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 ボリューム管理 クイックリファレンス


1.9.4 SIM=680001が出力されたときの対処方法

SIMコードの680001は、容量削減機能の動作で異常が発生したことを示します。日立サポートサービスに連絡して、対策を依頼してください。対策内容を次に示します。

これらの作業は、順不同で実施、または並行して実施することがあります。

〈この項の構成〉

(1) SSBが指し示すボリュームと関連ボリュームを初期化(バックアップおよびリストアを含む)する(SIM=680001)

背景

以下どちらかの場合の対処方法を示します。

背景

SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)の場合

  1. プールに関連づけられていて[重複排除データ]が[有効]の、すべての仮想ボリュームのデータをバックアップします。
    メモ

    バックアップ中に、SIMコード680001が報告され、データを読み出せないことがあります。その場合、読み出せるデータのみバックアップしてください。また、SIMコード680001が報告されても、この手順を進めてください。

  2. 次の順序で仮想ボリュームを閉塞します。
    1. すべての[重複排除データ]が[有効]の仮想ボリューム
    2. すべての重複排除用システムデータボリューム
  3. 重複排除用システムデータボリュームが属するプール名を選択してから[仮想ボリューム]タブを選択して、重複データ初期化を実行します。
  4. 次の順序で仮想ボリュームをフォーマットします。
    1. すべての重複排除用システムデータボリューム(データストア)
    2. すべての[重複排除データ]が[有効]の仮想ボリューム
  5. 再度、仮想ボリュームの容量削減の設定を変更します。
  6. バックアップしたデータをリストアします。

SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)でない場合

  1. 選択したすべての仮想ボリュームのデータをバックアップします。
    メモ

    バックアップ中に、SIMコード680001が報告され、データを読み出せないことがあります。その場合、読み出せるデータのみバックアップしてください。また、SIMコード680001が報告されても、この手順を進めてください。

  2. 選択したすべての仮想ボリュームを閉塞します。
  3. システムオプションモード1115をONにします。すでにONになっている場合、この操作は不要です。
  4. 選択したすべての仮想ボリュームをフォーマットします。
  5. システムオプションモード1115をOFFにします。本手順でONにしなかった場合、この操作は不要です。
  6. バックアップしたデータをリストアします。

(2)  他の容量削減ボリュームの異常発生有無を確認する(SIM=680001)

他の容量削減が設定されている仮想ボリュームに同様の異常が発生しているかどうかを確認するために、仮想ボリュームのデータをすべて読み取って異常発生有無を確認します。いくつかの確認方法があり、ストレージシステムの状態や運用を考慮したうえで、方法を決定する必要があります。日立サポートサービスの指示に従ってください。

異常発生有無の確認方法

確認方法

メリット

デメリット

対処方法

ホストからの読み取り

(後述のボリュームの全域をホストから読み取ります。)

他の方法と比較して、最も短時間で確認できます。

業務を継続しながら実施する場合は、プロセッサ稼働率を抑えるために、一度に読み取るボリューム数や読み取り性能の調整が必要です。

  • 異常がない場合

    読み取りが成功します。

  • 異常がある場合SIM=680001が出力されます。ホストにチェック応答が返却され、読み取りが失敗します。

SIペア作成

(後述のボリュームをプライマリボリュームとしてShadowImageペアを作成します。)

ホスト操作が不要です。

  • 業務を継続しながら実施する場合は、プロセッサ稼働率を抑えるために、一度に読み取るボリューム数や読み取り性能の調整が必要です。

  • コピー先ボリューム分の空きプール容量が必要です。

  • 異常がない場合

    ペア作成が成功します。

  • 異常がある場合SIM=680001が出力されます。ペア作成が失敗し、障害サスペンドのペア状態になります。

ヘルスチェック機能

(後述のボリューム(自動判定)を対象に、異常発生有無がチェックされます。)

  • ホスト操作が不要です。

  • プロセッサ稼働率を15%程度にコントロールして動作するため、業務を継続しながら実施できます。

他のリード方法と比較して、確認完了までの時間が最も長くなります。

  • 異常がない場合

    SIM=680001が出力されずに、ヘルスチェックが完了します。

  • 異常がある場合

    SIM=680001が出力され、ヘルスチェックが完了します。

注※

ヘルスチェック機能は、次のDKCMAINバージョンのストレージシステムでサポートしています。

ストレージシステム

DKCMAINバージョン

VSP Eシリーズ

未サポートです。

VSP Eシリーズ以外

88-08-02-XX 以降

確認対象ボリューム(SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)の場合)

確認方法

異常発生有無を確認するタイミング

重複データ初期化前

重複データ初期化後

ホストからの読み取り

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

当該プールに所属する容量削減が[圧縮]の仮想ボリュームと、当該プールに所属しない容量削減が有効な仮想ボリューム

SIペア作成

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

当該プールに所属する容量削減が[圧縮]の仮想ボリュームと、当該プールに所属しない容量削減が有効な仮想ボリューム

ヘルスチェック機能

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

確認対象ボリューム(SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)でない場合)

確認方法

異常発生有無を確認するタイミング

重複データ初期化前

重複データ初期化後

ホストからの読み取り

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

当該ボリューム以外の容量削減が有効な仮想ボリューム

SIペア作成

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

当該ボリューム以外の容量削減が有効な仮想ボリューム

ヘルスチェック機能

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

容量削減が有効なすべての仮想ボリューム

ヘルスチェックの処理時間の目安

処理時間(目安)は、ボリューム容量合計(GB)÷ヘルスチェック性能値(GB/s)で算出できます。

ヘルスチェック性能値(GB/s)は、次の表を参照して、次の式で算出してください。

  • 「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数<「システム性能」の場合

    「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数をヘルスチェック性能値(GB/s)とします。

  • 「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数≧「システム性能」の場合

    「システム性能」をヘルスチェック性能値(GB/s)とします。

注※

容量削減が有効なすべてのボリュームを指します。

ストレージシステム

ボリュームあたりの性能

システム性能

VSP G130, VSP G150, VSP G350, VSP G370

0.11GB/s

0.41GB/s

VSP G370およびVSP F370

0.11GB/s

0.68GB/s

VSP G700およびVSP F700

0.11GB/s

0.82GB/s

VSP G900およびVSP F900

0.11GB/s

1.37GB/s

  • SSDを使用した場合の性能値です。HDDを使用した場合など、構成によって変動します。

  • ボリューム毎に異なるプロセスで処理されるため、ボリュームあたりの性能は装置モデルに依存しません。

  • 複数ボリュームが並列処理されるため、システム性能はプロセッサ数に依存します。

ヘルスチェックの操作手順

前提条件

  • 容量削減が有効なすべてのボリュームが閉塞していないこと。閉塞したボリュームがあると、ヘルスチェックが完了しません。

    ヘルスチェック実行前に、容量削減が有効なすべてのボリュームの状態を確認して、閉塞している場合は、回復させてください。

操作手順

  1. システムオプションモード1237をONにします。

    ヘルスチェックが開始されると、SSBコード0x0132が出力されます。

    メモ

    ヘルスチェックを中断する場合は、システムオプションモード1237をOFFにしてください。再開する場合は、システムオプションモード1237を再度ONにしてください。

  2. ヘルスチェックが完了すると、SSBコード0x0133が出力されます。

  3. システムオプションモード1237をOFFに戻します。

異常が検出された場合の対処方法

他の容量削減が設定されている仮想ボリュームで同様の異常が発生していることが検出された場合は、「(1) SSBが指し示すボリュームと関連ボリュームを初期化(バックアップおよびリストアを含む)する(SIM=680001)」に従って対処してください。