2.1.7 ストレージシステムのボリュームをサーバに割り当てるための設定
Hitachi Storage Advisor Embeddedを使用する場合、ストレージシステムのボリュームをサーバに割り当てるために、サーバのオブジェクトを作成します。一方、RAID ManagerやStorage Navigatorを使用する場合、ホストグループ/iSCSIターゲットを作成します。
RAID Managerには、ホストグループ/iSCSIターゲットをサーバのオブジェクトに反映させるコマンドが用意されています。
(1) サーバからホストグループ/iSCSIターゲットを管理するための要件
Hitachi Storage Advisor Embeddedが管理しているサーバのオブジェクト(以下、サーバのオブジェクト)から、ホストグループ/iSCSIターゲットを管理するためには、以下の要件を満たす必要があります。
No. |
要件 |
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1 |
1つのサーバのオブジェクトには、ホストグループ、またはiSCSIターゲットのどちらか一方を登録します。Fibre ChannelとiSCSIのHBAの両方が実装されているホストを、サーバのオブジェクトとして管理する場合は、Fibre Channel用のサーバのオブジェクトと、iSCSI用のサーバのオブジェクトを作成してください。(下図の要件1を参照) |
2 |
複数のサーバのオブジェクトに、同じホストグループ/iSCSIターゲットを登録できません。ホストグループ/iSCSIターゲットは、1つのサーバのオブジェクトに登録して管理してください。(下図の要件2を参照) |
3 |
同じサーバのオブジェクトに、同じポートのホストグループ/iSCSIターゲットを登録できません。同じポートに複数のホストグループ/iSCSIターゲットが存在する場合は、それぞれのホストグループ/iSCSIターゲットに対してサーバのオブジェクト作成してください。(下図の要件3を参照) |
4 |
サーバのオブジェクトに登録できるホストのWWN、または、iSCSI Nameは32個までです。それ以上のHBAが実装されているホストを、サーバのオブジェクトとして管理する場合は、1台のホストに対して複数のサーバのオブジェクトを作成してください。 |
5 |
Dynamic Provisioning、Dynamic Tiring、またはactive flash以外のLDEVへのLUパスが存在するホストグループ/iSCSIターゲットは、サーバのオブジェクトに登録できません。(下図の要件5を参照) |
6 |
サーバのオブジェクトに、ホストグループ/iSCSIターゲットを登録する場合は、 LUセキュリティの設定をONにしてください。(下図の要件6を参照) |
7 |
サーバのオブジェクトに、IDが0のホストグループ/iSCSIターゲットを登録できません。IDが0以外のホストグループ/iSCSIターゲットを使用してください。 |
(2) サーバからホストグループ/iSCSIターゲットを管理する場合の運用
サーバのオブジェクトを使用して、ホストグループ/iSCSIターゲットを管理する場合の運用に関する項目を示します。
サーバのオブジェクトに、複数のホストグループ/iSCSIターゲットを登録する場合、そのホストモード及びホストモードオプションを同一に設定することを推奨します。サーバのオブジェクトに登録されたホストグループ/iSCSIターゲットは、raidcom get host_grp -key serverコマンドで確認できます。
raidcom add serverコマンドで作成したサーバのオブジェクトにホストグループ/iSCSIターゲットを登録する場合、最初に登録したホストグループ/iSCSIターゲットの、ホストモード及びホストモードオプションが、サーバのオブジェクトのOSタイプ及びOSタイプオプションに反映されます。次に登録したホストグループ/iSCSIターゲットの、ホストモード及びホストモードオプションが、最初に登録したホストグループ/iSCSIターゲットのホストモード及びホストモードオプションと異なると、サーバのオブジェクトのOSタイプまたは、OSタイプオプションと、ホストグループ/iSCSIターゲットのホストモード及びホストモードオプションとの間に差異が生じるため管理が複雑になります。
サーバのオブジェクトのOSタイプ及びOSタイプオプションと、ホストグループ/iSCSIターゲットのホストモード及びホストモードオプションとの間に設定の差異がある場合の挙動は以下の通りです。
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Hitachi Storage Advisor Embeddedで接続情報を追加すると、サーバのオブジェクトのOSタイプ及びOSタイプオプションと一致するホストグループ及びホストモードオプションが設定されたホストグループ/iSCSIターゲットが、指定したポートに自動的に作成されます。
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Hitachi Storage Advisor EmbeddedでOSタイプまたはOSタイプオプションの設定を変更すると、サーバのオブジェクトに登録されたすべてのホストグループ/iSCSIターゲットに変更内容が反映されます。このためホストグループ/iSCSIターゲット毎に異なるホストモード及びホストモードオプションを設定することはできません。