1.10.4 SPMグループの優先度を切り替える
背景
SPMグループ内に属しているホストバスアダプタは、どれもみな優先度が同じです。1つのSPMグループ内では、優先WWNと非優先WWNが混在することはありません。
SPMグループを利用すると、複数のホストバスアダプタの優先度を一度に切り替えられます。また、SPMグループに上限値を設定して、SPMグループ単位で上限値制御を実行できます。
- メモ
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SPMグループに属するそれぞれのホストバスアダプタの上限値は、SPMグループに設定した上限値をSPMグループに属するホストバスアダプタのうちのI/Oがあるホストバスアダプタの数で割った値となります。
ホストバスアダプタにI/Oがあるかは1分間隔のモニタリングで区別しており、SPMグループに属するホストバスアダプタの上限値は1分間隔で更新されます。
上記により、I/Oの有無が切り替わるときに、SPMグループ単位の上限値が設定値より上回る、または下回る可能性があります。
例えば、2つのホストバスアダプタが属するSPMグループに200IOPSの上限値を設定した状態で、1つのホストバスアダプタからのみI/Oがある場合、各ホストバスアダプタに割り当てる上限値は、200(200÷1)IOPSとなります。その後、I/Oのあるホストバスアダプタが1つから2つに切り替わると、その切り替わりの検出(1分間隔で実施しているSPMグループに属するホストバスアダプタの上限値の更新)まで、各ホストバスアダプタに上限値が200IOPSずつ割り当たっているため、SPMグループに設定した上限値以上の400(200+200)IOPSとなる可能性があります。
また、2つのホストバスアダプタが属するSPMグループに200IOPSの上限値を設定した状態で、2つのホストバスアダプタからI/Oがある場合、各ホストバスアダプタに割り当てる上限値は、100(200÷2)IOPSとなります。その後、I/Oのあるホストバスアダプタが2つから1つに切り替わると、その切り替わりの検出(1分間隔で実施しているSPMグループに属するホストバスアダプタの上限値の更新)まで、各ホストバスアダプタに上限値が100IOPSずつ割り当たっているため、SPMグループに設定した上限値未満の100IOPSとなる可能性があります。
SPMグループ内のホストバスアダプタの優先度を一括して切り替える手順を次に示します。
前提条件
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必要なロール:ストレージ管理者(システムリソース管理)ロール
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Storage Navigatorのサブ画面を使用できること(詳細はHitachi Device Manager - Storage NavigatorユーザガイドのStorage Navigatorサブ画面の使い方に関する章を参照)。
操作手順
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次のどちらかの方法で、[性能モニタ]画面を表示します。
Hitachi Command Suiteを使用する場合:
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[リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムを右クリックし、[性能モニタ]を選択します。
Storage Navigatorを使用する場合:
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[分析]ツリーから[性能モニタ]を選択します。
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[Server Priority Manager]をクリックします。
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をクリックして、Modifyモードに変更します。
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[Server Priority Manager]画面で[Server Priority Manager]をクリックします。
[優先ポート制御]画面が表示されます。
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[優先ポート制御]画面の[WWN]タブを選択します。
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画面左下のツリーで、SPMグループ()を選択して右クリックし、ポップアップメニューを表示します。
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次のどちらかの操作を実施します。
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優先WWNから非優先WWNへ切り替えるには、ポップアップメニューから[Prio. ->> Non-Prio.]を選択します。
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非優先WWNから優先WWNへ切り替えるには、ポップアップメニューから[Non-Prio. ->> Prio.]を選択します。
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[適用]をクリックします。
今までの設定内容がストレージシステムに適用されます。