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 ローカルレプリケーション クイックリファレンス 


2.11.13 Thin Imageペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する

Thin Imageペアのボリュームとして使用しているDP-VOLの容量拡張手順を次に示します。

ここでは、Thin Imageペア単体を容量拡張する場合の手順を説明しています。他のプログラムプロダクトと連携した構成で容量拡張をする場合は、連携しているリモートコピーのユーザガイドを参照してください。

前提条件

操作手順

  1. Thin Imageを構成する、すべてのボリュームについて、前提条件を満たしているか確認します。

    メモ

    Thin Imageペアの一部のボリュームだけが容量拡張に成功し、残りの一部のボリュームで容量拡張に失敗した場合、容量拡張後に実施するThin Imageペアの再同期操作が、容量不一致により失敗します。Thin Imageペアの再同期に失敗した場合、「(1) Thin Imageペアの一部のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」の実施が必要となります。

  2. Thin Imageペアのペア状態を確認します。

    PAIR、PSUSまたはPSUEの状態の場合に拡張できます。現在のペア状態を確認して、異なる状態の場合はペア操作を行い、PAIRまたはPSUSの状態に遷移したことを確認します。

  3. 拡張対象のボリュームのカスケード属性が有効の場合、次の手順に進んでください。

    拡張対象のボリュームのカスケード属性が無効の場合、Thin Imageペアのスナップショットデータへのセカンダリボリュームの割り当てを解除します。

    複数のセカンダリボリュームが存在する場合は、それぞれのボリュームに対するスナップショットデータへのセカンダリボリュームの割り当てを解除してください。すでにスナップショットデータへのセカンダリボリュームの割り当てを解除している場合、この操作は不要です。

  4. Thin Imageペアのプライマリボリュームを容量拡張します。

    • RAID Managerの場合

      raidcom extend ldevコマンドに-request_id autoオプションを付けて非同期処理を指定します。

      コマンド例:

      LDEV#44:44に対し10GB分容量拡張します。

      raidcom extend ldev -ldev_id 0x4444 -capacity 10G –request_id auto -IH1
    • Storage Navigatorの場合

      [V-VOL 容量拡張]画面で、容量拡張します。

  5. Thin Imageペアのプライマリボリュームの容量拡張が完了したことを確認します。

    • RAID Managerの場合

      raidcom get command_statusコマンドで、raidcom extend ldevコマンドの処理の完了を確認します。その後、raidcom get ldevコマンドで、LDEV容量が正しい値になっているか確認します。

      コマンド例:

      raidcom get command_status -IH1
      raidcom get ldev -ldev_id 0x4444 -fx -IH1
    • Storage Navigatorの場合

      [ストレージシステム]ツリーから[論理デバイス]を選択して、[LDEV]タブを表示しします。対象のLDEV番号の容量が正しい値になっているか確認します。

  6. 拡張対象のボリュームのカスケード属性が有効の場合、手順8へ進んでください。

    拡張対象のボリュームのカスケード属性が無効の場合、プライマリボリュームと同様の手順で、Thin Imageペアのセカンダリボリュームを容量拡張します。

    メモ

    Thin Imageペアのセカンダリボリュームの容量拡張に失敗した場合は、「(1) Thin Imageペアの一部のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順」を実施してください。

  7. プライマリボリュームと同様の手順で、Thin Imageペアのセカンダリボリュームの容量拡張が完了したことを確認します。

  8. 拡張対象のボリュームのカスケード属性が有効の場合、次の手順に進んでください。

    拡張対象のボリュームのカスケード属性が無効の場合、拡張後の容量と同じ容量のLDEVを用意し、Thin Imageペアのスナップショットデータにセカンダリボリュームとして割り当てます。

    複数のThin Imageペアが存在する場合は、それぞれのThin Imageペアのスナップショットデータにセカンダリボリュームを割り当てます。スナップショットデータへのセカンダリボリュームの割り当てが不要な場合は、この操作を省略できます。

  9. Thin Imageペアが容量拡張中状態ではないことを確認します。

    • RAID Managerの場合

      pairdisplayまたはraidcom get snapshotP列が「N」となっていることを確認します。

      コマンド例(pairdisplayの場合):

      # pairdisplay -g ti -fxce -IM3
      Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU-M) ,Seq#,LDEV#.P/S,Status,   % ,P-LDEV# M CTG CM EM       E-Seq# E-LDEV# DM P
      ti      ti00(L)     (CL1-C-0,28,   0-0 )500003  2000.P-VOL PAIR,  100    3000 -   -  S  -            -       - -  N
      ti      ti00(R)     (CL1-C-0,28,   1-0 )500003  3000.S-VOL PAIR,  100    2000 -   -  S  -            -       - -  N
      

      コマンド例(raidcom get snapshotの場合):

      # raidcom get snapshot -ldev_id 0x1000 -key opt -fx
      SnapShot_name                    P/S   STAT  Serial# LDEV#  MU# P-LDEV#  PID    % MODE SPLT-TIME           SLU C_LDEV# P
      ti                               P-VOL PAIR   500001  1000    3    1100    5  100 ---- -                   -         - N
      
      P
      容量拡張中の状態を表します。
      N:容量拡張状態ではありません。
      E:容量拡張中です。Thin Imageペアの場合、プライマリボリュームまたはセカンダリボリュームの容量拡張操作を完了後も、しばらく(30秒ほど)この状態となります。その後、「N」に遷移します。
    • Storage Navigatorの場合

      [ローカルレプリケーション]画面の[TIルートボリューム]タブで、対象ボリュームが含まれるプライマリボリュームを選択し、[TIペア操作]をクリックします。[TIペア]画面で[処理状態]を参照し、空白表示となっていることを確認します(容量拡張中は、[Expanding]が表示されます)。

    容量拡張中状態の場合は、ペアの容量拡張が完了するのをしばらく待ってから、再度状態を確認してください。