Hitachi

 ボリューム管理 クイックリファレンス


2.3.10 Dynamic Tieringまたはactive flashの性能モニタリングまたは階層再配置が中止になる条件

幾つかの条件でのモニタリング情報の採取状況、確定済みモニタリング情報の状態、および階層再配置の動作について次の表に示します。モニタリング情報の状態には、有効、無効、計算中(階層判定中)があります。なお、確定済みモニタリング情報とは、階層再配置を実行するときに参照される最新のモニタリング情報です。

モニタリング情報の採取対象または実行条件

モニタリング情報の採取の実行状態

確定済みのモニタリング情報の状態

階層再配置の動作

対処方法

未割当ページ

該当するページのモニタリング情報は採取しない

該当するページのモニタリング情報はなし

該当ページの階層再配置はスキップされる

対処は不要です。該当するページが割り当てられたあと、モニタリング情報の採取と階層再配置が実行されます。

モニタリング情報の採取中にゼロデータが破棄された場合

該当するページのモニタリング情報はリセットされる

該当ページのモニタリング情報だけ無効である

該当ページの階層再配置はスキップされる

対処は不要です。該当するページが割り当てられたあと、モニタリング情報の採取と階層再配置が実行されます。

仮想ボリュームが階層再配置を実行しない設定になっている

該当ボリュームのモニタリング情報が採取される

該当ボリュームのモニタリング情報は有効である

性能モニタリングを終了した時点の設定が階層再配置を実行しない設定であった場合、該当ボリュームの階層再配置はスキップされる

なし

仮想ボリュームを削除した場合

該当ボリュームのモニタリング情報は採取されない

該当ボリュームだけモニタリング情報が無効になる

該当ボリュームの階層再配置は中断する

なし

実行モードを[自動]から[手動]、または[手動]から[自動]に切り替えたとき

モニタリング情報の採取は中断する

中断する前までに採取していたモニタリング情報が有効になる

中断する

必要であれば、再度モニタリング情報を採取してください※1

ストレージシステムの電源を入れたとき

ストレージシステムの電源OFFによって中断したモニタリング情報の採取が、電源ONにしても再開しない※1

前回の実行周期で採取したモニタリング情報が、引き続き有効である

ストレージシステムの電源OFFによって中断されている

電源ONにしたときに再開する

必要であれば、再度モニタリング情報を採取してください※1

  • Volume Migrationを実行したとき

  • ShadowImageのQuick Restoreを実行したとき

該当ボリュームのモニタリング情報は採取されない。次回の実行周期で採取される。

該当ボリュームのモニタリング情報は無効になる。このため、該当ボリュームのモニタリング情報を採取する必要がある

該当ボリュームの階層再配置は中断する

再度モニタリング情報を採取してください※1

次のプログラムプロダクトの形成コピーを実行したときのセカンダリボリューム

  • TrueCopy

  • global-active device

  • Universal Replicator

モニタリング情報の採取は継続する。ただし、該当ボリュームのモニタリング情報はリセットされる。※2

確定済みのモニタリング情報には影響なし。前回の周期で採取したモニタリング情報が引き続き有効になる。

該当ボリュームの階層再配置は中断する

必要であれば、再度モニタリング情報を採取してください※1

  • プールボリュームを追加して、階層数が増加したとき

  • プールボリュームを追加して、階層のプールボリュームが入れ替わったとき※3

  • 外部LDEV階層ランクの設定を変更したとき

モニタリング情報の採取は継続する

確定済みのモニタリング情報が破棄されるため、モニタリング情報が無効になる。モニタモードが継続モードの場合、過去の周期のモニタリング情報を加重計算したデータも破棄される。

中断する

階層再配置を再度実行してください※1

プールボリュームを削除したとき

モニタリング情報の採取は継続する

モニタリング情報が一時的に無効になる。プールボリューム削除完了後、モニタリング情報が再計算される※4

プールボリュームの削除開始から完了まで中断し、そのあと再開する

なし

キャッシュが閉塞したとき

モニタリング情報の採取は継続する

確定済みのモニタリング情報には影響なし。前回の周期で採取したモニタリング情報が引き続き有効になる。

中断する※5

障害部位を回復したあとに再度再配置を実行してください※1

LDEVが閉塞したとき(プールボリューム、仮想ボリューム)

モニタリング情報の採取は継続する

確定済みのモニタリング情報には影響なし。前回の周期で採取したモニタリング情報が引き続き有効になる。

中断する※5

障害部位を回復したあとに再度再配置を実行してください※1

再配置中にプールが満杯になりそうになったとき

モニタリング情報の採取は継続する

確定済みのモニタリング情報には影響なし。前回の周期で採取したモニタリング情報が引き続き有効になる。

中断する※5

プールボリュームを追加し、再度モニタリング情報の採取、再配置を実行してください※1

実行モードが[自動]の場合で、階層再配置の実行中に実行周期の終了時刻になったとき

実行周期の終了時刻になったため、モニタリング情報の採取は停止する

性能モニタリングが停止するまでに採取したモニタリング情報が有効になる

中断する※5

自動的に次の周期の再配置が起動しますので、この問題への対処は不要です

実行モードが[手動]の場合で、モニタリング開始から7日経過したとき

モニタリング情報の採取は中断する

中断するまで採取していたモニタリング情報が有効になる

継続する

必要であれば、再度モニタリング情報を採取してください※1

注※1

実行モードが[自動]の場合、または手動実行モードでスクリプトを組んでいる場合は、自動的にモニタリング情報の再採取、再配置が実施されます。

注※2

セカンダリボリュームは全ページが未割り当てになり、該当ボリュームのモニタリング情報はリセットされます。該当ページが新規ページに割り当てられたあと、モニタリング情報が採取されます。

注※3

例えば、次に示す構成1にSAS15Kのプールボリュームを追加して、構成2になった場合です。

  • 構成1(変更前):階層1がSSD、階層2がSAS10K、および階層3がSAS7.2K

  • 構成2(変更後):階層1がSSD、階層2がSAS15K、および階層3がSAS10KおよびSAS7.2K

構成1でSAS10Kのプールボリュームは階層2にあります。しかし構成2では階層2はSAS15Kのプールボリュームと入れ替わり、SAS10Kのプールボリュームは階層3に移動しています。

注※4

モニタリング情報の状態が無効(INV)から計算(階層判定)中に遷移し、計算(階層判定)完了後、有効(VAL)になります。

注※5

Storage Navigatorの[システム詳細設定編集]画面で、[階層再配置がシステムによって中断されたときにアラートを通知]が有効の場合、SIMが出力されます。SIMコードは、641xxx(xxxはプール番号)です。