2.1.1 Dynamic Tieringとは(Dynamic Tieringを用いたボリュームの階層管理によるコストの削減)
Dynamic Tieringでは、SSD、HDD、外部ボリュームなどの種類の異なる複数のメディアでボリュームを構成することで、ストレージのコストパフォーマンス向上を実現できます。
なお、HDDのドライブタイプは、モデルやファームウェアバージョンによって異なります。詳細は「(2) モデルやファームウェアバージョンによるStorage Navigatorの項目名の差異」を参照してください。
Dynamic Tieringには次の特長があります。
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複数メディアでのボリューム構成によるストレージコスト削減
従来は1つのメディアでしか構成できなかったボリュームを、SSD、HDD、外部ボリュームなどの複数の異なるメディアを組み合わせたボリューム構成にすることで、データにふさわしい性能およびコストのメディアを選択でき、ストレージコストを削減できます。
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データのアクセス頻度に応じた最適なメディアへのデータの自動移行
アクセス頻度が高いデータを高速メディア(SSD)に、アクセス頻度が低いデータを低速なメディア(HDD7.2K)にデータ移行することで、ストレージ性能を最大化します。
次の図は、Dynamic Tieringを使用する場合のメディア構成の違いを示しています。グラフの縦軸は単位時間ごとの平均I/O数、横軸はそのI/Oが発生した領域の容量を示しています。
階層化されたボリュームを使用しない場合、ボリュームは1つのメディアで構成されます。この場合、ボリュームに掛かる負荷の高低とは関係なく、I/Oデータには同一のメディア(高速メディア)が割り当てられます。このため、性能や容量に多くの余剰があります。
一方、階層化されたボリュームを使用した場合では、高負荷のボリュームには高速メディアが、低負荷のボリュームには低速メディアが自動的に割り当てられるため、性能を維持しつつ余剰となる容量分のコストを削減できます。
Dynamic Tieringでは、1つのプール内でページのI/O負荷に応じて、最大3つの階層で管理します。相対的に負荷が高いページを高速なメディアで構成される上位階層へ、負荷が低いページを低速なメディアで構成される下位階層へ配置します。