ構成

1台のサーバを正サイトと副サイトのストレージシステムに接続します。一方のストレージシステムに障害が発生したときには、交替パスソフトウェアを使用して、サーバからのI/Oを、もう一方のサイトへ切り替えられます。

[図データ]

サーバクラスタ構成

サーバクラスタ構成

正サイトのサーバを正サイトのストレージシステムに、副サイトのサーバを副サイトのストレージシステムに接続します。クラスタソフトウェアを使用して、サーバをフェイルオーバおよびフェイルバックできます。また、一方のサーバにある仮想マシンの負荷が高くなった場合は、もう一方のサーバに仮想マシンを移動し、負荷を分散できます。

[図データ]

クロスパス構成

クロスパス構成

正サイトと副サイトのサーバを、それぞれ正サイトと副サイトのストレージシステムに接続します。一方のストレージシステムに障害が発生したときには、交替パスソフトウェアを使用して、サーバからのI/Oを、もう一方のサイトへ切り替えられます。また、クラスタソフトウェアを使用して、サーバをフェイルオーバおよびフェイルバックできます。

[図データ]