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2.6.5 Thin Imageでプールの容量を決める場合の注意事項

Thin Imageプールの場合、プールボリュームの容量の合計から仮想ボリューム管理領域を除いたものが、そのプールでスナップショットデータを格納できる容量です。仮想ボリューム管理領域は、プール容量の約3%です。DPプールの場合、プールボリュームの容量の合計からDP-VOLが使用しているプールボリュームの容量および仮想ボリューム管理領域を除いたものが、そのプールでスナップショットデータを格納できる容量です。プールの容量が不十分だと、Thin ImageペアがPSUE状態となるおそれがあります。そのため、プールを作成するときは、コピー容量コピー容量(取得されるスナップショットデータの容量)を見積もり、そのコピー容量に対応できるだけのプール容量プール容量を設定する必要があります。なお、時間によってコピー容量が異なる場合は、コピー容量の最大値に合わせてプール容量を設定するようにしてください。

注※

仮想ボリューム管理領域の容量は、プライマリボリュームの容量、ペア数などにより変化します。Thin Imageペアのプライマリボリュームごとの容量は、次の計算式で計算します。すべてのThin Imageペアの容量を算出する場合は、すべてのプライマリボリューム分を計算し合計して下さい。

プライマリボリュームごとの仮想ボリューム管理領域の容量(MB) = (4 + ↑ (2×更新種別×ペア数+64)×(ボリューム容量(MB)÷3145728(MB)) ↑)×42
更新種別:更新するボリュームにより、1または2を設定する
  • プライマリボリュームのみ更新ありの場合、1を設定
  • セカンダリボリュームのみ更新ありの場合、1を設定
  • プライマリ、セカンダリボリューム両方に更新ありの場合、2を設定

ペア数:1つのプライマリボリュームに対するセカンダリボリューム数

ボリューム容量:プライマリボリュームの容量(MB)

↑:小数点以下の端数を切り上げることを示します。

DPプールでStorage Navigatorでは、[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]に[はい]がRAID Managerでは、raidcom modify pool -suspend_tipair <yes>コマンドが設定されている場合、枯渇しきい値を超過するとそのプールを使用しているThin ImageペアがPSUE状態となることがあります。また、Thin Imageプールの場合またはDPプールでStorage Navigatorでは、[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]に[いいえ]がRAID Managerでは、raidcom modify pool -suspend_tipair <no>コマンドが設定されている場合、プールが満杯になるとそのプールを使用しているThin ImageペアがPSUE状態となることがあります。このため、プールの空き容量には十分注意し、枯渇しきい値を超過したり満杯になったりする前にプールの容量を拡張してください。

プールの容量を決定するためには、コピー容量の見積もりコピー容量の見積もりが必要です。

コピー容量は、スナップショットデータを取得してから削除するまでの間に、プライマリボリュームの同じ領域に対して書き込みした容量と同じです。

複数のスナップショットデータを取得した場合、プール内でデータを共有することがあります。データを共有しているスナップショットデータがある間は、Thin Imageペアを削除できますが、データを共有しているスナップショットデータ自体はプールから削除されません。データを共有するスナップショットデータを持つThin Imageペアをすべて削除すると、スナップショットデータもプールから削除されます。

Thin Imageでデータのバックアップを作成したい場合、クローンを実行するか、スナップショットデータの取得完了後に、セカンダリボリュームからバックアップを作成します。スナップショットデータの取得完了後にセカンダリボリュームからバックアップを作成する場合、バックアップの対象はスナップショットデータとして保存されている領域だけなので、プールの容量が少なくてもバックアップを作成できます。バックアップ作成中はセカンダリボリュームから大量のデータを読み込みます。そのため、プライマリボリュームへのアクセスも増加し、ホストI/O性能ホストI/O性能が低下するおそれがあります。