1.7.12 セカンダリボリュームの障害(DP-VOL)から回復する手順例(ペア状態がPAIRのときに障害が発生した場合)
ペア状態がPAIRのときに、セカンダリボリュームの障害(DP-VOL)によってGADペアが中断した場合の回復手順を次に示します。
障害回復の概要
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障害回復の流れ
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サーバからセカンダリボリュームへの交替パス(論理パス)を削除します。
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交替パスソフトウェアを使用して、サーバからアクセスできないボリュームを特定します。
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サーバからアクセスできないボリューム(セカンダリボリューム)が閉塞していること、およびセカンダリボリュームが関連づけられているプールのプールID(B_POOLID)を確認します。
コマンド例:
raidcom get ldev -ldev_id 0x4444 -IH1 (略) B_POOLID : 0 (略) STS : BLK (略)
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プールを構成するボリューム(プールボリューム)の状態を表示し、閉塞しているボリュームを特定します。
コマンド例:
raidcom get ldev -ldev_list pool -pool_id 0 -IH1 (略) LDEV : 16384 (略) STS : BLK (略)
閉塞しているボリュームは、STSにBLKと表示されます。
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交替パスソフトウェアを使用して、セカンダリボリュームへの交替パスを削除します。
交替パスを削除できない場合も、次の手順へ進みます。
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GADペアを削除します。
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正サイトのストレージシステムから、プライマリボリュームの実LDEV IDを指定して、GADペアを削除します。
コマンド例:pairsplit -g oraHA -S -d dev1 -IH0
- メモ
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プライマリボリュームを指定してペアを削除するには、pairsplitコマンドの-Sオプションを使用します。-dオプションにプライマリボリュームの実LDEV ID(デバイス名)を指定します。
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GADペアが削除されたことを確認します。
コマンド例:
pairdisplay -g oraHA -fxce -IH0 Group PairVol(L/R) (Port#,TID, LU), Seq#, LDEV#.P/S, Status, Fence, %, P-LDEV# M CTG JID AP EM E-Seq# E-LDEV# R/W oraHA dev1(L) (CL1-A-0, 0, 0)411111 2222. SMPL ---- ------, ----- ----- - - - - - - - -/- oraHA dev1(R) (CL1-C-0, 0, 0)422222 4444. SMPL ---- ------, ----- ----- - - - - - - - -/-
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ボリュームの障害を取り除きます。
プールボリュームの障害から回復する手順例:
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セカンダリボリューム(DP-VOL)を構成するプールボリュームを障害から回復します。
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プールボリュームの状態を表示し、プールボリュームが回復したことを確認します。
コマンド例:
raidcom get ldev -ldev_list pool -pool_id 0 -IH1 (略) LDEV : 16384 (略) STS : NML (略)
正常なボリュームは、STSにNMLと表示されます。
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ボリュームを回復できない場合は、次の手順でセカンダリボリュームを再作成します。
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ストレージシステムで、セカンダリボリュームへのLUパスを削除します。
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セカンダリボリュームを削除します。
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新しいボリュームを作成します。
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新しいボリュームへのLUパスを設定します。
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Quorumディスクの状態を確認し、閉塞している場合は回復します。Quorumディスクにボリュームを設定しない場合、Quorumディスクの回復手順は不要です。
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GADペアを再作成します。
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手順4で新しいボリュームを作成した場合は、作成したボリュームの仮想属性にGAD予約を割り当てます。
コマンド例:raidcom map resource -ldev_id 0x4444 -virtual_ldev_id reserve -IH1
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正サイトのストレージシステムから、プライマリボリュームの実LDEV IDを指定して、GADペアを作成します。
コマンド例:paircreate -g oraHA -f never -vl -jq 0 -d dev1 -IH0
- メモ
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プライマリボリュームを指定してペアを作成するには、paircreateコマンドの-dオプションにプライマリボリュームの実LDEV ID(デバイス名)を指定します。
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GADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIR(Mirror(RL))に変わったことを確認します。
コマンド例:
pairdisplay -g oraHA -fxce -IH0 Group PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#, LDEV#.P/S, Status, Fence, %,P-LDEV# M CTG JID AP EM E-Seq# E-LDEV# R/W oraHA dev1(L) (CL1-A-0, 0, 0)411111 2222. P-VOL PAIR NEVER , 100 4444 - - 0 - - - - L/M oraHA dev1(R) (CL1-C-0, 0, 0)422222 4444. S-VOL PAIR NEVER , 100 2222 - - 0 - - - - L/M
pairdisplay -g oraHA -fxce -IH1 Group PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#, LDEV#.P/S, Status, Fence, %,P-LDEV# M CTG JID AP EM E-Seq# E-LDEV# R/W oraHA dev1(L) (CL1-C-0, 0, 0)422222 4444. S-VOL PAIR NEVER , 100 2222 - - 0 - - - - L/M oraHA dev1(R) (CL1-A-0, 0, 0)411111 2222. P-VOL PAIR NEVER , 100 4444 - - 0 - - - - L/M
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交替パスソフトウェアを使用して、サーバからセカンダリボリュームへの交替パスを追加します。
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交替パスソフトウェアを使用して、サーバからセカンダリボリュームへのI/Oを再開します。
自動でサーバからのI/Oが再開されることもあります。