2.1.10 ハードウェアおよびソフトウェアのコンポーネント
Universal Replicatorシステムは、次のコンポーネントから構成されます。
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正サイトにある本ストレージシステム
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副サイトにある本ストレージシステム
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本ストレージシステムに付属したストレージシステム
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ストレージシステムに接続された1つ以上のホスト
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双方のストレージシステムにインストールされたUniversal Replicatorソフトウェア
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正サイトと副サイトの間のデータパス接続
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Universal Replicatorを構成・管理する管理用ソフトウェア
ファイバチャネルスイッチを含む専用のファイバチャネルデータパスまたはiSCSIデータパスを使用して、正サイトと副サイトの本ストレージシステムを接続してください。ファイバチャネルデータパスとは、正サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートから副サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまでの経路です。iSCSIデータパスとは、正サイトのストレージシステムのiSCSIポートから副サイトのストレージシステムのiSCSIポートまでの経路です。ファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを使用して、ホストと本ストレージシステムを接続します。
管理用ソフトウェアは、管理用のLANを通じてストレージシステムに接続します。管理用ソフトウェアとは次のソフトウェアです。
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Storage Navigator
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RAID Manager
Universal Replicatorのコンポーネントについて次の図に基本構成を示します。
- ヒント
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ローカルストレージシステムとは、管理クライアントまたはRAID Managerを接続しているストレージシステムを指します。また、リモートストレージシステムとは、ローカルストレージシステムと接続している別のストレージシステムを指します。このマニュアルでは、特に記載がないかぎり、正サイトにローカルストレージシステムがあり、副サイトにリモートストレージシステムがあることを前提に説明しています。
(1) ストレージシステム
Universal Replicatorシステムは、正サイトと副サイトにある、2台のストレージシステムによって構成されます。正サイトのストレージシステムをMCUMCU(メインコントロールユニット)、副サイトのストレージシステムをRCURCU(リモートコントロールユニット)と表記することがあります。
正サイトのストレージシステム(MCU)は、プライマリボリュームと、次の操作を制御します。
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プライマリボリュームに対するホストI/O操作
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マスタジャーナル操作
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プライマリボリュームとセカンダリボリューム間の、形成コピーと更新コピー操作
副サイトのストレージシステム(RCU)は、セカンダリボリュームと、次の操作を制御します。
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正サイトのストレージシステムに対するリードジャーナルコマンドの発行
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マスタジャーナルからリストアジャーナルへのジャーナルデータのコピー
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セカンダリボリュームに対するリストアジャーナルデータのコピー
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Universal Replicatorペアの状態と構成を管理する上での操作(例:Universal Replicatorのセカンダリボリュームへの書き込みI/Oを拒否する)
(2) Universal Replicatorのデータパス
正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムの間のデータ送受信用の接続は、データパスと呼ばれます。Universal Replicatorのコマンドとデータは、ファイバチャネルデータパスまたはiSCSIデータパスと、スイッチを通って送信されます。データパスは、正サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを介して正サイトのストレージシステムに接続され、副サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを介して副サイトのストレージシステムに接続されます。
データパスはハードウェアレベルで冗長化しておくことをお勧めします。
(3) Storage Navigator
Storage Navigatorは、正サイトおよび副サイトのストレージシステムと、TCP/IP接続によって通信します。Storage Navigatorは、正サイトのストレージシステムに接続して使用します。通常は、副サイトのストレージシステムに接続されていなくても運用に支障はありません。保守や災害復旧の際、Universal Replicatorのパラメータを変更したり、セカンダリボリュームを操作したりするときに、Storage Navigatorを副サイトのストレージシステムに接続します。
Universal Replicatorを操作するユーザには、Storage Navigatorの次のロールが必要です。ロールがないユーザは、Universal Replicatorの情報の参照だけができます。
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ストレージ管理者(リモートバックアップ管理)のロール
仮想ストレージマシン内のボリュームを使用する場合、Storage Navigatorには本ストレージシステムのLDEV IDやシリアル番号も、仮想情報も表示されます。しかし、仮想ストレージマシンのシリアル番号を指定してリモート接続を追加したり、仮想LDEV IDを指定してペアを作成したりはできません。Storage NavigatorでUniversal Replicatorを操作するときには、本ストレージシステムのLDEV IDやシリアル番号を指定します。
- 注意
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Storage Navigatorを使用してUniversal Replicatorペアを作成する場合、その後の運用はStorage Navigatorを使用してください。
(4) RAID Manager
RAID Managerは、スクリプトで使用できるコマンドラインインタフェースを提供します。Storage NavigatorのGUIとほぼ同等の操作を実行できます。
仮想ストレージマシン内のボリュームを使用する場合、RAID Managerでは、構成定義ファイルに本ストレージシステムのLDEV IDやシリアル番号も仮想情報も指定できます。ただし、正サイトのストレージシステムがHUS VMの場合は、構成定義ファイルにVSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900の情報を指定します。
- 注意
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RAID Managerを使用してUniversal Replicatorペアを作成する場合、その後の運用はRAID Managerを使用してください。
- ヒント
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RAID Managerが定期的に発行するタイムスタンプと、ホストから正サイトのストレージシステムに書き込み要求が発行されたときに取得したシーケンス番号を用いて、Universal Replicatorはジャーナルデータの一貫性を保ちます。セカンダリボリュームにジャーナルデータがリストアされるまで、タイムスタンプとシーケンス番号はジャーナルデータに付いたままです。
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RAID Managerがタイムスタンプを発行する間隔は、1秒程度にすることをお勧めします。タイムスタンプを発行する間隔を短くすると、ストレージシステムのI/Oレスポンスに与える影響が大きくなります。タイムスタンプを発行する間隔を長くすると、副サイトでリストアを実行する間隔も長くなり、ジャーナルボリュームにジャーナルデータがたまりやすくなります。なお、形成コピーおよび更新コピーの動作中はタイムスタンプに関わらずデータをリストアするため、タイムスタンプを発行する間隔を長くしてもジャーナルデータがたまりやすくなることはありません。
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