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 パフォーマンス最適化 クイックリファレンス 


1.13.7 QoSアラート

QoSアラートは、QoSを設定したボリュームの状態が、設定値の範囲外にあることを、SIMによってユーザに通知する機能です。 QoSを設定したボリュームに対してQoSアラートを設定すると、ストレージシステムの内部で定期的にアラート条件がチェックされます。QoSでは次のアラート機能があります。

上限値到達警告

上限値到達警告は、ボリュームに設定した上限値に達した状態が、しきい値時間として指定した時間を連続して超えた場合に出力されます。上限値制御を設定したボリュームにおいて、スループットが上限値に到達した場合、I/O処理が抑止されます 。ユーザは、I/O抑止の有無、頻度を本アラートで監視できます。デフォルトの設定はオフです。アラートのSIMコードは「ee0000」です。アラート通知のSIMは、1台のシステムごとに、24時間に1回出力されます。24時間以内に、別のボリュームが上限値に達した場合や、1つのボリュームが複数回にわたり上限値に達した場合、2回目以降のアラートは通知されません。ただし、上限値到達警告が発生した時刻は、ストレージシステム内部に記録されます。この時刻は、「1.14.3 QoS運用手順」のコマンド例に示す操作により、表示できます。

アラートのしきい値時間の設定範囲を次に示します。

項目

設定範囲

上限値到達警告しきい値時間

1~600(秒)

メモ

ストレージシステムの電源OFF/ONにより、次に示す情報が初期化されます。

  • アラート通知のSIMを、24時間に1回出力するための管理情報

  • アラートが発生した最新の時刻

メモ

アラートのしきい値時間を変更した場合、変更したタイミングと、しきい値時間を判定したタイミングにより変更後のしきい値時間に到達しない場合でもアラートが出力される場合があります。

下限値未達警告

下限値未達警告は、ボリュームに設定した下限値に到達しなかった状態が、しきい値時間として指定した時間に連続して発生した場合に出力されます。ユーザは、スループットの下限値制御の状況をこのアラートで監視できます。デフォルトの設定はオフです。アラートの SIMコードは「ee1000」です。アラート通知の SIMは、1台のシステムごとに、24時間に 1回出力されます。24時間以内に、別のボリュームが下限値に到達しなかった場合や、1つのボリュームが複数回にわたり下限値に到達しなかった場合、 2回目以降のアラートは通知されません。ただし、下限値到達警告が発生した時刻は、ストレージシステム内部に記録されます。この時刻は、「1.14.3 QoS運用手順」のコマンド例に示す操作により、表示できます。

アラートのしきい値時間の設定範囲を次に示します。

項目

設定範囲

下限値未達警告しきい値時間

1~600(秒)

メモ

ストレージシステムの電源OFF/ONにより、次に示す情報が初期化されます。

  • アラート通知のSIMを、24時間に1回出力するための管理情報

  • アラートが発生した最新の時刻

メモ

下限値未達警告は、下限値制御ができなかった場合に出力されます。下限値制御ができない状態とは、ホストからのI/Oコマンドを多数受領しているにもかかわらず、それに応えるためのスループットを下限値まで引き上げられない状態です。ホストからのI/Oコマンドは、I/Oの受領コマンド数、受領コマンド転送量として監視されています。I/Oの受領コマンド数、受領コマンド転送量が、1秒以上一定の値を下回ると、ホストからのI/Oコマンドが少なくなったと認識し、スループットが下限値以下でも問題がないと判断するため、この警告は出力されません。

レスポンス遅延警告

レスポンス遅延警告は、ボリュームに設定した優先度に対応する目標レスポンスタイムを超過した状態が、しきい値時間として指定した時間を連続して発生した場合に出力されます。ユーザは、目標レスポンスタイムに対する遅延状況をこのアラートで監視できます。デフォルトの設定はオフです。アラートの SIMコードは 、「ee2000」です。アラート通知の SIMは、1台のシステムごとに、24時間に 1回出力されます。24時間以内に、別のボリュームが目標レスポンスタイムを超過した場合や、1つのボリュームが複数回にわたり目標レスポンスタイムを超過した場合、 2回目以降のアラートは通知されません。ただし、レスポンス遅延警告が発生した時刻は、ストレージシステム内部に記録されます。この時刻は、「1.14.3 QoS運用手順」のコマンド例に示す操作により、表示できます。

アラートのしきい値時間の設定範囲を次に示します。

項目

設定範囲

レスポンス遅延警告しきい値時間

1~600(秒)

メモ

ストレージシステムの電源OFF/ONにより、次に示す情報が初期化されます。

  • アラート通知のSIMを、24時間に1回出力するための管理情報

  • アラートが発生した最新の時刻

メモ
  • アラートのしきい値時間を変更した場合、変更したタイミングと、しきい値時間を判定したタイミングにより変更後のしきい値時間に到達しない場合でもアラートが出力される場合があります。

  • 目標レスポンスタイムを超過した状態が発生すると連続時間がカウントされます。ただし、I/Oがない状態が1秒以上発生すると、連続時間のカウントがリセットされます。