3.19.17 ダンプツールを使用した採取
背景
ダンプファイルは、弊社保守員が障害の解析を行うために使用します。ダンプツールを使用すると、Storage Navigatorの構成情報を採取できます。
次の契機でダンプファイルを採取します。
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Storage Navigator操作のトラブルシューティング
SVPから情報を採取して、弊社保守員にお渡しください。
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ストレージ管理ソフトウェア、およびSVPソフトウェアを削除する前
SVPのシステム情報のダンプ採取をしてください(「3.19.3 ストレージ管理ソフトウェア、およびSVPソフトウェアの削除」を参照)。
ダンプツールは2種類あります。
特別な指示が無い限り、通常ダンプツールを使用して採取してください。
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通常ダンプツール(ファイル名:Dump_Normal.bat):
通常ダンプファイルを取得する場合に使います。通常ダンプファイルには、SVPに関するすべての情報、およびストレージシステムに関する最小限の情報が含まれます。Storage Navigatorの表示に問題があるなど、システムに重大な障害がない場合に使います。
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詳細ダンプツール(ファイル名:Dump_Detail.bat):
詳細ダンプファイルを取得する場合に使います。通常ダンプの内容に加え、ストレージシステムに関するすべての情報が含まれます。Storage Navigatorが起動しなくなった場合やストレージシステムの問題有無を判定する場合に使います。
前提条件
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SVPにログイン済みであること。
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Storage Navigator が起動していること。※
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ほかのユーザがダンプツールを使用中でないこと。
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保守作業が進行中でないこと。
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ほかのストレージシステムのダンプツールが使用中でないこと。
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Storage Navigator のインストールディレクトリがウィルス検出プログラムのリアルタイムウィルススキャン対象から除外されていること。ウィルス検出プログラムの設定については、「(8) ウィルス検出プログラムの使用に関する注意事項」を参照してください。
- 注※
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Storage Navigator の起動に関するトラブルの場合は、Storage Navigator が起動していない状態でダンプツールを使用して SVP に関する情報を採取してください 。
操作手順
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Storage Navigatorで[ファイル]-[すべて更新]を選択し、構成情報を更新します。
- メモ
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構成情報の更新中にエラーが発生する場合がありますが、操作手順2へ進んでください。
構成情報の更新中に発生したエラーを含めたダンプを採取します。
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SVPでWindowsのコマンドプロンプトを管理者権限で起動します。
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カレントディレクトリをツールがインストールされているディレクトリに移動します。
例えば、装置番号が832000400001の場合、ツールがインストールされているディレクトリは、C:\Mapp\wk\832000400001\DKC200\mp\pcです。
この場合、次のように入力します。
cd /d C:\Mapp\wk\832000400001\DKC200\mp\pc
- ヒント
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C:\Mapp:ストレージ管理ソフトウェア、およびSVPソフトウェアのインストールディレクトリを示します。
「C:\Mapp」以外をインストールディレクトリに指定した場合は、「C:\Mapp」を、指定のインストールディレクトリに置き換えてください。
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ダンプファイルの出力先フォルダを指定して、通常ダンプツール(Dump_Normal.bat)または詳細ダンプツール(Dump_Detail.bat)を実行します。
実行例はコマンドプロンプトで「Dump_Detail.bat <出力先ディレクトリ(絶対パス)>」と入力します。
例えば、詳細ダンプツールの実行結果をC:\Result_832000400001に出力する場合、次のように入力します。
Dump_Detail.bat C:\Result_832000400001
- メモ
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コマンドを入力する時にダンプツールのバッチファイルと出力先のディレクトリの間には、半角スペースが必要です。
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ダンプファイル名はhdcp.tgz固定です。ストレージシステムごとにダンプファイルを管理するために、出力先のフォルダ名に装置番号を付けることを推奨します。
(例)装置番号:832000400001
フォルダ名:C:\Result_832000400001
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ネットワークドライブ配下のフォルダは出力先として指定できません。
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ツールの実行中、コマンドプロンプト画面には「Executing…」が表示されます。ツールの実行が完了すると、コマンドプロンプト画面には「zSv_AutoDump.exe is completed.」が表示されます。
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SVPが高負荷になっているなどの要因で、ツールの実行が完了しても「zSv_AutoDump.exe is completed.」が表示されない可能性があります。また、ツールの実行に失敗すると、コマンドプロンプト画面には「zSv_AutoDump.exe is failed.」が表示されます。
20分以上経過しても表示されない場合は、ダンプファイルの出力先にダンプファイルが出力されているか確認してください。
ダンプファイルが出力されている場合は、ファイルの更新日時がダンプツールの実行開始時間から20分経過していることを確認し、操作手順の項番5へ進んでください。
ダンプファイルが出力されていない場合は、コマンドプロンプトを閉じてから、ダンプツールを再実行してください。
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装置の使用状況により、ダンプファイルの容量は最大3GB程度になることがあります。
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ダンプツールを実行すると「zSv_AutoDump.exe is failed.」が表示される場合、Storage Navigatorのインストールディレクトリが、ウィルス検出プログラムの除外対象に設定されていない可能性があります。「(8) ウィルス検出プログラムの使用に関する注意事項」を参照して除外対象に設定してください。
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出力されたダンプファイルを確認します。
次のファイルが格納されています。
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hdcp.tgz:ダンプファイルです。ダンプファイルをSVPのストレージに多数出力するとSVPのストレージの空き容量が不足する可能性があります。ダンプファイルは、SVP以外のストレージに移動してください。
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zSv_AutoDump.log:ダンプツールのログファイルです。ダンプファイルが出力されていない場合、このログファイルを弊社保守員にお渡しください。
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DumpResult.txt:下記に示す項目の採取結果が格納されます。採取が成功した場合は「exist」、採取が失敗した場合は「not exist」と表示されます。
項目
内容
DKC dump
DKCのダンプの採取結果
Dump of GUM of CTRL1
GUM(CTL1)のダンプの採取結果
Dump of GUM of CTRL2
GUM(CTL2)のダンプの採取結果
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コマンドプロンプトを閉じます。
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OSのトラブルによってダンプツールでのダンプ採取が失敗する可能性があります。
ダンプ採取が失敗した場合は、「3.19.18 手動によるダンプファイルの採取」を参照して、ダンプファイルを採取してください。