Hitachi

 ボリューム管理 クイックリファレンス


4.2.9 外部パスに関する注意事項

〈この項の構成〉

(1) 外部パスとして使用できない経路

ローカルストレージシステムと外部ストレージシステムをファイバチャネルで接続する場合、次のようなローカルストレージシステムのポートと外部ストレージシステムのポート間の経路は外部パスとして使用できません。外部パスとして使用できない経路を使用した場合、外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへの接続が切断される可能性があります。外部パスとして使用できる経路を使用してください。

  1. 他社製の外部ストレージシステムのポートを起点とし、ローカルストレージシステムのポートを終点とするI/Oパスで使用中の経路

  2. [1]のI/Oパスにおけるローカルストレージシステムのポートを、起点として使用する経路
注※

Universal Volume Managerと同様の他社のストレージ仮想化機能等、外部ストレージシステムからローカルストレージシステムに対しI/Oを発行する経路を指します。

外部パスとして使用できない経路

ポートAを起点、ポートBを終点とする経路は外部パスとして使用できません。ポートAを起点、ポートBを終点とする経路を外部パスとして使用した場合、ポートBを起点、ポートAを終点とするI/Oパスが切断される可能性があります。

[図データ]

ポートAを起点、ポートCを終点とする経路は外部パスとして使用できません。ポートAを起点、ポートCを終点とする経路を外部パスとして使用した場合、ポートBを起点、ポートAを終点とするI/Oパスが切断される可能性があります。

[図データ]
メモ
  • 安全に運用するために、RAID Managerで外部パスを操作することを推奨します。RAID Managerには、外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへの接続の切断の可能性がある処理を抑止するコマンドオプションがあります。詳細は、(2) 使用中のパス経路に外部パスを追加する場合の注意事項を参照してください。

  • 外部ストレージシステムが日立製の場合は、使用中の外部パス、リモートパスと同一経路に外部ストレージシステムへの外部パスを追加できます。ただし、外部ストレージシステムからのパスが一時的に切断される可能性があります。詳細は、「(2) 使用中のパス経路に外部パスを追加する場合の注意事項」を参照してください。

外部パスとして使用できる経路

ポートCを起点、ポートDを終点とする経路を外部パスとして使用可能です。

[図データ]

(2) 使用中のパス経路に外部パスを追加する場合の注意事項

外部パスを追加する際は、同じ経路を使用する他のパスに注意してください。他のパスと同じ経路への外部パス追加可否を示します。

外部ストレージシステム

使用中パスの経路への外部パス追加可否

注意事項

日立製

以下の使用中パスの経路に追加できる。

  • 日立製ストレージシステムからローカルストレージシステムへの外部パス

  • リモートパス

次の表に示す操作をすると、使用中パスが、一時的に切断される可能性がある(直ちに再接続されるため、使用中パスの閉塞は発生しない)。

このため、外部ボリュームに対するホストI/O性能またはリモートコピー性能が一時的に低下する可能性がある。

他社製

以下の使用中パスの経路に追加できない。

  • 他社製の外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへのI/Oパス

次の表に示す操作をすると、使用中パスが切断される可能性がある。

表4‒1 接続の切断が発生する可能性がある操作

操作インターフェース

操作画面/コマンド

Storage Navigator

外部ボリューム追加

外部パス設定変更

RAID Manager

raidcom add external_grp

raidcom add path

raidcom discover external_storage

raidcom discover lun

日立製の外部ストレージシステムに上記操作をする場合は、外部パスまたはリモートパスとして使用中でない経路を使用するよう、接続構成を変更してください。または、外部ボリュームに対するホストI/O性能またはリモートコピー性能が一時的に低下しても問題ないことを確認してから操作してください。

他社製の外部ストレージシステムに上記操作をする場合は、他社製の外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへのI/Oパスに使用していない経路を使用してください。

より安全に運用するために

RAID Managerで外部パスを操作することを推奨します。DKCMAINプログラムバージョン88-08-01-XX以降または93-04-01-XX以降では、上記のRAID Managerコマンドには、外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへの接続の切断の可能性がある処理を抑止するコマンドオプション「-safety_check enable」を指定できます。

  • raidcom discover external_storageコマンドに「-safety_check enable」を指定すると、接続の切断の可能性がある経路は“Unknown”と表示されます。

  • 日立製の外部ストレージシステムが“Unknown”の場合は、一時的な接続の切断により当該経路を使用する外部ボリュームのホストI/O性能またはリモートコピー性能が一時的に低下する可能性があります。外部パスまたはリモートパスとして使用中でない経路を使用するよう、接続構成を変更してください。または、一時的な性能低下が発生しても問題ない場合には、「-safety_check enable」を指定せずにコマンドを実行してください。

  • 他社製の外部ストレージシステムが“Unknown”の場合は、他社製の外部ストレージシステムからローカルストレージシステムへのI/Oパスに使用していない経路を使用するよう、接続構成を変更してください。

  • 詳細はRAID Managerコマンドリファレンスを参照してください。