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 ボリューム管理 クイックリファレンス


1.16.1 LUパスとは

システムの構築担当者は、ケーブルやハブなどを使用してホストとストレージシステムを物理的に接続したあと、LUN Managerを利用してホストと論理ボリュームの間にデータ入出力の経路(LUパス)を設定しなくてはなりません。この設定によって、どのホストがどの論理ボリュームにアクセスできるかが決まります。LUパスを設定することで、ホストと論理ボリュームの間でコマンドやデータの転送が実行できます。

LUパスを設定するには、まずサーバホストをホストグループごとに分類しておく必要があります。例えば、LinuxホストとWindowsホストが接続されている場合は、LUN Managerを使ってLinuxホスト用のホストグループとWindowsホスト用のホストグループを作成しなくてはなりません。ホストグループを作成したら、Linuxホスト用のホストグループにLinuxホストのホストバスアダプタを登録し、Windowsホスト用のホストグループにWindowsホストのホストバスアダプタを登録します。

ホストを分類するとき、接続先となるストレージシステムのポートが異なる複数台のホストを、1つのホストグループにまとめることはできません。例えば、ストレージシステムのポート1AにWindowsホストが2台接続されており、ポート1BにWindowsホストが3台接続されている場合、これら合計5台のWindowsホストを1つのホストグループにまとめることはできません。ポート1AのWindowsホストとポート2AのWindowsホストは、別々のホストグループに分類します。

サーバホストをホストグループごとに分類したら、ホストグループを論理ボリュームに結び付けます。ホストグループと論理ボリュームを結び付けることで、そのホストグループに属するホストと論理ボリュームの間にLUパスが設定され、ホストは論理ボリュームにアクセスできるようになります。

次の図は、LUN Managerの画面でホストグループhg-lnxを3つの論理ボリューム(00:00:00、00:00:01、および00:00:02)に結び付けた例を示しています。この例では、hg-lnxグループに属する2台のホストと3つの論理ボリュームの間にLUパスが設定されています。

[図データ]

LUN Managerでは、1台のサーバホストから複数のLUへパスを設定できます。例えば前の図の場合、ホストグループhg-lnxの2つのホストは、どれも3つのLUにアクセスできます。

LUN Managerでは、複数のサーバホストから特定の1つのLUへパスを設定できます。例えば前の図の場合、LDKC:CU:LDEV番号が00:00:00のLUは、ホストグループhg-lnxに属する2台のホストからアクセスできます。

LUパスを設定するとき、システム管理者は、論理ボリュームにアドレスを付けておく必要があります。前の図では、ホストグループhg-lnxと結びついているLUに、0~2の数字でアドレス番号が付いています。LUのアドレス番号をLUNLUNと呼びます。TrueCopyなどのプログラムプロダクトがLUを操作するときは、LUNを使って操作対象のLUを特定します。

LUN Managerでは、システムの運用開始後にLUパスを追加・変更・削除できます。例えば、ドライブの増設やサーバホストの追加接続をしたときには、新しいLUパスを追加できます。既存のサーバホストを撤去したい場合は、そのサーバホストとつながっているLUパスを削除してからホストを撤去します。なお、LUN ManagerでLUパスの追加・変更・削除を実行するとき、システムを再起動する必要はありません。

システム管理者は、ハードウェアの故障(例えばチャネルプロセッサの故障)などによってホストI/Oが停止する危険性を防ぐために、LUパスを二重化できます。LUパスを二重化しておくと、チャネルプロセッサの故障などによって一方のLUパスが使用できなくなったときに、ホストI/Oが他方のLUパスに引き継がれます。ホストI/Oを引き継ぐLUパスを交替パスといいます。

ホストから論理ボリュームを識別するために、任意のIDを設定できます。このIDをUUIDといいます。UUID

メモ
  • ホストモードが「05 [OpenVMS]」の場合、ホストモードオプション33をONにするとUUIDの設定がないLUNにはアクセスできなくなります。

  • ホストモードが「05 [OpenVMS]」の場合、ホストモードオプション33をOFFにするとUUIDが設定されているLUNにはアクセスできなくなります。

メモ

LUN Managerで設定したデバイスに関連する定義情報(LUN番号、LDKC:CU:LDEV番号、およびUUIDの定義情報)は、システム構成上必要な情報です。次に示すような対応表を作成することをお勧めします。

Port

LUN

LDKC:CU:LDEV

UUID

OpenVMS device file name

1A

0000

00:00:30

148

$1$dga148

1A

0001

00:00:31

149

$1$dga149

LUN Managerを使用してLUNパスを設定するには「(1) LUN ManagerによるLUパスの設定」を参照してください。