2.7.4 SIM=680001が出力されたときの対処方法
SIMコードの680001は、容量削減機能の動作で異常が発生したことを示します。日立サポートサービスに連絡して、対策を依頼してください。対策内容を次に示します。
これらの作業は、順不同で実施、または並行して実施することがあります。
- 〈この項の構成〉
(1) SSBが指し示すボリュームと関連ボリュームを初期化(バックアップおよびリストアを含む)する(SIM=680001)
背景
以下どちらかの場合の対処方法を示します。
背景
SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)の場合
- プールに関連づけられていて[重複排除データ]が[有効]の、すべての仮想ボリュームのデータをバックアップします。
- メモ
-
バックアップ中に、SIMコード680001が報告され、データを読み出せないことがあります。その場合、読み出せるデータのみバックアップしてください。また、SIMコード680001が報告されても、この手順を進めてください。
- 次の順序で仮想ボリュームを閉塞します。
- すべての[重複排除データ]が[有効]の仮想ボリューム
- すべての重複排除用システムデータボリューム
- 重複排除用システムデータボリュームが属するプール名を選択してから[仮想ボリューム]タブを選択して、重複データ初期化を実行します。
- 次の順序で仮想ボリュームをフォーマットします。
- すべての重複排除用システムデータボリューム(データストア)
- すべての[重複排除データ]が[有効]の仮想ボリューム
- 再度、仮想ボリュームの容量削減の設定を変更します。
- バックアップしたデータをリストアします。
SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)でない場合
- 選択したすべての仮想ボリュームのデータをバックアップします。
- メモ
-
バックアップ中に、SIMコード680001が報告され、データを読み出せないことがあります。その場合、読み出せるデータのみバックアップしてください。また、SIMコード680001が報告されても、この手順を進めてください。
- 選択したすべての仮想ボリュームを閉塞します。
- システムオプションモード1115をONにします。すでにONになっている場合、この操作は不要です。
- 選択したすべての仮想ボリュームをフォーマットします。
- システムオプションモード1115をOFFにします。本手順でONにしなかった場合、この操作は不要です。
- バックアップしたデータをリストアします。
(2) 他の容量削減ボリュームの異常発生有無を確認する(SIM=680001)
他の容量削減が設定されている仮想ボリュームに同様の異常が発生しているかどうかを確認するために、仮想ボリュームのデータをすべて読み取って異常発生有無を確認します。いくつかの確認方法があり、ストレージシステムの状態や運用を考慮したうえで、方法を決定する必要があります。日立サポートサービスの指示に従ってください。
異常発生有無の確認方法
確認方法 |
メリット |
デメリット |
対処方法 |
---|---|---|---|
ホストからの読み取り (後述のボリュームの全域をホストから読み取ります。) |
他の方法と比較して、最も短時間で確認できます。 |
業務を継続しながら実施する場合は、プロセッサ稼働率を抑えるために、一度に読み取るボリューム数や読み取り性能の調整が必要です。 |
|
SIペア作成 (後述のボリュームをプライマリボリュームとしてShadowImageペアを作成します。) |
ホスト操作が不要です。 |
|
|
ヘルスチェック機能※ (後述のボリューム(自動判定)を対象に、異常発生有無がチェックされます。) |
|
他のリード方法と比較して、確認完了までの時間が最も長くなります。 |
|
- 注※
-
ヘルスチェック機能は、次のDKCMAINバージョンのストレージシステムでサポートしています。
ストレージシステム |
DKCMAINバージョン |
---|---|
VSP Eシリーズ |
未サポートです。 |
VSP Eシリーズ以外 |
88-08-02-XX 以降 |
確認対象ボリューム(SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)の場合)
確認方法 |
異常発生有無を確認するタイミング |
|
---|---|---|
重複データ初期化前 |
重複データ初期化後 |
|
ホストからの読み取り |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
当該プールに所属する容量削減が[圧縮]の仮想ボリュームと、当該プールに所属しない容量削減が有効な仮想ボリューム |
SIペア作成 |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
当該プールに所属する容量削減が[圧縮]の仮想ボリュームと、当該プールに所属しない容量削減が有効な仮想ボリューム |
ヘルスチェック機能 |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
確認対象ボリューム(SSBが指し示す仮想ボリュームが重複排除用システムデータボリューム(データストア)でない場合)
確認方法 |
異常発生有無を確認するタイミング |
|
---|---|---|
重複データ初期化前 |
重複データ初期化後 |
|
ホストからの読み取り |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
当該ボリューム以外の容量削減が有効な仮想ボリューム |
SIペア作成 |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
当該ボリューム以外の容量削減が有効な仮想ボリューム |
ヘルスチェック機能 |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
容量削減が有効なすべての仮想ボリューム |
ヘルスチェックの処理時間の目安
処理時間(目安)は、ボリューム※容量合計(GB)÷ヘルスチェック性能値(GB/s)で算出できます。
ヘルスチェック性能値(GB/s)は、次の表を参照して、次の式で算出してください。
-
「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数※<「システム性能」の場合
「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数※をヘルスチェック性能値(GB/s)とします。
-
「ボリュームあたりの性能」×ボリューム数※≧「システム性能」の場合
「システム性能」をヘルスチェック性能値(GB/s)とします。
- 注※
-
容量削減が有効なすべてのボリュームを指します。
ストレージシステム |
ボリュームあたりの性能 |
システム性能 |
---|---|---|
VSP G130, VSP G150, VSP G350, VSP G370 |
0.11GB/s |
0.41GB/s |
VSP G370およびVSP F370 |
0.11GB/s |
0.68GB/s |
VSP G700およびVSP F700 |
0.11GB/s |
0.82GB/s |
VSP G900およびVSP F900 |
0.11GB/s |
1.37GB/s |
-
SSDを使用した場合の性能値です。HDDを使用した場合など、構成によって変動します。
-
ボリューム毎に異なるプロセスで処理されるため、ボリュームあたりの性能は装置モデルに依存しません。
-
複数ボリュームが並列処理されるため、システム性能はプロセッサ数に依存します。
ヘルスチェックの操作手順
前提条件
-
容量削減が有効なすべてのボリュームが閉塞していないこと。閉塞したボリュームがあると、ヘルスチェックが完了しません。
ヘルスチェック実行前に、容量削減が有効なすべてのボリュームの状態を確認して、閉塞している場合は、回復させてください。
操作手順
-
システムオプションモード1237をONにします。
ヘルスチェックが開始されると、SSBコード0x0132が出力されます。
- メモ
-
ヘルスチェックを中断する場合は、システムオプションモード1237をOFFにしてください。再開する場合は、システムオプションモード1237を再度ONにしてください。
-
ヘルスチェックが完了すると、SSBコード0x0133が出力されます。
-
システムオプションモード1237をOFFに戻します。
異常が検出された場合の対処方法
他の容量削減が設定されている仮想ボリュームで同様の異常が発生していることが検出された場合は、「(1) SSBが指し示すボリュームと関連ボリュームを初期化(バックアップおよびリストアを含む)する(SIM=680001)」に従って対処してください。