2.1.5 Dynamic Tieringがページの移動先にする階層を判定する方法
背景
Dynamic Tieringは、次の3つのステップで階層を判定します。
操作手順
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階層境界値の決定
Dynamic Tieringは、度数分布表から階層の境界値を算出します。負荷(I/O数)の高いページから上位階層に格納されます。格納されたページ数の累計が対象となる階層の容量を超えた値、または階層が処理できる最大のI/O数に到達した値が階層境界値となります。階層が処理できる最大のI/O数を性能ポテンシャル性能ポテンシャルと呼びます。また、各階層の性能ポテンシャルに対して発生しているI/O数の割合を性能稼働率と呼びます。性能稼働率が100%と表示されている場合、階層に発生しているI/O数が性能ポテンシャルを超えていることを示します。
- メモ
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性能ポテンシャルは各階層に使用するプールボリュームの容量に比例します。性能ポテンシャルをより高めるため、1つのパリティグループのすべての容量を1つのプールに使用することを推奨します。
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階層範囲の決定
階層境界値をもとに階層範囲が決定されます。階層境界値を階層範囲の下限値とし、無駄なページ移行を抑制するために、約10~20%のグレーゾーンを設けます。このグレーゾーンの幅をデルタ値と呼びます。階層再配置の対象となるすべてのページが上位階層に収まる場合は、階層範囲の下限値およびデルタ値は0です。
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ページの階層判定
性能モニタリングで採取した各ページのモニタリング情報をもとに、ページがどの階層範囲に含まれるのかが判定されて、移動先の階層が決定されます。